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木造平屋の面影が美しい、ロフトのある小さな家
広さは関係なく、大切なのは「お気に入り」が詰まった空間。そんなことを、改めて気付かせてくれるリノベーション住宅です。
杉田真理子
2019年7月8日
大阪・池田にある、昭和初期に開発された平屋が多い住宅街。ここで訪ねたのは、築80年近い木造平屋をモダンにリノベーションした、コンパクトな高気密・高断熱住宅だ。古い柱と梁の温かみをそのままに生かした、家族が暮らす家をご紹介する。
どんなHouzz?
所在地:大阪府池田市
住まい手:飲食業を営む夫妻、2歳の娘
敷地面積:敷地面積 287.41㎡(本宅含む)
建築面積:55.07㎡
延床面積:64.01㎡
構造:木造
設計:えぬぷらす一級建築士事務所
施工:畑田工務店
竣工時期:2018年11月26日
飲食業の会社を経営する平川好子さんと、建築家の村上千賀子さんが知り合ったのは、趣味の川柳を通してだった。「『高気密高断熱住宅』というものがあることを村上さんに教えてもらいましたが、最初はいまいちピンとこなくて。ただ、ちょうど息子夫婦が住む住宅が必要なタイミングだったので、お願いすることにしました」と平川さん。
そして、平川さんが暮らす母屋と同じ敷地内にある、築約80年の木造平屋の離れを改修する、息子夫妻のための家づくりがスタートした。
実際のプランニングは、建築家の村上さんと、平川さんの継娘に当たる奥さまで進めた。もともと真っ白なスタイルが好きだった奥さまは、Houzzなどを活用しながら、好きなインテリアのイメージを村上さんに共有したという。「アーチ状の窓や真っ白な壁など、好きな要素を全て詰め込んで頂きました」と奥さま。村上さんは、プライベートでも彼女と時間を共にし、普段の生活を観察しながら好みのスタイルやニーズを把握した。
所在地:大阪府池田市
住まい手:飲食業を営む夫妻、2歳の娘
敷地面積:敷地面積 287.41㎡(本宅含む)
建築面積:55.07㎡
延床面積:64.01㎡
構造:木造
設計:えぬぷらす一級建築士事務所
施工:畑田工務店
竣工時期:2018年11月26日
飲食業の会社を経営する平川好子さんと、建築家の村上千賀子さんが知り合ったのは、趣味の川柳を通してだった。「『高気密高断熱住宅』というものがあることを村上さんに教えてもらいましたが、最初はいまいちピンとこなくて。ただ、ちょうど息子夫婦が住む住宅が必要なタイミングだったので、お願いすることにしました」と平川さん。
そして、平川さんが暮らす母屋と同じ敷地内にある、築約80年の木造平屋の離れを改修する、息子夫妻のための家づくりがスタートした。
実際のプランニングは、建築家の村上さんと、平川さんの継娘に当たる奥さまで進めた。もともと真っ白なスタイルが好きだった奥さまは、Houzzなどを活用しながら、好きなインテリアのイメージを村上さんに共有したという。「アーチ状の窓や真っ白な壁など、好きな要素を全て詰め込んで頂きました」と奥さま。村上さんは、プライベートでも彼女と時間を共にし、普段の生活を観察しながら好みのスタイルやニーズを把握した。
まずは、プランニングの段階でレイアウトを工夫し、既存の建物の構造を引き延ばす形で、限られた敷地内ぎりぎりまで居住空間を広げた。制限上、2階建は難しかったが、代わりにロフトを設置。縦に空間をひき伸ばすことで、天井が高く広々とした雰囲気をを演出した。
「視線の通り方も工夫しました。狭くても視線が通れば、空間は広々と感じます」と村上さん。家の中心となるダイニングでも、コンパクトな家だからと遠慮せず、フルサイズのキッチンをあえて大胆に設えた。
限られた敷地を最大限に活用することに加え、省エネルギーかつ、高い断熱性・気密性がある住宅を目指した。「冬は暖かく、夏は涼しいです。外は肌寒い天候でも、室内では娘が裸足で走り回れるほどです。家の中での生活が快適になりました」と奥さま。
「視線の通り方も工夫しました。狭くても視線が通れば、空間は広々と感じます」と村上さん。家の中心となるダイニングでも、コンパクトな家だからと遠慮せず、フルサイズのキッチンをあえて大胆に設えた。
限られた敷地を最大限に活用することに加え、省エネルギーかつ、高い断熱性・気密性がある住宅を目指した。「冬は暖かく、夏は涼しいです。外は肌寒い天候でも、室内では娘が裸足で走り回れるほどです。家の中での生活が快適になりました」と奥さま。
古い柱と梁の撤去は難しかったため、新設の木構造と一体にすることで耐震補強を行った。「壊した方が早い状態でしたが、できるだけ残す部分は残す必要がありました。工事中、この古い柱を大工の方がちゃんと磨いてくださっているのが印象に残っています。古いものを捨てずに蘇らせることは大切ですし、ストーリーのある家に仕上がりましたよね」と平川さん。
真っ白な空間に温かみのある色合いの古い構造があることで、デザインが引き締まる。インテリアも、この雰囲気に合わせて白黒で統一した。
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真っ白な空間に温かみのある色合いの古い構造があることで、デザインが引き締まる。インテリアも、この雰囲気に合わせて白黒で統一した。
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母屋と息子夫妻の家の間は、緑の植栽が美しいウッドデッキで繋がっている。玄関から入って右手にある大きなスライド式ドアを開けると、そのままウッドデッキに繋がる仕組みだ。ウッドデッキと室内の間に段差がないため、天気の良い日はドアをあけ放し、自由に出入りができるように工夫した。室内からウッドデッキまで視線が通り、空間がより広々と見える。
「二世帯住居は難しいというけれど、ウッドデッキを挟んだこれくらいの距離感だと、とてもちょうど良いんです。このウッドデッキでは、よく友人を招いてBBQなどするんですよ」と平川さん。
デッキの写真を見る
「二世帯住居は難しいというけれど、ウッドデッキを挟んだこれくらいの距離感だと、とてもちょうど良いんです。このウッドデッキでは、よく友人を招いてBBQなどするんですよ」と平川さん。
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飲食店の板前として働くご主人は、仕事の都合上、日中に仮眠を取ることが多い。家族の異なるスケジュールを考慮し、空間毎に開閉可能な仕切りを設けた。来客の際や、ご主人の休憩中に子供が遊ぶときなどに便利だ。コンパクトな空間だからこそ、用途に合わせてプライベートとパブリックを緩やかに仕切れる仕掛けが嬉しい。
ダイニングの隣は、スライド式の仕切りを挟んでリビングとなっている。スペースを有効に使い、すっきりとさせるため、TVボードは使用せず壁掛けタイプのテレビとした。現在はソファを起き、家族でゆったりと団欒できる場所となっている。奥のドアを開けると、家族の寝室である和室がある。
階段を登ると、アーチ型の窓からリビングが見下ろせるロフトが広がる。「どこにいても家族の気配が感じられる、ということを意識しました」と奥さま。ロフトは現在は収納場所として使用しているが、将来的には子供部屋にする予定だ。手すりを取り外し、窓枠の部分にカウンターをおけば、デスクトして使える高さとなっている。
今はウッドデッキになっている中庭に、かつてハナミズキの木が立っていた。平川さんが切り盛りする飲食業の従業員に、昔プレゼントでもらったものだという。今回のリノベーションのために伐採せざるを得なくなったが、思い出のある品だったため、村上さんの機転でロフトの手すりへと変身した。「次の世代へのバトンタッチという意味で、とても素敵なアイデアですよね」と平川さん。
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今はウッドデッキになっている中庭に、かつてハナミズキの木が立っていた。平川さんが切り盛りする飲食業の従業員に、昔プレゼントでもらったものだという。今回のリノベーションのために伐採せざるを得なくなったが、思い出のある品だったため、村上さんの機転でロフトの手すりへと変身した。「次の世代へのバトンタッチという意味で、とても素敵なアイデアですよね」と平川さん。
ロフトインテリアの写真を見る
「ずっと一軒家に憧れがあって、小さい頃から図面を使って遊んだり、家づくり関係のテレビ番組もよく見ていました。でも、大人になって少し諦めていた部分もあって」と奥さま。
結婚してから、将来的には実家に入らなければいけないことは分かっていたため「他の場所でマイホームを建てるのは難しいね」と話していたそうだ。
最初にこの敷地の大きさを見た時、正直ここまで素晴らしい家ができるとは思っていなかった、と奥様は振り返る。「『一生住む家なのだから、最後までこだわりましょう』と背中を押してくれたのは、村上さんです。本当に良い設計士に巡り会え、幸せに思っています」
日本のHouzzツアーをもっと読む
結婚してから、将来的には実家に入らなければいけないことは分かっていたため「他の場所でマイホームを建てるのは難しいね」と話していたそうだ。
最初にこの敷地の大きさを見た時、正直ここまで素晴らしい家ができるとは思っていなかった、と奥様は振り返る。「『一生住む家なのだから、最後までこだわりましょう』と背中を押してくれたのは、村上さんです。本当に良い設計士に巡り会え、幸せに思っています」
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