無駄なく使う階段まわりのアイデア収納
階段下収納に何をどう収納すればより活用できるのか、整理・収納の専門家が解説します。

栗原晶子|Akiko Kurihara
2023年5月23日
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。
また、エンタメ好きとして演劇や映画に関するライティングも手がけています。
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。... もっと見る
階段は上下階をつなぐだけでなく、デザインや機能面でも重要な役割を担っています。家族が集うリビングを2階に設ける事例も多く、階段の形や設置場所も多様化しています。この記事では階段まわりに収納機能を持たせたアイデアに注目しながら、スペースを上手に活用するための整理収納ポイントをご提案します。
階段は本棚と相性がいい
本の収納スペースの確保は、家を建てる際に多く寄せられるリクエストの一つです。壁に本棚を造作することで、部屋を広く使えるメリットがあります。階段の途中に本棚を設ければ、高いところの本も出し入れしやすくなります。梯子や踏み台を使わないと届かない位置には、出し入れの機会が少ない本を収納するのがポイントです。
本の収納スペースの確保は、家を建てる際に多く寄せられるリクエストの一つです。壁に本棚を造作することで、部屋を広く使えるメリットがあります。階段の途中に本棚を設ければ、高いところの本も出し入れしやすくなります。梯子や踏み台を使わないと届かない位置には、出し入れの機会が少ない本を収納するのがポイントです。
階段の形を生かしたオープン収納も魅力的です。この写真は階段下の収納棚をリビング側に設けた例。文庫本からノートサイズ、図鑑や画集など本の種類によって高さが異なるため、設計依頼時には収納したい本のサイズと収めたい本の量を把握しておく必要があります。本棚を設けた後は、このスペースに収まるだけの本を持つと決めれば、定期的に持ち物を見直すきっかけにもなります。
「読書の秋」に見つめ直したい、本の置きかた、収納のしかた
インテリアアイテムとして本を楽しむ方法
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テレビ台を組み合わせたり、飾り棚として使用する例もあります。リビングが子どもの遊び場を兼ねているなら、子どもが出し入れしやすいよう下段に引き出しやボックスを設けるのもよいでしょう。
踊り場を生かした収納
階段の途中に踊り場を設けた設計の場合、踊り場下の部分が活用できます。飾り棚はダウンライトで雰囲気よく演出。棚下の造作収納は扉を付ければ、部屋全体が雑然としません。家族共通で使いたい日用品や、書類など雑多なものが集まりがちなリビングの階段まわりは扉つき収納にし、中はケースやボックスを用いて仕切るのがおすすめです。
階段の途中に踊り場を設けた設計の場合、踊り場下の部分が活用できます。飾り棚はダウンライトで雰囲気よく演出。棚下の造作収納は扉を付ければ、部屋全体が雑然としません。家族共通で使いたい日用品や、書類など雑多なものが集まりがちなリビングの階段まわりは扉つき収納にし、中はケースやボックスを用いて仕切るのがおすすめです。
踊り場の上下にデスクを設けた事例もユニークです。部屋は無理でもちょっとしたデスクはほしいもの。PCを設置するスペースや、ミシンを使うワークスペース、勉強する時は壁に向かっているほうが集中できるタイプの人にも階段まわりのデスクは有効です。この場にものを置き始めると、ごちゃつき感が出やすいので、バッグや取っ手付きのボックスを活用して、使う時に使うものを使う場所へ持ち運びできるような収納方法を心がけましょう。
踊り場の下をまるごと収納にすると、ある程度まとまった量のものが収められるクロークとして利用できます。季節家電やスティックタイプの掃除機、水や生活用品のストックなど、見える場所に置くと生活感が出過ぎるもの、部屋のイメージを壊しがちなものを収納しましょう。
急な来客に備えた一時置きスペースとしても有効です。ただし、その時のために常に2~3割程度はスペースに余裕を持たせておく必要があるのもお忘れなく。
急な来客に備えた一時置きスペースとしても有効です。ただし、その時のために常に2~3割程度はスペースに余裕を持たせておく必要があるのもお忘れなく。
収納用途を場所から考える
階段がある場所によって、収納するものの種類もさまざまです。玄関近くに階段があれば、シューズクロークとして活用できます。引き出すタイプの収納棚は、玄関に近い方にオンシーズンの靴やお出かけ時に使うものを収納するなど、季節に合わせて使用頻度の高いものを出し入れしやすい場所に収めるのがコツです。
階段がある場所によって、収納するものの種類もさまざまです。玄関近くに階段があれば、シューズクロークとして活用できます。引き出すタイプの収納棚は、玄関に近い方にオンシーズンの靴やお出かけ時に使うものを収納するなど、季節に合わせて使用頻度の高いものを出し入れしやすい場所に収めるのがコツです。
オープンタイプの収納をロッカーのように使うのもおしゃれで合理的です。人別にスペースを設けて、アウターやバッグなどを掛けたり、置いたりして使います。玄関近くにあれば、忘れ物防止に一役買ってくれるでしょう。ポイントは同じものをいくつもこの場所に置かないこと。あくまでもお出かけ準備用ロッカーと位置付けるよう心がけましょう。
階段がキッチンの近くに計画されているなら、パントリーとしての活用にぴったりです。調味料、ストック食材、冷蔵庫に入れなくてもよい保存食品など、重量のあるものを下段に比較的軽いものを上段に収納しましょう。詰め込み過ぎると重くなり引き出す行為自体が面倒な作業になります。いつのまにかここに収めるはずのものを出しっぱなしにならないように収納量を意識してください。
玄関が土間で階段からリビングにあがるつくりなら、自転車やベビーカー、屋外で使う遊び道具などの収納に適しています。
壁と一体化させて存在感を最小限にした収納
収納はほしいが目立たせたくないという希望を叶えるのが、壁と一体化させたスタイル。扉の取っ手もさりげないデザインを選べば、存在感を抑えられます。
収納はほしいが目立たせたくないという希望を叶えるのが、壁と一体化させたスタイル。扉の取っ手もさりげないデザインを選べば、存在感を抑えられます。
スペースを生かしたコレクション収納
これは、ワインボトルを収納している事例です。階段の角度に沿った斜線を生かしてデザインされた棚がユニーク。オープン棚の場合、こまめな掃除も必要です。埃を払うハンディモップやクリーナーを近くに置くと効果的です。好きなものや大切なものを飾りながら収納し、メンテナンスすることも暮らしを楽しむコツと言えるのではないでしょうか。
これは、ワインボトルを収納している事例です。階段の角度に沿った斜線を生かしてデザインされた棚がユニーク。オープン棚の場合、こまめな掃除も必要です。埃を払うハンディモップやクリーナーを近くに置くと効果的です。好きなものや大切なものを飾りながら収納し、メンテナンスすることも暮らしを楽しむコツと言えるのではないでしょうか。
まだまだあるユニークな階段まわりの収納
これは階段下をペット専用スペースにした事例。引き出しを引くとエサ用の器があらわれる仕掛けです。左側の引き出しにはペット関連の掃除グッズを収納するとよいでしょう。
これは階段下をペット専用スペースにした事例。引き出しを引くとエサ用の器があらわれる仕掛けです。左側の引き出しにはペット関連の掃除グッズを収納するとよいでしょう。
階段の蹴込み部分を引き出しにした事例。段ごとに人別で収納するのもいいですね。ただし、こうした引き出しは特に詰め込み厳禁です。また踏板の上に重いものを置いたりするのも引き出しを開け閉めしづらくなる原因になるので注意しましょう。
階段そのものにちょい置きディスプレイする上級テクニック。置くのは一段または二段程度に収めるのが鉄則です。
階段脇の壁をギャラリーに
飾るといえば、階段脇の壁は比較的面積が広いので、ギャラリースペースにするのもオススメです。階段を上がった先に子ども部屋があるつくりの場合には、子どもの写真や描いた絵を額に入れて飾るといいでしょう。1年飾ったら入れ替えて処分するなどルールを決めておくと、どんどん増える子どもの絵や写真の整理にも役立ちます。もちろんお気に入りのアートを飾るのもいいですね。
家族写真をセンスよく飾るには?
飾るといえば、階段脇の壁は比較的面積が広いので、ギャラリースペースにするのもオススメです。階段を上がった先に子ども部屋があるつくりの場合には、子どもの写真や描いた絵を額に入れて飾るといいでしょう。1年飾ったら入れ替えて処分するなどルールを決めておくと、どんどん増える子どもの絵や写真の整理にも役立ちます。もちろんお気に入りのアートを飾るのもいいですね。
家族写真をセンスよく飾るには?
階段まわりの収納は多種多様です。アイデア次第で空間を有効に使えて、暮らしやすく、楽しくする効果も期待できます。家づくりの際には、階段まわりの収納、工夫してみませんか。
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コメントありがとうございます。
屈まないと取り出せない収納はカオスになりやすいですよね。
キャスターつきすのこを使われているようで取り出しやすさを工夫されていますね。
階段下収納内の配置図(間取り図のようなイメージ)を書いてみてください。貼っておいたりするとそれ以外は置かないというルール作りに意外に効果がありますよ。
いつ起こるかわからない非常時に備えて、取り出しやすさ、心がけていきたいですね!
”住み開き”を計画しているわが家では、
イベント用のスタッキングチェアを収納するのに
階段下を利用しています。
まだ、使用したことはありませんが・・・
コメントありがとうございます。
「住み開き」を計画されているのですね!
スタッキングチェアは階段下に収納、ピッタリですね。
出し入れそのものをゲストにしたいただくなど、それもイベントにしてしまうのも良さそう!