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マリメッコの定番「ウニッコ」と人気柄をインテリアに活かす
北欧テキスタイルの定番といえば、マリメッコの「ウニッコ」。時代を超えた人気を誇るこの柄を中心に、マリメッコを取り入れたインテリアをご紹介します。
ブラッキン・ヘザー
2018年12月4日
Houzz contributor.
Home Life Style インテリア、収納空間デザイン。
「贅沢な時間を過ごせる、あなたらしい心地よい住まいづくり」をモットーに、一人ひとりの個性や「好き」を引き出しながらのインテリアのコーディネーション、
より快適な暮らしのためのライフスタイルに合わせた収納計画のご提案をいたします。
著書「ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり(文藝春秋)
Interior decoration and storage space planning in Tokyo, Japan. English/Japanese bilingual, with interior design and decoration experience in Europe and Japan.
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フィンランド・ヘルシンキで1951年に生まれたテキスタイルメーカー、マリメッコ。独創的なデザインや色使いで世界の多くの人に愛され続けるマリメッコのテキスタイルですが、その中でも群を抜いて有名なデザインは、おなじみの花柄「ウニッコ」です。マイヤ・イソラによる1964年のデザインですが、今も古さをまったく感じないタイムレスデザインで、日本での人気もすっかり定着。チャーミングな「ウニッコ」柄はインテリアテキスタイルとしてだけでなく、生活雑貨やファッションアイテムにもよく取り入れられています。
「ウニッコ」誕生にはこんな逸話があります。マリメッコ創業者のアルミ・ラティアは当初、花柄の生地はいっさい作らないと宣言したのですが、それにもかかわらず、イソラは花柄のプリントのデザインをいくつか手がけました。それらのデザインが独創的であり新鮮だったため、結局ラティアはイソラのコレクションからいくつか取り上げることに。その中のひとつが大ヒットしたこの「ウニッコ」だったのです。
この記事では、「ウニッコ」とその他のマリメッコの人気柄を効果的に使ったインテリアと、その取り入れ方のポイントをご紹介します。
「ウニッコ」誕生にはこんな逸話があります。マリメッコ創業者のアルミ・ラティアは当初、花柄の生地はいっさい作らないと宣言したのですが、それにもかかわらず、イソラは花柄のプリントのデザインをいくつか手がけました。それらのデザインが独創的であり新鮮だったため、結局ラティアはイソラのコレクションからいくつか取り上げることに。その中のひとつが大ヒットしたこの「ウニッコ」だったのです。
この記事では、「ウニッコ」とその他のマリメッコの人気柄を効果的に使ったインテリアと、その取り入れ方のポイントをご紹介します。
アクセントウォールに
壁の一面だけに「ウニッコ」の壁紙を貼ってアクセントウォールに。写真は、インパクトのある赤&ピンクの配色の「ウニッコ」をを階段の踊り場などで印象的に使った例です。
壁の一面だけに「ウニッコ」の壁紙を貼ってアクセントウォールに。写真は、インパクトのある赤&ピンクの配色の「ウニッコ」をを階段の踊り場などで印象的に使った例です。
北欧スタイルだけでなく、さまざまなインテリアテイストになじむのも魅力。写真のミラノのアパートでは、モノトーンの「ウニッコ」の壁紙を使ったリビングのアクセントウォールが、シックなイタリアンモダンの空間に優しさを与えています。
大きなリピートのモノトーンベースの花柄が、キッチンカウンターの向こうにチラッと見えます。こんな計算されたポイント使いも、はっきりした印象的な花柄「ウニッコ」だからこそ効果的。
ベッドルームに
寝室で大きな面積を占めるベッドリネンを「ウニッコ」柄にすれば、一瞬にして北欧スタイルのインテリアに。ベッドルームのアクセントに、マリメッコのベッドリネンはうってつけといえます。定番カラーのひとつであるブルーを選び、白と合わせてさわやかな印象に。小物にも同じブルーを使ってまとめています。
寝室で大きな面積を占めるベッドリネンを「ウニッコ」柄にすれば、一瞬にして北欧スタイルのインテリアに。ベッドルームのアクセントに、マリメッコのベッドリネンはうってつけといえます。定番カラーのひとつであるブルーを選び、白と合わせてさわやかな印象に。小物にも同じブルーを使ってまとめています。
ブラックとグレーのモノトーンが大人っぽくエレガントな寝室。少しだけアクセントに使いたいなら、ベッドの足元にブランケットをかけてみては。ファブリックを使ってベッド用のライナーを作っても同じ効果が期待できます。クッションも同じ色と柄にし、マリメッコのもうひとつの人気柄「イソト・キヴェット」もプラスして。お揃いの色で他のパターンを加えるとさらに深みが出ます。
ベッドリネンとカーテンを同じ柄にすると、場合によってはしつこく、時代遅れに見えてしまうことも。でも、シンプルな色づかいならその心配はありません。白くペイントした木の壁や天井は、自然界をモチーフにしたマリメッコの柄と相性抜群。大きめの柄を選んでいるのもポイントです。
「ウニッコ」は子ども部屋にもぴったりな愛らしいデザイン。白をベースに赤をアクセントにした可愛らしいキッズルームです。
インテリアアクセサリーに
ファブリックパネルに仕立てるのも、マリメッコのファブリックの人気の活用法です。この明るい窓辺では、「ウニッコ」のファブリックパネルが部屋と外の景色の両方になじんでいます。ペンダントライトやダイニングチェアと、これだけ多くの色を加えても違和感がないのは、全体を同じ程度の鮮やかなトーンで揃えているのと、背景に白がたっぷりあるためです。
ファブリックパネルに仕立てるのも、マリメッコのファブリックの人気の活用法です。この明るい窓辺では、「ウニッコ」のファブリックパネルが部屋と外の景色の両方になじんでいます。ペンダントライトやダイニングチェアと、これだけ多くの色を加えても違和感がないのは、全体を同じ程度の鮮やかなトーンで揃えているのと、背景に白がたっぷりあるためです。
デスクまわりに便利なボードを北欧調のおしゃれなものにしたいなら、こんな活用法も。コルクボードにマリメッコのファブリックを貼れば、メッセージやカレンダーをピンナップできるメモボードが完成。
エーロ・サーリネンの「チューリップチェア」のシートクッションに、「ウニッコ」柄を採用。アメリカで育ち、活躍したサーリネンの出身は、実はマリメッコと同じフィンランド。名作デザインのチェアに華やかさとちょっとした遊び心を加えたアレンジです。
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複数組み合わせるなら色使いにこだわって
同じ「ウニッコ」柄の壁紙とクッションを組み合わせたベッドルームは、ピンクやレッドを上手に取り入れた、完璧なコーディネート。無地のヘッドボードを間にはさむことで、柄がより引き立ちます。
同じ「ウニッコ」柄の壁紙とクッションを組み合わせたベッドルームは、ピンクやレッドを上手に取り入れた、完璧なコーディネート。無地のヘッドボードを間にはさむことで、柄がより引き立ちます。
このガールズルームでは、窓まわりとクッションに「ウニッコ」をリピート。 柄に使われている色の中から、明るい黄色をベッドカバーとクッション、ランプでもアクセントに使い、キュートにコーディネートしています。
小さな柄の「ウニッコ」
白っぽい木を多用した北欧スタイルの明るいスペースに、ヴィヴィッドなイエロー&ライトグリーンのクッションがよく似合っています。「ウニッコ」よりやや小さな中柄タイプは「ピエニ・ウニッコ」。クッションやピローなど小さなアイテムで柄を活かすのにバランスのよいデザインです。
白っぽい木を多用した北欧スタイルの明るいスペースに、ヴィヴィッドなイエロー&ライトグリーンのクッションがよく似合っています。「ウニッコ」よりやや小さな中柄タイプは「ピエニ・ウニッコ」。クッションやピローなど小さなアイテムで柄を活かすのにバランスのよいデザインです。
ごく小さな面積で「ウニッコ」の美しいデザインを楽しむなら、最も小さな花柄「ミニ・ウニッコ」がおすすめ。写真奥のマグカップ用ラックに貼った「ミニ・ウニッコ」はキッチンのチャーミングなアイキャッチに。ちょっとしたDIYのアクセントにも使いやすそうです。
「ピエニ・ウニッコ」や「ミニ・ウニッコ」の用途は、もちろん小さな面積だけに限りません。カーテンやテーブルクロスなど、広めの面積で使ってみると、大きめの柄とはまた印象が変わり、繊細でエレガントに見えます。
「ピエニ・ウニッコ」や「ミニ・ウニッコ」の用途は、もちろん小さな面積だけに限りません。カーテンやテーブルクロスなど、広めの面積で使ってみると、大きめの柄とはまた印象が変わり、繊細でエレガントに見えます。
「ウニッコ」以外の人気柄
マリメッコには、ウニッコ以外にもまだまだたくさんの柄があります。最後に5つだけ、他の人気柄をご紹介しましょう。先にも触れたように、異なるマリメッコ柄を組み合わせるのも素敵な使い方です。
石をモチーフにした「イソト・キベット」
「ウニッコ」のデザイナー、マイヤ・イソラが1956年にデザイン。アトリエの庭にあった石がインスピレーションのもとに。色紙をはさみで丸くカットしてデザインを起こしたため、パーフェクトな円形ではなく、コロコロと転がる石のようなナチュラルな動きが感じられるモチーフになっています。子ども部屋の壁紙に使っても楽しいデザインです。
マリメッコには、ウニッコ以外にもまだまだたくさんの柄があります。最後に5つだけ、他の人気柄をご紹介しましょう。先にも触れたように、異なるマリメッコ柄を組み合わせるのも素敵な使い方です。
石をモチーフにした「イソト・キベット」
「ウニッコ」のデザイナー、マイヤ・イソラが1956年にデザイン。アトリエの庭にあった石がインスピレーションのもとに。色紙をはさみで丸くカットしてデザインを起こしたため、パーフェクトな円形ではなく、コロコロと転がる石のようなナチュラルな動きが感じられるモチーフになっています。子ども部屋の壁紙に使っても楽しいデザインです。
光と影のコントラストの波「ロッキ」
閉じたカーテンのひだによる光と影の波のようなパターンから発想されたデザイン。こちらもマイヤ・イソラによるデザインで、マリメッコの中でも最も有名なデザインのひとつです。「イソト・キベット」と同様、はさみで紙をカットして波模様をつくったため、自然な動きが感じられます。モダンなインテリアにも、木のアイテムを多用したナチュラルな風合いのある空間にもよく似合う柄です。
閉じたカーテンのひだによる光と影の波のようなパターンから発想されたデザイン。こちらもマイヤ・イソラによるデザインで、マリメッコの中でも最も有名なデザインのひとつです。「イソト・キベット」と同様、はさみで紙をカットして波模様をつくったため、自然な動きが感じられます。モダンなインテリアにも、木のアイテムを多用したナチュラルな風合いのある空間にもよく似合う柄です。
印象深い蓮の葉パターン「ボットナ」
印象的な曲線ラインで蓮の葉を大胆に描いた「ボットナ」は2002年にアンナ・ダニエルソンがデザイン。ボットナとは「湖底」を意味します。エレガントでいてインパクトのある柄に北欧の自然を感じさせるモダンなデザインで、どんな部屋にもなじみます。写真の吹き抜けのあるリビングのように高さを活かしてアートのように楽しむのも素敵。同じ柄のクッションをアクセントに使うことで、空間全体を美しくまとめています。
印象的な曲線ラインで蓮の葉を大胆に描いた「ボットナ」は2002年にアンナ・ダニエルソンがデザイン。ボットナとは「湖底」を意味します。エレガントでいてインパクトのある柄に北欧の自然を感じさせるモダンなデザインで、どんな部屋にもなじみます。写真の吹き抜けのあるリビングのように高さを活かしてアートのように楽しむのも素敵。同じ柄のクッションをアクセントに使うことで、空間全体を美しくまとめています。
雪いちごという名の「ルミマルヤ」
細い木になったふわふわとした白い実の可憐なデザイン。エルヤ・ヒルヴィがデザインした「ルミマルヤ」は、雪いちごという意味です。ファブリックパネルやタペストリーとして取り入れるのもおすすめ。グレーを基調にしたモダンなリビングに温かみと静けさを与えています。
細い木になったふわふわとした白い実の可憐なデザイン。エルヤ・ヒルヴィがデザインした「ルミマルヤ」は、雪いちごという意味です。ファブリックパネルやタペストリーとして取り入れるのもおすすめ。グレーを基調にしたモダンなリビングに温かみと静けさを与えています。
水面の波紋をとらえた「カイヴォ」
シンプルでいて大胆な柄、「泉」という意味の「カイヴォ」。マイヤ・イソラがバケツをうっかり井戸に落とした際に、水の表面に広がった波紋に魅了され、それがデザインになったのだそう。ベッドカバーのような平面に使うと、本当に波紋のように見えます。「ピエニ・ウニッコ」のピローと上手に組み合わせた、マリメッコファンらしい寝室です。
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