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様々なデザインで、鮮やかな緑の苔を庭に取り入れよう
苔を利用したボタニカルライフの事例を見ながら、新しい苔との付き合い方を見つけてみましょう。
舩村佳織
2018年6月25日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
自然を表現する
山や森林にはいると、必ず苔を見つけるはずです。自然の風景の中に苔は溶け込むように存在しています。そのため雑木風の植木で山の中のような景色を作るとき、苔が入るとぐっと本格的に仕上がります。一緒に朽ちた木や石、下草を配置するとさらに雰囲気が増しますよ。
山や森林にはいると、必ず苔を見つけるはずです。自然の風景の中に苔は溶け込むように存在しています。そのため雑木風の植木で山の中のような景色を作るとき、苔が入るとぐっと本格的に仕上がります。一緒に朽ちた木や石、下草を配置するとさらに雰囲気が増しますよ。
苔と合う下草で一番おすすめなのはシダ植物です。シダ植物は苔と生育環境が似ており、森林の中でも苔と同じ環境で見つけることができます。生育環境が似ている植物を一緒に植えれば、その後の管理も容易になるので、庭の維持の面でもおすすめです。
シダ植物は柔らかく羽のように広がる葉が魅力。植木の足元に根締として使ったり、石の間に植え込んだりすると、優しい自然な風景を演出できます。
シダ植物は柔らかく羽のように広がる葉が魅力。植木の足元に根締として使ったり、石の間に植え込んだりすると、優しい自然な風景を演出できます。
苔で模様をつくる
石と苔を使って市松模様を描いた庭。モダンな和の庭にいかがでしょうか。重森三玲の東福寺の庭を思わせる意匠です。手前には瓦を埋め込んだ間に苔を入れ込んだデザインも。さまざまな模様を地面に描ける苔のおもしろさが生かされた庭です。モダンな庭に一工夫して、目を引くフォーカルポイントを苔でつくるアイデアです。
石と苔を使って市松模様を描いた庭。モダンな和の庭にいかがでしょうか。重森三玲の東福寺の庭を思わせる意匠です。手前には瓦を埋め込んだ間に苔を入れ込んだデザインも。さまざまな模様を地面に描ける苔のおもしろさが生かされた庭です。モダンな庭に一工夫して、目を引くフォーカルポイントを苔でつくるアイデアです。
石畳を彩る
こちらは洋風のお庭でも使えるアイデアです。石畳の目地に苔を植え込むとアンティークな雰囲気に。出来たばかりの庭でも、以前からそこにあるような趣を感じます。ケト土と赤玉土を合わせた苔玉を作るときに使用する土を目地に詰め込み、そこに苔を貼っていきます。苔は丈夫で乾燥にも強い「スナゴケ」や「ハイゴケ」がおすすめです。
こちらは洋風のお庭でも使えるアイデアです。石畳の目地に苔を植え込むとアンティークな雰囲気に。出来たばかりの庭でも、以前からそこにあるような趣を感じます。ケト土と赤玉土を合わせた苔玉を作るときに使用する土を目地に詰め込み、そこに苔を貼っていきます。苔は丈夫で乾燥にも強い「スナゴケ」や「ハイゴケ」がおすすめです。
苔を芝生のように
一面に広がる芝生のように、苔をカーペットとして植えるアイデアです。こちらは海外の事例で、日本ではあまりこういった苔の使い方は見かけません。芝生と違う点は植える環境です。芝生の庭は日当たりの確保がとても重要で、広々とした芝生の広場を囲うように樹木が植えられるという配置がよく見られます。苔の場合は日当たりはさほど重要ではありません。そのため、芝生は生育できないような樹木の間に広がる空間に、緑の絨毯をつくることができます。また、芝生とは違って芝刈りが必要ないのが大きな魅力。心がほっと安らぐ、苔の空間はいかがでしょうか?
一面に広がる芝生のように、苔をカーペットとして植えるアイデアです。こちらは海外の事例で、日本ではあまりこういった苔の使い方は見かけません。芝生と違う点は植える環境です。芝生の庭は日当たりの確保がとても重要で、広々とした芝生の広場を囲うように樹木が植えられるという配置がよく見られます。苔の場合は日当たりはさほど重要ではありません。そのため、芝生は生育できないような樹木の間に広がる空間に、緑の絨毯をつくることができます。また、芝生とは違って芝刈りが必要ないのが大きな魅力。心がほっと安らぐ、苔の空間はいかがでしょうか?
水との相性
ウェットな印象の苔は水と相性抜群。庭に池や流れがあるならば、苔は必要不可欠です。先ほどご紹介したシダ植物も一緒に植え込めば、まさに市中の山居といった趣になります。
ウェットな印象の苔は水と相性抜群。庭に池や流れがあるならば、苔は必要不可欠です。先ほどご紹介したシダ植物も一緒に植え込めば、まさに市中の山居といった趣になります。
とはいえ、池や滝がある庭はそうそう見つかりません。そんなときは、水鉢や砂利で水の流れを表現して苔との組みあわせを楽しみましょう。小さな水鉢でも、少しの水があるだけで瑞々しい気配が庭に漂います。また枯山水も苔が加わることで、より一層水の気配が強まります。水が苔を引き立たせ、また苔も水を引き立たせ、奥行きのある庭がつくられていきます。
室内では苔玉で
インテリアの中で苔を楽しむには苔玉が人気です。ケト土と赤玉土を合わせたものをベースとして、そこにテグス等を用いて苔を貼り付けるもので、他の植物も合わせてコーディネートすることもできます。
窓際など、日光が当たる場所に置いて管理しましょう。水やりは霧吹きだけでなく、中までしっかりと水が入るように、水にどぼんと沈めて与えます。しっかりと管理すればきれいな緑が楽しめますよ。
インテリアの中で苔を楽しむには苔玉が人気です。ケト土と赤玉土を合わせたものをベースとして、そこにテグス等を用いて苔を貼り付けるもので、他の植物も合わせてコーディネートすることもできます。
窓際など、日光が当たる場所に置いて管理しましょう。水やりは霧吹きだけでなく、中までしっかりと水が入るように、水にどぼんと沈めて与えます。しっかりと管理すればきれいな緑が楽しめますよ。
壁面緑化
こちらは屋外の壁面緑化の事例です。苔は他の植物よりも土を必要としないため、壁面緑化に向いている植物といえます。土を必要としない分軽量で、建物への負荷も少なく施工が可能です。苔は肥料や草刈り、剪定を必要としないため、管理のコストも少なくすみます。苔の新しい利用方法として、建物の緑化は今後注目される手法となるでしょう。
こちらは屋外の壁面緑化の事例です。苔は他の植物よりも土を必要としないため、壁面緑化に向いている植物といえます。土を必要としない分軽量で、建物への負荷も少なく施工が可能です。苔は肥料や草刈り、剪定を必要としないため、管理のコストも少なくすみます。苔の新しい利用方法として、建物の緑化は今後注目される手法となるでしょう。
こちらはただの壁面緑化ではなく、余白をつくることで一枚の絵画のように仕立てたアートな作品です。苔の質感の違いをうまく組み合わせることで、奥行きのある立体的な壁面となります。眺めていると心が落ち着くような、不思議な魅力を感じますね。
身近に多く存在している苔ですが、あまり注目されない、ともすると嫌がられる存在でもあります。けれどよく観察してみると、私たちが気づいていない魅力に溢れています。ボタニカルライフの相棒として、苔を取り入れた生活にぜひチャレンジしてみてください。
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