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軽井沢の週末住宅。DINKS夫妻が仲間と愉快に過ごすために建てた家
BBQを楽しめるテラスや庭、人目を気にせず入れる半露天風呂、オープンキッチンにバーカウンター。自然の中で過ごす時間を満喫するための工夫がいっぱいのセカンドハウスです。
Miki Anzai
2019年8月30日
軽井沢駅から西に約4km。通称グルメ(塩沢)通りからほど近い木立の中に佇む週末住宅である。平日は都内のマンションから丸の内のオフィスに通うオーナー夫妻。金曜日の夕方に新幹線に飛び乗り、1時間と少しでこの家に着くと、豊かな自然の中で、いっきに五感のスイッチが切り替る。リフレッシュして翌月曜日の朝に東京に戻る生活は、何にも代えがたい。
住民票を既に軽井沢に移し、いずれは終の棲家にする予定の夫妻が、家づくりで重視したのが「子供はいないが、その代わりに家族や友人と一緒に楽しく過ごせる家」。BBQを楽しめるテラスや庭、人目を気にせず入れる半露天風呂、オープンキッチンにバーカウンター、大勢で泊まれる和室棟や書斎など、夫妻と友人らが思い思いの時間を過ごせるよう計画された、極上のセカンドハウスを訪ねた。
住民票を既に軽井沢に移し、いずれは終の棲家にする予定の夫妻が、家づくりで重視したのが「子供はいないが、その代わりに家族や友人と一緒に楽しく過ごせる家」。BBQを楽しめるテラスや庭、人目を気にせず入れる半露天風呂、オープンキッチンにバーカウンター、大勢で泊まれる和室棟や書斎など、夫妻と友人らが思い思いの時間を過ごせるよう計画された、極上のセカンドハウスを訪ねた。
どんなHouzz?
住まい手:IT会社経営のご主人様とコンサルティング会社勤務の奥様
所在地:長野県北佐久郡軽井沢
構造・規模:木造平屋
敷地面積:1487平方メートル
延床面積:245平方メートル
間取り:4LDK
竣工時期:2016年5月
設計・監理:アトリエ137一級建築士事務所代表の鈴木宏幸さん
施工:丸山工務店
東京24区と言われるほど東京からアクセスのよい軽井沢。その中でも、地元の不動産に詳しい知人のアドバイスに従い、「湿気や獣害の少ない平地」を選んだ。設計は、平日に東京で相談できるが、地元の工務店とタッグを組んでいて、軽井沢で実績の多いアトリエ137一級建築士事務所代表の鈴木宏幸さんに依頼した。
住まい手:IT会社経営のご主人様とコンサルティング会社勤務の奥様
所在地:長野県北佐久郡軽井沢
構造・規模:木造平屋
敷地面積:1487平方メートル
延床面積:245平方メートル
間取り:4LDK
竣工時期:2016年5月
設計・監理:アトリエ137一級建築士事務所代表の鈴木宏幸さん
施工:丸山工務店
東京24区と言われるほど東京からアクセスのよい軽井沢。その中でも、地元の不動産に詳しい知人のアドバイスに従い、「湿気や獣害の少ない平地」を選んだ。設計は、平日に東京で相談できるが、地元の工務店とタッグを組んでいて、軽井沢で実績の多いアトリエ137一級建築士事務所代表の鈴木宏幸さんに依頼した。
軽井沢の友人宅にある露天風呂に感動した奥様がリクエストした、非日常を味わえる半露天風呂。実はこの敷地は、広いが平地のため、隣家の視線が気になって、浴室を直接庭向きにつくれなかった。そこで建物をL字型に配し、曲がった部分を少しセットバックさせて坪庭をつくり、開放感のある浴室を誕生させた。「東京のユニットバスと比べて心身ともにリラックスできます」と大満足の奥様。浴槽をジャグジーにするか悩んだご主人も、「泡風呂にぜずに大正解でした。夏は引込み戸を全開にして、風や木の音を楽しみながら」入浴しているという。
浴室・バスルームの写真をみる
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隣家に迫った東側と道路のある北側を建物で囲み、南側に大開口を設け、庭の景色を取り込んでいる。設計当初、外国暮らしの長いご主人は、スキップフロアの「遊び心あふれる2階建て」を希望したが、鈴木さんは「上の階からの眺望が飛躍的に開ける場所ではない」ことから平屋を提案。岡山県出身で純日本家屋で育った奥様も「高級住宅=平屋」と賛同し、敷地を贅沢に使った建物が実現した。
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自然との繋がりが感じられる開放的なダイニング。木製の化粧梁やウォールナットの床が、外の景色と溶け込んでいる。
大判ガラスは、気密性保持とコスト削減のために、庭側・奥のテラス側とも1箇所のみが木製サッシの引き戸で、あとはFIX窓だ。「風の通りや人の出入りも考えて、開閉できる箇所を限定しました」という鈴木さん。建具のハンドルは突起していないものを採用し、「引き残しなく全開できる」ようにした。このハンドルは、新幹線のドアのように前後に動かして引き寄せるタイプなので、すきま風をシャットアウトできる。
軽井沢に家を建てるにあたり、夫妻は「厳しい冬をここで過ごせるか」試しに何度も訪れたという。「避暑だけの別荘ではなく、通年住める家づくり」をめざし、気密性や耐震性に気を使ったという。
大判ガラスは、気密性保持とコスト削減のために、庭側・奥のテラス側とも1箇所のみが木製サッシの引き戸で、あとはFIX窓だ。「風の通りや人の出入りも考えて、開閉できる箇所を限定しました」という鈴木さん。建具のハンドルは突起していないものを採用し、「引き残しなく全開できる」ようにした。このハンドルは、新幹線のドアのように前後に動かして引き寄せるタイプなので、すきま風をシャットアウトできる。
軽井沢に家を建てるにあたり、夫妻は「厳しい冬をここで過ごせるか」試しに何度も訪れたという。「避暑だけの別荘ではなく、通年住める家づくり」をめざし、気密性や耐震性に気を使ったという。
リビングと玄関ホールとの境は北側のため暗くなりがちだが、間仕切り壁にガラスブロックを用いることで、光を乱反射させ、明るく圧迫感のない空間を創出している。
夫妻でカウンターに立って作業しても余裕のコの字型キッチン。奥様いわく「グルメ通りのそばに住みながら、近くのJA直売所で新鮮な野菜を買ってきて、ここで料理をすることのほうが多い」そう。オーダーキッチンを担当したのは鈴木さんの奥様でLiB contents代表の田原由紀子さん。
ウォールナット製のカウンターは、バー替わりにもなる。「料理をしながら、ここで友人とお喋りできるのが楽しい」というご主人。オープンキッチンや、玄関からキッチンを結ぶ裏の動線を考慮したパントリーを提案したのは、中学生の頃から外国に暮らしていたご主人だ。日本でしか生活したことのなかった奥様は、開かれた台所とそれに付随する食品庫というレイアウト及びその使い方を理解するのに苦労したそう。
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L字の折れ曲がった先にある客室棟と母屋を繋ぐ廊下につくったセカンドリビング。浴室の前にあるで、お風呂上がりにもここでリラックスできる。建物に浴室は1つなのでゲストとシェアしているが、宿泊客が各々の時間を過ごしたい時や、大人と子供が別行動したい時など、このスペースを自由に使ってもらっているという。
障子を開けると縁側超しに庭の風景が広がる。ここから花見が出来るように、既存の栗の木に加え、桜やモミジも植栽したそう。
障子は「建具職人が減ってきているので、伝統技が残っている内に、意匠を施した障子が欲しい」という奥様の希望を受け、鈴木さんが組子文様デザインに「麻の葉」柄を選んだ。
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障子は「建具職人が減ってきているので、伝統技が残っている内に、意匠を施した障子が欲しい」という奥様の希望を受け、鈴木さんが組子文様デザインに「麻の葉」柄を選んだ。
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最後に「ここは僕の城です」とご主人が案内してくれたのが書斎兼ホビールーム。壁には色の異なるアンティーク煉瓦を採用し、天井もあえて屋根裏を設けず、白く塗装した梁を現しにしている。壁面にスクリーンを降ろしてホームシアターにしたり、大好きなワインボトルを置いてセラー代わりに使うこともあるという。ガレージ側からも入れるので、たくさん買い物をした時など玄関ではなく、ここに荷物を運び入れるのだそう。追分の雑貨屋でみつけたヴィンテージのスーツケースが、よいアクセントとなっている。
夕暮れ時に天井に浮かび上がる、美しい連続化粧梁。特にキッチンとリビングの天井高の違いを利用した間接照明が効いている。季節の良い時期には、屋根付きテラスでBBQをしたり、食事を取ると、なんとも気持ちがよいという。
育った環境の異なる二人が、家を建てるプロセスは、「まさに異文化交流。互いを知る旅でした」という夫妻。時には言い争いをしながらも、完成した家は、お互いの納得のいくものとなったという。友人たちもこぞってやってくる軽井沢のウィークエンドハウス。「ここに来られた週末と、来られなかった週末とでは、翌週のストレスが全く違います」と夫婦で口を揃えて語ってくれた。
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