コメント
起伏をつくると庭が見違える!美しい“景色”を生み出すポイント
植物を植える前に考えたい、庭を立体的にする起伏(アンジュレーション)。取り入れてみると、小さなガーデンにも自然の散策路のような雰囲気がつくれます。

色々と植木や草花を植えたのに、なぜだか単調に見える庭。植物が盛りだくさんではないのに見ごたえのある庭。もしかすると地面の起伏(アンジュレーション)に秘密があるかもしれません。植物を植える前段階である庭の地形づくりが、庭の景色を大きく変えます。アンジュレーションが美しい庭の事例を見ながら、庭の地形づくりのポイントをご紹介します。
自然の景色をつくる
雑木風の庭では里山の自然の景色を庭の中に造ります。庭にアンジュレーションをつけると、庭の中に尾根や谷など自然の風景を見立てられます。庭に地形が出来ると、空間に意味が生まれ、どんな大きさの植物をどうやって植えようか、どこに石を据えようか、ということがおのずと決まっていきます。
雑木風の庭では里山の自然の景色を庭の中に造ります。庭にアンジュレーションをつけると、庭の中に尾根や谷など自然の風景を見立てられます。庭に地形が出来ると、空間に意味が生まれ、どんな大きさの植物をどうやって植えようか、どこに石を据えようか、ということがおのずと決まっていきます。
自然のミニチュアを造ることが目的ではなく、その庭に合う景色をつくることが目的なので、見立てにとらわれすぎる必要はありませんが、やはり自然をお手本にすると見ていて気持ちの良い景色がつくれます。谷になる部分には砂利や石を使うと、山間の川のように美しいラインが庭に現れます。人の通り道にもなるので、使い勝手も良くなります。
小さなアンジュレーション
小さな庭や少しのスペースでもアンジュレーションは作れます。狭い場所ならば、20センチ程度の高さのアンジュレーションでも十分効果を発揮します。生活に必要な飛び石はアンジュレーションの合間を縫うように打つと、奥行きが生まれ小さな庭でも散策をしているように感じられます。
小さな庭や少しのスペースでもアンジュレーションは作れます。狭い場所ならば、20センチ程度の高さのアンジュレーションでも十分効果を発揮します。生活に必要な飛び石はアンジュレーションの合間を縫うように打つと、奥行きが生まれ小さな庭でも散策をしているように感じられます。
景色を作り込む
庭全体にアンジュレーションを作るのではなく、庭の主役となる景色を築山を使って作り上げた事例です。富士山麓の自然を再現した庭ということで、火山の荒々しさが表現されています。平坦なだけでは決して作れない見ごたえのある景色です。
このように葉が落ちて植物が寂しげになる時期でも、アンジュレーションがあることで物足りなさを感じさせません。
庭全体にアンジュレーションを作るのではなく、庭の主役となる景色を築山を使って作り上げた事例です。富士山麓の自然を再現した庭ということで、火山の荒々しさが表現されています。平坦なだけでは決して作れない見ごたえのある景色です。
このように葉が落ちて植物が寂しげになる時期でも、アンジュレーションがあることで物足りなさを感じさせません。
洋風の庭
和風の事例がばかりでしたが、洋風の庭にもアンジュレーションをつけることで、空間に広がりが生まれます。洋風の庭の場合は、のびのびとした印象を大事にすることがポイントです。入り組んだアンジュレーションよりも、大きなアンジュレーションを造りましょう。洋風の庭には芝生を組み合わせるのがおすすめ。イングリッシュガーデンとも相性が良いです。
和風の事例がばかりでしたが、洋風の庭にもアンジュレーションをつけることで、空間に広がりが生まれます。洋風の庭の場合は、のびのびとした印象を大事にすることがポイントです。入り組んだアンジュレーションよりも、大きなアンジュレーションを造りましょう。洋風の庭には芝生を組み合わせるのがおすすめ。イングリッシュガーデンとも相性が良いです。
雑木+芝生
株立ちの雑木風の植木にも芝生がよく合います。アンジュレーションをつけた部分に苔を張ったものより、明るく開けた印象になり、和風洋風に寄りすぎず、どんな建物にも合います。草花はたくさん植えすぎず、ポイントになる場所だけに植えこむと、すっきりとしてアンジュレーションの美しさが際立ちます。
株立ちの雑木風の植木にも芝生がよく合います。アンジュレーションをつけた部分に苔を張ったものより、明るく開けた印象になり、和風洋風に寄りすぎず、どんな建物にも合います。草花はたくさん植えすぎず、ポイントになる場所だけに植えこむと、すっきりとしてアンジュレーションの美しさが際立ちます。
ロックガーデン
高低差が大きくある場合、法面を利用したロックガーデンが造れます。ロックガーデンは石を土留めとしながら、その間に植物を植えていきます。自然の山をイメージしながら植物を植えていきましょう。高低差が大きくあると、上部の土は乾燥しやすく、下部は湿りやすくなりますので、植物の種類も乾燥に強いもの・弱いもので植える場所を決めましょう。
高低差が大きくある場合、法面を利用したロックガーデンが造れます。ロックガーデンは石を土留めとしながら、その間に植物を植えていきます。自然の山をイメージしながら植物を植えていきましょう。高低差が大きくあると、上部の土は乾燥しやすく、下部は湿りやすくなりますので、植物の種類も乾燥に強いもの・弱いもので植える場所を決めましょう。
階段や石と組み合わせて
アンジュレーションをつける際、道路やアプローチに土が流れてしまうことがあります。そういった心配がある場合は、階段や石組みを土留めとして使い、土が流れないようにしましょう。自然風な庭では枕木や丸太もよく合います。絶対に土が流れて欲しくない場所では、石積みやレンガ積みを土留めとして使えばより安心です。
アンジュレーションをつける際、道路やアプローチに土が流れてしまうことがあります。そういった心配がある場合は、階段や石組みを土留めとして使い、土が流れないようにしましょう。自然風な庭では枕木や丸太もよく合います。絶対に土が流れて欲しくない場所では、石積みやレンガ積みを土留めとして使えばより安心です。
注意点
すでに植栽がある庭にアンジュレーションをつけようと、土を植木の足元に盛ってしまうのはNGです。樹木の根は呼吸しており、盛土によって根が深くなりすぎると酸欠になり弱ってしまいます。もしすでにある庭に改めてアンジュレーションをつける場合は、植木に影響の無い場所にするか、大変ですが植木を植えなおすようにしましょう。
すでに植栽がある庭にアンジュレーションをつけようと、土を植木の足元に盛ってしまうのはNGです。樹木の根は呼吸しており、盛土によって根が深くなりすぎると酸欠になり弱ってしまいます。もしすでにある庭に改めてアンジュレーションをつける場合は、植木に影響の無い場所にするか、大変ですが植木を植えなおすようにしましょう。
平面的な図面を見ていると、忘れてしまいがちな庭の高低差ですが、庭の印象が大きく変わる部分でもあります。庭をより立体的に、見ごたえのあるものにするアンジュレーションをぜひ取り入れてみてください。
おすすめの記事
名作デザイン
カンディンスキーの絵画から着想した、円形のモダニズム庭園
ランドスケープアーキテクトであるロバート・ロイストンが最後に遺した庭が今年、公開されました。円が描かれた絵画からインスピレーションを得たそのデザインをご覧ください。
続きを読む
家づくりのヒント
バルコニーとベランダ。テラスとパティオ。その違いとは?
文/安井俊夫
ベランダとバルコニー、テラスにパティオ。何気なく使っている名称ですが、意味を間違って思えていませんか?それぞれの意味するところを、あらためてご説明します。
続きを読む
家づくりのヒント
屋上庭園のある豊かな暮らし。実現したいなら知っておきたいこと
文/安井俊夫
「狭小地に建つ住宅だけど、屋上に畑を作って野菜を育てたい!」そんな希望も今では工夫次第で叶うようになりました。屋上庭園のメリットや、費用の面で踏まえておきたいことなどについて考えてみましょう。
続きを読む
庭づくり・植物
庭の豊かさをオンライン発信。チェルシーフラワーショー2020のトレンド
今年開かれたバーチャルなチェルシーフラワーショーは、自然と私たちのつながりの重要性を再認識させてくれたイベントでした。
続きを読む