内と外の中間領域、縁側
気候のよい時期は、縁側でのんびりしたいと考えている方もいるかもしれませんね。縁側を取り入れたいと思ったら、知っておきたいことをご紹介します。
「縁側」と聞いて思い浮かぶのは、夏の午後に冷えたスイカをかじり、庭に向かって種を飛ばした、そんな場所。私の場合にはそんな心象風景を想い浮かべてしまいますが、みなさんはいかがでしょう。
縁側を上手に設けることが出来れば、建物内・外を気持ち良く繋げることが可能となります。部屋を広く見せ、庭との一体感を生み出し、より開放感のある部屋を生み出すことが可能にもなる縁側。大きく分けると室外に設ける「濡れ縁」と、室内に設けた「くれ縁」の二つに分かれます。近年、人気のあるウッドデッキとの違いや、類似点なども併せてご説明します。
縁側を上手に設けることが出来れば、建物内・外を気持ち良く繋げることが可能となります。部屋を広く見せ、庭との一体感を生み出し、より開放感のある部屋を生み出すことが可能にもなる縁側。大きく分けると室外に設ける「濡れ縁」と、室内に設けた「くれ縁」の二つに分かれます。近年、人気のあるウッドデッキとの違いや、類似点なども併せてご説明します。
例えば板材が建物と直角方向に貼られ、雨水が外に流れるように緩い勾配が設けられている物を「切れ目縁」と呼び、木の切り口(断面)が正面から見える形で造られています。
写真の濡れ縁は、床板の切り口を隠すように板が貼られています。これは木材の切り口から水が入らないようにするためと、見栄えを良くする意味があります。屋根は濡れ縁全体を覆ってはいませんが、室内から濡れ縁に続く連続性が広さを演出しています。
写真の濡れ縁は、床板の切り口を隠すように板が貼られています。これは木材の切り口から水が入らないようにするためと、見栄えを良くする意味があります。屋根は濡れ縁全体を覆ってはいませんが、室内から濡れ縁に続く連続性が広さを演出しています。
水のたまらないスノコ縁
水はけを良くするように隙間を空け、板材を敷き並べる「スノコ縁」や、水に強い竹で組まれた「竹縁」などもあります。
また窓から一段低い位置に設け、雨水や泥の跳ね返りを避けた「落ち縁」と呼ばれる物もあります。縁側を一段低い位置に設けることで目線の高さを変えて、楽しむことを目指した設えです。
水はけを良くするように隙間を空け、板材を敷き並べる「スノコ縁」や、水に強い竹で組まれた「竹縁」などもあります。
また窓から一段低い位置に設け、雨水や泥の跳ね返りを避けた「落ち縁」と呼ばれる物もあります。縁側を一段低い位置に設けることで目線の高さを変えて、楽しむことを目指した設えです。
濡れ縁の材料はどんな物?
濡れ縁に用いられる材料は杉やクリ材が多かったようですが、最近では南洋材のイペやウリンと言った腐蝕に強い板材を利用することも増えています。用いられる材料の違いは、和風建物か洋風建物かの違いに拠ることもあります。
また濡れ縁の下部を土のままとするのか、あるいはコンクリートの土間とするのかで将来のメンテナンスの時期や方法が違ってきます。この辺りも設計者と充分に話し合ってみることをお薦めします。
濡れ縁に用いられる材料は杉やクリ材が多かったようですが、最近では南洋材のイペやウリンと言った腐蝕に強い板材を利用することも増えています。用いられる材料の違いは、和風建物か洋風建物かの違いに拠ることもあります。
また濡れ縁の下部を土のままとするのか、あるいはコンクリートの土間とするのかで将来のメンテナンスの時期や方法が違ってきます。この辺りも設計者と充分に話し合ってみることをお薦めします。
濡れない縁側は用途が広い
いっぽう「くれ縁」とは建物の室内側に設けられたものを指します。窓や雨戸を閉めると室内になる縁側の事を言います。部屋の外側で、かつ建物の内側に設けた廊下のようなイメージです。
写真の建物は和室の廻りをグルリと回る廊下のように配されていますが、開放感と庭との繋がりが強調され、とても伸びやかな和室を演出しています。
いっぽう「くれ縁」とは建物の室内側に設けられたものを指します。窓や雨戸を閉めると室内になる縁側の事を言います。部屋の外側で、かつ建物の内側に設けた廊下のようなイメージです。
写真の建物は和室の廻りをグルリと回る廊下のように配されていますが、開放感と庭との繋がりが強調され、とても伸びやかな和室を演出しています。
広縁は広いので広縁
「広縁」と呼ばれる物も「くれ縁」の一つですが、廊下に近い幅や使われ方をする「くれ縁」と違い、奥行の広い物を「広縁」と呼び、使い分けられています。
余談ですが昭和三十年代の水洗トイレが普及していなかった家の中には、トイレがこの「くれ縁」の突き当りに設けられていることがありました。トイレの手前のくれ縁に手を洗うタンク(吊り手水)が吊り下げられており、そこで手を洗ったのです。
内と外の世界を緩やかにつなぐ、ニッポンの縁側
「広縁」と呼ばれる物も「くれ縁」の一つですが、廊下に近い幅や使われ方をする「くれ縁」と違い、奥行の広い物を「広縁」と呼び、使い分けられています。
余談ですが昭和三十年代の水洗トイレが普及していなかった家の中には、トイレがこの「くれ縁」の突き当りに設けられていることがありました。トイレの手前のくれ縁に手を洗うタンク(吊り手水)が吊り下げられており、そこで手を洗ったのです。
内と外の世界を緩やかにつなぐ、ニッポンの縁側
縁側とウッドデッキの明確な違いは?
縁側の中でも濡れ縁の場合、形状や使い勝手が似ていることから、ウッドデッキとの違いが分からないと言う話をよく耳にします。それもその筈で、実は「コレ!」という明確な定義が無いので、分からなくても致し方ないのです。
それでもあえて両者の違いを言うとすれば、「濡れ縁」には屋根があり、屋根の無い物を「ウッドデッキ」と呼んでも良いでしょう。あるいは和風建築に設けた場合には「濡れ縁」、洋風建築に設けられた物は「ウッドデッキ」と考えても良いでしょう。
縁側の中でも濡れ縁の場合、形状や使い勝手が似ていることから、ウッドデッキとの違いが分からないと言う話をよく耳にします。それもその筈で、実は「コレ!」という明確な定義が無いので、分からなくても致し方ないのです。
それでもあえて両者の違いを言うとすれば、「濡れ縁」には屋根があり、屋根の無い物を「ウッドデッキ」と呼んでも良いでしょう。あるいは和風建築に設けた場合には「濡れ縁」、洋風建築に設けられた物は「ウッドデッキ」と考えても良いでしょう。
縁側のメリット・デメリットを理解する
縁側は夏に涼しく冬は温かいと言う良さをはじめとし、室内からの抜けや広がりを確保できると言った良い点がたくさんあります。その反面、隣地や道路からのプライバシーの確保や防犯に注意が必要になることがあります。
メリット・デメリットを設計者とよく相談し理解した上で、縁側を設けてみて下さい。熟考の上に設けられた縁側は、きっと皆さんにとって良い縁を生む場になることでしょう。
住まいの専門家を探す
縁側は夏に涼しく冬は温かいと言う良さをはじめとし、室内からの抜けや広がりを確保できると言った良い点がたくさんあります。その反面、隣地や道路からのプライバシーの確保や防犯に注意が必要になることがあります。
メリット・デメリットを設計者とよく相談し理解した上で、縁側を設けてみて下さい。熟考の上に設けられた縁側は、きっと皆さんにとって良い縁を生む場になることでしょう。
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家の外部に設けられた縁側が「濡れ縁」です。建物の屋根が被さるように造られていることもありますが、それでも外部に設けられているので濡れてしまいます。そのため雨が降っても水が溜まらないように、いろいろな工夫がされています。写真の建物の場合、屋根が濡れ縁全体を覆っていますが、これも濡れ縁ですね。