家づくりで相見積もりをとる時のマナーとは?
相見積もりは、家づくりの過程で必要なプロセスです。専門家に相見積もりを依頼するときに伝えておきたいこと、また、お断りしなくてはならない時のマナーを知っておきましょう。

荒木康史
2023年2月24日
暮らしの総合アドバイザー。ユーザーや建設会社向けにコンサルティングや講演、セミナーを行なっております。
家づくりは一生のうちでそう何度も出来るものではありません。この数少ないチャンスを生かし、あなたの夢や家族の想いを形にしてくれる人(専門家)に出会う事が必要です。日本には、建設会社の数は約6万社あり、設計事務所も同じくらいあります。しかし、あなたの家を形にしてくれる住宅会社は、その内のたった1社しかありません。もし、その住宅会社があなたの夢や家族の想いを形に出来なかったとしたら、とても悲しいですよね。
相見積もりについてご相談されるお客様は特に多く、「何社か見積もりを出してもらっても大丈夫なんですか?」という質問はよくあります。今回は、気になる相見積もり事情についてお伝えします。
相見積もりについてご相談されるお客様は特に多く、「何社か見積もりを出してもらっても大丈夫なんですか?」という質問はよくあります。今回は、気になる相見積もり事情についてお伝えします。
理想の家づくりのために必要な「相見積もり」
家づくりをはじめるとき、気になるのは、やはり予算ではないでしょうか。もちろん、設備や仕様によって予算は大きく変わってきますが、どれくらいが相場なのかを知らないままだと、いいのか悪いのか判断がつきません。それに、同じ土地であっても設計する住宅会社(設計事務所)によって、そのプランも大きく違ってきます。
そもそも、見積もりとは住宅会社がどんな住宅をどんな予算で作るのかを明示したものです。そこには図面があり、デザインや施工方法、建物の性能など家づくりには欠かせない様々な重要事項が記されています。『見積もりだから』と甘く考えてはいけません。あなたと住宅会社との約束事が書かれているので、完成後の住宅に見積書との相違があれば問題になります。(逆に相違がなければイメージと違ったとしても、住宅会社や設計事務所に問題はなかったということになります)。
相見積もりとは、自分にあった建設会社がどこなのかを探すために必要なプロセスになります。それは一生に一度の夢の実現に向けた大事なこと。臆せず積極的に活用しましょう。
『家を建てたい!まずはどうすれば良い?〜専門家の探し方〜』
家づくりをはじめるとき、気になるのは、やはり予算ではないでしょうか。もちろん、設備や仕様によって予算は大きく変わってきますが、どれくらいが相場なのかを知らないままだと、いいのか悪いのか判断がつきません。それに、同じ土地であっても設計する住宅会社(設計事務所)によって、そのプランも大きく違ってきます。
そもそも、見積もりとは住宅会社がどんな住宅をどんな予算で作るのかを明示したものです。そこには図面があり、デザインや施工方法、建物の性能など家づくりには欠かせない様々な重要事項が記されています。『見積もりだから』と甘く考えてはいけません。あなたと住宅会社との約束事が書かれているので、完成後の住宅に見積書との相違があれば問題になります。(逆に相違がなければイメージと違ったとしても、住宅会社や設計事務所に問題はなかったということになります)。
相見積もりとは、自分にあった建設会社がどこなのかを探すために必要なプロセスになります。それは一生に一度の夢の実現に向けた大事なこと。臆せず積極的に活用しましょう。
『家を建てたい!まずはどうすれば良い?〜専門家の探し方〜』
見積もりでは、何を見ればいい?
まず、相見積もりのまえに、見積もりで確認しておくべき内容について知っておきましょう。
見積もりでは、①プラン②金額③仕様を確認することができます。見積もりを依頼した時に、色々な要望などを伝える必要があるのですが、要望を如何に理解し形にしてきたのかが見積もりに現れてきます。もしかしたら、希望するプランになっていないかもしれないし、金額が合わないことがあるかもしれません。
そして、ミスマッチを無理やり整えて行こうとすると、どこかしらに歪みが生じ、あなたと住宅会社の双方に不利益が生じることも考えられます。
こうしたことが起きない様に、強いてはあなたの夢の家づくりが最高の形で実現できる様にするためにも、相見積もりの必要性があるのです。
『建物以外の費用も結構かかる?家づくりの資金計画とは』
まず、相見積もりのまえに、見積もりで確認しておくべき内容について知っておきましょう。
見積もりでは、①プラン②金額③仕様を確認することができます。見積もりを依頼した時に、色々な要望などを伝える必要があるのですが、要望を如何に理解し形にしてきたのかが見積もりに現れてきます。もしかしたら、希望するプランになっていないかもしれないし、金額が合わないことがあるかもしれません。
そして、ミスマッチを無理やり整えて行こうとすると、どこかしらに歪みが生じ、あなたと住宅会社の双方に不利益が生じることも考えられます。
こうしたことが起きない様に、強いてはあなたの夢の家づくりが最高の形で実現できる様にするためにも、相見積もりの必要性があるのです。
『建物以外の費用も結構かかる?家づくりの資金計画とは』
相見積もりで確認するべきポイント
相見積もりでは、住宅会社ごとに見積もり書式が違うので、戸惑うことがあるかもしれません。以下の点に注意しておくとある程度正確な判断ができます。
【金額について】
項目ごとに細かく明細を出してくる住宅会社もあれば、「一式」という表示をしている住宅会社もあります。「契約前だからどんぶり勘定でいいや」と思わないでくださいね。「契約後に詳細を詰めて行きますが、そんなに金額は変わらないですよ」と言われるかもしれませんが、後々問題が生じる恐れがあります。この様な大まかな見積もりが出た場合は、内訳をしっかり提示してもらいましょう。
それから、本体工事の他に付帯工事や地盤改良費など事前に知っておくべき費用もありますので、確認が必要です。さらに、メンテナンス費用についてもしっかりと確認しておきましょう。住まいを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。防腐防蟻対策は、一般的に5年毎の再施工が必要になりますし、24時間の換気システムのフィルターは1〜2年ごとの交換が必要になるものがあります。
【図面(プラン)について】
見積もりの大前提になるものなので、要望がしっかり反映されているか、法規的に問題はないのか、周囲の環境を考慮されているかなどしっかりと確認しましょう。自分の家だけを見ているといい家に見えても、周りの住宅との絡みなどを見てみると問題があるプランを散見します。広い視野で見ることが必要です。
【仕様について】
設備については、メーカーのカタログなどで確認することができるのでしっかり確認しましょう。また、目に見えない部分については、こちら側から要求する必要があります。以下に代表的なものを挙げておきます。
・耐震性能(耐震等級1〜3)
・省エネ性能(ZEH対応の有無、HEAT20のグレード、1次エネルギー消費量など)
・耐久性能(劣化対策等級など)
相見積もりでは、住宅会社ごとに見積もり書式が違うので、戸惑うことがあるかもしれません。以下の点に注意しておくとある程度正確な判断ができます。
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項目ごとに細かく明細を出してくる住宅会社もあれば、「一式」という表示をしている住宅会社もあります。「契約前だからどんぶり勘定でいいや」と思わないでくださいね。「契約後に詳細を詰めて行きますが、そんなに金額は変わらないですよ」と言われるかもしれませんが、後々問題が生じる恐れがあります。この様な大まかな見積もりが出た場合は、内訳をしっかり提示してもらいましょう。
それから、本体工事の他に付帯工事や地盤改良費など事前に知っておくべき費用もありますので、確認が必要です。さらに、メンテナンス費用についてもしっかりと確認しておきましょう。住まいを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。防腐防蟻対策は、一般的に5年毎の再施工が必要になりますし、24時間の換気システムのフィルターは1〜2年ごとの交換が必要になるものがあります。
【図面(プラン)について】
見積もりの大前提になるものなので、要望がしっかり反映されているか、法規的に問題はないのか、周囲の環境を考慮されているかなどしっかりと確認しましょう。自分の家だけを見ているといい家に見えても、周りの住宅との絡みなどを見てみると問題があるプランを散見します。広い視野で見ることが必要です。
【仕様について】
設備については、メーカーのカタログなどで確認することができるのでしっかり確認しましょう。また、目に見えない部分については、こちら側から要求する必要があります。以下に代表的なものを挙げておきます。
・耐震性能(耐震等級1〜3)
・省エネ性能(ZEH対応の有無、HEAT20のグレード、1次エネルギー消費量など)
・耐久性能(劣化対策等級など)
相見積もりの依頼方法
相見積もりするときは、各社に同じ条件で見積もり依頼しましょう。各社に違う条件を出したのでは、それぞれの会社の違いや特徴がみえなくなってしまうばかりか、自分の中で迷いが生じてしまいます。
また、見積もり依頼するときに隠し事をせずに依頼したほうがいいですね。例えば予算を明らかにしないままだと、要望を実現しようとするあまり予算以上のプランを作ってくるかもしれません。もしも予算を伝えた上で見積もりを依頼していたら、その会社が最高のパートナーになった可能性もあるわけです。
それから、要望や条件など出来るだけ細かくお伝えしておいた方がその住宅会社の実力がわかります。要望通りの住まいを提案するところもあれば、プロとしてさらにいい提案をしてくれることもあり、例えその会社と縁がなかったとしても、その提案はあなたにとって大切な気づきとなるでしょう。
必要な情報、「予算」と「要望」
【予算】
ある程度、現実的なラインをお伝えしましょう。できるだけ安くとか多少のゆとりはあるなどお伝えしておくと、住宅会社も対応しやすくなります。
【要望】
間取りや設備など決まっているものがあればまとめておくといいですね。要望は優先順位の高い順に並べておくのがオススメです。要望の優先順位を決めておかないと、どこまでやればいいのか分からずプランもコストも想定外のものになりかねません。せっかく相見積もりを取ったとしても、見当違いのものになりますよ。
それから、住まいの要望だけでなく暮らし方のイメージを伝えることも忘れないようにしてください。暮らし方のイメージがあることで、中の家具やインテリアなど、より具体的な提案をいただけます。
相見積もりするときは、各社に同じ条件で見積もり依頼しましょう。各社に違う条件を出したのでは、それぞれの会社の違いや特徴がみえなくなってしまうばかりか、自分の中で迷いが生じてしまいます。
また、見積もり依頼するときに隠し事をせずに依頼したほうがいいですね。例えば予算を明らかにしないままだと、要望を実現しようとするあまり予算以上のプランを作ってくるかもしれません。もしも予算を伝えた上で見積もりを依頼していたら、その会社が最高のパートナーになった可能性もあるわけです。
それから、要望や条件など出来るだけ細かくお伝えしておいた方がその住宅会社の実力がわかります。要望通りの住まいを提案するところもあれば、プロとしてさらにいい提案をしてくれることもあり、例えその会社と縁がなかったとしても、その提案はあなたにとって大切な気づきとなるでしょう。
必要な情報、「予算」と「要望」
【予算】
ある程度、現実的なラインをお伝えしましょう。できるだけ安くとか多少のゆとりはあるなどお伝えしておくと、住宅会社も対応しやすくなります。
【要望】
間取りや設備など決まっているものがあればまとめておくといいですね。要望は優先順位の高い順に並べておくのがオススメです。要望の優先順位を決めておかないと、どこまでやればいいのか分からずプランもコストも想定外のものになりかねません。せっかく相見積もりを取ったとしても、見当違いのものになりますよ。
それから、住まいの要望だけでなく暮らし方のイメージを伝えることも忘れないようにしてください。暮らし方のイメージがあることで、中の家具やインテリアなど、より具体的な提案をいただけます。
断ると決めたら、なるべく早く連絡する
相見積もりが出揃ったら、金額やプランの比較検討になります。最初に述べたように、あなたの家を形にしてくれる住宅会社は一社だけです。甲乙つけ難い場合もあるかもしれませんが、依頼先以外はお断りしなければなりません。もしかしたら、相見積もりをお願いした全社をお断りしなければならないかもしれません。
お断りするときのマナーですが、なるべく早い時期にお断りを入れましょう。見積書には有効期限がありますので、どんなに遅くてもその期限までに何らかの意思を示す必要があります。そして、入手した情報を全てお返しし、お見積もりしていただいたお礼をきちんと述べることが大事です。断る方も断られる方もいい気持ちはしませんが、きちんとお断りしておかないと相手に期待を持たせてしまったり、思わぬトラブルに発展する事もあります。
例えば、プランは気に入ったけど金額が合わなかった場合に、そのプランを採用して他の住宅会社に施工を依頼する方がいらっしゃいますが、この行為は御法度です。この行為が後にトラブルに発展したケースもありますので、どうしてもそのプランを使いたい場合は、その住宅会社にご相談するのがいいでしょう。
相見積もりが出揃ったら、金額やプランの比較検討になります。最初に述べたように、あなたの家を形にしてくれる住宅会社は一社だけです。甲乙つけ難い場合もあるかもしれませんが、依頼先以外はお断りしなければなりません。もしかしたら、相見積もりをお願いした全社をお断りしなければならないかもしれません。
お断りするときのマナーですが、なるべく早い時期にお断りを入れましょう。見積書には有効期限がありますので、どんなに遅くてもその期限までに何らかの意思を示す必要があります。そして、入手した情報を全てお返しし、お見積もりしていただいたお礼をきちんと述べることが大事です。断る方も断られる方もいい気持ちはしませんが、きちんとお断りしておかないと相手に期待を持たせてしまったり、思わぬトラブルに発展する事もあります。
例えば、プランは気に入ったけど金額が合わなかった場合に、そのプランを採用して他の住宅会社に施工を依頼する方がいらっしゃいますが、この行為は御法度です。この行為が後にトラブルに発展したケースもありますので、どうしてもそのプランを使いたい場合は、その住宅会社にご相談するのがいいでしょう。
理想の家づくりのため、マナーを守って活用を
今の時代、相見積もりは良い住まいを見つけるために必要な手段だと思います。気になる会社があれば積極的に話を聞いて、自分の土地に対してどんなプランを提案してくれるのかを確かめましょう。
同一条件だからこそ相見積もりから見えることがあります。理想の家づくりの実現に向けて、相見積もりを上手に活用しましょう。
Houzzで住まいの専門家を探す
今の時代、相見積もりは良い住まいを見つけるために必要な手段だと思います。気になる会社があれば積極的に話を聞いて、自分の土地に対してどんなプランを提案してくれるのかを確かめましょう。
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