猫と暮らす住まいづくりで、押さえておきたい基本のポイント
愛する猫にとっても快適な住まいを実現するためには、どのようなことに気をつければいいのでしょう?猫と暮らす住まいづくりに詳しい、4人の専門家にお話を伺いました。
愛猫家の人々にとって、猫はもはや単なるペットではなく、かけがえのない家族であり、パートナーでもあることでしょう。そんな大切な猫たちと暮らす住まいを、猫にとっても楽しくて快適な場所にしたいと思いませんか?
今回は、猫と暮らす家を手がけた経験を持つ、4人の専門家にインタビュー。住まいづくりに活用できるアイデアや、注意すべきポイントをうかがいました。
今回は、猫と暮らす家を手がけた経験を持つ、4人の専門家にインタビュー。住まいづくりに活用できるアイデアや、注意すべきポイントをうかがいました。
「人間の暮らしのために猫の本能や性質などに伴う行動を抑制するのではなく、人間もそれを楽しみ、お互いに心地よく暮らせる空間を作りましょう」と語るのは、猫と建築社の中村裕実子さん。
人は皆それぞれのライフスタイルに合った住まいに暮らしていますが、猫たちのライフスタイルに寄り添って考えてみることも大切です。まずは、猫の持つ性質について見ていきましょう。
人は皆それぞれのライフスタイルに合った住まいに暮らしていますが、猫たちのライフスタイルに寄り添って考えてみることも大切です。まずは、猫の持つ性質について見ていきましょう。
猫の性質①窓が大好き!
車や人々が行き交う様子を眺めたり、鳥や虫が羽ばたく姿を観察したり…。好奇心旺盛な猫たちは、窓から外の世界を見るのが大好きです。また、窓から注ぐ光を浴びながら、日向ぼっこを楽しむのも猫たちの欠かせないライフワーク。
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車や人々が行き交う様子を眺めたり、鳥や虫が羽ばたく姿を観察したり…。好奇心旺盛な猫たちは、窓から外の世界を見るのが大好きです。また、窓から注ぐ光を浴びながら、日向ぼっこを楽しむのも猫たちの欠かせないライフワーク。
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たとえばリノベーションの場合、もともと窓の少ない住まいに、新たに窓を増やすことは難しいでしょう。今ある窓を最大限活用し、猫たちも使いやすいアイデアを見つけなくてはなりません。
中村さんは、「窓から存分に外を眺められるよう、キャットウォークやキャットタワーを窓のそばに設置するような工夫をしてあげてください」とアドバイスします。
キャットウォークの写真をもっと見る
中村さんは、「窓から存分に外を眺められるよう、キャットウォークやキャットタワーを窓のそばに設置するような工夫をしてあげてください」とアドバイスします。
キャットウォークの写真をもっと見る
猫の性質②高いところが大好き!
猫たちは高いところにのぼって、部屋の中を見渡すのも大好き。これは、見晴らしのよい場所から敵の様子をうかがったり、獲物の姿を捕らえたりしていた、野生時代の名残りなのだそう。
「基本的に高い位置のキャットウォークなどは、ほとんどの猫が使ってくれると思います」と話すのは、ショセット建築設計室の伊藤康行さん。猫の好みに合わせて、本棚やキャビネットなどを猫が楽しめる部分に変身させるもアイデアのひとつです。
猫たちは高いところにのぼって、部屋の中を見渡すのも大好き。これは、見晴らしのよい場所から敵の様子をうかがったり、獲物の姿を捕らえたりしていた、野生時代の名残りなのだそう。
「基本的に高い位置のキャットウォークなどは、ほとんどの猫が使ってくれると思います」と話すのは、ショセット建築設計室の伊藤康行さん。猫の好みに合わせて、本棚やキャビネットなどを猫が楽しめる部分に変身させるもアイデアのひとつです。
一方で、掃除の手間によって人間がストレスを抱えるようになっては意味がないと、伊藤さんは指摘します。伊藤さんは、キャットウォークなどを設けるとしても、人間が掃除することを想定し、手の届く範囲に設置することを勧めます。
「室内の形状が複雑になるほど、お掃除をする部分も増えていきますので、人も猫もストレスを抱えることのない空間を目指しましょう」
「室内の形状が複雑になるほど、お掃除をする部分も増えていきますので、人も猫もストレスを抱えることのない空間を目指しましょう」
猫の性質③狭いところに入りたい!
猫好きの方ならご存知のとおり、猫たちは隙あらば狭い場所に入り込もうとします。ランドリーバスケットや空ダンボール、クロゼットや棚のすき間など、「苦しくないの?」と心配になるようなミニマルなスペースが大好きなんです。
その理由も、実は野生時代の名残から。自分の身体でいっぱいになってしまうような場所には敵が入り込む隙がないため、猫たちは安心してくつろぐことができます。
クロゼットのすき間に入り込んだ猫に服を毛まみれにされる前に、あらかじめ猫のためのスペースを作っておくのも手かもしれません。
猫好きの方ならご存知のとおり、猫たちは隙あらば狭い場所に入り込もうとします。ランドリーバスケットや空ダンボール、クロゼットや棚のすき間など、「苦しくないの?」と心配になるようなミニマルなスペースが大好きなんです。
その理由も、実は野生時代の名残から。自分の身体でいっぱいになってしまうような場所には敵が入り込む隙がないため、猫たちは安心してくつろぐことができます。
クロゼットのすき間に入り込んだ猫に服を毛まみれにされる前に、あらかじめ猫のためのスペースを作っておくのも手かもしれません。
それぞれの猫の性格に寄り添う
「猫にも性格があり、好きなこと、好きな場所などはそれぞれのお宅の子によって異なります」と話すのは、ポライトデザインオフィスの大橋洋介さん。
大橋さんは、打ち合わせの段階から施主の方の住まいを訪問し、その家の猫の行動を観察しておくのだそう。
「猫にも性格があり、好きなこと、好きな場所などはそれぞれのお宅の子によって異なります」と話すのは、ポライトデザインオフィスの大橋洋介さん。
大橋さんは、打ち合わせの段階から施主の方の住まいを訪問し、その家の猫の行動を観察しておくのだそう。
たとえば、部屋から部屋への出入りに便利だろうと飼い主が猫ドアを設置しても、喜んで使う猫もいれば、嫌がって使わない猫もいます。
「結局無駄になってしまった…」と落胆せず、警戒心が強く、来客時には隠れてしまう子には“こもり”スペースをつくる、元気いっぱいな子には、走りやすい導線をつくってあげるなど、一匹一匹の性格に寄り添った家づくりを計画しましょう。
「結局無駄になってしまった…」と落胆せず、警戒心が強く、来客時には隠れてしまう子には“こもり”スペースをつくる、元気いっぱいな子には、走りやすい導線をつくってあげるなど、一匹一匹の性格に寄り添った家づくりを計画しましょう。
多頭飼いの住まいで注意すべきポイント
猫はテリトリー意識が非常に高い動物です。複数の猫が暮らす住まいには、より一匹一匹への配慮が必要になるでしょう。住まいの広さによっては、ある程度頭数を制限することも意識しなければなりません。
「たとえ仲がよくても、出来るだけそれぞれが自分のテリトリーを持ち、一匹でゆったり過ごせるような空間づくりが大切です」と話すのは、中村さん。「とにかく、猫が居心地良いと感じる場所をたくさん用意してあげること。そうすれば、自然とそれぞれがお気に入りのスペースを見つけます」
猫はテリトリー意識が非常に高い動物です。複数の猫が暮らす住まいには、より一匹一匹への配慮が必要になるでしょう。住まいの広さによっては、ある程度頭数を制限することも意識しなければなりません。
「たとえ仲がよくても、出来るだけそれぞれが自分のテリトリーを持ち、一匹でゆったり過ごせるような空間づくりが大切です」と話すのは、中村さん。「とにかく、猫が居心地良いと感じる場所をたくさん用意してあげること。そうすれば、自然とそれぞれがお気に入りのスペースを見つけます」
ウニコデザイン一級建築士事務所の木戸扶紀子さんも、「猫はそれぞれ自分の好きな場所を決めてその場所に居つくので、窓際や日当たりのよい場所など、猫が好みそうなスポットをいくつか作っておく」ことが大切だと話します。
また、自分以外の猫が使うトイレを嫌がる猫も多いため、トイレを置ける場所を各階につくることも重要だと木戸さんは言います。
普段猫同士がどれほど仲良くしていようとも、飼い主はそれぞれのプライバシーを尊重してあげなければならないのです。
また、自分以外の猫が使うトイレを嫌がる猫も多いため、トイレを置ける場所を各階につくることも重要だと木戸さんは言います。
普段猫同士がどれほど仲良くしていようとも、飼い主はそれぞれのプライバシーを尊重してあげなければならないのです。
専門家とじっくり相談して計画を
中村さんは、猫と暮らす住まいづくりは、「やはり実際に猫と暮らしている専門家に相談するのが一番いい」と話します。
猫との生活経験がある専門家は、より“猫との暮らし”を快適にする工夫をしてくれるそう。専門家のアイデアを十分に引き出すためにも、自分の要望や猫の性格などをしっかりと伝え、焦らずじっくりと相談していきましょう。
中村さんは、猫と暮らす住まいづくりは、「やはり実際に猫と暮らしている専門家に相談するのが一番いい」と話します。
猫との生活経験がある専門家は、より“猫との暮らし”を快適にする工夫をしてくれるそう。専門家のアイデアを十分に引き出すためにも、自分の要望や猫の性格などをしっかりと伝え、焦らずじっくりと相談していきましょう。
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