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庭づくりの第一歩。シンボルツリーに適した樹木とは?
庭のある生活が始まったら、どんな植物を植えようかと考え始めると思います。まず最初にシンボルツリーを検討してみてはいかがでしょうか。
舩村佳織
2023年4月18日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
シンボルツリーとは、庭や家のシンボルとなるような目立つ樹木のこと。家族の記念日などに植えられることも多いですね。シンボルツリーがあることで、庭の構成が引き締まり、メリハリが生まれますので、庭を設計する上でもシンボルツリーを植えることは大きな意味があります。どんな樹木がいいのかをあらかじめ検討をつけると、専門家に植樹をお願いするときにもスムーズになります。家族の暮らしをこれからずっと見守ってくれるような、人生を少し豊かにしてくれるお気に入りの樹木を見つけましょう。
中庭のシンボルツリー
建物に囲まれた場所に高木があることで、緑のボリュームを室内にいながら感じることができます。たくさんの種類の木を植えなくても、存在感のある一本の木がそれだけで瑞々しさを感じさせます。中庭のように限られたスペースでは、常緑樹よりも落葉樹がおすすめです。夏は木陰をつくり、冬には葉を落とし十分な日光を部屋に取り込むことができます。
建物に囲まれた場所に高木があることで、緑のボリュームを室内にいながら感じることができます。たくさんの種類の木を植えなくても、存在感のある一本の木がそれだけで瑞々しさを感じさせます。中庭のように限られたスペースでは、常緑樹よりも落葉樹がおすすめです。夏は木陰をつくり、冬には葉を落とし十分な日光を部屋に取り込むことができます。
大きくなりすぎてしまわないか心配される方もいらっしゃいますが、放っておくと確かに大きくなりすぎてしまいます。1年に1度の「整枝(せいし)」で樹木の大きさはコントロールすることができるので、特にスペースが限られている庭ではきちんとお手入れをするようにしましょう。大きくなってから小さくしようと無理に太い枝を切るのはNG。樹木にとってもダメージになり、樹形が乱れて本来の美しい姿を損なってしまいます。こまめなお手入れが美しい姿を保つ秘訣です。
しかし、剪定ばさみを扱ったり、落ちた枝葉を処分するのは、並大抵のことではありません。やはりそこは庭師や造園の専門家にお任せするのがいいでしょう。普段のお手入れや、害虫駆除のアドバイスなどももらえるはずです
しかし、剪定ばさみを扱ったり、落ちた枝葉を処分するのは、並大抵のことではありません。やはりそこは庭師や造園の専門家にお任せするのがいいでしょう。普段のお手入れや、害虫駆除のアドバイスなどももらえるはずです
ウッドデッキにシンボルツリー
平面的になりがちなウッドデッキですが、ちょっとデザインに工夫して、シンボルツリーを組み込んだ形を考えてみましょう。庭が立体的になり、全体にメリハリが生まれます。ちょっとデッキで一休み、と思ったときに樹木の木陰は素敵な空間を作り出してくれます。新しい庭だけでなく、リフォームしたい庭でも既存の樹木はそのままに、ウッドデッキを設計することも可能です。
平面的になりがちなウッドデッキですが、ちょっとデザインに工夫して、シンボルツリーを組み込んだ形を考えてみましょう。庭が立体的になり、全体にメリハリが生まれます。ちょっとデッキで一休み、と思ったときに樹木の木陰は素敵な空間を作り出してくれます。新しい庭だけでなく、リフォームしたい庭でも既存の樹木はそのままに、ウッドデッキを設計することも可能です。
視線の先にシンボルツリー
長く伸びたアプローチや、廊下の先の窓、ドアを開けた正面など、自然に視線が向く先に一本のシンボルツリーを植えると、印象深い景色が演出できます。日々の暮らしの中で自然と目に入る場所なので、季節感のある樹木を選ぶと、季節の移り変わりを日常の中で感じられるはずです。
ここからはシンボルツリーにおすすめの樹木をご紹介します。
長く伸びたアプローチや、廊下の先の窓、ドアを開けた正面など、自然に視線が向く先に一本のシンボルツリーを植えると、印象深い景色が演出できます。日々の暮らしの中で自然と目に入る場所なので、季節感のある樹木を選ぶと、季節の移り変わりを日常の中で感じられるはずです。
ここからはシンボルツリーにおすすめの樹木をご紹介します。
おすすめのシンボルツリー
①シモクレン(落葉)
春を告げる艶やかな花を咲かせます。葉を開く前に花が咲くので、非常に華やかで目を引きます。花が楽しめるシンボルツリーをお探しの方におすすめです。大きく枝を広げる樹形も魅力で、夏の暑い時期には大きな木陰をつくり出します。和風洋風どちらの庭にもよく合います。花期はあまり長く無いですが、花が咲いたときのインパクトは随一。春の大きな楽しみとなるはずです。
①シモクレン(落葉)
春を告げる艶やかな花を咲かせます。葉を開く前に花が咲くので、非常に華やかで目を引きます。花が楽しめるシンボルツリーをお探しの方におすすめです。大きく枝を広げる樹形も魅力で、夏の暑い時期には大きな木陰をつくり出します。和風洋風どちらの庭にもよく合います。花期はあまり長く無いですが、花が咲いたときのインパクトは随一。春の大きな楽しみとなるはずです。
②レモン(常緑)
庭で収穫を楽しみたい! という方は多くいらっしゃいます。色々な果樹がありますが、レモンは収穫できる期間が長いところが魅力です。実が付いた姿もとても絵になり、毎年の楽しみになるでしょう。
レモンは高木よりも小さい低木~小高木という分類になります。とはいえ、大きく育てば2m以上にも成長します。庭の目立つところに植えれば十分シンボルツリーとしての存在感が出るでしょう。寒さに強くないので、関東地方以西の地域での栽培となります。また枝にトゲがあるので、作業時にはよく注意してください。
庭で収穫を楽しみたい! という方は多くいらっしゃいます。色々な果樹がありますが、レモンは収穫できる期間が長いところが魅力です。実が付いた姿もとても絵になり、毎年の楽しみになるでしょう。
レモンは高木よりも小さい低木~小高木という分類になります。とはいえ、大きく育てば2m以上にも成長します。庭の目立つところに植えれば十分シンボルツリーとしての存在感が出るでしょう。寒さに強くないので、関東地方以西の地域での栽培となります。また枝にトゲがあるので、作業時にはよく注意してください。
③ハルニレ(落葉)
日本に自生している樹木で、日本の気候によく合い育てやすいです。のびのびとした枝ぶりが魅力ですので、無理な剪定をする必要のない、広いスペースのある庭におすすめ。つくりこんだ庭よりも、雑木風の庭での主役として植えると魅力を発揮します。
日本に自生している樹木で、日本の気候によく合い育てやすいです。のびのびとした枝ぶりが魅力ですので、無理な剪定をする必要のない、広いスペースのある庭におすすめ。つくりこんだ庭よりも、雑木風の庭での主役として植えると魅力を発揮します。
④オリーブ(常緑)
近年人気の樹木です。常緑樹でありながら、明るいシルバーグリーンの葉が軽やかな印象です。成長するにつれ、樹木ごとの個性が現れ、趣のある樹形が楽しめます。
オリーブが1本あるだけで、明るく軽やかな庭に変わります。乾燥に強いですが多湿は苦手なので、水はけの良い場所に植えましょう。
近年人気の樹木です。常緑樹でありながら、明るいシルバーグリーンの葉が軽やかな印象です。成長するにつれ、樹木ごとの個性が現れ、趣のある樹形が楽しめます。
オリーブが1本あるだけで、明るく軽やかな庭に変わります。乾燥に強いですが多湿は苦手なので、水はけの良い場所に植えましょう。
⑤カエデ(落葉)
庭木としてカエデ類はどの世代にも人気が高いです。春は柔らかな若葉色が楽しめ、秋には紅葉、冬は繊細な樹形が美しく、目立つ花は咲かないながらも季節ごとの見所の多い樹木です。柔らかな枝先が魅力なので、それを生かす剪定をするようにしましょう。
真夏の強い日差しが当たると葉が焼けてしまうことがあります。暗すぎない半日陰程度の環境でもよく育ちますので、中庭などのシンボルツリーにも向いています。
庭木としてカエデ類はどの世代にも人気が高いです。春は柔らかな若葉色が楽しめ、秋には紅葉、冬は繊細な樹形が美しく、目立つ花は咲かないながらも季節ごとの見所の多い樹木です。柔らかな枝先が魅力なので、それを生かす剪定をするようにしましょう。
真夏の強い日差しが当たると葉が焼けてしまうことがあります。暗すぎない半日陰程度の環境でもよく育ちますので、中庭などのシンボルツリーにも向いています。
⑥シラカバ(落葉)
他の樹木にはない、白い樹皮が最大の魅力です。風に揺れる葉も軽やかで、涼し気な樹木です。シラカバといえば北海道など冷涼な土地のもののイメージがありますが、まさにその通りで普通のシラカバは暖かい地域ではうまく育ちません。関東以西ではシラカバ “ジャックモンティ”という品種を選びましょう。
白い幹がよく目立つので、モダンな建築に合わせると、デザインされた空間を作りこむことができます。
他の樹木にはない、白い樹皮が最大の魅力です。風に揺れる葉も軽やかで、涼し気な樹木です。シラカバといえば北海道など冷涼な土地のもののイメージがありますが、まさにその通りで普通のシラカバは暖かい地域ではうまく育ちません。関東以西ではシラカバ “ジャックモンティ”という品種を選びましょう。
白い幹がよく目立つので、モダンな建築に合わせると、デザインされた空間を作りこむことができます。
シンボルツリーはこれから一緒に人生を歩む、家族の一員のような存在です。ずっと愛着を持って育てられそうな、お気に入りの木を見つけてください。
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