妥協のない、理想の住まいのために。自分に問いかけたいこと
家づくりの時に避けて通れない、お金のこと。理想の住まいの実現のためには、自分の中での優先順位をしっかり把握し、どこに、どのようにお金をかけるべきなのかを整理することが重要です。その考え方について書いてみます。
必要なのは自分の「“本当の”理想」を把握すること
家を後悔する人は、自分の「“本当の”理想」をわかってなかったからかもしれません。きっと多くの人は「私にはちゃんと理想がある」と言うでしょう。家を後悔してる人も「理想」があったはずです。理想があるのになぜ後悔する家になってしまうのでしょうか?
「理想」ではなくて「“本当の”理想」でなくてはいけません。それは何かというと、『自分にとって本当に必要なものが何かを知っている』ということです。
「“本当の”理想」とは、物事を考える基準です。迷った時に拠り所になる『羅針盤』です。
あなたの「理想」は、様々の情報から作られた「“寄せ集めの”理想」かもしれません。何かあるとふらついてしまいます。ただ、そういう「理想」の作り方は、しょうがないと思います。これまで「家の作り方」「大きなお金の使い方」「自分自身と向き合うこと」を学ぶことがなかったのですから。
家を後悔する人は、自分の「“本当の”理想」をわかってなかったからかもしれません。きっと多くの人は「私にはちゃんと理想がある」と言うでしょう。家を後悔してる人も「理想」があったはずです。理想があるのになぜ後悔する家になってしまうのでしょうか?
「理想」ではなくて「“本当の”理想」でなくてはいけません。それは何かというと、『自分にとって本当に必要なものが何かを知っている』ということです。
「“本当の”理想」とは、物事を考える基準です。迷った時に拠り所になる『羅針盤』です。
あなたの「理想」は、様々の情報から作られた「“寄せ集めの”理想」かもしれません。何かあるとふらついてしまいます。ただ、そういう「理想」の作り方は、しょうがないと思います。これまで「家の作り方」「大きなお金の使い方」「自分自身と向き合うこと」を学ぶことがなかったのですから。
「“本当の”理想」をわかってない人がやってはいけないこと
家を考え出すと多くの人がいきなりハウスメーカー選びを始めてしまいます。自社の良いところをいろいろ言われるでしょう。でも「自分にとって本当に必要?」かを判断する『基準』がないのにどうやって判断するのでしょうか?自分の好みがはっきりわからないのに洋服を買いにお店に入っても、なかなか選べません。買っても不安が残り、ほかの人の反応がイマイチだとその服を着なくなってしまいませんか?気ままな買い物は楽しいですが、気ままで作る、つまり「“本当の”理想」をわからないでやるには、家というプロジェクトは大きすぎます。「やっぱりいらない」とは言えません。
家を考え出すと多くの人がいきなりハウスメーカー選びを始めてしまいます。自社の良いところをいろいろ言われるでしょう。でも「自分にとって本当に必要?」かを判断する『基準』がないのにどうやって判断するのでしょうか?自分の好みがはっきりわからないのに洋服を買いにお店に入っても、なかなか選べません。買っても不安が残り、ほかの人の反応がイマイチだとその服を着なくなってしまいませんか?気ままな買い物は楽しいですが、気ままで作る、つまり「“本当の”理想」をわからないでやるには、家というプロジェクトは大きすぎます。「やっぱりいらない」とは言えません。
「“本当の”理想」をわかってない人がやってしまうお金の考え方
「どれくらい値引きできます?」
これは、それまで積み上げて来たもの全てを壊す最強の言葉です。その言葉の裏には「相手は儲けて自分は損をする」という気持ちがあります。“見積り”を、そして“相手”を、信用しなしていないということです。信用してない人が作る家を、信用できますか?
逆の立場で考えると、信頼されていないのに、その人のために一生懸命仕事をしたいと思うでしょうか?打合せを重ね施主(相談者)のために様々なことを考え提案した後にそれを言われた時、施主への信頼は一気に崩れます。
「“本当の”理想」を知っている人は、「理想」を実現するための最善の方法は「信頼できる人に頼むこと」だということをわかっています。お金を払うということは、「理想」を手に入れることであり、損をすることではありません。「理想」を形にしてくれる相手の仕事を尊重します。
ただ、「“本当の”理想」が「お金を掛けない」ことで、できるだけ安い家が欲しい人にとっては「値引きを求める」ことは間違ってはいません。
建築家を探す
「どれくらい値引きできます?」
これは、それまで積み上げて来たもの全てを壊す最強の言葉です。その言葉の裏には「相手は儲けて自分は損をする」という気持ちがあります。“見積り”を、そして“相手”を、信用しなしていないということです。信用してない人が作る家を、信用できますか?
逆の立場で考えると、信頼されていないのに、その人のために一生懸命仕事をしたいと思うでしょうか?打合せを重ね施主(相談者)のために様々なことを考え提案した後にそれを言われた時、施主への信頼は一気に崩れます。
「“本当の”理想」を知っている人は、「理想」を実現するための最善の方法は「信頼できる人に頼むこと」だということをわかっています。お金を払うということは、「理想」を手に入れることであり、損をすることではありません。「理想」を形にしてくれる相手の仕事を尊重します。
ただ、「“本当の”理想」が「お金を掛けない」ことで、できるだけ安い家が欲しい人にとっては「値引きを求める」ことは間違ってはいません。
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家は商品なのか?
販売者が商品を幾らで売るのかは、自由です。売るためのテクニックとして「値引き」はあります。「値引き」は売り買いのコミュニケーションという側面もあり、それが悪いわけではありません。
ハウスメーカーは家を「商品」というのだから「値引き」を求めてもいいのかもしれません。ただしその時点で、家は何も形がありません。オーダーを元に“現場で・人が・手作りする”物です。家は商品ではないということになります。
価格は値引き分を上乗せしているかもしれません。そうでなければ、値引きで減ったお金をどこかで回収することになります。その流れは、下請け、孫請け、と降りていくことは想像できるでしょう。その結果は、良いものになるでしょうか?
販売者が商品を幾らで売るのかは、自由です。売るためのテクニックとして「値引き」はあります。「値引き」は売り買いのコミュニケーションという側面もあり、それが悪いわけではありません。
ハウスメーカーは家を「商品」というのだから「値引き」を求めてもいいのかもしれません。ただしその時点で、家は何も形がありません。オーダーを元に“現場で・人が・手作りする”物です。家は商品ではないということになります。
価格は値引き分を上乗せしているかもしれません。そうでなければ、値引きで減ったお金をどこかで回収することになります。その流れは、下請け、孫請け、と降りていくことは想像できるでしょう。その結果は、良いものになるでしょうか?
理想の家を実現したいなら常識を疑う
「常識」とか「あたり前」とか「これが正しい」と言われることがたくさんあります。不変的なことも当然ありますが、多くはその時々に誰かが作ったものだったりします。
「情報」は誰でも出せるし「常識」はお金で作れるものです。それを「いい」という人がたくさんいるので「私にも必要」と思ってしまいます。
「これ、本当に私に必要?」と常に問掛けましょう。「欲しい」と思うならその理由を考えましょう。その積み重ねで自分の「“本当の”理想」をわかるようになります。
「常識」とか「あたり前」とか「これが正しい」と言われることがたくさんあります。不変的なことも当然ありますが、多くはその時々に誰かが作ったものだったりします。
「情報」は誰でも出せるし「常識」はお金で作れるものです。それを「いい」という人がたくさんいるので「私にも必要」と思ってしまいます。
「これ、本当に私に必要?」と常に問掛けましょう。「欲しい」と思うならその理由を考えましょう。その積み重ねで自分の「“本当の”理想」をわかるようになります。
見積書でわかること
一般の人が、工事の見積書を見て内容を理解することは、ほぼ無理でしょう。よく「相見積すべき」と言われますが、それでわかることは、高いか安いか。その根拠がわからなければ評価しようがありません。ですから、依頼者が判断するのは、最終的に値引きの額と人柄だったりします。
見積書で、「一式」がたくさんの場合には、経験値で出しているか、「どうせ見たってわかりっこないんだから」という態度です。細かな詳細を出すところは、まじめに見積しているだろうと思われます。
見積書には「値引き」という項目がありますが、それがかなりの金額の場合には、合計金額が一体何なのか?ということです。端数を値引きし金額を切りのいい数字にしているなら、見積金額に自信があるのです。
内容を正確に理解することは難しいですが、なんとなく相手の姿勢がわかるものです。
一般の人が、工事の見積書を見て内容を理解することは、ほぼ無理でしょう。よく「相見積すべき」と言われますが、それでわかることは、高いか安いか。その根拠がわからなければ評価しようがありません。ですから、依頼者が判断するのは、最終的に値引きの額と人柄だったりします。
見積書で、「一式」がたくさんの場合には、経験値で出しているか、「どうせ見たってわかりっこないんだから」という態度です。細かな詳細を出すところは、まじめに見積しているだろうと思われます。
見積書には「値引き」という項目がありますが、それがかなりの金額の場合には、合計金額が一体何なのか?ということです。端数を値引きし金額を切りのいい数字にしているなら、見積金額に自信があるのです。
内容を正確に理解することは難しいですが、なんとなく相手の姿勢がわかるものです。
見積書に「“本当の”理想」という基準が生きる
最初の見積金額は「自分の理想を詰め込んだ」値段です。予算に合わなければ下げないといけません。その時に「”本当の”理想」という『物事を考える基準』が役立ちます。実現したい理想の順番を考えましょう。「基準」があるからはっきりするはずです。
【削っていく順番】(番号の順で減額する金額が大きくなります)
【削ってはいけないもの】
ただ、内容を考え直し、手間が掛らないようにすることはしてもいいのです。本当にやりたいこと、使いたい物がゼロになっては、家作りをする意味がありません。たった一つでも実現しましょう。
ただし、「1つしかできない」という悲観的な結果ではなく「これが実現できうれしい」という積極的な決断をして下さい。
建築家と家づくりをするメリットとは?
最初の見積金額は「自分の理想を詰め込んだ」値段です。予算に合わなければ下げないといけません。その時に「”本当の”理想」という『物事を考える基準』が役立ちます。実現したい理想の順番を考えましょう。「基準」があるからはっきりするはずです。
【削っていく順番】(番号の順で減額する金額が大きくなります)
- 納得できる仕様変更
- 将来でも付けられる設備機器
- 既製品に置き換えてもいい造作家具
- 面積
【削ってはいけないもの】
- 人件費
- 本当にやりたいこと
- 本当に使いたい物
ただ、内容を考え直し、手間が掛らないようにすることはしてもいいのです。本当にやりたいこと、使いたい物がゼロになっては、家作りをする意味がありません。たった一つでも実現しましょう。
ただし、「1つしかできない」という悲観的な結果ではなく「これが実現できうれしい」という積極的な決断をして下さい。
建築家と家づくりをするメリットとは?
あとは工事を楽しむだけ
信頼できる人に頼み、納得して見積金額を決められたなら、あとは工事を楽しみましょう。途中で問題も起るかもしれませんが、頼んだ人達があなたのために一生懸命解決策を考えてくれます。
出来れば時々現場に行ってみて下さい。家を作るって大変な作業なんです。それを「あなたのために」やってくれる人達がいます。その仕事を見て下さい。きっと家の意味も増してきます。そして、理想の家は実現します。
家づくりのヒントをもっと読む
Houzzで住まいの専門家を探す
信頼できる人に頼み、納得して見積金額を決められたなら、あとは工事を楽しみましょう。途中で問題も起るかもしれませんが、頼んだ人達があなたのために一生懸命解決策を考えてくれます。
出来れば時々現場に行ってみて下さい。家を作るって大変な作業なんです。それを「あなたのために」やってくれる人達がいます。その仕事を見て下さい。きっと家の意味も増してきます。そして、理想の家は実現します。
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中野様、コメントありがとうございます。
「これがどのようにしてできているのか」を知る事は、現場になんども足を運ぶ事ができないと、なかなか難しいですね。特に仕上げの段階になれば、1週間経つとかなり家の中が変わっていますからね。
例えば「塗装」は、「1回塗って完成」ではなく、「下地処理、中塗り、仕上げ」と少なくても3工程ありますが、「この色」と決め翌週行けば塗り上がっています。塗装屋さんがどんな手間を掛けたかなんて全く知る事はできません。
「全部は無理だとしても、どこかまで実現できればいいのか?」
「もうちょっと別の物を使ったり別の方法でやる事ができないか?」
設計者も施行者もいっしょになって考えれば、「別案」が出てくるかもしれません
「そういう理由」を知れば、『妥協』ではなく施主も『納得』できると思います。
『この金額で・何を・どこまでできるのか?』を、腹を割って話せる関係が最初にあるといいですね。
「予算」は「駆け引き」ではなく、設計者に正直に伝える「理想の家造り」の為の希望事項の一つだと思います。設計者は「予算」に見合った最善の提案をしたいというプロ意識を持っていますので「駆け引き無しの予算」は正直に設計者に伝えた方がスムーズに話が進むと思います。
アース建築工房 鷲巣さん、、ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。
基準価格があってオプションや変更の単価が決まっていて、最後に値引きまでついてくる ・・・ のがハウスメーカーもしくはその手法を使う工務店。その手法は私達にはできませんね。
「見積してみなければわからない」というのを正当化するつもりもないですが、現実に私自身が作る(施行する)わけではないので、見積を出してもらって初めて「その設計図」の値段がわかります。とは言ってもこれまでの積み重ねで得た「自分の設計する物の値段」についてはある程度判断基準があり、数百万も開きがあるような絶望的な金額になる事も防げると思います。そういう自負はあります。
何にしても見積は時間もかかるもので、そこで”腹の探り合い”なんてしていても、その時間と作業そして考える労力がまったく無意味です。設計者にも施行者にも、そしてもちろん施主にとっても。そういう無駄なエネルギーをほんとうに使いたくないです。
「目標(=予算」を共有し全員がそれを実現するために考えたほうが建設的でよりいいものができます。家づくりは「共同事業」である事を、これから家を考えるみなさんに理解していただけるといいなと思います。