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工夫を凝らしたアイデアで新鮮に。パリの33㎡をリノベーション
モノトーンで作った視覚的なコントラストやレイアウト調整で、古かった部屋が機能的に変身。ヘッドボードを使ったワークスペースにも注目です。

Elen Pouhaer
2020年7月10日
フランスのパリ市内。レンガ造りの建物の最上階にあたる4階の33平方メートルの部屋からは、遮るものなく、エッフェル塔の眺めが楽しめます。オーナーは郊外に住んでおり、市内のいくつかのアパートを貸し出しています。15年もの間改装されることのなかったこの2部屋続きの物件を、夫婦は成人した娘のためにリノベーションすることを決めました。
ラゴーム・アーキテクツ(Lagom Architects)のデボラとアヴィノアム・ベッタンに改修とレイアウトの改善を依頼し、アパートは現代的で明るい空間に生まれかわりました。機能性と快適さを重視した洗練されたデザインでありながら、そのコントラストをきかせた色使いにも工夫が凝らされています。
ラゴーム・アーキテクツ(Lagom Architects)のデボラとアヴィノアム・ベッタンに改修とレイアウトの改善を依頼し、アパートは現代的で明るい空間に生まれかわりました。機能性と快適さを重視した洗練されたデザインでありながら、そのコントラストをきかせた色使いにも工夫が凝らされています。
どんなHouzz?
住まい手:22歳の女性
所在地:フランス、パリ15区
面積:33平方メートル
施工期間:3ヶ月
費用:38,000 ユーロ(約460万円)
設計:ラゴーム・アーキテクツ
【ビフォー】
写真の左手にあるドアは、以前は寝室に通じていました。キッチンの後ろにはバスルームとトイレがあり、これらはりのーベーションで統合されました。
アパートのレイアウトは改善が必要でした。元々のキッチンは大きすぎて、そのぶんリビングルームが狭くなっていたのです。
「空間構成を完全には変更しませんでしたが、すべての間仕切り壁は取り除きました。寝室は最小限に抑え、リビングエリアを広く取りました」とデザイナーはいいます。
住まい手:22歳の女性
所在地:フランス、パリ15区
面積:33平方メートル
施工期間:3ヶ月
費用:38,000 ユーロ(約460万円)
設計:ラゴーム・アーキテクツ
【ビフォー】
写真の左手にあるドアは、以前は寝室に通じていました。キッチンの後ろにはバスルームとトイレがあり、これらはりのーベーションで統合されました。
アパートのレイアウトは改善が必要でした。元々のキッチンは大きすぎて、そのぶんリビングルームが狭くなっていたのです。
「空間構成を完全には変更しませんでしたが、すべての間仕切り壁は取り除きました。寝室は最小限に抑え、リビングエリアを広く取りました」とデザイナーはいいます。
【アフター】
このアパート独特の魅力と歴史感を維持するために、床とすべてのモールディングはそのままとしました。エントランスホールのゾーンを明確にし、キッチンとはっきりとしたコントラストを作り出すために、オーナーはエントランスの壁、MDF製家具、折り下げ天井をすべて黒色にしました。
「当初、キッチンは奥の壁ぎわのみに配置しようと計画していました。いま冷蔵庫、固定テーブル、トースターを収納する低い食器棚などがある場所まで回り込ませるつもりはなかったのです」とベッタン。
この変更により、キッチンと玄関を視覚的に分けることができました。同様に、「この構成により、ゲストに座ってもらいながら、おいしい料理を作れるような広いキッチンエリアが生まれたのです」
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このアパート独特の魅力と歴史感を維持するために、床とすべてのモールディングはそのままとしました。エントランスホールのゾーンを明確にし、キッチンとはっきりとしたコントラストを作り出すために、オーナーはエントランスの壁、MDF製家具、折り下げ天井をすべて黒色にしました。
「当初、キッチンは奥の壁ぎわのみに配置しようと計画していました。いま冷蔵庫、固定テーブル、トースターを収納する低い食器棚などがある場所まで回り込ませるつもりはなかったのです」とベッタン。
この変更により、キッチンと玄関を視覚的に分けることができました。同様に、「この構成により、ゲストに座ってもらいながら、おいしい料理を作れるような広いキッチンエリアが生まれたのです」
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【ビフォー】
元のバーカウンターは部屋を半分に区切り、リビングルームのサイズを大幅に縮小していました。
元のバーカウンターは部屋を半分に区切り、リビングルームのサイズを大幅に縮小していました。
【アフター】
オーナーは、現代的なスタイルと、コントラストを際立たせる控えめなグレースケールパレットを選択しました。例えば、キッチンの奥にある壁は、黒、白、そしてわずかなグレーが特徴です。この配色は、アパート全体に取り入れられています。
オーナーは、現代的なスタイルと、コントラストを際立たせる控えめなグレースケールパレットを選択しました。例えば、キッチンの奥にある壁は、黒、白、そしてわずかなグレーが特徴です。この配色は、アパート全体に取り入れられています。
「キッチンを引き立てるために、オーク突板のフレームをデザインしました。それが黒の粉体塗装を施したメタル支柱を備えた本棚へと変化します」とデザイナーは説明します。この構造は、すっきりと空間の中心的な装飾要素になっています。
この壁全体を覆う多機能シェルフユニットを起点に、部屋全体のレイアウトが構成されました。リビングルームの固定テーブル、棚、ベンチは、シェルフユニットにあわせて設計されています。
ベッタンいわく、「本来はカーテンロッドですが、(本棚の支柱として)新しい役割を与えました。この軽量のサポートシステムは、狭い場所にぴったり収まって、視覚的におもしろいリズムを(空間に)もたらします」
玄関にあった古い室内窓はリビングルームと寝室の間の壁に移設しました。
【ビフォー】
以前約11平方メートルあった寝室は、約8.5平方メートルに縮小されました。「完全に何もないスペースから考え始めて、当初はボックス内に寝室を収めることを考えていました。しかし、若い女性であるオーナーは独立した寝室をのぞみました。そのため、間仕切り壁をずらして室内窓を作り、外部に面した2つの窓を眺められるようにしました」とベッタン。
以前約11平方メートルあった寝室は、約8.5平方メートルに縮小されました。「完全に何もないスペースから考え始めて、当初はボックス内に寝室を収めることを考えていました。しかし、若い女性であるオーナーは独立した寝室をのぞみました。そのため、間仕切り壁をずらして室内窓を作り、外部に面した2つの窓を眺められるようにしました」とベッタン。
【アフター】
壁紙は、室内窓を通してリビングルームからも覗くことができます。この技はアパートに独特の趣きを与え、また森の風景が、狭い部屋に奥行き感を生み出します。
ベッドの後ろには、床から天井までの大きなクローゼットが備わっています。黒いMDFファサードは、玄関ホールの内装と呼応しています。
壁紙は、室内窓を通してリビングルームからも覗くことができます。この技はアパートに独特の趣きを与え、また森の風景が、狭い部屋に奥行き感を生み出します。
ベッドの後ろには、床から天井までの大きなクローゼットが備わっています。黒いMDFファサードは、玄関ホールの内装と呼応しています。
オーナーは時々在宅勤務しており、机が必要でした。デザイナーは、収納と照明を備えた机の機能を兼ねたオーク突板のヘッドボードを取り入れました。
【ビフォー】
写真は古いバスルームです。左手にはトイレのドアが見えます。温水暖房はトイレとバスルームの間にありました。スペースを節約するために、より小さくて同等に強力なモデルに置き換えられました。
写真は古いバスルームです。左手にはトイレのドアが見えます。温水暖房はトイレとバスルームの間にありました。スペースを節約するために、より小さくて同等に強力なモデルに置き換えられました。
バスルームでは、観音開きの窓が内部フレームのない窓に置き換えられ、より多くの光を取り入れられるようになりました。
【アフター】
6.15平方メートルのバスルームには、シャワー、洗面台、トイレ、洗濯エリアがあります。
このミニマリスト的なバスルームは、完全に白黒で装飾されています。黒いモザイクを施したシャワーは、白い大理石調タイルと白い樹脂製の化粧台と対比をなしています。黒い柱はヴァルクロマット社(Valchromat)の木材繊維パネルでできており、洗濯機、乾燥機、温水暖房が納められています。
すべて40㎡以下。パリにある5つのおしゃれなリノベーション
6.15平方メートルのバスルームには、シャワー、洗面台、トイレ、洗濯エリアがあります。
このミニマリスト的なバスルームは、完全に白黒で装飾されています。黒いモザイクを施したシャワーは、白い大理石調タイルと白い樹脂製の化粧台と対比をなしています。黒い柱はヴァルクロマット社(Valchromat)の木材繊維パネルでできており、洗濯機、乾燥機、温水暖房が納められています。
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