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「いい香りがする庭」って言われたい! フレグランスガーデンをつくる
香りを楽しむ庭におすすめな植物をご紹介します。
舩村佳織
2019年2月24日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
花の甘い香りや、湿った葉の香り、ハーブの爽やかな香り、庭を歩きながらどこかから漂う香りを感じると、いつも以上に自身の感覚が研ぎ澄まされていくように感じます。庭での楽しみはきれいな花を愛でるだけではなく、香りも重要なポイントです。香りを楽しむ庭=フレグランスガーデンをつくるのにおすすめな植物をご紹介します。
植物にとっての香り
植物は私たちが良い香りだと感じるものだったり、臭いと感じるものだったり、それぞれ特徴的な香りを持っています。このような香りを、植物達はそれぞれの生存戦略のためにつくり出しているのです。
植物の良い香りを感じる代表的な場所は「花」です。甘い香りで虫をおびき寄せて蜜を与えることで、花粉を媒介してもらうためです。
植物は私たちが良い香りだと感じるものだったり、臭いと感じるものだったり、それぞれ特徴的な香りを持っています。このような香りを、植物達はそれぞれの生存戦略のためにつくり出しているのです。
植物の良い香りを感じる代表的な場所は「花」です。甘い香りで虫をおびき寄せて蜜を与えることで、花粉を媒介してもらうためです。
ハーブなどは「葉」にも香りを持ちます。花のような甘い香りではなく、すっきりとしたスパイシーな香りが多いですね。この香りは花とは反対に、葉を食べる虫や動物などを遠ざけるためにつくられていると考えられています。葉の表面に香りの成分が入った袋があり、何かが接触することで袋がはじけて香り成分が放出されるのです。
植物はこのような生存戦略のために香りをつくり出しているのです。
それではここから、庭で楽しめる香りの良い植物をご紹介します。
植物はこのような生存戦略のために香りをつくり出しているのです。
それではここから、庭で楽しめる香りの良い植物をご紹介します。
ジンチョウゲ(常緑低木)
早春を代表する香りの良い花です。甘い香りが遠くまで届き、その存在を示します。花びらのように見える部分はガクが花弁状になったものです。厚みがあり、花持ちが良いのが特徴です。
剪定をしなくてもある程度樹形が整い、コンパクトにまとまるので放任しても大丈夫。半日陰でも花を咲かせてくれる貴重な木です。しかし。移植と強い剪定を嫌うので、植える場所は十分吟味してから決めましょう。
早春を代表する香りの良い花です。甘い香りが遠くまで届き、その存在を示します。花びらのように見える部分はガクが花弁状になったものです。厚みがあり、花持ちが良いのが特徴です。
剪定をしなくてもある程度樹形が整い、コンパクトにまとまるので放任しても大丈夫。半日陰でも花を咲かせてくれる貴重な木です。しかし。移植と強い剪定を嫌うので、植える場所は十分吟味してから決めましょう。
クチナシ(常緑低木)
梅雨どきに白い花を咲かせます。基本は一重咲きですが、八重咲きのものも人気です。咲き始めは純白という言葉がぴったりのまぶしいほどの白さでが、日が経つにつれ徐々にクリーム色になり、落ち着いた印象に変化していきます。
クチナシは夜になると香りが強くなると言われています。昼間は清楚なイメージのクチナシですが、夕闇の中では強い香りを纏い、妖艶な花へと変わります。庭での楽しみは日中だけのものではないと教えてくれます。
梅雨どきに白い花を咲かせます。基本は一重咲きですが、八重咲きのものも人気です。咲き始めは純白という言葉がぴったりのまぶしいほどの白さでが、日が経つにつれ徐々にクリーム色になり、落ち着いた印象に変化していきます。
クチナシは夜になると香りが強くなると言われています。昼間は清楚なイメージのクチナシですが、夕闇の中では強い香りを纏い、妖艶な花へと変わります。庭での楽しみは日中だけのものではないと教えてくれます。
キンモクセイ(常緑高木)
夏の終わりから秋にかけて、小さなオレンジ色の花を枝にたくさん咲かせます。秋の訪れを教えてくれる香りで、毎年切ない気持ちにさせられます。
日向から半日陰までよく育ちます。刈り込みにも耐えるので、生垣に仕立てることもできます。
実はキンモクセイの香りは虫が苦手とする香りなのです。唯一ホソヒラタアブというアブだけがキンモクセイの香りを好み、専門的に花粉を媒介しています。特定の虫だけをターゲットにすることで、受粉の効率をあげるキンモクセイの生存戦略です。
夏の終わりから秋にかけて、小さなオレンジ色の花を枝にたくさん咲かせます。秋の訪れを教えてくれる香りで、毎年切ない気持ちにさせられます。
日向から半日陰までよく育ちます。刈り込みにも耐えるので、生垣に仕立てることもできます。
実はキンモクセイの香りは虫が苦手とする香りなのです。唯一ホソヒラタアブというアブだけがキンモクセイの香りを好み、専門的に花粉を媒介しています。特定の虫だけをターゲットにすることで、受粉の効率をあげるキンモクセイの生存戦略です。
ヒヤシンス(秋植え球根)
春の花壇を彩るポピュラーな球根植物です。鮮やかな色合いとボリュームのある花はとても目を引きます。
ヒヤシンスは水耕栽培が可能なので、室内でその香りを楽しむことができます。室内で行う水耕栽培だと、花壇に植えたものよりも一足早く花を楽しめますよ。
春の花壇を彩るポピュラーな球根植物です。鮮やかな色合いとボリュームのある花はとても目を引きます。
ヒヤシンスは水耕栽培が可能なので、室内でその香りを楽しむことができます。室内で行う水耕栽培だと、花壇に植えたものよりも一足早く花を楽しめますよ。
バラ(落葉低木)
香しい花というと、バラを想像する方も多いのではないでしょうか?「香りが無いバラは笑わない美人と同じだ」と言われるほど、香りはバラの魅力の中で重要なものと考えられています。
バラは品種によって香りの種類や強さが異なります。どのバラを育てるか決めるとき、花の色や形状はもちろんですが、香りも一つの条件として考慮しましょう。どんな香りを持つのか、図鑑などに書いてありますが、実際に体感できるのは花が咲いてから。開花時の楽しみが倍増です。
香しい花というと、バラを想像する方も多いのではないでしょうか?「香りが無いバラは笑わない美人と同じだ」と言われるほど、香りはバラの魅力の中で重要なものと考えられています。
バラは品種によって香りの種類や強さが異なります。どのバラを育てるか決めるとき、花の色や形状はもちろんですが、香りも一つの条件として考慮しましょう。どんな香りを持つのか、図鑑などに書いてありますが、実際に体感できるのは花が咲いてから。開花時の楽しみが倍増です。
タイム(常緑多年草)
すっきりと清涼感のある香りを持ち、抗菌作用もあるので、料理などによく利用されるハーブです。
草丈はあまり高くならず、とくにクリーピングタイムという種類は這うように伸びていくため、グランドカバーとしても利用されます。
踏圧に強いので、踏まれてしまうような場所でも生育できるので、人がよく通る場所にも植えられます。葉が踏まれることでタイムの香りが地面から立ち上ってくるので、香りを楽しむ仕掛けになりますよ。
すっきりと清涼感のある香りを持ち、抗菌作用もあるので、料理などによく利用されるハーブです。
草丈はあまり高くならず、とくにクリーピングタイムという種類は這うように伸びていくため、グランドカバーとしても利用されます。
踏圧に強いので、踏まれてしまうような場所でも生育できるので、人がよく通る場所にも植えられます。葉が踏まれることでタイムの香りが地面から立ち上ってくるので、香りを楽しむ仕掛けになりますよ。
ラベンダー(常緑低木)
ポプリやアロマでたくさん活用されているラベンダー。爽やかでありながら、花のような甘さもあるのが特徴です。ラベンダーの香りは、緊張をほぐしてリラックス効果をもたらすといわれています。
過湿が苦手で風通しと日当たりが良い場所を好みます。蒸れに気を付ければ特段管理は難しくはありません。鉢植えでも育てやすく、ベランダや窓辺に置けば、風とともにラベンダーの香りを楽しめるのでおすすめです。
ポプリやアロマでたくさん活用されているラベンダー。爽やかでありながら、花のような甘さもあるのが特徴です。ラベンダーの香りは、緊張をほぐしてリラックス効果をもたらすといわれています。
過湿が苦手で風通しと日当たりが良い場所を好みます。蒸れに気を付ければ特段管理は難しくはありません。鉢植えでも育てやすく、ベランダや窓辺に置けば、風とともにラベンダーの香りを楽しめるのでおすすめです。
植物の香りはさまざまな形で活用されていますが、生きた植物の持つフレッシュな香りはやはり別格。この香りを楽しむには、自分で育てるのが一番です。庭だけでなく、部屋で生ければ室内でも香りを楽しめますよ。お気に入りの香りが見つかれば、庭での楽しみが何倍にも広がります。
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