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家族で共有する、快適なホームオフィスの事例集
在宅勤務の仕事スペースや、子どもたちが勉強に打ち込むスタディスペースを、快適な形で共有するには?今回は、家族で共有する6つのホームオフィスをご紹介します。
在宅勤務をするには、家の中に仕事スペースを確保しなければいけません。家族が1つ屋根の下にいながら、それぞれの仕事や勉強に集中するためには、どのような工夫が必要となるのでしょうか?
今回は、家族で共有することを想定してつくられた、6つのホームオフィスをご紹介。それぞれの住まいを担当された専門家の方々に、注意された点やこだわりポイントについてお話を伺いました。
今回は、家族で共有することを想定してつくられた、6つのホームオフィスをご紹介。それぞれの住まいを担当された専門家の方々に、注意された点やこだわりポイントについてお話を伺いました。
“生活”と“仕事”をきっちりゾーニング
ご夫婦で活動している一級建築士事務所アトリエけいが手がけたのは、お二人自らが日頃の業務を行うホームオフィス。
加藤景さんは、「自宅兼事務所の場合、良くも悪くも“生活”と“仕事”の切り分けが難しいので、気持ちの切り替えができる工夫が必要でした」と話します。
「リビング・ダイニングや水まわりなどの“生活ゾーン”は住まいの2階にまとめ、1階は玄関・寝室・アトリエだけにすることで、“生活”と“仕事”をフロアゾーニングにより切り分けています。アトリエの上階はバルコニーにすることで、生活音が直接響かないプランニングにしました」と加藤さん。
ご夫婦で活動している一級建築士事務所アトリエけいが手がけたのは、お二人自らが日頃の業務を行うホームオフィス。
加藤景さんは、「自宅兼事務所の場合、良くも悪くも“生活”と“仕事”の切り分けが難しいので、気持ちの切り替えができる工夫が必要でした」と話します。
「リビング・ダイニングや水まわりなどの“生活ゾーン”は住まいの2階にまとめ、1階は玄関・寝室・アトリエだけにすることで、“生活”と“仕事”をフロアゾーニングにより切り分けています。アトリエの上階はバルコニーにすることで、生活音が直接響かないプランニングにしました」と加藤さん。
さらに、玄関土間から続く仕事ゾーンは土足で使用するため、生活ゾーンに入るには一旦下足に履き替える必要があります。これもまた、生活と仕事の切り替えに作用しているのだそう。
「土間床の場合健康的に冬場の底冷えが問題になるので、土間床暖房を採用しました」と加藤さんは話します。
「床暖房の熱源には、環境と省エネ性に配慮し、化石燃料を使用しないヒートポンプ式温水床暖房を採用しています。土間コンクリート内に埋設した温水パイプの下面には100ミリの断熱材を敷き込み、地中への熱損失を最小限に抑える工夫をしました。室内全体を床面からの輻射熱により温めることができるので、快適に過ごすことができます」
「土間床の場合健康的に冬場の底冷えが問題になるので、土間床暖房を採用しました」と加藤さんは話します。
「床暖房の熱源には、環境と省エネ性に配慮し、化石燃料を使用しないヒートポンプ式温水床暖房を採用しています。土間コンクリート内に埋設した温水パイプの下面には100ミリの断熱材を敷き込み、地中への熱損失を最小限に抑える工夫をしました。室内全体を床面からの輻射熱により温めることができるので、快適に過ごすことができます」
壁も扉もないホームオフィス
カジャデザインが手がけたのは、家族全員で共有できるホームオフィス。オーナーご夫婦の書斎・そしてお子様のスタディスペースとしてつくられています。
郷奈美子さんは、「オーナーご家族はとても仲が良く、家のどこにいても家族との繋がりを感じる空間にしたいと望まれていました。限られた敷地の中で書斎や個人部屋を設けようとすると、どうしてもそれぞれの空間、共有の空間が狭くなってしまい、家族との関わりも減ってしまうのではないかと危惧されていたんです」と話します。
カジャデザインが手がけたのは、家族全員で共有できるホームオフィス。オーナーご夫婦の書斎・そしてお子様のスタディスペースとしてつくられています。
郷奈美子さんは、「オーナーご家族はとても仲が良く、家のどこにいても家族との繋がりを感じる空間にしたいと望まれていました。限られた敷地の中で書斎や個人部屋を設けようとすると、どうしてもそれぞれの空間、共有の空間が狭くなってしまい、家族との関わりも減ってしまうのではないかと危惧されていたんです」と話します。
また、広々とした空間というのも、オーナーの要望のひとつでした。カジャデザインは、開放的で家族とのつながりを感じられる家という要望を受け、ホームオフィスだけでなく、寝室にも扉や壁を設けない大胆な間取りを採用。
「家族との距離感が近いこのご家族だからこそ実現できたプランとも言えます」と郷さんは言います。
壁や間仕切りを設けないかわりに、高低差をつけたり、素材を使い分けることで、それぞれの空間が緩やかにゾーニングされています。
「家族との距離感が近いこのご家族だからこそ実現できたプランとも言えます」と郷さんは言います。
壁や間仕切りを設けないかわりに、高低差をつけたり、素材を使い分けることで、それぞれの空間が緩やかにゾーニングされています。
LDKと緩やかにつながるホームオフィス
株式会社フーセットが手がけたこちらのホームオフィスも、家族全員で共有しているもの。
「リビングに隣接し、クローズの書斎ではなく、緩やかにLDKとのつながりを残した形で設けたい」というオーナーの要望を叶えるため、「LDKと書斎の間はドアではなく、通路は1.2mと広めに取り、かつ残った壁の部分にはガラス窓を入れることで、インテリアのアクセントとしての役割を持ちながら空間を緩やかに区切れるよう意識しました」と中西麻美さんは話します。
「大容量の本棚を設置し、書籍やレコード、お子様の絵本などを収納できるようにしています。書斎、間仕切りのガラス窓の下にはキッズコーナーがありますが、リビング側からは見えないようになっています」
株式会社フーセットが手がけたこちらのホームオフィスも、家族全員で共有しているもの。
「リビングに隣接し、クローズの書斎ではなく、緩やかにLDKとのつながりを残した形で設けたい」というオーナーの要望を叶えるため、「LDKと書斎の間はドアではなく、通路は1.2mと広めに取り、かつ残った壁の部分にはガラス窓を入れることで、インテリアのアクセントとしての役割を持ちながら空間を緩やかに区切れるよう意識しました」と中西麻美さんは話します。
「大容量の本棚を設置し、書籍やレコード、お子様の絵本などを収納できるようにしています。書斎、間仕切りのガラス窓の下にはキッズコーナーがありますが、リビング側からは見えないようになっています」
小上がりの床をカウンターデスクに
こちらは、ステューディオ2アーキテクツが手がけたホームオフィス。経営コンサルを営むオーナーご夫婦の事務所兼住まいにつくられたものです。
当初オーナーからは、リビングに併設した、子どもたちの勉強を見ながら仕事ができるようなスペースが欲しいという要望があったそう。
二宮博さんは、「70センチの小上がりの床にして、床の一部をかきとってワークカウンターとしました。その足元には、広大な床下収納が設けられていて、仕事の備品から子供のおもちゃまでたくさんの物を収納することができます。物で散らかっていたとしても、床下に隠れるためDKからは見えません」と話します。
こちらは、ステューディオ2アーキテクツが手がけたホームオフィス。経営コンサルを営むオーナーご夫婦の事務所兼住まいにつくられたものです。
当初オーナーからは、リビングに併設した、子どもたちの勉強を見ながら仕事ができるようなスペースが欲しいという要望があったそう。
二宮博さんは、「70センチの小上がりの床にして、床の一部をかきとってワークカウンターとしました。その足元には、広大な床下収納が設けられていて、仕事の備品から子供のおもちゃまでたくさんの物を収納することができます。物で散らかっていたとしても、床下に隠れるためDKからは見えません」と話します。
「リビングの間取りを決めて、家具を置き、収納をつくる、という順番でつくるのをやめて、床も机もベンチも窓も棚も階段もはしごもロフトもテラスも、全てバラバラの部品とみなしています」と二宮さん。
「それらを等価に3次元で組み合わせることで、ひとつのスペースに、多様な場や新しい用途を生み出すことができると思います」
「それらを等価に3次元で組み合わせることで、ひとつのスペースに、多様な場や新しい用途を生み出すことができると思います」
子どもとのコミュニケーションが取りやすいホームオフィス
こちらのホームオフィスは、アーキレーベルが手がけたもの。親子がコミュニケーションを取りながら学習できるスペースとしてつくられています。
“ホームオフィスをリビングなどのオープンスペースに設けたい”、“家事をしながら子どもの勉強を見られるような導線が欲しい”というオーナーの要望に対し、鈴木巌さんは、「親御さんがパソコンを使う傍らでお子さんが学習できるような、L字型のカウンタースペースを提案しました」と話します。
こちらのホームオフィスは、アーキレーベルが手がけたもの。親子がコミュニケーションを取りながら学習できるスペースとしてつくられています。
“ホームオフィスをリビングなどのオープンスペースに設けたい”、“家事をしながら子どもの勉強を見られるような導線が欲しい”というオーナーの要望に対し、鈴木巌さんは、「親御さんがパソコンを使う傍らでお子さんが学習できるような、L字型のカウンタースペースを提案しました」と話します。
「オープンな場所でのスタディコーナーを希望されていたので、カウンタースペースを家族の集まるリビングに隣接させました。また、上部を吹き抜けにすることで2階とのつながりにも配慮し、開放的な空間としました」と鈴木さん。
L字型のカウンターの奥には、奥様のカウンターと本棚を配置。
キッチンからアクセスできるようになっているため、家事をしながら子どもの様子を確認することもできます。
L字型のカウンターの奥には、奥様のカウンターと本棚を配置。
キッチンからアクセスできるようになっているため、家事をしながら子どもの様子を確認することもできます。
「カウンター前の本棚は、スペースを区切る間仕切りとしての機能もあり、反対側のスペースからも本棚や飾り棚として使えるよう、一部をオープンな棚の仕様にしてあります」と鈴木さん。
「カウンター脇の壁には、お子さんの時間割やお知らせなどのプリントを貼れるようなマグネットシートを埋め込みました」
専門家を探す
「カウンター脇の壁には、お子さんの時間割やお知らせなどのプリントを貼れるようなマグネットシートを埋め込みました」
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室内窓で仕切られた明るいホームオフィス
最後にご紹介するのは、株式会社REGARDが手がけた、家族共有のホームオフィスです。
当初、オーナーからは、ゆくゆくは子どもの自習室として活用できるスペースにしたいという要望があったそう。担当された戸田悟史さんは、「スタディスペースは子供がテレビが見えると気になってしまうので、座ると目線が隠せる高さまでの腰壁にしました」と話します。
最後にご紹介するのは、株式会社REGARDが手がけた、家族共有のホームオフィスです。
当初、オーナーからは、ゆくゆくは子どもの自習室として活用できるスペースにしたいという要望があったそう。担当された戸田悟史さんは、「スタディスペースは子供がテレビが見えると気になってしまうので、座ると目線が隠せる高さまでの腰壁にしました」と話します。
ホームオフィスはリビングとキッチンに囲まれるように配置され、リビングからは中の様子が見えないようになっていますが、左右に動線が設計されているため、リビングでくつろぐ家族の声や気配を感じることができます。
また、間仕切りに室内窓を採用することでリビングからの光がしっかりと届き、明るいホームオフィスが実現しています。
書斎・仕事部屋の記事をもっと読む
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