海を望むリゾートホテルのような家
海が大好きなご夫婦が、紆余曲折を経ながらもついにめぐりあった理想の敷地。周囲の自然や季節を存分に堪能できる住宅が実現しました。
ダイビングが趣味で、娘さんのお名前も海にちなんでつけるほど、海が大好きなご夫婦。ずっと「いつか海の近くに住みたい」とおもっていたそう。外資系企業のエンジニアとして活躍されていたご主人の転勤先であった関東や関西周辺でさまざまなお住まいを経験して理想の住宅のイメージは具体的になっていったものの、なかなか理想の海や敷地には出会えずにいた。
そんな中、ついに静岡県の下田市で、見晴らしがよく海にも近い敷地をみつけ、ここに住宅を新築するということをほぼ即決。平岡建築デザインの設計により、ダイナミックな住宅が完成した。
そんな中、ついに静岡県の下田市で、見晴らしがよく海にも近い敷地をみつけ、ここに住宅を新築するということをほぼ即決。平岡建築デザインの設計により、ダイナミックな住宅が完成した。
理想的な敷地に出会ったお二人が住宅に望んだのは、海側の眺めを活かしながら、白を基調にしたシンプルなデザインにしたいということ。せっかくの眺望が周辺の木や電線に遮られないよう、また、夜は街明かりが見えるほうがいいという強いこだわりから居住スペースを持ちあげる必要があった。そこで、要塞のような重量感のある岩ボックスのうえに、ガラスを透過した空が透けて見える箱を載せたようなプランになった。
敷地の一部は緑豊かな国立公園内にあるため、住宅の新築の際にも特別な規制をうける。当初考えていた片流れの屋根は許可がおりないため、三角の切妻屋根にする必要があった。基本設計のイメージをなるべく崩さないようにしながら、片側にすこし屋根を足して切妻屋根にしている。
国立公園内の敷地である以外にも、プロジェクト進行中に熊本での大きな地震で構造上の指摘が増えたり、建設費が高騰したりとさまざまな紆余曲折があった。住まい手のお施主さんご夫婦と設計者の平岡さんたちは綿密な打合せとさまざまな工夫をかさねて、当初のイメージをひとつずつ具体的な形にしていった。
敷地の一部は緑豊かな国立公園内にあるため、住宅の新築の際にも特別な規制をうける。当初考えていた片流れの屋根は許可がおりないため、三角の切妻屋根にする必要があった。基本設計のイメージをなるべく崩さないようにしながら、片側にすこし屋根を足して切妻屋根にしている。
国立公園内の敷地である以外にも、プロジェクト進行中に熊本での大きな地震で構造上の指摘が増えたり、建設費が高騰したりとさまざまな紆余曲折があった。住まい手のお施主さんご夫婦と設計者の平岡さんたちは綿密な打合せとさまざまな工夫をかさねて、当初のイメージをひとつずつ具体的な形にしていった。
工事が始まってからも、収納を増やしたり、カウンターの高さを変えたりと、現場で変更を加えていった部分もある。「家事動線をしっかりと考えた家にしたいと思っていて、平岡さんたちがしっかり反映してくれた」と奥様も満足げ。
独特の形状や大きくて開放的な窓のせいか、「遊びに来た人に『リゾートホテルみたい』と言われたり、外を通るひとが不思議そうに『スポーツクラブですか?』と尋ねてきたり」とご主人も笑う。
独特の形状や大きくて開放的な窓のせいか、「遊びに来た人に『リゾートホテルみたい』と言われたり、外を通るひとが不思議そうに『スポーツクラブですか?』と尋ねてきたり」とご主人も笑う。
アプローチでは、最後のカーブを曲がると家が正面に現れて、とても印象的だ。
2階の平面図。東西を長手方向としてスッキリとプランがまとめられており、海側には見晴台とルーフバルコニーがある。
玄関に飾られたお花は奥様ご自身が活けられたもの。「とくに習ったわけではない」とのことだが、お部屋の雰囲気にあわせてとてもセンスよくアレンジされていた。
ご夫婦そろって料理が好きなので、キッチンは2人で使える広さにした。リビング側からはキッチン内が見えないように、キッチンのカウンター窓の高さを調整している。キッチン内では、マグネットがひっつく壁や、手元を明るくするためのライトなどを追加してもらった。
早い段階でショールーム(南堀江のモーリショップ)へ足をはこび、お施主さんご夫婦と設計者の平岡さんたちが一緒に選んだのは、ドイツのコイノール/KOINOR社から出ているフリーダというソファ。ローテーブルやラグなどの家具は、空間のイメージにあわせながら主にお施主さんたちが選んだもの。
早い段階でショールーム(南堀江のモーリショップ)へ足をはこび、お施主さんご夫婦と設計者の平岡さんたちが一緒に選んだのは、ドイツのコイノール/KOINOR社から出ているフリーダというソファ。ローテーブルやラグなどの家具は、空間のイメージにあわせながら主にお施主さんたちが選んだもの。
ご夫婦お気に入りのリビングスペース。家にいる時間のほとんどはここで過ごすそう。猛暑の日にはさすがに冷房をつかうが、朝晩には窓をあけると涼しい風がとおり、エアコンなしで過ごせる期間がずいぶん長いとのこと。テレビの横にいるのは、10年以上も一緒に暮らしている愛鳥のレモンちゃん。今回のHouzzツアー中も、会話に積極的に参加していた(ずっと鳴いていた)。
主寝室へとつながる廊下。キッチンや浴室などの部分の壁は、1階の岩ブロック部分とつながっているようなグレーの色調になっており、上部には間接照明を設置した。白で統一された空間のアクセントになっている。
お二人には、「時を経たようなエイジングの雰囲気がある、白い床がいい」というこだわりがあった。さまざまな素材を検討し、無塗装の床板のうえに白くペイントし、やすりをかけている。どうすれば理想のエイジングに近づくか、設計者の平岡さんたちも現場の職人さんたちと一緒になって手を動かして追求した。
いまは成人して大阪に住んでいる娘さんも、完成した家を見て「すごい」の一言。竣工から3ヶ月が過ぎたころに、「ちょっと遊びにいってもいい?」とふらりとやってきて、それ以降は何度も泊まりにきているとのこと。最近ご結婚され、娘さんたちご夫婦で遊びにくることもある。
お二人には、「時を経たようなエイジングの雰囲気がある、白い床がいい」というこだわりがあった。さまざまな素材を検討し、無塗装の床板のうえに白くペイントし、やすりをかけている。どうすれば理想のエイジングに近づくか、設計者の平岡さんたちも現場の職人さんたちと一緒になって手を動かして追求した。
いまは成人して大阪に住んでいる娘さんも、完成した家を見て「すごい」の一言。竣工から3ヶ月が過ぎたころに、「ちょっと遊びにいってもいい?」とふらりとやってきて、それ以降は何度も泊まりにきているとのこと。最近ご結婚され、娘さんたちご夫婦で遊びにくることもある。
コンパクトだが大きい窓で開放感が味わえるようになっている浴室。まるで露天風呂のように、景色を楽しみながらお湯につかることができる。お風呂の窓を大きくとりたかったのでユニットバスはあきらめていたが、大きな窓に対応するユニットバス(Panasonic L-CLASSシリーズ)を見つけてうまく取りいれることができた。
これまではご主人の単身赴任や娘さんの進学などで、家族がばらばらに暮らす時間が長かったが、この住宅が完成してからは、それぞれが自由に暮らしながら一緒に過ごす時間を楽しんでいるお二人。ここに住むようになってからは、海や自然と近いからか、朝にも目覚ましをかけなくなったそうだ。
(取材協力:稲本真由美)
Houzzで建築家を探す
Houzzツアー|My Houzz|建築・デザイン|建築
美しい海を望む家50選
Houzzツアー:海と風と木立をとりこんだ、モダンで重厚な海辺の住まい
(取材協力:稲本真由美)
Houzzで建築家を探す
Houzzツアー|My Houzz|建築・デザイン|建築
美しい海を望む家50選
Houzzツアー:海と風と木立をとりこんだ、モダンで重厚な海辺の住まい
所在地:静岡県下田市
住まい手:お施主さんご夫婦とオカメインコのレモンちゃん
構造:壁式鉄筋コンクリート造+木造
建築面積:150.58平方メートル
延床面積:129.23平方メートル
設計:平岡孝啓 平岡美香 溝渕弘章/株式会社 平岡建築デザイン
施工:ATインターナショナル株式会社(ASJ品川スタジオ)
竣工:2017年
撮影:スターリン・エルメンドルフ(「牧尾晴喜/フレーズクレーズ」クレジットの画像以外)