コメント
玄関ドアはどう選ぶ?その種類と素材、性能
玄関を見れば、そこに住まう人の人となりが分かると言われています。住まいの顔となる大切な玄関ドアにはどのようなものがあるのか、ご紹介しましょう。
荒木康史
2022年9月9日
暮らしの総合アドバイザー。ユーザーや建設会社向けにコンサルティングや講演、セミナーを行なっております。
玄関とは
最近、建物のデザインの変化に合わせて玄関ドアにも色々なタイプが増えてきましたね。その家の顔というべき玄関については、何よりも迷われる方が多いのではないでしょうか。
引き戸にしようか開き戸にしようか、外開きが多いけど内開きも良さそう。アルミ製は長持ちしそうだけど木製も味があっていいし、何かと迷ってしまいます。
そもそも『玄関』ってなんでしょうか?
玄関の語源
玄関という言葉はどこからきているのでしょうか?
老子道徳経一章に、「道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。無名は天地の始め、有名は万物の母なり。故に常に無はもってその妙を観んと欲し、常に有はもってその徼を観んと欲す。この両者は同出にして名を異にす。同じく之を玄と謂う。玄のまた玄衆妙の門なり。」という言葉があり、これが玄関となったようです。
実際、中国の禅寺ではお客様を接待する建物の入口に”玄関”と書いた額を掲げていたようです。
最近、建物のデザインの変化に合わせて玄関ドアにも色々なタイプが増えてきましたね。その家の顔というべき玄関については、何よりも迷われる方が多いのではないでしょうか。
引き戸にしようか開き戸にしようか、外開きが多いけど内開きも良さそう。アルミ製は長持ちしそうだけど木製も味があっていいし、何かと迷ってしまいます。
そもそも『玄関』ってなんでしょうか?
玄関の語源
玄関という言葉はどこからきているのでしょうか?
老子道徳経一章に、「道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。無名は天地の始め、有名は万物の母なり。故に常に無はもってその妙を観んと欲し、常に有はもってその徼を観んと欲す。この両者は同出にして名を異にす。同じく之を玄と謂う。玄のまた玄衆妙の門なり。」という言葉があり、これが玄関となったようです。
実際、中国の禅寺ではお客様を接待する建物の入口に”玄関”と書いた額を掲げていたようです。
なぜ日本の玄関ドアは外開きが多いの?
海外の住宅を見ると、ほとんどのドアが内開きであることに気がつきます。玄関ドアは、もともと引き戸の文化であった日本において、明治〜大正時代に建てられる様になった西洋建築から積極的に使われるようになりました。もちろん内開きです。
しかしながら、住宅の玄関ドアとして使われだすと、日本の生活様式に合わせて外開きのドアが主流となり、現在に至っています。
外開きのメリット
外開きの玄関ドアのメリットは、2つあります。一つは玄関のスペースを最大限に使用することができること。もう一つは外の汚れや埃を室内に入れないことです。
日本は、靴を脱いで家に上がる習慣があるので、当然玄関には靴を置くことが多くなります。また、来客などがあれば、お客様の靴も含めてたくさんの靴が玄関に置かれますので、内開きだとお客様の靴を傷つけたりする恐れがあるので必然的に外開きになったようです。
それから玄関が内開きだと、雨や台風が多い日本において、その雨水や埃などが玄関ドアを開けた時に室内に入ってくる(雨水がしたたり落ちる)ので、外開きが選ばれたと言われています。
内開きのメリットは
なぜ欧州ではドアが内開きなのか欧州のドアメーカーさんに聞いたところ、興味深い回答をいただいたことがあります。
一つは『建物の外側は公共のスペースなので、外側に開くことは好ましくない』ということでした。さらに、外に開いた玄関ドアが人や物にぶつかった時、その責任が家主に及ぶとのことでした。
もう一つは玄関ドアが外開きだと、お客様を一歩下がらせる必要が生じるので、失礼に当たるとも説明してくれました。
海外の住宅を見ると、ほとんどのドアが内開きであることに気がつきます。玄関ドアは、もともと引き戸の文化であった日本において、明治〜大正時代に建てられる様になった西洋建築から積極的に使われるようになりました。もちろん内開きです。
しかしながら、住宅の玄関ドアとして使われだすと、日本の生活様式に合わせて外開きのドアが主流となり、現在に至っています。
外開きのメリット
外開きの玄関ドアのメリットは、2つあります。一つは玄関のスペースを最大限に使用することができること。もう一つは外の汚れや埃を室内に入れないことです。
日本は、靴を脱いで家に上がる習慣があるので、当然玄関には靴を置くことが多くなります。また、来客などがあれば、お客様の靴も含めてたくさんの靴が玄関に置かれますので、内開きだとお客様の靴を傷つけたりする恐れがあるので必然的に外開きになったようです。
それから玄関が内開きだと、雨や台風が多い日本において、その雨水や埃などが玄関ドアを開けた時に室内に入ってくる(雨水がしたたり落ちる)ので、外開きが選ばれたと言われています。
内開きのメリットは
なぜ欧州ではドアが内開きなのか欧州のドアメーカーさんに聞いたところ、興味深い回答をいただいたことがあります。
一つは『建物の外側は公共のスペースなので、外側に開くことは好ましくない』ということでした。さらに、外に開いた玄関ドアが人や物にぶつかった時、その責任が家主に及ぶとのことでした。
もう一つは玄関ドアが外開きだと、お客様を一歩下がらせる必要が生じるので、失礼に当たるとも説明してくれました。
玄関ドアの種類
玄関ドアには大きく分けて2つの種類があります。
引き戸の場合、間口が大きく取れ段差のないバリアフリーが実現できるので人気が高まっています。それに、引き戸ならではの機能として自動ドアも選ぶことができます。車椅子での生活やお子様を抱えての出入りの時、この自動ドアが活躍します。
(参考:株式会社LIXIL リニアスライドシステム)
また、玄関前が駐車スペースになっていたり、子供の自転車や宅配ボックスなどが玄関の前おいてあったりして、ドアを開けるとき邪魔になることがあります。こうした問題を解決するためにもリフォームなどで引き戸に変える方が多いようです。
住まいの専門家を探す
玄関ドアには大きく分けて2つの種類があります。
- 開き戸(ドア)
- 引き戸(スライディング)
引き戸の場合、間口が大きく取れ段差のないバリアフリーが実現できるので人気が高まっています。それに、引き戸ならではの機能として自動ドアも選ぶことができます。車椅子での生活やお子様を抱えての出入りの時、この自動ドアが活躍します。
(参考:株式会社LIXIL リニアスライドシステム)
また、玄関前が駐車スペースになっていたり、子供の自転車や宅配ボックスなどが玄関の前おいてあったりして、ドアを開けるとき邪魔になることがあります。こうした問題を解決するためにもリフォームなどで引き戸に変える方が多いようです。
住まいの専門家を探す
玄関ドアの素材
玄関ドアの素材には、主に4つの素材が使われています。
次に、根強い人気があるのが木製の玄関ドア。建物の外観に合わせて選ぶ方が多いですね。木製の玄関ドアには国産もありますが、日本に合わせた外開きの輸入品もあるので、選択の幅が広がっています。アルミ製と違って木製の玄関ドアの場合は、表面の再塗装や半年〜1年に一度オイルを塗るなどの定期的なメンテナンスが必要となりますので、メンテナンスフリーを好まれる方はアルミ製に天然木が貼り付けてあるタイプのものがいいと思います。
また、鋼板(スチール)製のドアも防火・防音・防犯性能が高いので高級な玄関ドアとしてよく使用されます。以前は色々なデザインのものが多かったのですが、最近ではシンプルなデザインが多く集合住宅などに使用されています。
そして、最後に樹脂製の玄関ドア。最近ではほとんど見かけなくなりましたが、寒冷地など高い断熱性能が必要なエリアで使われています。日本ではあまり馴染みがありませんが、欧州やお隣韓国では普通に使われている素材です。軽くて加工しやすく、断熱性能が高くて腐食に強いことが特徴として挙げられます。
玄関ドアの素材には、主に4つの素材が使われています。
- アルミ製
- 鋼板(スチール)製
- 木製
- 樹脂製
次に、根強い人気があるのが木製の玄関ドア。建物の外観に合わせて選ぶ方が多いですね。木製の玄関ドアには国産もありますが、日本に合わせた外開きの輸入品もあるので、選択の幅が広がっています。アルミ製と違って木製の玄関ドアの場合は、表面の再塗装や半年〜1年に一度オイルを塗るなどの定期的なメンテナンスが必要となりますので、メンテナンスフリーを好まれる方はアルミ製に天然木が貼り付けてあるタイプのものがいいと思います。
また、鋼板(スチール)製のドアも防火・防音・防犯性能が高いので高級な玄関ドアとしてよく使用されます。以前は色々なデザインのものが多かったのですが、最近ではシンプルなデザインが多く集合住宅などに使用されています。
そして、最後に樹脂製の玄関ドア。最近ではほとんど見かけなくなりましたが、寒冷地など高い断熱性能が必要なエリアで使われています。日本ではあまり馴染みがありませんが、欧州やお隣韓国では普通に使われている素材です。軽くて加工しやすく、断熱性能が高くて腐食に強いことが特徴として挙げられます。
玄関ドアの性能
玄関ドアに求められる性能は、主に断熱性能と防火性能です。断熱性能はゼロエネルギー住宅には欠かせないもので、近年急速に性能が上がっています。また、都市部など住宅が密集している場所など火災による延焼のおそれのある地域においてはある一定の防火性能が必要となります。
断熱性能については、これまでア木製の玄関ドアの断熱性能が高いとされて来ましたが、最近ではウレタンなどの断熱材を内部に充填することでアルミ製の玄関ドアの断熱性能も飛躍的に向上し、寒冷地でも使える玄関ドアが増えています。
また、防火性能についても断熱性能と素材によらず防火対応した玄関ドアが揃っていますので安心です。
各メーカーでは、地域ごとに最適な玄関ドアの性能をわかりやすく説明しているので、参考にするといいでしょう。
(断熱性能 参考:株式会社LIXIL玄関ドア商品の特長:性能にこだわる)
(防火性能 参考:ユダ木工株式会社)
玄関ドアに求められる性能は、主に断熱性能と防火性能です。断熱性能はゼロエネルギー住宅には欠かせないもので、近年急速に性能が上がっています。また、都市部など住宅が密集している場所など火災による延焼のおそれのある地域においてはある一定の防火性能が必要となります。
断熱性能については、これまでア木製の玄関ドアの断熱性能が高いとされて来ましたが、最近ではウレタンなどの断熱材を内部に充填することでアルミ製の玄関ドアの断熱性能も飛躍的に向上し、寒冷地でも使える玄関ドアが増えています。
また、防火性能についても断熱性能と素材によらず防火対応した玄関ドアが揃っていますので安心です。
各メーカーでは、地域ごとに最適な玄関ドアの性能をわかりやすく説明しているので、参考にするといいでしょう。
(断熱性能 参考:株式会社LIXIL玄関ドア商品の特長:性能にこだわる)
(防火性能 参考:ユダ木工株式会社)
玄関ドアを楽しみましょう
玄関でその家に住む人の人となりがわかると言われています。住まう人にとっては、毎日出入りする出入り口であり、来訪者迎える大切な入り口です。逆に、好まざる来訪者(泥棒など)をいかに防ぐか防犯上とても重要な入り口であり、他人が気安く往来してもらっては困る「関門」でもあります。
このように大切な場所だからこそ、デザインや性能にこだわり、いつまでも大切にしたい玄関にしてほしいと思います。そのためにも玄関ドア選びはとても重要です。納得いく玄関ドアが見つかるといいですね。
住まいの専門家を探す
玄関でその家に住む人の人となりがわかると言われています。住まう人にとっては、毎日出入りする出入り口であり、来訪者迎える大切な入り口です。逆に、好まざる来訪者(泥棒など)をいかに防ぐか防犯上とても重要な入り口であり、他人が気安く往来してもらっては困る「関門」でもあります。
このように大切な場所だからこそ、デザインや性能にこだわり、いつまでも大切にしたい玄関にしてほしいと思います。そのためにも玄関ドア選びはとても重要です。納得いく玄関ドアが見つかるといいですね。
住まいの専門家を探す
おすすめの記事
その他のスペースの記事
土間は万能空間
日本の伝統的な住まいでは、「土間」は玄関、炊事場、裏口、通路など、さまざまな空間で利用されてきました。その使い勝手のよさから、最近は一戸建て、マンションを問わず、新しい形で活用されています。現代の住まいに取り入れられた事例から、「土間」の万能性を改めてとらえ直します。
続きを読む
片付け
家じゅうのタオルやシーツをすっきり収納。リネンクローゼットのすすめ
バスまわりやベッドまわりのリネン、ストックも含めてどこにしまっていますか? 点在させるのではなく1ヶ所にまとめる、リネン専用の収納庫があると便利です。
続きを読む
片付け・収納・家事
共働き家族のための、家事シェアできる住まいの作り方【玄関~リビング篇】
物が集まりやすい場所ほど自然と片付くシステムを取り入れて。家事の負担を減らし、空間の印象を底上げする方法をご紹介します。
続きを読む
エクステリア
家の「顔」ともいえる、玄関アプローチの設計ポイント
文/舩村佳織
室内設備よりも後回しにしてしまいがちなアプローチ。どんな点に注意して検討すればよいか、具体例を用いてご紹介します。
続きを読む