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Houzzでみつけた「光の魔術師」インゴ・マウラーの作品たち
「私が残すべきものは照明でも光でもない。一つの美しい感情のみである」(インゴ・マウラー 1932-2019)

Thomas Helbing
2019年12月25日
2019年、87歳でこの世を去った世界的ドイツ人照明デザイナー、インゴ・マウラー。彼の生み出した照明はどれも革新的で遊び心があり、先鋭的でした。Houzzで紹介してきた多くのインテリアの事例写真の中で存在感を放つ、マウラーの作品の数々を見ていきましょう。
インゴ・マウラー 天使の羽がついたランプ 『ルーチェリーノ』と共に
マウラーは、もっともシンプルな照明の形である「電球」に着目しました。彼は電球にミッキーマウスの耳や天使の羽をつけ、蝶々を電球のまわりにひらひらとはためかせ、ワイヤーを使って宙に浮遊させました。
インゴ・マウラーの魔術にかかれば、ランプ(照明器具)と光(ランプを取り囲む構成)の間にある、繊細な違いが溶けあっていくような錯覚に陥ります。
マウラーによるインスピレーションの源は、彼が光のオブジェとして造形したゴム手袋・スープ缶・ハンガーなどの日用品、日本の和紙を使ったランプなどが挙げられます。また、デザインと同様に、作品名も型破りなものでした。例えば『エジソン、どこにいるの…?』や『禿げ頭』などがあります。
あるインタビューでインゴ・マウラーはこう答えました。「人々の感情を呼び起こすことができた時に、私たちは成功したと言えるのです。人々が暗い表情を浮かべながらひっそりと私たちのほうへ向かってきて、作品を見たら笑い出す、ということが見本市で頻繁に起っているのを見ています。この、人々の喜びの表情こそが、私を幸せにするのです」
そんな光の魔術師による幸福な作品の数々を、Houzzで探していきましょう。
マウラーは、もっともシンプルな照明の形である「電球」に着目しました。彼は電球にミッキーマウスの耳や天使の羽をつけ、蝶々を電球のまわりにひらひらとはためかせ、ワイヤーを使って宙に浮遊させました。
インゴ・マウラーの魔術にかかれば、ランプ(照明器具)と光(ランプを取り囲む構成)の間にある、繊細な違いが溶けあっていくような錯覚に陥ります。
マウラーによるインスピレーションの源は、彼が光のオブジェとして造形したゴム手袋・スープ缶・ハンガーなどの日用品、日本の和紙を使ったランプなどが挙げられます。また、デザインと同様に、作品名も型破りなものでした。例えば『エジソン、どこにいるの…?』や『禿げ頭』などがあります。
あるインタビューでインゴ・マウラーはこう答えました。「人々の感情を呼び起こすことができた時に、私たちは成功したと言えるのです。人々が暗い表情を浮かべながらひっそりと私たちのほうへ向かってきて、作品を見たら笑い出す、ということが見本市で頻繁に起っているのを見ています。この、人々の喜びの表情こそが、私を幸せにするのです」
そんな光の魔術師による幸福な作品の数々を、Houzzで探していきましょう。
ペンダントライト『バーディー』(2002年)。モーフ・インテリアデザイン設計による、ロンドンのとある住宅にて。
テーブルランプ『イ リッチ ポベリ トト』(2014年)。
ペンダントライト『フローテーション』(1980年)。素材は和紙。
ペンダントライト『ツェッツル』(1997年)には、数多くのバリエーションがあります。所有者が自分のツェッツル(メモ)や思い出の品を使い、自由な形を作れるようになっているのです。
現代の名作デザイン:インゴ・マウラーの照明
現代の名作デザイン:インゴ・マウラーの照明
キャンベルのトマトスープの缶は、これまでにもアンディ・ウォーホルなどのアーティストにインスピレーションを与えてきました。
デザイナーのクリストフ・マティアス&ハーゲン・チェコは、2003年、インゴ・マウラーのために『カンドライト』を制作しました。
デザイナーのクリストフ・マティアス&ハーゲン・チェコは、2003年、インゴ・マウラーのために『カンドライト』を制作しました。
『カンパリ ライト』(2002年)は、カンパリソーダの瓶にインスピレーションを受けて、ラファエル・セレンターノがインゴ・マウラーのためにデザインした作品。
光のオブジェ『コミック・エクスプローション』(2002年)。サンフランシスコのあるダイニングルームにて。
インゴ・マウラーの本来の職業は植字工とグラフィックデザイナーでしたが、1966年に製作された彼の処女作『バルブ』をきっかけに、デザインの世界で知られるようになりました。
2005年、デザイナーのアクセル・シュミットがインゴ・マウラーのためにペンダントライト『24カラット ブルー』をデザインしました。名前の通り、外から見ると、金箔を塗ったシェード板が青く光彩を放つ仕組みになっています。
天蓋のように頭上に浮かぶ『リル ラグジュアリー』(2009年)
ペンダントライト 『ポルカ ミゼーリア!』は、オーダーが入ったときのみ、割れた陶器の破片を素材として製作されていました。
この写真では、サンフランシスコにあるショールームを、ペンダントライトが高級感あふれる雰囲気へ導いています。
この写真では、サンフランシスコにあるショールームを、ペンダントライトが高級感あふれる雰囲気へ導いています。
インゴ・マウラーとダグマー・モンバッハによる共同制作で完成したスタンドランプ 『ウートゥンブー1』(1998)。
ドイツ・ブレーメンにあるゲスト用トイレでは、LEDキャンドルライト『ワン ニュー フレーム』の灯りがゆれています。
このランプは、インゴ・マウラーが、デザイナーのモリッツ・バルデマイヤーと共同制作した作品です。
このランプは、インゴ・マウラーが、デザイナーのモリッツ・バルデマイヤーと共同制作した作品です。
このバスルームの天井にかけられた『ラクリメ デル ペルカトーレ』では、ナイロンのネットとクリスタルの素材に光が当てられています。
蛇が怖い人は『アリズ・ F・クーパー』を部屋に飾ることはできないでしょうね。
バンクーバーのリビングルームにある、折り紙のようなペンダントライト『オウメイマ』(1993年)。
ニューヨークのある浴室に設置されたペンダントライト『ジョニー ビー バタフライ』(2011年)。間違っても羽を燃やさないように!
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