スマートハウスとは?これまでの展開とスマートタウン構想
そもそもスマートハウスとは何でしょうか?「スマートタウン構想」など、最近の流れもあわせて見ていきましょう。
これまでの流れ
スマートハウスへの取り組みは、2010年前後から本格化し産官学による実証実験が積極的に始まりました。例えば、総務省の委託事業として積水ハウスが取り組んだ“観環居(2014年2月閉館)”は、一般公開されたこともあり、かなりの注目を集めました。この実験住宅では、災害等で電気が止まりブラックアウトした場合でも、電気自動車から電力を供給する事で当面の生活を守ることができたり、テレビに天気予報や電車の運行状況や時刻表、照明やエアコンのコントロール等、色々な情報を簡単に取り出せるようになっていました。
しかし、その実験結果から分かったことは、情報の“単なる「見える化」では継続的な効果が上がらず、居住者が楽しく活用するのはせいぜい 1年程度であることがわかった。”ということだったようです(一般社団法人環境共生住宅推進協議会のレポートより)。
スマートハウスへの取り組みは、2010年前後から本格化し産官学による実証実験が積極的に始まりました。例えば、総務省の委託事業として積水ハウスが取り組んだ“観環居(2014年2月閉館)”は、一般公開されたこともあり、かなりの注目を集めました。この実験住宅では、災害等で電気が止まりブラックアウトした場合でも、電気自動車から電力を供給する事で当面の生活を守ることができたり、テレビに天気予報や電車の運行状況や時刻表、照明やエアコンのコントロール等、色々な情報を簡単に取り出せるようになっていました。
しかし、その実験結果から分かったことは、情報の“単なる「見える化」では継続的な効果が上がらず、居住者が楽しく活用するのはせいぜい 1年程度であることがわかった。”ということだったようです(一般社団法人環境共生住宅推進協議会のレポートより)。
2つのスマートハウス
スマートハウスと言っても、大きく分けて二つのフェーズが存在します。一つがエネルギー問題の解決を目指した省エネ・創エネ・蓄エネフェーズ、もう一つが、利便性や安全性・健康にまで踏み込み住まい手支援までも取り込んでいくフェーズになります。所謂スマートホームになります。
エネルギー問題については、創エネ・断熱・HEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)を活用した、ゼロエネルギーハウス(ZEH)などがそれに当たります。つまり、エネルギー的に自立した形を目指しており、そのアプローチとして創エネや設備機器重視型であったり、極力少ないエネルギーで生活できるように、断熱性能や気密性能を構造躯体の段階から高めるスケルトン重視型などがあります。
設備機器を重視した場合、定期的なメンテナンスや交換などが必要になるので、余りにもこちら側を重視すると将来的なコストが嵩む可能性があるので注意が必要です。また、スケルトンを重視した場合は、最初に建物の性能を高めてあるので、必要となる設備機器の能力も過剰になりにくく、従って将来的なメンテナンスや交換によるコストが軽減できるメリットがあります。
特に、断熱性能や気密性能をあとからグレードアップさせることはとても難しいので(それなりのコストをかければできますが)、30年、50年のライフサイクルを考え適切な性能にすることをお勧めします。
さらに、エネルギーマネージメントだけでなく利便性や快適性を高めるために、様々な機器の遠隔操作やホームセキュリティー、そしてEV(電気自動車)を活用し生活のエネルギー効率を高めたものがあります。ここだけを取ってスマートホームと呼ばれることもありますが、この分野は家電メーカーが中心に取り組んでいます。しかしながら、各社の囲い込み戦略の中で規格が統一されていないため、住まいの全部をつなげることは現在のところ出来ていません。わかりやすく言えばGoogle HomeはGoogle Home対応機種としか繋がらないのと同じで、仮に全てを対応機種に合わせたとしても、住まいの全部をつなげることができない状況です。
この部分いついては、まだまだ進化(どの規格が選ばれるのか)の過程なので、あまり前のめりになることはお勧めしません。現に、スマートロック(玄関ドアの鍵をネット経由で施錠解錠できるシステム)において、運営会社がサービスを停止したことで混乱が生じたこともあるので、商品を選ぶときにはあらゆる場面を想定した方がいいですよ。例えば電池切れとか停電時などです。
最先端の省エネ&創電技術でエネルギー収支をゼロに! ハウスメーカーのZEHへの取り組みとは?
スマートハウスと言っても、大きく分けて二つのフェーズが存在します。一つがエネルギー問題の解決を目指した省エネ・創エネ・蓄エネフェーズ、もう一つが、利便性や安全性・健康にまで踏み込み住まい手支援までも取り込んでいくフェーズになります。所謂スマートホームになります。
エネルギー問題については、創エネ・断熱・HEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)を活用した、ゼロエネルギーハウス(ZEH)などがそれに当たります。つまり、エネルギー的に自立した形を目指しており、そのアプローチとして創エネや設備機器重視型であったり、極力少ないエネルギーで生活できるように、断熱性能や気密性能を構造躯体の段階から高めるスケルトン重視型などがあります。
設備機器を重視した場合、定期的なメンテナンスや交換などが必要になるので、余りにもこちら側を重視すると将来的なコストが嵩む可能性があるので注意が必要です。また、スケルトンを重視した場合は、最初に建物の性能を高めてあるので、必要となる設備機器の能力も過剰になりにくく、従って将来的なメンテナンスや交換によるコストが軽減できるメリットがあります。
特に、断熱性能や気密性能をあとからグレードアップさせることはとても難しいので(それなりのコストをかければできますが)、30年、50年のライフサイクルを考え適切な性能にすることをお勧めします。
さらに、エネルギーマネージメントだけでなく利便性や快適性を高めるために、様々な機器の遠隔操作やホームセキュリティー、そしてEV(電気自動車)を活用し生活のエネルギー効率を高めたものがあります。ここだけを取ってスマートホームと呼ばれることもありますが、この分野は家電メーカーが中心に取り組んでいます。しかしながら、各社の囲い込み戦略の中で規格が統一されていないため、住まいの全部をつなげることは現在のところ出来ていません。わかりやすく言えばGoogle HomeはGoogle Home対応機種としか繋がらないのと同じで、仮に全てを対応機種に合わせたとしても、住まいの全部をつなげることができない状況です。
この部分いついては、まだまだ進化(どの規格が選ばれるのか)の過程なので、あまり前のめりになることはお勧めしません。現に、スマートロック(玄関ドアの鍵をネット経由で施錠解錠できるシステム)において、運営会社がサービスを停止したことで混乱が生じたこともあるので、商品を選ぶときにはあらゆる場面を想定した方がいいですよ。例えば電池切れとか停電時などです。
最先端の省エネ&創電技術でエネルギー収支をゼロに! ハウスメーカーのZEHへの取り組みとは?
乱立するスマートハウス市場
大手住宅会社は、そのほとんどがスマートハウスを提案しています。商品名には「スマート」という言葉が入っているのが多いので、他の商品と見分けやすいですね。
各社ともスマートハウスを標榜していますが、アプローチの仕方はマチマチです。設備重視の会社もあれば、建物の断熱性能を高め、小さい家でもゼロエネルギーにするメーカーもあります。また、スマートハウスの乱立により差別化が難しくなってきたので、環境性能など購入者に対する訴求ポイントを増やしているところもあります。例えば、住友林業などは、自社の特徴でもある木材を使うことによるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス。住宅ライフサイクルを通じたCO2の排出量を減らす)を打ち出し、購入者の環境意識の高まりを上手く捉えています。
大手住宅会社は、そのほとんどがスマートハウスを提案しています。商品名には「スマート」という言葉が入っているのが多いので、他の商品と見分けやすいですね。
各社ともスマートハウスを標榜していますが、アプローチの仕方はマチマチです。設備重視の会社もあれば、建物の断熱性能を高め、小さい家でもゼロエネルギーにするメーカーもあります。また、スマートハウスの乱立により差別化が難しくなってきたので、環境性能など購入者に対する訴求ポイントを増やしているところもあります。例えば、住友林業などは、自社の特徴でもある木材を使うことによるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス。住宅ライフサイクルを通じたCO2の排出量を減らす)を打ち出し、購入者の環境意識の高まりを上手く捉えています。
スマートタウン構想
スマートハウスが住宅単体なのに対して、街全体として高度化したインフラやセキュリティを整えた都市としてスマートタウンがあります。
本格的なスマートタウンが始動したのは2011年5月。神奈川県藤沢市においてスマートタウン構想が持ち上がり、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)として、2014年4月よりスタートしています。このプロジェクトは、Panasonicを中心にパートナー企業18団体で構成されたまちづくりプロジェクトで、100年先でも持続可能な街の形を作り上げようとしています。実際に用意された1000戸の住宅はほぼ完売しており、本格的な実証モデルタウンとして注目を集めています。
このFujisawaSSTの特筆すべき点は二つあります。
また、スマートタウンというと中途半端な規模とビジョンになりがちなのに対して、個ではなく街全体としてセキュリティやコミュニティを取り扱い、さらに住民の健康を考えた地域包括ケアシステムなど、IoT+人と言った今後益々普及していくと考えられる都市基盤が用意されています。
この街がこれからの日本社会が取り組むべき一つのモデルとなることでしょう。
スマートハウスが住宅単体なのに対して、街全体として高度化したインフラやセキュリティを整えた都市としてスマートタウンがあります。
本格的なスマートタウンが始動したのは2011年5月。神奈川県藤沢市においてスマートタウン構想が持ち上がり、Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)として、2014年4月よりスタートしています。このプロジェクトは、Panasonicを中心にパートナー企業18団体で構成されたまちづくりプロジェクトで、100年先でも持続可能な街の形を作り上げようとしています。実際に用意された1000戸の住宅はほぼ完売しており、本格的な実証モデルタウンとして注目を集めています。
このFujisawaSSTの特筆すべき点は二つあります。
- 100年先のビジョンがしっかり定まっている
- 住む人を中心にしたサスティナブルな街づくり
また、スマートタウンというと中途半端な規模とビジョンになりがちなのに対して、個ではなく街全体としてセキュリティやコミュニティを取り扱い、さらに住民の健康を考えた地域包括ケアシステムなど、IoT+人と言った今後益々普及していくと考えられる都市基盤が用意されています。
この街がこれからの日本社会が取り組むべき一つのモデルとなることでしょう。
スマートハウスは必要です
これまで述べてきたように、スマートハウスは単体として捉えられていましたが、スマートタウン構想のように、街全体で計画される機会も増えてきています。
さらに、内閣府の地方創生推進事務局(国家戦略特区)においては、国家戦略特区『スーパーシティ構想』が進められており、地方都市の課題解決策として、その重要性が高まっています。
スーパーシティ構想が目指すものとして、政府はこのように述べています。
“「スーパーシティ」は、最先端技術を活用し、第四次産業革命後に、国民が住みたいと思う、より良い未来社会を包括的に先行実現するショーケースを目指す。”
つまり、今の延長線上の未来ではなく丸ごと未来都市を作ることで、
“1)エネルギー・交通などの個別分野にとどまらず、生活全般にまたがり、
2)最先端技術の実証を一時的に行うのではなく、未来社会での生活を先行して現実 にする。
3)その際、何より重要なことは、技術開発側・供給側の目線でなく、住民目線で理想の未来社会を追求することである。”
とあります。そのためにも住民の参画とスマートハウスは必要不可欠なものであり、積極的に取り組むのもいいと思います。ちょっと先の未来ではなく、自分たちの将来に向けてスマートハウスを検討してみてはいかがでしょうか。
家づくりのヒントを読む
これまで述べてきたように、スマートハウスは単体として捉えられていましたが、スマートタウン構想のように、街全体で計画される機会も増えてきています。
さらに、内閣府の地方創生推進事務局(国家戦略特区)においては、国家戦略特区『スーパーシティ構想』が進められており、地方都市の課題解決策として、その重要性が高まっています。
スーパーシティ構想が目指すものとして、政府はこのように述べています。
“「スーパーシティ」は、最先端技術を活用し、第四次産業革命後に、国民が住みたいと思う、より良い未来社会を包括的に先行実現するショーケースを目指す。”
つまり、今の延長線上の未来ではなく丸ごと未来都市を作ることで、
“1)エネルギー・交通などの個別分野にとどまらず、生活全般にまたがり、
2)最先端技術の実証を一時的に行うのではなく、未来社会での生活を先行して現実 にする。
3)その際、何より重要なことは、技術開発側・供給側の目線でなく、住民目線で理想の未来社会を追求することである。”
とあります。そのためにも住民の参画とスマートハウスは必要不可欠なものであり、積極的に取り組むのもいいと思います。ちょっと先の未来ではなく、自分たちの将来に向けてスマートハウスを検討してみてはいかがでしょうか。
家づくりのヒントを読む
スマートハウスと聞くと、どんな家を想像しますか。ドアが自動で開いたりテレビやスマホで家中の電化製品が簡単に操作できる住宅を思い浮かべるのではないでしょうか。
スマートハウスの概念は、1980年代にアメリカで提唱されたもので、先ほど想像したように様々な機器を一か所で集中制御できるような住宅として始まりました。それから30年以上が経ち、通信機器や電化製品の性能の向上によってその頃考えられていたことのほとんどは実現されており、現在では環境問題やエネルギー問題、そして健康維持増進を目的とした住宅へと、その概念も進化しています。