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トレンドは、環境にやさしいデザイン【ストックホルム国際家具見本市 2019】
端材、海草、使用済みプラスチックを使って作られた家具が目立った、北欧・スウェーデンの見本市。サステナブルなデザインが北欧デザインの最先端を走っています。
Houzz Norden Redaktionen
2019年3月11日
ここ数年、北欧デザイン界では、サステナビリティ(持続可能性)を重視する傾向が高まっています。もちろん、天然木やシンプルさといった特徴は、北欧デザインに昔からみられました。これまでもトピックとしては上がっていたサステナビリティが、いよいよ実際の家具として形になってきているのです。
今年のストックホルム国際家具見本市(SFLF)では、家具メーカー(つまり、新製品を販売して利益を上げなければならない企業)でさえも、このサステナビリティ重視の方向性へと一歩を踏み出しています。さあ、どのような家具が出てきているのが、ご紹介しましょう。
今年のストックホルム国際家具見本市(SFLF)では、家具メーカー(つまり、新製品を販売して利益を上げなければならない企業)でさえも、このサステナビリティ重視の方向性へと一歩を踏み出しています。さあ、どのような家具が出てきているのが、ご紹介しましょう。
有名メーカーは今、端材に夢中
スウェーデンのストラブ社は、数ある製品の中でも、カール・マルムステンが1942年にデザインした独創的なチェア、リッラ・オーランドで有名です。今回、そのリッラ・オーランドの切れ端から生まれた製品が登場しました。リッラ・スノーランド(Lilla Snåland)のスツールはリッラ・オーランドの製造時の端材のみでできていて、1つのスツールに14個の端材を使用しています。リサイクル家具それ自体を、サステナビリティのデザインアイコンにしています。
スツール:マリー・ルイーズ・ヘレグレン作、ストラブ社製
スウェーデンのストラブ社は、数ある製品の中でも、カール・マルムステンが1942年にデザインした独創的なチェア、リッラ・オーランドで有名です。今回、そのリッラ・オーランドの切れ端から生まれた製品が登場しました。リッラ・スノーランド(Lilla Snåland)のスツールはリッラ・オーランドの製造時の端材のみでできていて、1つのスツールに14個の端材を使用しています。リサイクル家具それ自体を、サステナビリティのデザインアイコンにしています。
スツール:マリー・ルイーズ・ヘレグレン作、ストラブ社製
スウェデッセ社も、これまで工場の暖房用に炉にくべていた廃材の美しさに目をつけました。昨年、スウェデッセ社は廃木材でできたミラー(写真)を発表しました。スウェデッセ社は今回、そのミラーのフレームに浅浮き彫りを施して再販しました。
ミラー:フロント作、スウェデッセ社製
ミラー:フロント作、スウェデッセ社製
スウェデッセ社のもうひとつの代表的な作品であるラミノチェアの影響は、同社が新たに発売した、カーブした木製の取っ手がついた二段ケーキスタンドにも見られます。これも、以前であれば捨てられていた、廃材でできています。
テーブル:フロント作、スウェデッセ社製
テーブル:フロント作、スウェデッセ社製
天然素材を使ったイノベーション
さらにセンセーショナルでサステナブルな新製品のひとつを、見本市の「グリーンハウス」と呼ばれる場所で見つけました。このエリアは、新進気鋭のデザイナーとデザイン学校の学生が、自分たちのプロトタイプを展示できる場です。若きデンマーク人デザイナーのニコライ・トラーネ・カールセンは、自身の会社であるタンフォームとともに「シーウィードシェイプ」(SeaweedShape))というコースタル・ファーニチャーのチェアを発表しました。
このチェアには、2種類の海草でできた殻があります。脚は竹製の床材を再利用したものでできており、チェア全体がたった4組のネジとブラケットのみを使って組み立てられています。
「家具業界の大半の製品が木材、金属、プラスチックでできていて、ほんのわずかしかリサイクルされません。今の家具産業に代わる、環境にやさしい作品をつくりたかっただけです」とカールセンは話します。
彼はデンマークの小さな島、レス島からインスピレーションを得ました。レス島では、昔から屋根材として、海岸で採れるアマモを使用しています。これらの屋根の中には、300年以上も長持ちしているものもあり、サステナビリティの真のソリューションになりうることを証明しているのです。
さらにセンセーショナルでサステナブルな新製品のひとつを、見本市の「グリーンハウス」と呼ばれる場所で見つけました。このエリアは、新進気鋭のデザイナーとデザイン学校の学生が、自分たちのプロトタイプを展示できる場です。若きデンマーク人デザイナーのニコライ・トラーネ・カールセンは、自身の会社であるタンフォームとともに「シーウィードシェイプ」(SeaweedShape))というコースタル・ファーニチャーのチェアを発表しました。
このチェアには、2種類の海草でできた殻があります。脚は竹製の床材を再利用したものでできており、チェア全体がたった4組のネジとブラケットのみを使って組み立てられています。
「家具業界の大半の製品が木材、金属、プラスチックでできていて、ほんのわずかしかリサイクルされません。今の家具産業に代わる、環境にやさしい作品をつくりたかっただけです」とカールセンは話します。
彼はデンマークの小さな島、レス島からインスピレーションを得ました。レス島では、昔から屋根材として、海岸で採れるアマモを使用しています。これらの屋根の中には、300年以上も長持ちしているものもあり、サステナビリティの真のソリューションになりうることを証明しているのです。
椅子として長く使えるだけの堅さと耐久性を海草に持たせるために、トラーネ・カールセンはさまざまな種類の接着剤を試した後、食用の紅藻類の抽出物で、食品の粘りや安定剤として食品業界で広く使われているカラギーナンを使うアイデアを思いつきました。
「カラギーナンの粉末に水を混ぜ、そこにアマモを加えて『海草の生地』ができあがったのです」と彼は話します。その生地を手で成型し、低温のオーブンに2日間入れておくと、強くて堅いチェアができました。「しかも、長時間乾燥させた後には、海草臭さも消えたデザインになるのです」と、トラーネ・カールセンは笑いながら付け加えます。
「カラギーナンの粉末に水を混ぜ、そこにアマモを加えて『海草の生地』ができあがったのです」と彼は話します。その生地を手で成型し、低温のオーブンに2日間入れておくと、強くて堅いチェアができました。「しかも、長時間乾燥させた後には、海草臭さも消えたデザインになるのです」と、トラーネ・カールセンは笑いながら付け加えます。
トラーネ・カールセンは海草をかけ合わせた原料を発明し、通っていたコペンハーゲンにある建築学校の卒業プロジェクト(原料の研究)としてこの椅子をつくりました。そしてグリーンハウスの審査員は、この作品をベスト・パフォーマンス2019に選びました。
若きデザイナーである彼自身、この椅子(同じく海草を原料にしたランプ、バースツール、サイドテーブルとともに)がきっかけとなって、持続可能性に向けたデザイン業界の大きな冒険が始めることを期待しています。「これまで、私は主に原料に注目してきました。ですから、家具のデザインや形状に目を向ければ、まだまだ探究の機会が無限に広がっています」と彼は話します。
若きデザイナーである彼自身、この椅子(同じく海草を原料にしたランプ、バースツール、サイドテーブルとともに)がきっかけとなって、持続可能性に向けたデザイン業界の大きな冒険が始めることを期待しています。「これまで、私は主に原料に注目してきました。ですから、家具のデザインや形状に目を向ければ、まだまだ探究の機会が無限に広がっています」と彼は話します。
もうひとつ、サステナビリティに向けた宣言をしたのが、スウェーデンのボー社です。この会社は、よくホームセンターの棚に陳列されている材料に、高いレベルのデザイン感覚をまとわせました。
SFLFの会場で目を引いた同社の展示エリアは、100%オーガニック原料からつくられた、音を吸収するアコースティックパルプのパネルで建てられていました。自身のショップにボー社の素材を使う、ファッション・デザイナーのステラ・マッカートニーのようなサステナビリティ推進派もいることで、同社は高い信頼を得ています。
SFLFの会場で目を引いた同社の展示エリアは、100%オーガニック原料からつくられた、音を吸収するアコースティックパルプのパネルで建てられていました。自身のショップにボー社の素材を使う、ファッション・デザイナーのステラ・マッカートニーのようなサステナビリティ推進派もいることで、同社は高い信頼を得ています。
音を吸収する内装用パネルは、ストックホルムにあるスウェーデン王立工科大学(KTH)との協力のもとで生まれ、主に小麦ふすまで染めた木材パルプでできています。
「草の根が持つ難燃性、ハスの花が持つ撥水性、あるいはジャガイモや植物ワックス、柑橘系の果物の触媒の組み合わせが持つ硬化性など、自然の性質を有機的に真似できることが明らかになり、これは何か画期的なことだぞ、と確信を得たのです」と、共同設立者のフレデリック・フランゾンは話します。
「草の根が持つ難燃性、ハスの花が持つ撥水性、あるいはジャガイモや植物ワックス、柑橘系の果物の触媒の組み合わせが持つ硬化性など、自然の性質を有機的に真似できることが明らかになり、これは何か画期的なことだぞ、と確信を得たのです」と、共同設立者のフレデリック・フランゾンは話します。
それって本当にリサイクルされている?
世界のプラスチック消費(そしてそのゴミ)への注目が高まると同時に、あなたはこう自問するかもしれません。そうしたプラスチックゴミの中から、家具の製造に再利用できるものはないか、と。デンマークのデザイン企業ホウエ社がその疑問に対する肯定的な答えとして出したのが、フォーク(Falk)チェアです。
ホウエ社によると、これは使用済みのプラスチックでできた世界初のチェアということです。デンマーク人デザイナー、トーマス・ペーダーセンがデザインを担当し、デンマークのラナースで、地域のデンマーク人家庭から出るゴミを直接リサイクルしたプラスチックから製造されました。
ホウエ社にとって重要だったのは、持続可能性を強調しているにもかかわらず、チェアが再生原料からできていないように見せることでした。「デザインは、再生プラスチックでできているという事実とは無関係ですし、再生原料だからと言ってデザインに妥協したくはありませんでした。持続可能でない他のチェアと比べても、美しさに遜色ないチェアをつくりたかったのです」と、創業者のラース・ホウエは語ります。
世界のプラスチック消費(そしてそのゴミ)への注目が高まると同時に、あなたはこう自問するかもしれません。そうしたプラスチックゴミの中から、家具の製造に再利用できるものはないか、と。デンマークのデザイン企業ホウエ社がその疑問に対する肯定的な答えとして出したのが、フォーク(Falk)チェアです。
ホウエ社によると、これは使用済みのプラスチックでできた世界初のチェアということです。デンマーク人デザイナー、トーマス・ペーダーセンがデザインを担当し、デンマークのラナースで、地域のデンマーク人家庭から出るゴミを直接リサイクルしたプラスチックから製造されました。
ホウエ社にとって重要だったのは、持続可能性を強調しているにもかかわらず、チェアが再生原料からできていないように見せることでした。「デザインは、再生プラスチックでできているという事実とは無関係ですし、再生原料だからと言ってデザインに妥協したくはありませんでした。持続可能でない他のチェアと比べても、美しさに遜色ないチェアをつくりたかったのです」と、創業者のラース・ホウエは語ります。
チェアの外郭部分には、ガラスが15%とわずかな着色料が含まれているため、原料の80~85%は家庭から出て燃やされるはずだったプラスチックゴミをリサイクルしたものでできています。
「ですが、思い上がらないようにしないといけません」とホウエは言います。「地球のためにできる最善のことは、そもそも新しいチェアを買わないことです。それでも新しいチェアを買うときのために、私たちのようなデザイン企業は、環境への影響を最小限にする責任を負っていると感じています」
「ですが、思い上がらないようにしないといけません」とホウエは言います。「地球のためにできる最善のことは、そもそも新しいチェアを買わないことです。それでも新しいチェアを買うときのために、私たちのようなデザイン企業は、環境への影響を最小限にする責任を負っていると感じています」
ノルウェーのヘイマット社は、再生プラスチックのもうひとつの画期的な利用法を見出しました。同社は最近、ヘイマットプラス(Heymat+)という、再生ペットボトル100%のパイルでできたドアマットシリーズを発売しました。このドアマットには、耐久性という持続可能性ポイントが付け加えられていて、数十年にわたって使い続けられるようつくられているのです。
「デザインは持続可能なものになれるし、そうあるべきなのです」と話すのは、ヘイマット社CEOのソニア・ディヨンです。「工業用品質でありながらデザインもよく、家庭で使いたくなるようなマットをつくる努力をしています」と彼女は言います。
アンチ・デザイン
新しく買う必要がないほど完ぺきなデザインと機能性を兼ね備えているものについては、持続可能性についての異なる考え方が見いだせます。「アンチ・デザイン」と呼ぶことができるのかもしれません。イギリス人デザイナーのジャスパー・モリソンとイッタラ社のコラボレーションは、そんな「アンチ・デザイン」に分類されるのではないでしょうか。
モリソンの新しい食器シリーズであるラーミは、(一見)非常にシンプルでよくあるものと受け取れそうです。ティーポット、皿、ボウル、ワイングラス、タンブラーのそれぞれが、理想主義的なかたち、たとえば子どもが描くであろう、象徴的なかたちをしています。
タンブラー:イッタラ製、ジャスパー・モリソンのコレクション、ラーミの一部
新しく買う必要がないほど完ぺきなデザインと機能性を兼ね備えているものについては、持続可能性についての異なる考え方が見いだせます。「アンチ・デザイン」と呼ぶことができるのかもしれません。イギリス人デザイナーのジャスパー・モリソンとイッタラ社のコラボレーションは、そんな「アンチ・デザイン」に分類されるのではないでしょうか。
モリソンの新しい食器シリーズであるラーミは、(一見)非常にシンプルでよくあるものと受け取れそうです。ティーポット、皿、ボウル、ワイングラス、タンブラーのそれぞれが、理想主義的なかたち、たとえば子どもが描くであろう、象徴的なかたちをしています。
タンブラー:イッタラ製、ジャスパー・モリソンのコレクション、ラーミの一部
https://www.gemlaab.se/玄関に鍵を置き、コートをかける場所が欲しい? 棚のついたコートフックは、これ以上に複雑である必要はありません。時代に左右されず、目にやさしくて素材の使い方も巧みです。
フック:ゲムラ製、ミア・クリンによるキャプテン・ワン(Kapten One)
フック:ゲムラ製、ミア・クリンによるキャプテン・ワン(Kapten One)
SFLFでのNM&の展示の様子。グスタフ・カイザー撮影。
長持ちするようつくられた、新しいデザイン。過去に戻る
家具が一生ものとしてつくられ、買われていた時代を思い出すことも持続可能性につながります。慎重に考えて消費することが、北欧では昔から重んじられてきました。
2018年、スウェーデンにおける新商品の最大級のコミッショナーが、最近改装工事が行われたスウェーデン国立美術館でした。壮大な19世紀の建物が大々的に修復されましたが、デザイナーのマッティ・クレネルの監督の下、北欧メーカー20社が美術館用のガラス、食器、テキスタイル、家具の製造を委託されました。そうした作品の中には、現在購入可能なものもあります。
長持ちするようつくられた、新しいデザイン。過去に戻る
家具が一生ものとしてつくられ、買われていた時代を思い出すことも持続可能性につながります。慎重に考えて消費することが、北欧では昔から重んじられてきました。
2018年、スウェーデンにおける新商品の最大級のコミッショナーが、最近改装工事が行われたスウェーデン国立美術館でした。壮大な19世紀の建物が大々的に修復されましたが、デザイナーのマッティ・クレネルの監督の下、北欧メーカー20社が美術館用のガラス、食器、テキスタイル、家具の製造を委託されました。そうした作品の中には、現在購入可能なものもあります。
このコレクションの中で、その画期的なデザインと、北欧諸国にある子ども時代への愛と尊重を反映したもので、ひときわ目につく作品があります。写真の中央にある幼児用ハイチェアは、贅沢なゴールドに着色された太いプラスチックのリングで囲われています。つまり、このトレー部分はある種の光の輪のようなものを兼ねており、この機能的なチェアにほんのりとエレガントさを加えています。
デザインを担当したアンナ・フォン・シェーヴェンとビヨーン・ダールストロームはこのチェアをリラ・スカット(Lilla Skatt:小さな宝石)と呼んでいます。なぜなら、美術館でどれだけ多くの宝物や美術品が子どもたちの回りにあろうとも、何よりも価値があるのはその子どもなのです。
シャッポー・チェア(Chapeau chair)(左):TAFスタジオ作、オフェクト製;リラ・スカットのハイチェア:アンナ・フォン・シェーヴェン&ビヨーン・ダールストローム作、アーティクルズ製;プッキの照明:マッティ・クレネル作、イッタラ製
デザインを担当したアンナ・フォン・シェーヴェンとビヨーン・ダールストロームはこのチェアをリラ・スカット(Lilla Skatt:小さな宝石)と呼んでいます。なぜなら、美術館でどれだけ多くの宝物や美術品が子どもたちの回りにあろうとも、何よりも価値があるのはその子どもなのです。
シャッポー・チェア(Chapeau chair)(左):TAFスタジオ作、オフェクト製;リラ・スカットのハイチェア:アンナ・フォン・シェーヴェン&ビヨーン・ダールストローム作、アーティクルズ製;プッキの照明:マッティ・クレネル作、イッタラ製
伝統あるデザインを引き継ぐ公共の空間に見合う、クラシックとモダンの融合を図るような家具をつくることは簡単ではありません。でも、マッティ・クレネルとペーター・アンデションがデザインするボテロのチェアが、こうした要望をすべてかなえてくれます。柔らかい革張りの背もたれは、長く腰かけていたくなるような座り心地の良さで、木製のフレームは19世紀の北欧キッチンに置いても浮いてしまうことがなく、あなたをビクトリア朝時代のリビングルームへといざなってくれます。
ボテロのチェア:マッティ・クレネルとペーター・アンデション作、シャレモ製
ボテロのチェア:マッティ・クレネルとペーター・アンデション作、シャレモ製
アンナ・ベルグルンドのデザインでBスウェーデン社製のゴージャスな照明に、ビクトリア朝時代が戻ってきます。デザイナーの祖母にちなんで名づけたヴァルボーの照明は、ビクトリア朝の応接室にある照明の色とかたちを彷彿とさせながらも、LED電球と簡素化された形状でコンテンポラリーな表情も見せてくれます。
ヴァルボー・ライト:アンナ・ベルグルンド作、Bスウェーデン製
ヴァルボー・ライト:アンナ・ベルグルンド作、Bスウェーデン製
ジャパノルディック:持続可能性の旧き友人
この歴史的な展開は、北欧が抱く持続可能性への関心が単に新しいものではないことを強調するものとなっています。ジャパノルディック(和と北欧のデザインの幸せな融合)も、こうした持続可能な動きの根源にあります。北欧デザインと和のデザインはいずれも、職人の技術、天然素材、ミニマリスト、大量消費反対派のアプローチだけでなく、未完成なものや変わりゆくもの、つまり時間とともに成熟し味が出るような、長く愛されるデザインへの称賛を続けてきました。したがって、今年の他の大きなトレンドは多くの点で、現在の持続可能性への変移を反映し予測しているのです。
SFLFのデザインバーでは、ノルウェー人デザイナーのアンデルセン&ヴォルが、あわただしい見本市会場のなかに心休まるオアシスをつくり上げました。中庭のレストランと木が生い茂るミーティングエリア、平和と明るさ、成長の早い持続可能な森を兼ね備えたオアシスです。
北欧と日本の魅力を兼ね備えた「ジャパノルディック」とは?
この歴史的な展開は、北欧が抱く持続可能性への関心が単に新しいものではないことを強調するものとなっています。ジャパノルディック(和と北欧のデザインの幸せな融合)も、こうした持続可能な動きの根源にあります。北欧デザインと和のデザインはいずれも、職人の技術、天然素材、ミニマリスト、大量消費反対派のアプローチだけでなく、未完成なものや変わりゆくもの、つまり時間とともに成熟し味が出るような、長く愛されるデザインへの称賛を続けてきました。したがって、今年の他の大きなトレンドは多くの点で、現在の持続可能性への変移を反映し予測しているのです。
SFLFのデザインバーでは、ノルウェー人デザイナーのアンデルセン&ヴォルが、あわただしい見本市会場のなかに心休まるオアシスをつくり上げました。中庭のレストランと木が生い茂るミーティングエリア、平和と明るさ、成長の早い持続可能な森を兼ね備えたオアシスです。
北欧と日本の魅力を兼ね備えた「ジャパノルディック」とは?
ジャパノルディックの影響は、カール・ハンセンやデザインハウスストックホルムなど多くのメーカーの商品にも、きっちりとした格子、黒のディテール、あまりに簡素化されすぎてデザインされたようには見えない作品として存在します。工芸と手仕事といえばいつもと同様、SFLFではアルテック(写真)が注目されており、家具の楽しさがそのシルキーで滑らかな仕上げと視覚的な美しさにあふれています。
アトリエチェア:TAFスタジオ作、Artek製、スウェーデン国立美術館用にデザインしたもの(下を参照)
アトリエチェア:TAFスタジオ作、Artek製、スウェーデン国立美術館用にデザインしたもの(下を参照)
全トレンドを総括する椅子
こうしたさまざまなトレンドをまとめて抽出したものがNM& 040チェアです。これもスウェーデン国立美術館用につくられたもののひとつですが、その雷門模様からは明らかに東洋的な印象を受けます。
マッティ・クレネルがデザインを手がけたこの作品は、現在美術館のレストランに使われている場所から川を渡ってほんの数百メートルほど離れた、ストックホルムの古い町の歴史あるラーソン・コルグマカレの工房でつくられました。地元でつくられ、国際的なスタイルでありながらも北欧のシンプルな作風が感じられるこの作品は、持続可能な原料でできています。要するに、2019年の北欧トレンドがこの椅子に詰め込まれているのです。
こうしたさまざまなトレンドをまとめて抽出したものがNM& 040チェアです。これもスウェーデン国立美術館用につくられたもののひとつですが、その雷門模様からは明らかに東洋的な印象を受けます。
マッティ・クレネルがデザインを手がけたこの作品は、現在美術館のレストランに使われている場所から川を渡ってほんの数百メートルほど離れた、ストックホルムの古い町の歴史あるラーソン・コルグマカレの工房でつくられました。地元でつくられ、国際的なスタイルでありながらも北欧のシンプルな作風が感じられるこの作品は、持続可能な原料でできています。要するに、2019年の北欧トレンドがこの椅子に詰め込まれているのです。
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