愛知の家回答なし
名古屋ではないこの建物の建つ蒲郡市三河三谷は古くから開けた漁師町です。当該敷地は、かつて網元の家が建っていたまちの中心をなす一角になります。施主は近くに本宅があり通常はそこに住み、経営している会社も目と鼻の先にある便利なロケーションの土地に「町中のウィークエンドハウス」そして「パーティーを行うためのゲストハウス」という機能を持つ ”パビリオン”が求められました。ただし、周囲には必ずしも美しくない一般民家や作業小屋が雑然と建ち並んでいます。プログラム的には平屋のボリュームのみで満足されることになったので、コートハウス形式を採用しました。中庭主体の小宇宙を作り出すことによって、「寛ぎ」を演出しようと意図したのです。まず、南と西の敷地境界線に沿って、4mの高さのRC壁をL字型に配してコート(=中庭)を規定し、ガラスを介して室内と一体化を図りました。その結果、建物は覆うもの、及びそれを支えるものの2要素へと還元されることになりました。「覆うもの」とは版としての鉄骨製水平屋根であり、一方の「支えるもの」はRC造の柱・梁・自立壁です。「支えるもの」の第一は9mスパンの東西に渡した門型フレームです。アプローチおはじめに設けられ、意図的に基壇に絡ませ、また基壇は道路側の車庫の上の芝生ゾーンへと人をスムーズに運ぶと共に、奥のコート(=中庭)の東側エッジを決め、この要である門型フレームは浸透膜のように扱われ、それを巡って内外部空間の相互貫入が生まれ、コートにおける魅力が増したと自負しております。
重複のため無効
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