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「SDGs」って何?ポイントを知り、できることから始めよう
SDGsとは、持続可能な社会になることを目指して行動することを進める国連の目標です。SDGsを意識して行動することは、企業にとっても個人にとっても重要になっています。
荒木康史
2019年6月28日
暮らしの総合アドバイザー。ユーザーや建設会社向けにコンサルティングや講演、セミナーを行なっております。
SDGsとは
SDGsという言葉をご存知でしょうか?2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標です。(注:SDGsとはSustainable Development Goalsから取ったもので、持続可能な開発目標のことです。)
2016年に始まったSDGsですが、日本での認知度はとても低くて、たった19%しかありません。世界20カ国・地域における平均認知度は51.6%と日本の倍以上も高く、ベトナムにおいては80.7%と国全体に浸透していることがわかります。
2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された国際的な約束事で、「誰一人取り残さない」世界の実現のため、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けて、2030年を年限とする17の国際目標と169のターゲット、232の指標が決められています。
数字だけ見ると『SDGsは、なんだか大変なことなんだな』と思われるかもしれません。でも、その内容をしっかりと理解するとかなりシンプルで、取り組みに関しては以下に示す5つのことを意識していれば、無理せず取り組むことができます。
SDGsとESG投資
SDGsは持続可能な社会を作ることを目的とし、全ての企業の参加が不可欠とされています。そのために、金融機関も環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の「ESG」を重視した投資を考えており、ESGへの取り組みが積極的な企業に対する投資を進めています。
SDGsという言葉をご存知でしょうか?2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標です。(注:SDGsとはSustainable Development Goalsから取ったもので、持続可能な開発目標のことです。)
2016年に始まったSDGsですが、日本での認知度はとても低くて、たった19%しかありません。世界20カ国・地域における平均認知度は51.6%と日本の倍以上も高く、ベトナムにおいては80.7%と国全体に浸透していることがわかります。
2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された国際的な約束事で、「誰一人取り残さない」世界の実現のため、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けて、2030年を年限とする17の国際目標と169のターゲット、232の指標が決められています。
数字だけ見ると『SDGsは、なんだか大変なことなんだな』と思われるかもしれません。でも、その内容をしっかりと理解するとかなりシンプルで、取り組みに関しては以下に示す5つのことを意識していれば、無理せず取り組むことができます。
- 普遍性 先進国を含め,全ての国が行動
- 包摂性 人間の安全保障の理念を反映し、「誰一人取り残さない」
- 参画型 全てのステークホルダーが役割を
- 統合性 社会・経済・環境に統合的に取り組む
- 透明性 定期的にフォローアップ
SDGsとESG投資
SDGsは持続可能な社会を作ることを目的とし、全ての企業の参加が不可欠とされています。そのために、金融機関も環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の「ESG」を重視した投資を考えており、ESGへの取り組みが積極的な企業に対する投資を進めています。
SDGsの概要
それでは、SDGsへの取り組み方を順を追ってご説明します。まずは目標の設定です。目標については以下の17の目標が定められていますので、自社の活動に適した目標を設定することになります。
17の目標が設定されていますが、それが一つでも逆に17全部でも構いません。
17の目標
169のターゲット
目標が決まったら、17の目標を実現するためのターゲットの設定になります。このターゲットは169ありますので、自社の目標に合わせて決めていきましょう。
169もあると大変そうに思いますが、具体的な取り組みとしてわかりやすい目標になっているので、とても参考になります。
例えば、最近話題となっている働き方改革に関連するターゲット担っている『8.働きがいも経済成長も』を例にとってみると、
「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。」とあります。
このように、より具体的な目標を定めることで、確実な目標達成を目指していきます。
232のインディケーター
そして、最後に決めるのが目標達成のために必要な日々の進捗確認です。これをインディケーターと呼びますが、2030年までの長い道のりを継続して取り組みためになくてはならないものです。そのため2017年7月に国連総会において232(2019年6月現在)のインディケーターが採択されました。この中から自社にあったインディケーターを選ぶことになります。
これにより目標と取り組み方が具体化され進捗が確認しやすくなったので、これから取り組む企業も取り組みやすくなっています。
それでは、SDGsへの取り組み方を順を追ってご説明します。まずは目標の設定です。目標については以下の17の目標が定められていますので、自社の活動に適した目標を設定することになります。
17の目標が設定されていますが、それが一つでも逆に17全部でも構いません。
17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- 全ての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正を全ての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
169のターゲット
目標が決まったら、17の目標を実現するためのターゲットの設定になります。このターゲットは169ありますので、自社の目標に合わせて決めていきましょう。
169もあると大変そうに思いますが、具体的な取り組みとしてわかりやすい目標になっているので、とても参考になります。
例えば、最近話題となっている働き方改革に関連するターゲット担っている『8.働きがいも経済成長も』を例にとってみると、
「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。」とあります。
このように、より具体的な目標を定めることで、確実な目標達成を目指していきます。
232のインディケーター
そして、最後に決めるのが目標達成のために必要な日々の進捗確認です。これをインディケーターと呼びますが、2030年までの長い道のりを継続して取り組みためになくてはならないものです。そのため2017年7月に国連総会において232(2019年6月現在)のインディケーターが採択されました。この中から自社にあったインディケーターを選ぶことになります。
これにより目標と取り組み方が具体化され進捗が確認しやすくなったので、これから取り組む企業も取り組みやすくなっています。
SDGsアクションプラン2019
SDGsは、国際的な取り組みなので、日本では外務省が主導して活動しています。2015年から始まったこの活動は2018年12月の第6回会合において『SDGsアクションプラン2019』が決定されました。
”日本は,豊かで活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現するため,一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき,世界の「国づくり」と「人づくり」に貢献していく。”
として、8つの優先分野に総力を挙げて取り組むとしています。
8つの分野で考える
17の目標の中からどの分野に取り組めばいいのかを考えるとき、日本が目指している方向を参考にするといいでしょう。『SDGsアクションプラン2019』では,次の3本柱を中核とする日本の「SDGsモデル」を元に考えられています。
そして、取り組む際には『SDGs行動指針』に定められた8つの分野にわけて考えていきましょう。
8つの分野は以下の通りです。
SDGsは、国際的な取り組みなので、日本では外務省が主導して活動しています。2015年から始まったこの活動は2018年12月の第6回会合において『SDGsアクションプラン2019』が決定されました。
”日本は,豊かで活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現するため,一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき,世界の「国づくり」と「人づくり」に貢献していく。”
として、8つの優先分野に総力を挙げて取り組むとしています。
8つの分野で考える
17の目標の中からどの分野に取り組めばいいのかを考えるとき、日本が目指している方向を参考にするといいでしょう。『SDGsアクションプラン2019』では,次の3本柱を中核とする日本の「SDGsモデル」を元に考えられています。
- SDGsと連動する「Society 5.0」の推進
- SDGsを原動力とした地方創生,強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
- SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント
そして、取り組む際には『SDGs行動指針』に定められた8つの分野にわけて考えていきましょう。
8つの分野は以下の通りです。
- あらゆる人々の活躍の推進
- 健康・長寿の達成
- 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
- 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
- 省エネ・再エネ、気候変動対策、循環型社会
- 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
- 平和と安全・安心社会の実現
- SDGs実施推進の体制と手段
「エシカル消費」にも注目
SDGsは企業が取り組む内容となっているので、会社を離れたら何もしなくて良いのかというと、そうではありません。一人一人の行動が企業を動かし、そして社会全体を変えていくことになります。
そこで、もう一つ取り入れたいのが「エシカル消費」です。
エシカル消費とは、人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動のことで、その実現で世界の緊急課題である、貧困・人権・気候変動の3つの課題解決に有効とされています。
エシカル消費とは消費の大切な尺度
消費者がサービスや商品を選ぶ際に用いる尺度のことです。ある一面だけを見て購入を決めるのではなく『品質・価格・安全性・倫理』を考えた上で決めることです。この消費行動はSGDsの目標12『つくる責任つかう責任』に当てはまります。
その他にも、エシカル消費は環境・社会・人・地域・生物多様性にも関わっており、建築においては、エコ・フェアトレード・生産者の保護・環境負荷の軽減などが関係し、例えば、FSC森林認証の活用やMSC認証などの活用が考えられます。
FSC認証の木材を選ぶことは、目標15の陸の豊かさを守ろうを掲げた企業のサポートにもなりますし、MSC認証の海産物を選ぶことは、目標14の海の豊かさを守ろうに通じています。
全ての人が参加してこそ、このSDGsは達成されるわけです。
SDGsは企業が取り組む内容となっているので、会社を離れたら何もしなくて良いのかというと、そうではありません。一人一人の行動が企業を動かし、そして社会全体を変えていくことになります。
そこで、もう一つ取り入れたいのが「エシカル消費」です。
エシカル消費とは、人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動のことで、その実現で世界の緊急課題である、貧困・人権・気候変動の3つの課題解決に有効とされています。
エシカル消費とは消費の大切な尺度
消費者がサービスや商品を選ぶ際に用いる尺度のことです。ある一面だけを見て購入を決めるのではなく『品質・価格・安全性・倫理』を考えた上で決めることです。この消費行動はSGDsの目標12『つくる責任つかう責任』に当てはまります。
その他にも、エシカル消費は環境・社会・人・地域・生物多様性にも関わっており、建築においては、エコ・フェアトレード・生産者の保護・環境負荷の軽減などが関係し、例えば、FSC森林認証の活用やMSC認証などの活用が考えられます。
FSC認証の木材を選ぶことは、目標15の陸の豊かさを守ろうを掲げた企業のサポートにもなりますし、MSC認証の海産物を選ぶことは、目標14の海の豊かさを守ろうに通じています。
全ての人が参加してこそ、このSDGsは達成されるわけです。
SDGsへの取り組み方
SDGsへ取り組もうと思っても、何から始めればいいか分からない人も多いのではないでしょうか。そもそも、SDGsをやることが目的になってしまい、とても2030年までに達成できないような無理な目標を立てている方もいるかも知れません。
そこで、取り組む手順についてお伝えしますので、参考になさってください。
これまでにSDGsの概要について説明してきましたが、SDGsに取り組むには、次の手順で進めるといいでしょう。
という流れになります。
⒈のSDGsの理解では、これまでご紹介した5つのポイントや17の目標をよくおさえましょう。ここを理解しておくことで行動の軸がしっかりします。
⒉の優先課題の決定ですが、SDGsを事業機会と捉え、自社の強みを生かせる分野を探しましょう。『何となくできそうだから』という考えでは目標達成が難しくなります。
⒊の目標が決まれば、あとは実行するだけです。
⒋のアクションプログラムは169のターゲットと日頃の進捗を確認するためのインディケーターを決めることで、実現可能なアクションプログラムが作成できます。2030年までの長い道のりですが、期間ごとの達成目標を決めることで取り組みやすくなりますよ。
そして、確実に目標を達成するために⒌の定期的なフォローアップを行い、目標実現に向けて取り組んでいきましょう。
SDGsへ取り組もうと思っても、何から始めればいいか分からない人も多いのではないでしょうか。そもそも、SDGsをやることが目的になってしまい、とても2030年までに達成できないような無理な目標を立てている方もいるかも知れません。
そこで、取り組む手順についてお伝えしますので、参考になさってください。
これまでにSDGsの概要について説明してきましたが、SDGsに取り組むには、次の手順で進めるといいでしょう。
- SDGsを理解する
- 優先課題を決定する
- 目標を決める
- アクションプログラムを組む
- フォローアップ
という流れになります。
⒈のSDGsの理解では、これまでご紹介した5つのポイントや17の目標をよくおさえましょう。ここを理解しておくことで行動の軸がしっかりします。
⒉の優先課題の決定ですが、SDGsを事業機会と捉え、自社の強みを生かせる分野を探しましょう。『何となくできそうだから』という考えでは目標達成が難しくなります。
⒊の目標が決まれば、あとは実行するだけです。
⒋のアクションプログラムは169のターゲットと日頃の進捗を確認するためのインディケーターを決めることで、実現可能なアクションプログラムが作成できます。2030年までの長い道のりですが、期間ごとの達成目標を決めることで取り組みやすくなりますよ。
そして、確実に目標を達成するために⒌の定期的なフォローアップを行い、目標実現に向けて取り組んでいきましょう。
全てのステークホルダーを意識して取り組む
SDGsへの取り組みで大切なことは「誰一人取り残さない」ということ。この誰一人という中には、当然ステークホルダーも含まれています。自分たちの活動の中で、このステークホルダーを意識して行動しないと本末転倒にもなりかねないので注意が必要です。
ステークホルダーとは
一般的にステークホルダーというと『利害関係者』とされ、企業活動においては、株主・経営者・従業員・顧客・取引先などが挙げられます。他にも金融機関や競合先、地域社会なども含まれており、ある特定の人にだけというわけにはいきません。
そもそも、利害関係者と言ってもお互いの利害が一致しているわけではないので、SDGsに取り組む際にはこの辺りを明確にしていきましょう。
そのためには、ステークホルダーとの信頼関係が必要不可欠になりますので、活動の公開や様々な情報開示など積極的な情報公開が必要になります。
この部分は、先に説明したESG投資にも関係して来るので、とても重要です。
SDGsへの取り組みで大切なことは「誰一人取り残さない」ということ。この誰一人という中には、当然ステークホルダーも含まれています。自分たちの活動の中で、このステークホルダーを意識して行動しないと本末転倒にもなりかねないので注意が必要です。
ステークホルダーとは
一般的にステークホルダーというと『利害関係者』とされ、企業活動においては、株主・経営者・従業員・顧客・取引先などが挙げられます。他にも金融機関や競合先、地域社会なども含まれており、ある特定の人にだけというわけにはいきません。
そもそも、利害関係者と言ってもお互いの利害が一致しているわけではないので、SDGsに取り組む際にはこの辺りを明確にしていきましょう。
そのためには、ステークホルダーとの信頼関係が必要不可欠になりますので、活動の公開や様々な情報開示など積極的な情報公開が必要になります。
この部分は、先に説明したESG投資にも関係して来るので、とても重要です。
まずは出来そうなところから
SDGsは全ての企業が取り組む必要があります。それは、全ての人がステークホルダーであることからもお分りいただけると思います。
SDGsに興味を持ったら、17の目標を眺めてみてください。すると、何か一つは実現できることが見えてくるはずです。そして、その目標のターゲットを読んでみましょう。
また、先行している企業の取り組み事例を見ることで具体的な取り組み方からフォローアップまでの流れがわかるので、参考にしてください。
「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を2030年までに実現するために、今すぐに取り組んでいきましょう。
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SDGsは全ての企業が取り組む必要があります。それは、全ての人がステークホルダーであることからもお分りいただけると思います。
SDGsに興味を持ったら、17の目標を眺めてみてください。すると、何か一つは実現できることが見えてくるはずです。そして、その目標のターゲットを読んでみましょう。
また、先行している企業の取り組み事例を見ることで具体的な取り組み方からフォローアップまでの流れがわかるので、参考にしてください。
「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を2030年までに実現するために、今すぐに取り組んでいきましょう。
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