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季節ごとの芝生のお手入れガイド
芝生に必要な季節ごとの管理を月別にご紹介。憧れの芝生を手に入れましょう。
舩村佳織
2019年10月27日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
青々とした芝生が広がる庭にしたい!というご要望はよく耳にします。それと同時に、管理が大変なんでしょう……?という声も多いです。芝生管理がご家族のライフスタイルに合っていれば。みんなで楽しく行える庭仕事として行えますし、そうでなければ大きな負担になってしまいます。
1年間のうちに、どんな管理作業があるのかを確認し、実際に挑戦できそうかどうか考えてみましょう。今ある芝生の調子が悪い、という方も改めて管理内容を確認する参考になさってください。
1年間のうちに、どんな管理作業があるのかを確認し、実際に挑戦できそうかどうか考えてみましょう。今ある芝生の調子が悪い、という方も改めて管理内容を確認する参考になさってください。
芝生には暖地型と寒冷地型の2種類があります。日本で一般的に使用されているの冬に休眠する暖地型の高麗芝が多いです。寒冷地型は西洋芝と呼ばれ、暖地型は冬に枯れてしまうのに対し、冬でも緑を保ちます。反面、夏の暑さに弱く、日本の夏のような高温多湿下では病気が発生しやすいため、一般家庭の庭にはあまり使用されません。この記事では利用が多い暖地型の芝の管理について触れていきます。
暖地型の芝生は気温の高い3~10月が生育期にあたり、青々と葉を茂らせます。気温が下がる11~2月は休眠期にあたり、葉は枯れ茶色い姿に変わります。芝生の管理はこのサイクルに合わせて行っていくことになります。
ここでは積雪の無い地域を想定して管理方法を記載しています。実際に行う際はお住まいの地域の気温に合わせて、時期を調整してください。
造園・ガーデニングの専門家を探す
ここでは積雪の無い地域を想定して管理方法を記載しています。実際に行う際はお住まいの地域の気温に合わせて、時期を調整してください。
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11月
芝生が休眠に入る時期です。この頃に一度施肥を行うと、春からの芽出しが良くなります。冬季に行う、いわゆる寒肥の役割を果たします。肥料の栄養分が冬の間に土の中で植物が吸収しやすい形に変わり、春からの生育期に力を発揮してくれます。この時期の肥料は遅効性の有機系の肥料が良いでしょう。
芝生が休眠に入る時期です。この頃に一度施肥を行うと、春からの芽出しが良くなります。冬季に行う、いわゆる寒肥の役割を果たします。肥料の栄養分が冬の間に土の中で植物が吸収しやすい形に変わり、春からの生育期に力を発揮してくれます。この時期の肥料は遅効性の有機系の肥料が良いでしょう。
12~1月
1年で最も寒いこの時期は、芝生の色も茶色に変わり、完全に休眠しています。特別に必要な管理はありません。
1年で最も寒いこの時期は、芝生の色も茶色に変わり、完全に休眠しています。特別に必要な管理はありません。
2月
春の芽吹きに向けての更新作業として、冬枯れした芝生を低めに刈りましょう(低刈り)。芝生の間に堆積している古い刈りカス(サッチ)も取り除いておきます(サッチング)。これで春からの生育シーズンの環境が整います。
更新作業にはもう一つ芝焼といって、古い葉の刈りカスや雑草の種子などを焼く方法もあります。これを行うと芽吹きが早まる効果も期待できます。火を使う作業で危険も伴いますので、慣れない方は低刈りの方が安心です。
春の芽吹きに向けての更新作業として、冬枯れした芝生を低めに刈りましょう(低刈り)。芝生の間に堆積している古い刈りカス(サッチ)も取り除いておきます(サッチング)。これで春からの生育シーズンの環境が整います。
更新作業にはもう一つ芝焼といって、古い葉の刈りカスや雑草の種子などを焼く方法もあります。これを行うと芽吹きが早まる効果も期待できます。火を使う作業で危険も伴いますので、慣れない方は低刈りの方が安心です。
3月
徐々に気温が高くなり、芝生が活動を始める時期です。まだこの頃は青々とした芝生にはなりませんが、ガーデニング作業本番を控え、ワクワクしてくる頃ですね。
この頃に一度施肥を行います。即効性のある化成肥料がおすすめ。ここから生育期の間は2か月に一度の施肥を行いましょう。
また3月下旬からは新しく芝貼りをするのに最適な時期に入ります。はげてしまった部分の補植もこの頃から行えます。目土入れもこの頃から良い時期です。地面に凹凸がある場合、芝の目土で調整しましょう。
徐々に気温が高くなり、芝生が活動を始める時期です。まだこの頃は青々とした芝生にはなりませんが、ガーデニング作業本番を控え、ワクワクしてくる頃ですね。
この頃に一度施肥を行います。即効性のある化成肥料がおすすめ。ここから生育期の間は2か月に一度の施肥を行いましょう。
また3月下旬からは新しく芝貼りをするのに最適な時期に入ります。はげてしまった部分の補植もこの頃から行えます。目土入れもこの頃から良い時期です。地面に凹凸がある場合、芝の目土で調整しましょう。
4~6月
芝生の成長が著しく、芝刈りを始める頃です。この頃は月に2回程度の頻度です。伸ばしすぎてから芝刈りをすると、軸刈りという状態になり、一時的に葉が無くなり見た目が悪くなってしまいます。芝刈り前の1/3の高さを目安に芝刈りをしましょう。芝刈りはやればやるほど葉が密になり、どんどんキレイになっていきます。これこそが芝生管理の醍醐味でしょう。
芝生の生育が盛んになり始めると気になるのが雑草です。芝生に使える除草剤を使用する場合は、取り扱いについてよく確認しておきましょう。芝刈りをしっかり行っていれば、見苦しいほどの雑草は生えないと思いますので、ある程度で目をつむる、というのも大事かもしれません。
芝生の成長が著しく、芝刈りを始める頃です。この頃は月に2回程度の頻度です。伸ばしすぎてから芝刈りをすると、軸刈りという状態になり、一時的に葉が無くなり見た目が悪くなってしまいます。芝刈り前の1/3の高さを目安に芝刈りをしましょう。芝刈りはやればやるほど葉が密になり、どんどんキレイになっていきます。これこそが芝生管理の醍醐味でしょう。
芝生の生育が盛んになり始めると気になるのが雑草です。芝生に使える除草剤を使用する場合は、取り扱いについてよく確認しておきましょう。芝刈りをしっかり行っていれば、見苦しいほどの雑草は生えないと思いますので、ある程度で目をつむる、というのも大事かもしれません。
生育期は2か月に1度程度の頻度でエアレーションを行うのが理想的です。これはスパイクを使って地面に穴を開け、通気性を確保する作業です。範囲が広くて大変な場合は、春と秋の 2回でも大丈夫です。
この頃は毎日の水やりは必要ありません。補植した箇所があれば、土の状態を見ながら水やりを行います。
この頃は毎日の水やりは必要ありません。補植した箇所があれば、土の状態を見ながら水やりを行います。
7〜8月
一年で最も暑い時期です。雨が降らない場合は1~2日おきに水やりをしましょう。乾いたらたっぷりあげるようにします。
この頃から芝刈りは週1回の頻度になります。芝刈り作業は日中の日差しが強い時間帯に行うと芝生のダメージにつながるので、日が陰ったころに行いましょう。
引き続き雑草が気になる季節ですが、除草剤を使用する際も日が陰った頃に。暑い時間帯に除草剤を撒くと薬害が出やすくなるので注意してください。
一年で最も暑い時期です。雨が降らない場合は1~2日おきに水やりをしましょう。乾いたらたっぷりあげるようにします。
この頃から芝刈りは週1回の頻度になります。芝刈り作業は日中の日差しが強い時間帯に行うと芝生のダメージにつながるので、日が陰ったころに行いましょう。
引き続き雑草が気になる季節ですが、除草剤を使用する際も日が陰った頃に。暑い時間帯に除草剤を撒くと薬害が出やすくなるので注意してください。
9~10月
徐々に涼しくなり、芝生の生育も衰えてくる頃。水やりや芝刈りも継続して行いますが、土や芝生の様子を見ながら頻度を減らしていきます。
10月終わりから11月頭頃にシーズン最後の芝刈りである刈り止めを行います。冬の寒さから根を守るため、刈り止めは普段の芝刈りよりも少し長めにしておきます。
徐々に涼しくなり、芝生の生育も衰えてくる頃。水やりや芝刈りも継続して行いますが、土や芝生の様子を見ながら頻度を減らしていきます。
10月終わりから11月頭頃にシーズン最後の芝刈りである刈り止めを行います。冬の寒さから根を守るため、刈り止めは普段の芝刈りよりも少し長めにしておきます。
芝生の生育期には害虫に注意してほしい時期です。芝生の様子をよく観察し、まだらに枯れている、地面に穴が空いているなどの怪しい症状が出ている場合は調べてみましょう。害虫の被害が出ている場合はスミチオン、予防的な散布にはオルトランという薬剤が幅広く使えて便利です。
農薬よりも健康な状態を保つことが一番の害虫対策になります。芝刈りやサッチング、エアレーションで健全な状態を維持しましょう。
農薬よりも健康な状態を保つことが一番の害虫対策になります。芝刈りやサッチング、エアレーションで健全な状態を維持しましょう。
芝生はやればやるだけキレイになってくれるものです。大変なことも多いですが、青々とした芝生を眺める時間は大きな充実感が得られます。家族みんなで行う行事として、芝生の管理を楽しめたら最高ですね。芝生のある庭を楽しんでいただけると嬉しいです。
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