2019年のトレンド色は「リビングコーラル」。インテリアへの取り入れ方は?
「鮮やかでありつつも柔らかい」生き生きとしたイメージが魅力のカラー。世界の専門家におすすめの使い方を聞きました。
人気については様々な意見
リビングコーラルや、コーラル系の色の人気については、世界の専門家の間でも意見が分かれました。
色の癒し効果に詳しいColor Design Firmの網村真弓さんは、コーラルは日本でも人気になるのでは、といいます。「日本は四季があり、自然の色を衣の配色として取り入れ、親しんできた歴史があります。梅の襲(かさね)、桜襲などはそうですね。少しプラスするだけで空間に楽しさが出て、また暖かみも感じられる色は、今のインテリアにはとても必要だと思います」
オーストラリアのカラーコンサルタント会社、Nexus DesignsのSonia Simpfendorferはコーラルへの注目は、赤レンガの人気と関連していると語ります。「赤レンガ色にウォッシュをかけた感じの、あせた色です。生き生きとした親しみやすさがありますね」
スウェーデンのホームスタイリング会社、Hortlund & Co. のMikaela TörnegrenとLinnea Finoliは80年代の人気カラーが帰ってきた、と印象を語ります「柔軟性があり、エッジィでモダン、エレガンスが感じられ、ピースフルさもあります。使い方によって様々な雰囲気を作り出せる色です」
リビングコーラルや、コーラル系の色の人気については、世界の専門家の間でも意見が分かれました。
色の癒し効果に詳しいColor Design Firmの網村真弓さんは、コーラルは日本でも人気になるのでは、といいます。「日本は四季があり、自然の色を衣の配色として取り入れ、親しんできた歴史があります。梅の襲(かさね)、桜襲などはそうですね。少しプラスするだけで空間に楽しさが出て、また暖かみも感じられる色は、今のインテリアにはとても必要だと思います」
オーストラリアのカラーコンサルタント会社、Nexus DesignsのSonia Simpfendorferはコーラルへの注目は、赤レンガの人気と関連していると語ります。「赤レンガ色にウォッシュをかけた感じの、あせた色です。生き生きとした親しみやすさがありますね」
スウェーデンのホームスタイリング会社、Hortlund & Co. のMikaela TörnegrenとLinnea Finoliは80年代の人気カラーが帰ってきた、と印象を語ります「柔軟性があり、エッジィでモダン、エレガンスが感じられ、ピースフルさもあります。使い方によって様々な雰囲気を作り出せる色です」
一方で、 リビングコーラルやコーラル系の色は難易度が高く、玄人向けの色だという意見の専門家も。
イタリアの建築家、Tommaso Giunchiは「リバイバルはしているものの、誰もが使いこなせる色ではない」、フランスのインテリアデザイナー、Anne Azoulayからは「独自性を求める人には美しくておすすめできる色」との声が上がりました。
Houzz Japanのコントリビューターとして活躍するカラーリストのカツウラアキツさんも、どちらかというと「チャレンジングなカラー」だと受け止める人が少なくない印象だと語ります。「ただ、原色のような強目の赤に比べるとチャレンジしやすい色なので、ぜひ取り入れてみてください」とアドバイスをくれました。
イタリアの建築家、Tommaso Giunchiは「リバイバルはしているものの、誰もが使いこなせる色ではない」、フランスのインテリアデザイナー、Anne Azoulayからは「独自性を求める人には美しくておすすめできる色」との声が上がりました。
Houzz Japanのコントリビューターとして活躍するカラーリストのカツウラアキツさんも、どちらかというと「チャレンジングなカラー」だと受け止める人が少なくない印象だと語ります。「ただ、原色のような強目の赤に比べるとチャレンジしやすい色なので、ぜひ取り入れてみてください」とアドバイスをくれました。
自然界の色と組み合わせて
自然を感じさせるカラーパレットと、コーラルの相性の良さを指摘する専門家は多数いました。
網村さんは「コーラルは自然を思わせる色との相性も良く、緑や木目と合わせると、穏やかでナチュラルな空間づくりができます。また、反対色のターコイズや水色と合わせると、コントラストがついて洗練された印象をつくることができます」
勝浦さんのおすすめは彩度を下げたグリーンとの組み合わせ。「コーラルと同じような鮮やかなグリーンを取り入れるとハレーションがおきて目がチカチカし疲れてしまうため、彩度を下げたグリーンを使ってください。少量で使うなら、カーペットや植栽を壁の近くに置くだけで引き立てる効果が生まれます」
オーストラリアのSonia Simpfendorferは「白、ソフトグレー、明るめの木目と組み合わせるのは難しくありません。でも、淡いブルーやクリアすぎない紫と組み合わせると面白いと思います」と話していました。
自然を感じさせるカラーパレットと、コーラルの相性の良さを指摘する専門家は多数いました。
網村さんは「コーラルは自然を思わせる色との相性も良く、緑や木目と合わせると、穏やかでナチュラルな空間づくりができます。また、反対色のターコイズや水色と合わせると、コントラストがついて洗練された印象をつくることができます」
勝浦さんのおすすめは彩度を下げたグリーンとの組み合わせ。「コーラルと同じような鮮やかなグリーンを取り入れるとハレーションがおきて目がチカチカし疲れてしまうため、彩度を下げたグリーンを使ってください。少量で使うなら、カーペットや植栽を壁の近くに置くだけで引き立てる効果が生まれます」
オーストラリアのSonia Simpfendorferは「白、ソフトグレー、明るめの木目と組み合わせるのは難しくありません。でも、淡いブルーやクリアすぎない紫と組み合わせると面白いと思います」と話していました。
コツは赤を強めすぎないこと
では、コーラルと組み合わせない方がよい色はあるのでしょうか?
オーストラリアのSonia SimpfendorferやイタリアのLia Lovisoloからは、黄色との組み合わせは避けた方が良い、という声が上がりました。
網村さんは、暖色系と合わせて強めすぎないことが重要だと言います。「暖かみのあるコーラルに、レッドやオレンジを組み合わせると、とてもホットな印象になります。好きだからといって沢山取り入れてしまったり、強める色と組み合わせたりすると、もともとの赤の性質が強まり、リラックス感が軽減します。暑苦しい感じになってしまうかもしれません」
では、コーラルと組み合わせない方がよい色はあるのでしょうか?
オーストラリアのSonia SimpfendorferやイタリアのLia Lovisoloからは、黄色との組み合わせは避けた方が良い、という声が上がりました。
網村さんは、暖色系と合わせて強めすぎないことが重要だと言います。「暖かみのあるコーラルに、レッドやオレンジを組み合わせると、とてもホットな印象になります。好きだからといって沢山取り入れてしまったり、強める色と組み合わせたりすると、もともとの赤の性質が強まり、リラックス感が軽減します。暑苦しい感じになってしまうかもしれません」
甘さを抑える方法も
コーラルで甘さを抑えた、現代的な雰囲気を作るにはどうしたら良いのでしょうか?
ロシアのインテリアデザイナー、Daria Kharitonovaからは「明るく、ニュートラルなグレー、そして幾何学模様と組み合わせるのもよいと思います。幾何学文様が『甘さ』を抑えてくれます。壁紙に使うのも、布に使うのも良いでしょう」との提案。フランスのインテリアデザイナー、Anne Azoulayは、コンテンポラリーな雰囲気を作るにはコンポジション全体のデザインが強調されるよう「黒に近いグレー、濃いブルーかグリーン、黒」を組み合わせる方法がよいと話しています。
コーラルで甘さを抑えた、現代的な雰囲気を作るにはどうしたら良いのでしょうか?
ロシアのインテリアデザイナー、Daria Kharitonovaからは「明るく、ニュートラルなグレー、そして幾何学模様と組み合わせるのもよいと思います。幾何学文様が『甘さ』を抑えてくれます。壁紙に使うのも、布に使うのも良いでしょう」との提案。フランスのインテリアデザイナー、Anne Azoulayは、コンテンポラリーな雰囲気を作るにはコンポジション全体のデザインが強調されるよう「黒に近いグレー、濃いブルーかグリーン、黒」を組み合わせる方法がよいと話しています。
まずはアクセントとして
コーラルを使う分量はどれくらいが適量なのでしょうか?
「床全体や玄関ドアに使うのもOK」(オーストラリアのSonia Simpfendorfer)という声がある一方、多くのデザイナーは、まずはアクセント使いから始めることをすすめています。
勝浦さんは「コーラルは『使う分量』が肝」と語ります。暖色系は進出色(配色すると浮き出して近くにあるように見える色)であるため、壁全面に取り入れると圧迫感を感じやすくなるそうです。
「壁面に取り入れるなら、壁一面やハーフペイントとして壁の上もしくは下半分に取り入れるだけでも十分主役として存在感を発揮してくれるでしょう」
コーラルを使う分量はどれくらいが適量なのでしょうか?
「床全体や玄関ドアに使うのもOK」(オーストラリアのSonia Simpfendorfer)という声がある一方、多くのデザイナーは、まずはアクセント使いから始めることをすすめています。
勝浦さんは「コーラルは『使う分量』が肝」と語ります。暖色系は進出色(配色すると浮き出して近くにあるように見える色)であるため、壁全面に取り入れると圧迫感を感じやすくなるそうです。
「壁面に取り入れるなら、壁一面やハーフペイントとして壁の上もしくは下半分に取り入れるだけでも十分主役として存在感を発揮してくれるでしょう」
イタリアのTommaso Giunchiは「コーラルのような強い色は小さな置物やピローカバーに使います。しばらく経ったらかえられるように」、フランスのAnne Azoulayは「クッション、ベッドリネン、カーペット、カーテン、ランプに使う色としても良いでしょう」とアドバイスをくれました。
部屋の寒さを和らげてくれる
では、コーラルを取り入れるにはどの部屋が適しているのでしょうか?
専門家の意見は様々だったものの、温かみのある色合いが気分を緩和してくれる効果を指摘しています。
医療施設のインテリアデザイン経験も豊富な網村さんは「コーラルの医療カーテンを使用すると、冷たい印象を軽減してリラックスを引き出す助けに」なるのだと語ります。また、どちらかというと「寒く」感じられる部屋に使用すると、コーラルが暖かさを加えてくれるそう。
「冷たい印象になりがちな洗面やトイレに使用すると、コーラルの持つ色の効果で無機質感を軽減することができます」と網村さん。着替えをする脱衣所なども『寒い』場所なのでおすすめだそうです。
では、コーラルを取り入れるにはどの部屋が適しているのでしょうか?
専門家の意見は様々だったものの、温かみのある色合いが気分を緩和してくれる効果を指摘しています。
医療施設のインテリアデザイン経験も豊富な網村さんは「コーラルの医療カーテンを使用すると、冷たい印象を軽減してリラックスを引き出す助けに」なるのだと語ります。また、どちらかというと「寒く」感じられる部屋に使用すると、コーラルが暖かさを加えてくれるそう。
「冷たい印象になりがちな洗面やトイレに使用すると、コーラルの持つ色の効果で無機質感を軽減することができます」と網村さん。着替えをする脱衣所なども『寒い』場所なのでおすすめだそうです。
1. バスルーム
寒さを感じる場所の一つであるバスルームは、コーラルを使うのによい場所です。網村さんは「血色が良く見え血管や筋肉も緩むのでリラックスできると思います」と話します。
Hortlund & CoのMichaela TörnegrenとLinnea Finoliはこう語ります。「白い大理石と組み合わせた、本物のアートのあるコーラルカラーのバスルームは素晴らしいものでしょう」
寒さを感じる場所の一つであるバスルームは、コーラルを使うのによい場所です。網村さんは「血色が良く見え血管や筋肉も緩むのでリラックスできると思います」と話します。
Hortlund & CoのMichaela TörnegrenとLinnea Finoliはこう語ります。「白い大理石と組み合わせた、本物のアートのあるコーラルカラーのバスルームは素晴らしいものでしょう」
2. キッチン
食べ物を扱うキッチン。勝浦さんは、コーラルを取り入れるのにぴったりな場所だといいます。「ちょっと面倒に感じがちなキッチンでの作業も、やる気を後押ししてくれる赤の効果はキッチンに立つ人の味方になってくれます」
一方で、コーラル系は分量によっては強く主張しすぎることも。勝浦さんは食器棚の中の色として使ってみては?と提案します。
「食欲を促進させる暖色系との相性がいいのはもちろん、いつもの食器がまるでディスプレイされたように特別感のあるスポットへと変わります。目立つ場所ではありませんが、コーラルをチャレンジしてみやすい場所です」
食べ物を扱うキッチン。勝浦さんは、コーラルを取り入れるのにぴったりな場所だといいます。「ちょっと面倒に感じがちなキッチンでの作業も、やる気を後押ししてくれる赤の効果はキッチンに立つ人の味方になってくれます」
一方で、コーラル系は分量によっては強く主張しすぎることも。勝浦さんは食器棚の中の色として使ってみては?と提案します。
「食欲を促進させる暖色系との相性がいいのはもちろん、いつもの食器がまるでディスプレイされたように特別感のあるスポットへと変わります。目立つ場所ではありませんが、コーラルをチャレンジしてみやすい場所です」
3. リビングとダイニング
人が集うリビングにも、コーラルは合うそうです。網村さんは「コーラルはどちらかと言うと静のキャラクターではありません。コーラルの個性をうまく空間に取り入れるには、家族が集うキッチンやリビングなどがおすすめです」とアドバイスします。
フランスのAlexandra Gorlaも同意見です。「リビングやダイニングの壁に使えば、部屋に入ってくる人たちを感激させられるでしょう」
人が集うリビングにも、コーラルは合うそうです。網村さんは「コーラルはどちらかと言うと静のキャラクターではありません。コーラルの個性をうまく空間に取り入れるには、家族が集うキッチンやリビングなどがおすすめです」とアドバイスします。
フランスのAlexandra Gorlaも同意見です。「リビングやダイニングの壁に使えば、部屋に入ってくる人たちを感激させられるでしょう」
4.寝室
寝室にもコーラルは合うそうです。勝浦さんは「暗い照明だとよりコーラルに深みが増し、夜は情熱的な雰囲気を作ってくれます。朝は目覚めの良い色として皆さんの味方になってくれます」と説明してくれています。
網村さんはアクセントで取り入れることをおすすめするそう。「寝室に取り入れてみたい時は、面積を抑え、クッションやスローなどポイントで取り入れてみるのもよいでしょう」とアドバイス。
ロシアの壁装の専門家 Yana Svetlovaは、上のアートが飾られている部屋のように、10代の子の寝室にピンク色の代わりとして使うことを提案します。「コーラルはピンクよりも大人っぽい色です。部屋の住人と一緒に成長していけるイメージです。この部屋では、アクセントウォールにコーラルを使用していて、他の壁はベージュです」
寝室にもコーラルは合うそうです。勝浦さんは「暗い照明だとよりコーラルに深みが増し、夜は情熱的な雰囲気を作ってくれます。朝は目覚めの良い色として皆さんの味方になってくれます」と説明してくれています。
網村さんはアクセントで取り入れることをおすすめするそう。「寝室に取り入れてみたい時は、面積を抑え、クッションやスローなどポイントで取り入れてみるのもよいでしょう」とアドバイス。
ロシアの壁装の専門家 Yana Svetlovaは、上のアートが飾られている部屋のように、10代の子の寝室にピンク色の代わりとして使うことを提案します。「コーラルはピンクよりも大人っぽい色です。部屋の住人と一緒に成長していけるイメージです。この部屋では、アクセントウォールにコーラルを使用していて、他の壁はベージュです」
マットな質感で印象をコントロール
鮮やかさのあるコーラルの印象は、質感でもコントロールできます。「コーラルを使いこなすということは、ツヤ感を使いことなすことです」と話すのはSonia Simpfendorfer 。
勝浦さんは、マットな質感でコーラルを使うことを提案します。「壁にペイントで取り入れる場合は、光を非常に柔らかく反射するマット(艶消し)をチョイスすることで、よりこっくりとした穏やかな空間を作ることができるでしょう」
生命力を感じさせるリビングコーラルやコーラル系のカラーは、見ているだけで元気をもらえそうで、とても魅力があります。2019年に向け、まずはアクセントからでもインテリアに取り入れてみるときっと楽しいはず。専門家のアドバイスも参考にしながら、ぜひ、チャレンジしてみてください!
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鮮やかさのあるコーラルの印象は、質感でもコントロールできます。「コーラルを使いこなすということは、ツヤ感を使いことなすことです」と話すのはSonia Simpfendorfer 。
勝浦さんは、マットな質感でコーラルを使うことを提案します。「壁にペイントで取り入れる場合は、光を非常に柔らかく反射するマット(艶消し)をチョイスすることで、よりこっくりとした穏やかな空間を作ることができるでしょう」
生命力を感じさせるリビングコーラルやコーラル系のカラーは、見ているだけで元気をもらえそうで、とても魅力があります。2019年に向け、まずはアクセントからでもインテリアに取り入れてみるときっと楽しいはず。専門家のアドバイスも参考にしながら、ぜひ、チャレンジしてみてください!
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リビングコーラルについてパントン社は「鮮やかでありつつも柔らかい」と表現します。生命を育むイメージを持つこの色は、自然界とデジタルの世界をつないでくれるとし「楽観的であることや、喜びを追求する必要性を象徴する色」だと説明しています。
では、リビングコーラルやコーラル系の色をインテリアに上手く取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか?Houzzは世界中のカラーやインテリアの専門家にアドバイスをもらいました!