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建築家とともに「好き」を形に。心地よさをつくる中庭のある家
自分たちの「好きな家」を徹底的に考えたオーナー夫妻が、希望をリストに落とし込むところから始まった家づくり。建築家と一緒に、息の合った連携で作り上げた家とは?
Mamiko Nakano
2020年5月15日
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子育てしやすい住まいを求めて家づくりを始めたオーナー夫妻は、普段から自分たちの「好きな家」を楽しんで調べていた。新たにつくる家への要望もリストにまとめ、地元・群馬県高崎市を拠点に活動するポライトデザインオフィスの大橋洋介さんに家づくりを依頼した。
どんなHouzz?
住まい手:ご夫婦と4歳の娘、2歳の息子、猫のレイア(9歳)
所在地:群馬県高崎市
敷地面積:256㎡
建築面積:103.71㎡
延べ床面積:130.34㎡
設計:ポライトデザインオフィス
施工:ほしかわ工務店 株式会社
構造:木造
規模:地上2階建
竣工:2018年11月
マイホームのための分譲地を取得した夫妻が、初めて大橋さんを事務所に訪ねたのは2016年の冬。元から知り合いであったことに加え、大橋さんの過去の作品が気に入ったことと、話しやすい人柄が依頼の決め手になったという。
住まい手:ご夫婦と4歳の娘、2歳の息子、猫のレイア(9歳)
所在地:群馬県高崎市
敷地面積:256㎡
建築面積:103.71㎡
延べ床面積:130.34㎡
設計:ポライトデザインオフィス
施工:ほしかわ工務店 株式会社
構造:木造
規模:地上2階建
竣工:2018年11月
マイホームのための分譲地を取得した夫妻が、初めて大橋さんを事務所に訪ねたのは2016年の冬。元から知り合いであったことに加え、大橋さんの過去の作品が気に入ったことと、話しやすい人柄が依頼の決め手になったという。
リビングからダイニングと中庭方向を望む。床はオーク材。
建築家との家づくりの通常のプロセスは、建主が理想のライフスタイルを建築家に伝え、そこから建築家が様々な提案するというものだろう。
しかし、奥さまが建築学科出身で、夫婦ともにものづくりの仕事をしているこちらのご夫妻は、自分たちの好きなデザインや家に取り入れたい機能などについて、普段から考え、調べ続けていた。そのため、大橋さんとの初回相談の時点で既に、家づくりで実現したいことをA4の用紙2枚にリスト化していた。
建築家との家づくりの通常のプロセスは、建主が理想のライフスタイルを建築家に伝え、そこから建築家が様々な提案するというものだろう。
しかし、奥さまが建築学科出身で、夫婦ともにものづくりの仕事をしているこちらのご夫妻は、自分たちの好きなデザインや家に取り入れたい機能などについて、普段から考え、調べ続けていた。そのため、大橋さんとの初回相談の時点で既に、家づくりで実現したいことをA4の用紙2枚にリスト化していた。
夫妻が相談時にまとめていた家づくりの希望リスト。
「総合」と部屋別に分けてまとめられた家づくりの希望リストには「平屋か部分2階」「LDKは日当たり重視」「飼い猫のキャットウォークが必要」「車は3-4台」「屋根外観は出来るだけ薄く」などの要望が、具体的に記されていた。
「いただいたリストは、こちらが提案したいと思っていることを網羅している感じで、打ち合わせはスムーズでした」と大橋さん。「希望を整理して、アウトプットした、という感じです」
「総合」と部屋別に分けてまとめられた家づくりの希望リストには「平屋か部分2階」「LDKは日当たり重視」「飼い猫のキャットウォークが必要」「車は3-4台」「屋根外観は出来るだけ薄く」などの要望が、具体的に記されていた。
「いただいたリストは、こちらが提案したいと思っていることを網羅している感じで、打ち合わせはスムーズでした」と大橋さん。「希望を整理して、アウトプットした、という感じです」
中庭を道路側から見た時の外観。
設計時に、夫妻の希望リストにはなかったもので大橋さんがこの家につくることにしたのが、中庭だ。奥さまは模型を見たとき、中庭の綺麗さがとても印象的だったそうだ。「これだ!と思いました」と振り返る。
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設計時に、夫妻の希望リストにはなかったもので大橋さんがこの家につくることにしたのが、中庭だ。奥さまは模型を見たとき、中庭の綺麗さがとても印象的だったそうだ。「これだ!と思いました」と振り返る。
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中庭からダイニングを望む。
大橋さんによると、平屋は1階の平面上に部屋が配置されるため、全ての部屋に良い位置で窓が作れる状態になるとは限らないという。そうすると、思ったように陽が入らなかったり、風が取り入れられなかったりすることもある。
「でも、中庭があると大きい窓を居室につけても、外に向けなくて済む。だから、中庭が必要だと思いました」(大橋さん)
テラス・中庭の写真を見る
大橋さんによると、平屋は1階の平面上に部屋が配置されるため、全ての部屋に良い位置で窓が作れる状態になるとは限らないという。そうすると、思ったように陽が入らなかったり、風が取り入れられなかったりすることもある。
「でも、中庭があると大きい窓を居室につけても、外に向けなくて済む。だから、中庭が必要だと思いました」(大橋さん)
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中庭でバーベキューなどはまだしていないそうだが、「子供たちがもう少し大きくなったら、小さなプールをして遊べるようにしてあげたい」と夫妻は話す。
中庭に面しているのが、ダイニングキッチンだ。床は「ADワールド」のコルクの床。足あたりが柔らかく、水を弾いてくれるグレーの塗装がしてあるので、耐久性の面でも安心なのだそう。中庭のタイルとトーンを揃え、つながっているように見せている。
中庭に面しているのが、ダイニングキッチンだ。床は「ADワールド」のコルクの床。足あたりが柔らかく、水を弾いてくれるグレーの塗装がしてあるので、耐久性の面でも安心なのだそう。中庭のタイルとトーンを揃え、つながっているように見せている。
ダイニングには、以前住んでいた家から持参した名作照明「PH5」(ルイスポールセン)を使うことが希望だった。それを踏まえて、照明に合わせて、キャビネットのグレーベージュ色を選んだ。
キャビネットの下には、猫の食事スペースがある。今はお客さんがきたら活用しているというバーカウンターは子供たちが大きくなったら、勉強スペースにしたいと考えているそう。
名作照明「PHシリーズ」のタイムレスな魅力
キャビネットの下には、猫の食事スペースがある。今はお客さんがきたら活用しているというバーカウンターは子供たちが大きくなったら、勉強スペースにしたいと考えているそう。
名作照明「PHシリーズ」のタイムレスな魅力
キャビネットを背にダイニングから見る中庭。とても開放感のある眺めが味わえる。
キッチンの濃いピンクとグリーンのカラフルな壁は、オーナー夫妻がベンジャミンムーアで塗料の色を選び、自ら塗ったもの。トイレの壁も施主自らが施工期間に「壁を塗る日」を作り、塗ったのだという。
中庭とダイニングの横にある畳の小上がりコーナー。ご主人の希望で実現した。今は主に、子供たちがおもちゃで遊ぶスペースになっている。
ガラスの引き戸の奥はランドリールーム。物干し竿もスペース内にあり、洗濯仕事がここで完了する。
洗濯スペースの奥はバスルーム、そしてその先が家族全員の衣類を収納できるウォークインクローゼット。衣類の管理はご主人の管轄だ。
そして、ウォークインクローゼットの手前にあるのが洗面スペース。座って使えるようにしたい、というのが当初からの要望だった。リビングの棚にも使われているラワン材の造作のキャビネットには、真鍮の取手がつけられている。
そして、ウォークインクローゼットの手前にあるのが洗面スペース。座って使えるようにしたい、というのが当初からの要望だった。リビングの棚にも使われているラワン材の造作のキャビネットには、真鍮の取手がつけられている。
2階へと続くエリアは吹き抜けで、小上がりスペースの天井に取り付けられている照明のAKARIが良い雰囲気だ。透明感のある窓も多く、とても開放感がある。
階段から2階エリアの床材は地元、群馬県産の杉。節の目立つ部分をあえて使うことで、足あたりが柔らかくありつつも、傷は目立ちにくいそうだ。
吹き抜けのある美しい家9選
階段から2階エリアの床材は地元、群馬県産の杉。節の目立つ部分をあえて使うことで、足あたりが柔らかくありつつも、傷は目立ちにくいそうだ。
吹き抜けのある美しい家9選
玄関前のブロック塀は、片側だけが隙間を空けた積み方になっている。これも、奥さまが通りかかった家のブロック塀を見て、大橋さんに追加リクエストして実現したもの。上に載っているヒノキの板の木の色が、コンクリートを柔らかい印象にしていて美しい。
2年ほどの時間をかけ、作り上げたこの家。半年たった今の住み心地を夫妻に聞くと「ずっとここにいるような感じで馴染んでいる」との答えが返ってきた。自分の「好き」を明確にしながら、信頼する専門家と一緒に家づくりに取り組んだゆえの満足感なのだろう。
建築家と家づくりをするメリットとは?
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2年ほどの時間をかけ、作り上げたこの家。半年たった今の住み心地を夫妻に聞くと「ずっとここにいるような感じで馴染んでいる」との答えが返ってきた。自分の「好き」を明確にしながら、信頼する専門家と一緒に家づくりに取り組んだゆえの満足感なのだろう。
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