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心落ち着く坪庭のある家8選
旅館やお寺、町家や料理屋でふと目にする坪庭の風情。心落ち着く坪庭を家に取り入れるときのポイントを庭づくりの専門家たちに聞きました。目に涼やかな事例写真とともにご紹介します。

Houzz Japan
2019年7月10日
Houzz Japan 公式アカウント
作庭後の年月を演出する坪庭
施工:新美園
坪庭への入口からの眺め。灯籠は最奥に据えられ、手水鉢は向こう向きに置き、興味・視線を庭の奥へ誘う坪庭。全体として外壁のカラーと同じく庭もシックな雰囲気で、作庭直後でも年月が既に経過したように見えるデザインだ。庭を狭く見せず、風通しを妨げないことを第一に、年月を経た樹形を持ち、地形デザインがよく見える下枝の無い樹が選ばれた。
アドバイス:坪庭の木は環境上必ず枝葉を少なくしていくので、予め日陰で育った木や、枝葉が少なくても味わい深い木を選んでおくと、作庭後のギャップが少なくなります。
施工:新美園
坪庭への入口からの眺め。灯籠は最奥に据えられ、手水鉢は向こう向きに置き、興味・視線を庭の奥へ誘う坪庭。全体として外壁のカラーと同じく庭もシックな雰囲気で、作庭直後でも年月が既に経過したように見えるデザインだ。庭を狭く見せず、風通しを妨げないことを第一に、年月を経た樹形を持ち、地形デザインがよく見える下枝の無い樹が選ばれた。
アドバイス:坪庭の木は環境上必ず枝葉を少なくしていくので、予め日陰で育った木や、枝葉が少なくても味わい深い木を選んでおくと、作庭後のギャップが少なくなります。
角地のオアシス
施工:アトリエグリーンズ
角地に建つ一戸建て住宅の庭+外構。住宅の設計者でもあるオーナーと打ち合わせを経て、コンセプトは「角地のオアシス~森の中の空き地のような庭をつくり、街並みを豊かに変えよう」に。角地をいかし、往来する人の目も癒す緑あふれる自然な雰囲気の庭をつくり、街並みに彩を添えた。樹木越しに透ける建築が地域にゆるやかに溶け込む。
ほどよくプライベート空間を確保するため、緑を重ねて厚みをもたせた。また、雑木や自然石を配置し、変わりゆく暮らしの変化に対応できるよう、自然な姿を丁寧に造作し、心を動かす景色を各所につくった。
アドバイス:背景となる囲いのつくりをどうするのか。その庭の一番の見せ場はどの位置からの見え方か。植物の水やりがしやすい動線や水栓の位置を併せて考えましょう。
施工:アトリエグリーンズ
角地に建つ一戸建て住宅の庭+外構。住宅の設計者でもあるオーナーと打ち合わせを経て、コンセプトは「角地のオアシス~森の中の空き地のような庭をつくり、街並みを豊かに変えよう」に。角地をいかし、往来する人の目も癒す緑あふれる自然な雰囲気の庭をつくり、街並みに彩を添えた。樹木越しに透ける建築が地域にゆるやかに溶け込む。
ほどよくプライベート空間を確保するため、緑を重ねて厚みをもたせた。また、雑木や自然石を配置し、変わりゆく暮らしの変化に対応できるよう、自然な姿を丁寧に造作し、心を動かす景色を各所につくった。
アドバイス:背景となる囲いのつくりをどうするのか。その庭の一番の見せ場はどの位置からの見え方か。植物の水やりがしやすい動線や水栓の位置を併せて考えましょう。
宝塚市O邸
施工:fan景観設計
「無機質な眺めを和らげ、自然を感じられるお庭に」という要望に応え、建物の内外から眺めが楽しめるよう雑木林のような木立をつくった。明るい木漏れ日を落とす落葉樹を中心に、目隠しが必要な部分に常緑樹を配置。生育条件を踏まえ、葉形・色、幹肌、芽吹きなど特徴を考慮して樹種を組み合わせた。落葉樹は頭上で枝葉を広げるので室内からは幹しか見えないが、かえって景色に広がりを感じさせる。足元はアジサイや野草類を植樹。手入れをしやすいようにつくった園路は現代的な建築に調和する黒レンガを使用。
アドバイス:外周に面した場所に樹を配置する場合は、秋に落ち葉を片付ける配慮が必要ということを考えておきましょう。
造園会社・ガーデンデザイナーを探す
施工:fan景観設計
「無機質な眺めを和らげ、自然を感じられるお庭に」という要望に応え、建物の内外から眺めが楽しめるよう雑木林のような木立をつくった。明るい木漏れ日を落とす落葉樹を中心に、目隠しが必要な部分に常緑樹を配置。生育条件を踏まえ、葉形・色、幹肌、芽吹きなど特徴を考慮して樹種を組み合わせた。落葉樹は頭上で枝葉を広げるので室内からは幹しか見えないが、かえって景色に広がりを感じさせる。足元はアジサイや野草類を植樹。手入れをしやすいようにつくった園路は現代的な建築に調和する黒レンガを使用。
アドバイス:外周に面した場所に樹を配置する場合は、秋に落ち葉を片付ける配慮が必要ということを考えておきましょう。
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和庭 I-tsuboniwa
施工:green thumbs up
モダンな建物のなかに、あたかも京都の町屋の中にあるような癒しの坪庭空間をデザインした。階段と調和するよう、筧(かけい)にステンレスの筒を使い、現代的な坪庭を完成させた。しっとりと濡れた日陰の坪庭はダイニングに面し、見る人を惹きつけ心を穏やかにする景色だ。
アドバイス:一番重要なのは排水計画です。またコケを生やしたい場合は自動散水が望ましいでしょう。
施工:green thumbs up
モダンな建物のなかに、あたかも京都の町屋の中にあるような癒しの坪庭空間をデザインした。階段と調和するよう、筧(かけい)にステンレスの筒を使い、現代的な坪庭を完成させた。しっとりと濡れた日陰の坪庭はダイニングに面し、見る人を惹きつけ心を穏やかにする景色だ。
アドバイス:一番重要なのは排水計画です。またコケを生やしたい場合は自動散水が望ましいでしょう。
さいたま市 S邸
施工:空間工房 欅
住宅に調和するシンプルモダンがテーマの庭。家に一歩踏み入れば日々の喧騒を忘れられる庭を目指した。黒い外壁に合わせてシックな色合いの瓦平板、八女石の杯型の水鉢、置き灯篭をセレクト。植栽は常緑のカラタネオガタマ、コハウチワカエデを中心に小さなアセビや草本類、砂苔でシンプルにまとめた。自然風の配置は方形の敷石がもつ硬い印象を和らげる効果もある。
アドバイス:坪庭は限られたスペースのためあらゆるものを詰め込めません。むしろ、そぎ落とすことで洗練されたお庭となります。
施工:空間工房 欅
住宅に調和するシンプルモダンがテーマの庭。家に一歩踏み入れば日々の喧騒を忘れられる庭を目指した。黒い外壁に合わせてシックな色合いの瓦平板、八女石の杯型の水鉢、置き灯篭をセレクト。植栽は常緑のカラタネオガタマ、コハウチワカエデを中心に小さなアセビや草本類、砂苔でシンプルにまとめた。自然風の配置は方形の敷石がもつ硬い印象を和らげる効果もある。
アドバイス:坪庭は限られたスペースのためあらゆるものを詰め込めません。むしろ、そぎ落とすことで洗練されたお庭となります。
坪庭
施工:作庭志 稲田
開放的な平屋のM邸。南側に雑木の庭、写真の坪庭は北側にあり、和室と浴室に接している。住まい手の「露天風呂のように景色を楽しみたい」という希望に応え、写真左手の浴室から外に出られるデッキがある。坪庭の背景の焼板塀が幹や枝葉を浮かび上がらせている。中央は灯籠の台に水鉢を置き、水景を囲うように雑木が枝を伸ばす。水鉢の下に水がはける。屋内からは、2つの庭を常に楽しめる。雑木で2つの庭を繫げつつ、植物目線の植栽配置をした。
アドバイス:土や水をコントロールすると、植物は活き活きします。家と庭が一つになって「家庭」。家の計画と同時に庭の計画をすると、建ててからでは成しえない植栽や住環境を得ることができます。木陰をつくり涼しい空気を取込み、家の中でより自然を感じることができます。
施工:作庭志 稲田
開放的な平屋のM邸。南側に雑木の庭、写真の坪庭は北側にあり、和室と浴室に接している。住まい手の「露天風呂のように景色を楽しみたい」という希望に応え、写真左手の浴室から外に出られるデッキがある。坪庭の背景の焼板塀が幹や枝葉を浮かび上がらせている。中央は灯籠の台に水鉢を置き、水景を囲うように雑木が枝を伸ばす。水鉢の下に水がはける。屋内からは、2つの庭を常に楽しめる。雑木で2つの庭を繫げつつ、植物目線の植栽配置をした。
アドバイス:土や水をコントロールすると、植物は活き活きします。家と庭が一つになって「家庭」。家の計画と同時に庭の計画をすると、建ててからでは成しえない植栽や住環境を得ることができます。木陰をつくり涼しい空気を取込み、家の中でより自然を感じることができます。
蹲の庭
施工:季織苑
ブロックで不整形に囲まれた花壇を、既存の木を活かしながら日本庭園にする改修プロジェクト。数寄屋門をくぐると、新築の和風建築とタイル貼りの既存建物二棟が、L字に建つ中庭。大きなマキノキとカキノキが育っていたブロック積み花壇を竹で囲み、日本庭園的な静けさを表現。さらに四季を通して花や果実、紅葉などの彩りを添えた。
アドバイス:庭に期待するものは何か考えておきましょう。見る庭、使う庭、山の風情、ピンと張りつめた空気感、穏やかさ、光、など、理想のイメージをもつことが大事です。自分の好きな植物だけを伝えるのではなく、自身で庭の管理をしていくかどうかも伝えましょう。
施工:季織苑
ブロックで不整形に囲まれた花壇を、既存の木を活かしながら日本庭園にする改修プロジェクト。数寄屋門をくぐると、新築の和風建築とタイル貼りの既存建物二棟が、L字に建つ中庭。大きなマキノキとカキノキが育っていたブロック積み花壇を竹で囲み、日本庭園的な静けさを表現。さらに四季を通して花や果実、紅葉などの彩りを添えた。
アドバイス:庭に期待するものは何か考えておきましょう。見る庭、使う庭、山の風情、ピンと張りつめた空気感、穏やかさ、光、など、理想のイメージをもつことが大事です。自分の好きな植物だけを伝えるのではなく、自身で庭の管理をしていくかどうかも伝えましょう。
はんぶんこの庭
施工:青山造園
半分がゴルフ練習用の芝生で、もう半分は写真の滝組み流れの庭。流れは中央の大きな石を囲うように、水が隠れては現れる自然の景色を取り入れた。植栽は周囲からの目隠し、苔のための木陰、季節を楽しむ樹木を考慮し、常緑樹、落葉樹の混合で構成している。
石組の石は自然の造形。全体のバランスと山中にある川の流れをイメージしながら一石づつ据えられた。大石や沢跳び石、滝組や流れの中にある湧水の手水鉢など距離は短くても見ごたえのある組み立て。写真は施工から10年以上経ってから撮影したもの。庭全体が年月を経て深みを増す構成だ。
アドバイス:限られたスペースでの作庭はボリューム感と将来性のバランスが必要です。長い目で庭を愛でれば、何年先も楽しませてくれるでしょう。
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施工:青山造園
半分がゴルフ練習用の芝生で、もう半分は写真の滝組み流れの庭。流れは中央の大きな石を囲うように、水が隠れては現れる自然の景色を取り入れた。植栽は周囲からの目隠し、苔のための木陰、季節を楽しむ樹木を考慮し、常緑樹、落葉樹の混合で構成している。
石組の石は自然の造形。全体のバランスと山中にある川の流れをイメージしながら一石づつ据えられた。大石や沢跳び石、滝組や流れの中にある湧水の手水鉢など距離は短くても見ごたえのある組み立て。写真は施工から10年以上経ってから撮影したもの。庭全体が年月を経て深みを増す構成だ。
アドバイス:限られたスペースでの作庭はボリューム感と将来性のバランスが必要です。長い目で庭を愛でれば、何年先も楽しませてくれるでしょう。
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