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イングリッシュガーデンとは?作り方のポイント
イングリッシュガーデンの特徴は?実際に庭づくりするなら、おさえておきたいことをご紹介します。
舩村佳織
2019年3月22日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
ガーデニングに興味がある方なら、必ず一度は耳にするイングリッシュガーデン(英国式庭園)という言葉。実際はどんな庭を指すのでしょうか。ガーデン大国イギリスの歴史を振り返りながら、基本を確認しましょう。また、実際にイングリッシュガーデンを作る際の大事なポイントを合わせてお伝えします。
イングリッシュガーデンとは
イギリスでは18世紀頃から風景式庭園が造られ始めました。風景式庭園とは、フランスやイタリアで多く作られていた幾何学的な庭園とは全く違う、自然的な風景を楽しむ庭園です。もともとは貴族達が郊外の広い土地を使って、自然風景を楽しんでいたものが、19世紀以降の都市化に伴って市民の間にもガーデニングが広がっていきます。
イギリスでは18世紀頃から風景式庭園が造られ始めました。風景式庭園とは、フランスやイタリアで多く作られていた幾何学的な庭園とは全く違う、自然的な風景を楽しむ庭園です。もともとは貴族達が郊外の広い土地を使って、自然風景を楽しんでいたものが、19世紀以降の都市化に伴って市民の間にもガーデニングが広がっていきます。
工業化とともに急速に進んだ都市化に反するように、人々は牧歌的な風景や自然をより求めるようになりました。これらを背景に、郊外のイギリス風景式庭園ほどの広大さは無くとも、自然を感じられる庭づくりがイギリスの市民の生活にも根付いていったのです。つまりイングリッシュガーデンとは、植物のありのままの美しさを最大限に味わえるような庭のことなのです。
色彩
イングリッシュガーデンの自然風な景色の魅力を引き出すには、同系色の淡色でまとめるのがおすすめです。優しげな色合いが、風景画のようなシーンを作り出してくれます。
ついついやりがちなのが、気に入った植物をどんどん植えていってしまって、お庭全体がごちゃごちゃになってしまうことです。一つ一つは素敵な植物でも、たくさんの色が一つのシーンに入りすぎると、自然風のイングリッシュガーデンから離れたものになってしまいます。全体のテーマカラーを頭に入れながら、植物を選ぶようにすれば失敗は少ないでしょう。
イングリッシュガーデンの自然風な景色の魅力を引き出すには、同系色の淡色でまとめるのがおすすめです。優しげな色合いが、風景画のようなシーンを作り出してくれます。
ついついやりがちなのが、気に入った植物をどんどん植えていってしまって、お庭全体がごちゃごちゃになってしまうことです。一つ一つは素敵な植物でも、たくさんの色が一つのシーンに入りすぎると、自然風のイングリッシュガーデンから離れたものになってしまいます。全体のテーマカラーを頭に入れながら、植物を選ぶようにすれば失敗は少ないでしょう。
目立つ色を入れたい場合は一つの色に絞ってアクセントにすると良いでしょう。その際も、色の分量に注意して取り入れると失敗しにくいです。
植物のフォルム
イングリッシュガーデンでは、植物のフォルムを捉え、それを元にどのように配置していくかを考えます。背が高くスッと伸びるように咲く花や、たくさんの小花がふわふわとした花、風にしなやかに揺れるグラス、平面的で大きな葉などを上手に組み合わせて、立体的に植栽を作っていきます。イングリッシュガーデンの自然に見える植栽というのは、実際はよく計算された植栽なのです。
イングリッシュガーデンでは、植物のフォルムを捉え、それを元にどのように配置していくかを考えます。背が高くスッと伸びるように咲く花や、たくさんの小花がふわふわとした花、風にしなやかに揺れるグラス、平面的で大きな葉などを上手に組み合わせて、立体的に植栽を作っていきます。イングリッシュガーデンの自然に見える植栽というのは、実際はよく計算された植栽なのです。
ボーダーガーデン
イングリッシュガーデンの手法の一つ、ボーダーガーデン。手前には背が低い植物を、奥に向かって背の高い植物を植えていく植栽方法です。植物が立体的に並び、見ごたえのある花壇となります。
どうしたら全体がよく調和した花壇となるかが、ガーデナーの腕の見せ所です。先にご紹介した、色彩やフォルムを考えながら配置していくのがポイントです。
イングリッシュガーデンの手法の一つ、ボーダーガーデン。手前には背が低い植物を、奥に向かって背の高い植物を植えていく植栽方法です。植物が立体的に並び、見ごたえのある花壇となります。
どうしたら全体がよく調和した花壇となるかが、ガーデナーの腕の見せ所です。先にご紹介した、色彩やフォルムを考えながら配置していくのがポイントです。
自然素材
舗装や花壇の縁取りなど、なるべく自然素材を使うと自然風の景色に近づきます。特に歩く場所は視界によく入るので、コンクリート舗装などよりも自然石を使った方がより雰囲気が良くなります。
舗装や花壇の縁取りなど、なるべく自然素材を使うと自然風の景色に近づきます。特に歩く場所は視界によく入るので、コンクリート舗装などよりも自然石を使った方がより雰囲気が良くなります。
石積みは存在感があり、庭の景色を作るのに非常に効果的。コンクリートブロックには出せない、素晴らしい味わいを作り出します。自然石は使用していく内に欠けや割れなども発生してしまいますが、それすらも自然石では味わいに変わります。
アンティークの風合い
鉢などを置く場合、アンティークテイストのものを選ぶとイングリッシュガーデンによく馴染みます。一般的には避けられがちなサビやコケなども、アンティークの中では重宝されるもの。経年変化を劣化と捉えずに味わいと感じるられるのがアンティークの良さです。
自然風のイングリッシュガーデンは、植物の成長を待って、完成されるもの。時間の流れを植物と一緒に味わえるようなアイテムを選びたいものです。
鉢などを置く場合、アンティークテイストのものを選ぶとイングリッシュガーデンによく馴染みます。一般的には避けられがちなサビやコケなども、アンティークの中では重宝されるもの。経年変化を劣化と捉えずに味わいと感じるられるのがアンティークの良さです。
自然風のイングリッシュガーデンは、植物の成長を待って、完成されるもの。時間の流れを植物と一緒に味わえるようなアイテムを選びたいものです。
堅苦しい決まりきったものが無いのがイングリッシュガーデンの魅力です。自然を愛する心を持って庭の手入れをしていくことで、イングリッシュガーデンの魅力は引き出されていきます。この春はイングリッシュガーデンを始めてみませんか?
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