広々としたリビングに3世代が集う、暮らしをシェアする家
リビング・ダイニングスペースが家の中心にある、横に長い外観が特徴的な二世帯住宅。グレイッシュなカラーが美しさと落ち着きを醸し出しています。
首都圏から故郷である宇都宮に戻るにあたり、 ご両親と一緒に暮らすための住まいをつくることになったオーナー夫妻。ふたつの家族全員が集える広々としたリビング・ダイニングと、それぞれの家族のプライベートスペースが確保されている住まいづくりを希望していた。建築家を探す中で、オーナー夫妻が出会ったのがJWA建築・都市設計。自分たちと親世代の両方が満足できる、洗練されたセンスで家づくりをしてくれる専門家だと感じ、設計を依頼した。
玄関から少しジグザグに廊下を歩いていくと、リビングにたどり着く。近頃は廊下を減らし、居室のスペースを大きく確保しようとする設計も多い。しかし、廊下を写真や絵画作品を飾るギャラリースペースとして使ってもらうためと、明るいリビングの空間にたどり着いた時に驚きを感じてもらうために、この家ではあえて廊下を設けた。
実は両親の居住スペースは廊下沿いにあるが、ドアが壁と床の色と揃ったライトグレーで空間に全体に溶け込んでいる。来客は居住スペースの存在感をあまり感じずに、廊下の空間そのものに集中した状態でリビングにたどり着けるようになっている。
廊下からリビングにくると目に入るのが「イタリアンスタッコ」のフィーチャーウォールだ。大理石の粉末が混ざっている漆喰壁は、職人が仕上げたつやと陰影のバランスが美しい。少し濃いめの色合いのグレーは、全体に馴染みつつ、空間全体に確かな存在感を放っている。
「帰宅してこの壁を見ると、また明日も頑張ろう!となります」と、オーナー。家族のお気に入りの壁だ。
「帰宅してこの壁を見ると、また明日も頑張ろう!となります」と、オーナー。家族のお気に入りの壁だ。
リビングは天井が高く、4メートルほどの高さがあるそう。三角形を組み合わせることで強度を高めることができる「トラス構造」を、木を組むことで実現した。
「木造なので、本当は3メートルに1本くらい柱が必要なのですが、トラスが組んであるから、この空間が実現しています。結構アクロバティックな仕事を、施工者がこなしてくれました」と語るのは、JWAの一級建築士、高木彩子さん。
リビングは24.5畳、ダイニングエリアを合わせると35.8畳の広さがある。パーソナルスペースを程よく確保しつつ、他の住まい手とゆったりとつながれる空間になっている。
「木造なので、本当は3メートルに1本くらい柱が必要なのですが、トラスが組んであるから、この空間が実現しています。結構アクロバティックな仕事を、施工者がこなしてくれました」と語るのは、JWAの一級建築士、高木彩子さん。
リビングは24.5畳、ダイニングエリアを合わせると35.8畳の広さがある。パーソナルスペースを程よく確保しつつ、他の住まい手とゆったりとつながれる空間になっている。
こちらの家族は、朝起きてから出かける時間が、それぞれで違っている。そのため朝食も各々でとるスタイルだ。シェアハウスのように、共有スペースを中心に、それぞれが自分の時間を過ごしていているそう。
それでも、家づくりの当初からこだわったのが、家族が一つの食卓で夕食を共にするスペースを設けることだ。リビング奥のダイニングスペースには、グレーベージュ色の直径135センチある木製の丸テーブルが置かれている。住まいに合わせて、特注でつくったものだ。
「丸テーブルは顔が合うので、6人座っても話しやすいのが良いですね」とオーナー。ダイニングの外にあるウッドデッキでは、広い庭を眺めながらバーベキューを楽しむそうだ。
柔らかな雰囲気が魅力。丸テーブルのあるダイニングつくろう
「丸テーブルは顔が合うので、6人座っても話しやすいのが良いですね」とオーナー。ダイニングの外にあるウッドデッキでは、広い庭を眺めながらバーベキューを楽しむそうだ。
柔らかな雰囲気が魅力。丸テーブルのあるダイニングつくろう
真ん中にリビングがあり、左右に各家族のプライベートスペースがある横長の佇まい。平屋のようだが、一部2階建てで、2階にはアクセントウォールの色を娘たちそれぞれがセレクトした子供部屋がある。1階の奥には、茶道をたしなむご両親のための和室と、ゲストルームもある。
代々伝わるこの土地にあった家を、新たに生まれ変わらせた3世代が暮らす家。ゆったりとした姿は美術館を彷彿とさせるようで、近隣の人たちに「ミュージアム」として親しまれているという。
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株式会社JWA建築・都市設計のプロフィールや、ほかのプロジェクトを見る
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住まい手:ご夫婦と14歳と9歳の娘たち、ご両親
所在地:栃木県宇都宮市
敷地面積:1991.43㎡
建築面積:344.24㎡
延べ床面積:239.81㎡
設計:株式会社JWA建築・都市設計 Jun Watanabe & Associates
構造:洋小屋組み在来軸組工法 木造2階建て
施工会社:栃木ハウス株式会社
竣工:2018年3月
宇都宮駅から車で十数分ほど行った川沿いの、のどかな場所に建つこの住宅。横の全長(長手方向)は26メートルもあるという。