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御影石とオニキスを住宅デザインの主役にするには
エキゾチックな趣を醸し出してくれる、ひときわ目立つ石を使って大胆なデザインを実現してみましょう。
Jess McBride
2018年12月23日
御影石とは花崗岩のことで、日本の住宅にもよく使われる素材の一つです。オニキスは日本ではどちらかというと宝石として知られていますが、背面から明かりを灯すと光を透過する性質があるため、建材として取り入れるとドラマチックな雰囲気づくりに一役買ってくれます。今回は、エキゾチックな趣を醸し出してくれる、珍しいタイプの御影石とオニキスを使った海外の事例をご紹介します。
御影石に首ったけ
ブラジルのバイーア州で採掘されるアズールバイアは、岩盤から切り出され、特徴的な青色と大きく広がる筋模様を持つ、半貴石の御影石です。ほとんどの天然石と同様、その色合いは石ごとに異なります。石板によってはわずかにグリーンや黒が入るものもあるため、設置前に実物を確認しておくことが大切です。
ブラジルのバイーア州で採掘されるアズールバイアは、岩盤から切り出され、特徴的な青色と大きく広がる筋模様を持つ、半貴石の御影石です。ほとんどの天然石と同様、その色合いは石ごとに異なります。石板によってはわずかにグリーンや黒が入るものもあるため、設置前に実物を確認しておくことが大切です。
御影石は天然石の中でもダイアモンドの次に硬く、ベンチトップだけでなく床材にも合います。
石材自体がアート作品のように美しいなら、この写真のような使い方をするだけで十分でしょう。豪華な暖炉まわりと、それに合わせて並べたフロアタイルが装飾に統一感のある美しさをもたらしているため、それ以外の装飾をほとんど必要としません。
石材自体がアート作品のように美しいなら、この写真のような使い方をするだけで十分でしょう。豪華な暖炉まわりと、それに合わせて並べたフロアタイルが装飾に統一感のある美しさをもたらしているため、それ以外の装飾をほとんど必要としません。
アズールバイアは高価なので、エキゾチックな地中海スタイルまたは中東スタイルのバスルームののタイルとして脇役を演じることが多いようです。
また、プールの意外なアクセントとしても使われることがあります。アズールバイアの表面は、石の隙間を埋めるために研磨工程でよく使われるエポキシ樹脂により、磨き上げられた大理石と同じくらい滑りやすくなることがあります。床材として使用する際には注意が必要です。
美しいアズールバイアは、バスルームのシャワーまわりで使われる場合はもちろん、屋外の噴水の一部としてもすばらしく美しい存在となります。
アズールバイアのような御影石をキッチンやバスルームのベンチトップに使用するのは定番的な使用法かもしれません。でも、この写真の青には他ではなかなか見られない奥行とラグジュアリー感があります。
芸術家ゴッホが描いた絵画『星月夜』の色づかいを思わせ、ブラジルで採掘される、ヴァン・ゴッホの御影石と呼ばれる石材は、市場で最も色彩豊かな天然花こう岩のひとつです。少量を無地の装飾の中に取り入れることで最高の輝きを放ち、一か所に視線を集めるポイントとして機能します。
オニキスでパンチを利かせて
この米国ニューヨークで撮影されたバスルームには、荘厳なバイオレットオニキスが使用されています。ほぼすべての大陸で採れるものの、オニキスは希少で御影石ほど硬くないと考えられているため、無傷で採掘するのが難しい石材です。その結果として高値となる傾向があります。(小さいものなら手頃な価格で多く出回っています。)
比較的柔らかいことで、大理石のように引っかき傷がつきやすかったり腐食に弱かったりしますが、この桶型シンクの繊細な美しさは他の素材では出せなかったでしょう。
この米国ニューヨークで撮影されたバスルームには、荘厳なバイオレットオニキスが使用されています。ほぼすべての大陸で採れるものの、オニキスは希少で御影石ほど硬くないと考えられているため、無傷で採掘するのが難しい石材です。その結果として高値となる傾向があります。(小さいものなら手頃な価格で多く出回っています。)
比較的柔らかいことで、大理石のように引っかき傷がつきやすかったり腐食に弱かったりしますが、この桶型シンクの繊細な美しさは他の素材では出せなかったでしょう。
建築家ミース・ファン・デル・ローエは、代表作でるトゥーゲントハット邸のリビングの壁全面にオニキスの石板を使ったことで知られています。そこからヒントを得たイギリスの設計事務所Ogleは、2枚のガラスパネルの間にオニキスをはめ込み、床のスロットに挿入して固定した、独立するオニキスのスラブ壁を設計しました。
ブックマッチングは、半分に切り割った石板を2枚隣り合わせることで、互いに左右対称の模様を生み出す、壁の施工において比較的一般的な方法です。この写真では、わずかに見えるシャワーガラスのつなぎ目を境に、一方の「ページ」には浴槽が、もう一方にはシャワーが設置されています。
施工業者または石材の専門家の手により、全面を均等に覆う特別なパネルを使ってオニキスの背後から照明を当てることもできます。または、バックライトで人気の企業が、クレジットカードと同じくらい薄くて熱を生じないことを売りにしている、照明テープを使用することもできます。
バックライトを取り入れた朝食用カウンターは、常に人目をひく存在となるでしょう。
イタリア産のブラッククラウドオニキスは、入手可能な石の中でも最も特別なもののひとつです。このバスルームは、半透明のグレーとクリーム色で、素材の持つ雲のような風合いの魅力を際立たせています。バックライトやブックマッチングにとても向いている素材であり、自然な輝きを存分に楽しめるように大型の壁に加工すると、特に効果的です。
設計事務所Architectural Justiceは、階段室の贅沢な表情を完成するため、温かみのあるハニーオニキスにバックライトを取り付け、大理石の手すりを組み合わせました。
退屈な階段にひらめきを加える
大きくて磨き上げられた石板だけが唯一の、あるいは最高のオニキスというわけではありません。この緑と赤のバックスプラッシュタイルは、家庭に取り入れるオニキスとしては、最も理にかなったものではないでしょうか。
大きくて磨き上げられた石板だけが唯一の、あるいは最高のオニキスというわけではありません。この緑と赤のバックスプラッシュタイルは、家庭に取り入れるオニキスとしては、最も理にかなったものではないでしょうか。
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