アイランドキッチンと、キッチンデザインの未来とは?
なぜアイランドキッチンが脚光を浴び続けるのか?キッチンデザインはどこに向かっているのか?北欧のキッチンデザインの専門家たちに、3つのポイントに着目しながら聞きました。

Camilla Østergaard Pedersen
2020年8月2日
長年にわたり人気を博しているアイランドキッチン。忙しい平日も週末の朝も、家族が集まれる団らんの場として不可欠な存在になりました。
アイランドキッチンの人気が続く理由とは?これから先、アイランドキッチンはどのように変化していくのでしょうか?デンマークの3つのキッチンデザイン会社、マルチフォーム(Multiform)、JKEデザイン(JKE Design)、クヴィック・デンマーク(Kvik Denmark)の専門家たちに聞きました。
アイランドキッチンの人気が続く理由とは?これから先、アイランドキッチンはどのように変化していくのでしょうか?デンマークの3つのキッチンデザイン会社、マルチフォーム(Multiform)、JKEデザイン(JKE Design)、クヴィック・デンマーク(Kvik Denmark)の専門家たちに聞きました。
1 社会的側面
ここ数十年でキッチンは大きく様変わりしたと指摘するのは、マルチフォーム、オールボー店のヤニー・ケア。そん中で、多用途・多機能なアイランドキッチンは、消費者の心をつかんできました。
特に子供のいる家庭では、アイランドキッチンは忙しい日の夜や、穏やかな休日の朝に家族が集まれる場所として人気があります。
「子供のいる家庭では、アイランドキッチンは料理と宿題、団らんのすべてを同時に行える場所となります。特に団らんは重要です」と、「マルチフォーム・デザインセンター・コペンハーゲン」のデザイナー兼オーナーであるレーネ・ハルセ・ホネアマンは話します。「子供たちが独立したあとの夫婦であれば、一人が料理をし、もう一人はワイングラスを片手に、アイランド横のバースツールに座って楽しむ、なんていうのもいいでしょう?」
ここ数十年でキッチンは大きく様変わりしたと指摘するのは、マルチフォーム、オールボー店のヤニー・ケア。そん中で、多用途・多機能なアイランドキッチンは、消費者の心をつかんできました。
特に子供のいる家庭では、アイランドキッチンは忙しい日の夜や、穏やかな休日の朝に家族が集まれる場所として人気があります。
「子供のいる家庭では、アイランドキッチンは料理と宿題、団らんのすべてを同時に行える場所となります。特に団らんは重要です」と、「マルチフォーム・デザインセンター・コペンハーゲン」のデザイナー兼オーナーであるレーネ・ハルセ・ホネアマンは話します。「子供たちが独立したあとの夫婦であれば、一人が料理をし、もう一人はワイングラスを片手に、アイランド横のバースツールに座って楽しむ、なんていうのもいいでしょう?」
「忙しい日常生活の中で、人々が一緒に過ごせる時間を持つことが必要です」と話すのは、「クヴィック」のアンナ・グレーテ・ヨアンスンです。
「20年前、キッチンとリビングルームの間の壁を壊して、人々がキッチンに集まれるようにしました。いまや日々の生活はあわただしく、時に混沌としています。これまで以上に、誰かと一緒に過ごす機会が必要な現代に、アイランド型キッチンは重要な役割を果たすのです。そこは、人々が集まり、お互いのことを考えながら、リラックスしておしゃべりできる団らんの場所。アイランドキッチンは、日常生活を驚きに満ちたものに、そして週末を魔法のようなひと時に変えてくれるんです」とヨアンスンはいいます。
「20年前、キッチンとリビングルームの間の壁を壊して、人々がキッチンに集まれるようにしました。いまや日々の生活はあわただしく、時に混沌としています。これまで以上に、誰かと一緒に過ごす機会が必要な現代に、アイランド型キッチンは重要な役割を果たすのです。そこは、人々が集まり、お互いのことを考えながら、リラックスしておしゃべりできる団らんの場所。アイランドキッチンは、日常生活を驚きに満ちたものに、そして週末を魔法のようなひと時に変えてくれるんです」とヨアンスンはいいます。
「JKE Design」のヘレ・フィルグラフによれば、社会的要素はますます重要になるのだそう。
「忙しい若者や子供連れの家族にとって、各々があわただしく過ごしていても、一緒に時間を過ごし、おしゃべりを楽しめるのはアイランド型だからこそ。ほんの短い時間であっても、一緒に過ごせる時間は貴重なのです」
キッチンの専門家を探す
「忙しい若者や子供連れの家族にとって、各々があわただしく過ごしていても、一緒に時間を過ごし、おしゃべりを楽しめるのはアイランド型だからこそ。ほんの短い時間であっても、一緒に過ごせる時間は貴重なのです」
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社会的側面としては、キッチンとリビングルームの境界をなくしている点が挙げられます。
「キッチンには、居心地のいい時間を楽しむために肘掛椅子やソファを置くことが多いですね。キッチンは誰しもが通る中央広場のような場所にといえます」とケアはいいます。
「キッチンには、居心地のいい時間を楽しむために肘掛椅子やソファを置くことが多いですね。キッチンは誰しもが通る中央広場のような場所にといえます」とケアはいいます。
2 機能的側面
さらにフィルグラフは、機能性の良さもまたアイランド型キッチンの人気の秘密であるといいます。「広いキッチンを持つ方々は、アイランド型キッチンを希望されます。なぜなら、カウンタートップや収納スペースが増え、シンクやコンロなどを組み込むことができるから。料理を頻繁にする人にとって、スペースが増えるのは嬉しいことですよね」
さらにフィルグラフは、機能性の良さもまたアイランド型キッチンの人気の秘密であるといいます。「広いキッチンを持つ方々は、アイランド型キッチンを希望されます。なぜなら、カウンタートップや収納スペースが増え、シンクやコンロなどを組み込むことができるから。料理を頻繁にする人にとって、スペースが増えるのは嬉しいことですよね」
特に、シンク付きのアイランド型キッチンは十分な作業スペースを確保できるのだとケアはいいます。「私たちがキッチンで過ごす時間の約90%はシンクに立っているわけですから、その両側に十分なスペースを設けることが重要なんです」
ここでも、社会的な理由が関わってきます。「コンロの前よりもシンクのそばに立っている時間が長いということは、アイランド型キッチンはほとんど“食器洗いのため”に存在しているようなもの。シンク付きアイランド型キッチンなら、食器を洗っているあいだも家族や友達、ゲストと向き合うことができます」とホネアマンはいいます。
進化したのはこれだけではありません。「キッチン家電業界から新しいダウンドラフトフードが登場したことで、天井が煙で汚れることを気にせずに、部屋の真ん中で調理できるようになりました。さらに、アイランドの半分を占めるような排気フードが不要になるため、カウンターが圧迫されなくなったんです」とケアはいいます。
ここでも、社会的な理由が関わってきます。「コンロの前よりもシンクのそばに立っている時間が長いということは、アイランド型キッチンはほとんど“食器洗いのため”に存在しているようなもの。シンク付きアイランド型キッチンなら、食器を洗っているあいだも家族や友達、ゲストと向き合うことができます」とホネアマンはいいます。
進化したのはこれだけではありません。「キッチン家電業界から新しいダウンドラフトフードが登場したことで、天井が煙で汚れることを気にせずに、部屋の真ん中で調理できるようになりました。さらに、アイランドの半分を占めるような排気フードが不要になるため、カウンターが圧迫されなくなったんです」とケアはいいます。
3 美的側面
アイランドキッチンは、社会的・機能的な役割を果たすだけでなく、美的観点からも支持されています。
「将来的には、アイランド部分のみ、キッチンのほかの部分とは異なる素材を使用し、家具のデザインと品質を兼ね備えたアイコンとして際立つようになるでしょう。キッチンの役割は変化し、さまざまな素材やデザインを使用した可動式家具がより多く置かれることになると思います」とホネアマンはいいます。
アイランドキッチンは、社会的・機能的な役割を果たすだけでなく、美的観点からも支持されています。
「将来的には、アイランド部分のみ、キッチンのほかの部分とは異なる素材を使用し、家具のデザインと品質を兼ね備えたアイコンとして際立つようになるでしょう。キッチンの役割は変化し、さまざまな素材やデザインを使用した可動式家具がより多く置かれることになると思います」とホネアマンはいいます。
「アイランドキッチンは、部屋の中央に立つ美しい家具にもなりつつあります。コンロやシンクはなく、カウンタートップだけの大きなアイランドです。これならシンクやコンロから汚れが飛び散る心配がなく、気楽に使用することができます」とケア。
アイランドキッチンの未来とは?
アイランドキッチンは今後どのように変化していくのでしょうか?
「アイランドキッチンは、以前にも増して社会的機能を備えるようになるでしょうね。椅子の数や食事をするスペースを増やしたアイランド型キッチンなど、さまざまなタイプのものが出てくると思います」とフィルグラフはいいます。
アイランドキッチンは今後どのように変化していくのでしょうか?
「アイランドキッチンは、以前にも増して社会的機能を備えるようになるでしょうね。椅子の数や食事をするスペースを増やしたアイランド型キッチンなど、さまざまなタイプのものが出てくると思います」とフィルグラフはいいます。
ケアも同じ意見です。「今後アイランド型キッチンは、ますます団らんの場として利用されるようになるでしょう。それと同時に、よりクリエイティブな解決策も生み出されるはずです。たとえば、椅子が一列に並ぶのではなく、互いに向かい合って食事をするレイアウトが採用されたり。これは大きなL字型のアイランドにすることで可能になりますし、そうなればシンクとコンロを収容するスペースも作れるようになります」
「この時代になっても、キッチンに集まっておしゃべりすることは私たちの憧れなのです」とヨアンスンはいいます。「物理的にそれを叶えることができても、むしろ憧れを遠ざけているのがデジタル機器の存在。それでも、アイランドキッチンで料理を手伝い合いながら家族が会話を楽しむ未来に、私たちはこれからも期待していきたいと思います」
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