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自然界で見つかる多彩な緑、旬のナチュラルグリーンをインテリアに取り入れるには
ナチュラルなグリーンの幅が広がり、これまで以上に多彩なトーンがインテリアの注目色となっています。自然界にある緑や日本の伝統色の名前を例に取りながら、さまざまな緑を知りましょう。
カツウラアキツ
2018年11月27日
家中どこでも取り入れやすく、リラックス感や安心感を与えてくれるグリーン。日本でも常に人気の高い色ですが、近年のインテリアシーンではさらにそのバリエーションが広がり、より注目を集めるようになっています。今は自然界に近い色をインテリアに取り入れる傾向が見られますが、グリーンも同じく、よりナチュラルで複雑なトーンバリエーションのカラーが多く登場してきています。この記事では、古来、自然界の色からインスピレーションを得ることの多い日本の伝統色の名前を例に挙げながら、森の中で見つかるようなナチュラルなグリーンを使った部屋の事例をご紹介します。
自然界の緑の複雑なバリエーション
自然界には、萌え出る若い芽の黄緑や、はっきりした緑など、明度や彩度の高いグリーンも多いですが、たとえばシダや苔のような、ややくすんだグリーンもあります。シダや苔の緑は自然界では一見地味に見えますが、実は意外と生命力の強さを感じる鮮やかさも持ち合わせています。適度な明るさや鮮やかさがありながら、インテリアの色としては主張しすぎないため、控えめに演出できるのが自然界に多い複雑なトーンのグリーンを使う利点といえます。
色の使い方の基本:「トーン」って何だろう?
自然界には、萌え出る若い芽の黄緑や、はっきりした緑など、明度や彩度の高いグリーンも多いですが、たとえばシダや苔のような、ややくすんだグリーンもあります。シダや苔の緑は自然界では一見地味に見えますが、実は意外と生命力の強さを感じる鮮やかさも持ち合わせています。適度な明るさや鮮やかさがありながら、インテリアの色としては主張しすぎないため、控えめに演出できるのが自然界に多い複雑なトーンのグリーンを使う利点といえます。
色の使い方の基本:「トーン」って何だろう?
大人の黄緑、鶯(うぐいす)色
黄色と青の絵の具を混ぜると緑になりますが、そこにほんの少し黒や赤を足すことで、自然界の本物の植物のような、いわば「ナチュラルなくすみ」のあるグリーンに近づきます。こうした色合いは、自然界の素材からつくられた日本古来の伝統色によく見られます。
写真の壁の色は、茶色のニュアンスを感じさせるくすんだ黄緑、鶯色。彩度の高いはっきりした黄緑はカジュアルな印象ですが、少しくすんだトーンになることで深みが生まれ、しっとりとした大人の空間を演出できる色に変わります。
黄色と青の絵の具を混ぜると緑になりますが、そこにほんの少し黒や赤を足すことで、自然界の本物の植物のような、いわば「ナチュラルなくすみ」のあるグリーンに近づきます。こうした色合いは、自然界の素材からつくられた日本古来の伝統色によく見られます。
写真の壁の色は、茶色のニュアンスを感じさせるくすんだ黄緑、鶯色。彩度の高いはっきりした黄緑はカジュアルな印象ですが、少しくすんだトーンになることで深みが生まれ、しっとりとした大人の空間を演出できる色に変わります。
温かなダークトーン、海松(みる)色
この部屋の壁の緑は、海藻の海松(みる)が由来の海松色(みるいろ)に近い色。森の日陰に生えている植物のようなたくましい生命力を感じさせます。暗いトーンではありますが、黄みや赤みが多く含まれ、より温かみを感じるグリーンです。ダークな中にもやわらかさのある色みなので、写真のような白や明るい色をメインとした部屋の一面に配すと、適度なめりはりで空間を引き締めてくれます。
この部屋の壁の緑は、海藻の海松(みる)が由来の海松色(みるいろ)に近い色。森の日陰に生えている植物のようなたくましい生命力を感じさせます。暗いトーンではありますが、黄みや赤みが多く含まれ、より温かみを感じるグリーンです。ダークな中にもやわらかさのある色みなので、写真のような白や明るい色をメインとした部屋の一面に配すと、適度なめりはりで空間を引き締めてくれます。
淡く繊細な青みグリーン、裏葉(うらば)色
植物の葉の裏を観察してみると、表の色に比べて彩度が低く青みが感じられ、ぼんやりとしたトーンであることがわかるでしょう。このような色を名前の通り、裏葉色と呼びます。写真の壁のグリーンがまさにその色。太陽に直接当たらない葉の裏側を思わせる緑には、葉の表側の生き生きとした元気さと正反対の、センシティブな印象があります。低〜中彩度の鮮やかさなので、広い面積に使っても大丈夫。部屋全面の壁に塗ったとしても煩わしく感じることはないでしょう。
グリーンを使った寝室の写真を見る
植物の葉の裏を観察してみると、表の色に比べて彩度が低く青みが感じられ、ぼんやりとしたトーンであることがわかるでしょう。このような色を名前の通り、裏葉色と呼びます。写真の壁のグリーンがまさにその色。太陽に直接当たらない葉の裏側を思わせる緑には、葉の表側の生き生きとした元気さと正反対の、センシティブな印象があります。低〜中彩度の鮮やかさなので、広い面積に使っても大丈夫。部屋全面の壁に塗ったとしても煩わしく感じることはないでしょう。
グリーンを使った寝室の写真を見る
翳りのある青みグリーン、天鵞絨(びろうど)色
日本の伝統色では、暗い青みの緑を指す、天鵞絨(びろうど)色。こんな苔の色が森の中にも存在します。写真の壁は、あえてムラを残して塗ったクールな印象の天鵞絨色で、自然界の繊細な緑の濃淡を連想させる仕上がりに。暗めでありながら鮮やかさを残した色で、その名の通りビロード(ベルベット)生地のような上質感や格調高さもあわせもちます。
日本の伝統色では、暗い青みの緑を指す、天鵞絨(びろうど)色。こんな苔の色が森の中にも存在します。写真の壁は、あえてムラを残して塗ったクールな印象の天鵞絨色で、自然界の繊細な緑の濃淡を連想させる仕上がりに。暗めでありながら鮮やかさを残した色で、その名の通りビロード(ベルベット)生地のような上質感や格調高さもあわせもちます。
おすすめの使い方:低い位置に使う
今、注目されているこれら自然界に近いグリーンを改めて見てみると、意外と色みのしっかりあるリッチな色が多いことがわかります。明るく淡いトーンではないため、家具や壁に明るめの色が多い日本の住宅ではやや重い印象になりがちです。そこでおすすめの使い方としては、床面やカーペットなどの低い位置に配置すること。空間に安定感をもたらしてくれるでしょう。
今、注目されているこれら自然界に近いグリーンを改めて見てみると、意外と色みのしっかりあるリッチな色が多いことがわかります。明るく淡いトーンではないため、家具や壁に明るめの色が多い日本の住宅ではやや重い印象になりがちです。そこでおすすめの使い方としては、床面やカーペットなどの低い位置に配置すること。空間に安定感をもたらしてくれるでしょう。
おすすめの使い方:同系色でまとめる
あるいは、インテリアアイテムをさまざまなグリーンで揃え、重層感のあるコーディネートを楽しむのはいかがでしょう。実際の自然界の緑も、当然ながら1色ではありません。岩にびっしりと生える苔の色、日陰に生い茂るシダの色、茶色を帯びた枯れ葉色などを思い浮かべながら、ちょっとくすんだ緑をいくつか組み合わせれば、空間に深みが増すでしょう。
定番色ながら、選び方や組み合わせ方で今らしさを取り入れられるナチュラルグリーン。今ある空間に加えて、インテリアを楽しんでみてください。
色のインテリア効果:心身のバランスを整えてくれる癒しの色「グリーン」
あるいは、インテリアアイテムをさまざまなグリーンで揃え、重層感のあるコーディネートを楽しむのはいかがでしょう。実際の自然界の緑も、当然ながら1色ではありません。岩にびっしりと生える苔の色、日陰に生い茂るシダの色、茶色を帯びた枯れ葉色などを思い浮かべながら、ちょっとくすんだ緑をいくつか組み合わせれば、空間に深みが増すでしょう。
定番色ながら、選び方や組み合わせ方で今らしさを取り入れられるナチュラルグリーン。今ある空間に加えて、インテリアを楽しんでみてください。
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