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人気のエコ素材、珪藻土の特徴とは?
内装材のほか、生活雑貨としても人気が定着してきたエコ素材、珪藻土。その特徴と性能を、漆喰と比較しながらまとめてみました。

Miki Nakajima
2018年6月28日
ライター。町田ひろ子アカデミーにてインテリアコーディネートをはじめ、家具や照明、ディスプレイなど豊かなライフスタイルについて幅広く学ぶ。その後、インテリアショップにて家具やインテリア雑貨の提案の仕事に就く。現在は、知識と経験を活かした豊かなライフスタイルの情報発信、依頼があれば結婚式などのディスプレイを行う。
ライター。町田ひろ子アカデミーにてインテリアコーディネートをはじめ、家具や照明、ディスプレイなど豊かなライフスタイルについて幅広く学ぶ。その後、インテリアショップにて家具やインテリア雑貨の提案の仕事に就く... もっと見る
近年、住宅建材はますます環境にも人にも優しい自然素材が人気を博すようになってきています。それは「体によいクリーンな素材を使った住まいにしたい」と考える人が増えているから。注目されるエコ素材のひとつに珪藻土があり、主に塗り壁などの内装材として使われていますが、最近はバスマットやコースターなどの生活雑貨などにも使用されるようになりました。この記事では、珪藻土の特徴、メリットとデメリットを改めてご紹介します。
珪藻土とは
珪藻土が何からできている?といえば、その答えは珪藻の化石。珪藻土の原料は、藻類の一種である珪藻という植物性プランクトンの殻が化石になって蓄積され、固くなった土で、日本各地の海や湖で採取されます。素材の特徴として、珪藻土には自分で固まる性質がありません。そのため、壁材として使用する際は固めるための素材を混ぜています。
珪藻土が何からできている?といえば、その答えは珪藻の化石。珪藻土の原料は、藻類の一種である珪藻という植物性プランクトンの殻が化石になって蓄積され、固くなった土で、日本各地の海や湖で採取されます。素材の特徴として、珪藻土には自分で固まる性質がありません。そのため、壁材として使用する際は固めるための素材を混ぜています。
古くから人の暮らしに溶け込んでいた素材
あまり知られていないことですが、珪藻土と人との関わりの歴史は意外と長く、約2000年前、ギリシャで軽くて水に浮く建築材料として使用されたのが始まりとされています。日本でも昔から七輪の材料として親しまれ、現在はビールのろ過材としても使用されています。しかし、建材としての歴史は1990年代後半からと、とても短いのです。
あまり知られていないことですが、珪藻土と人との関わりの歴史は意外と長く、約2000年前、ギリシャで軽くて水に浮く建築材料として使用されたのが始まりとされています。日本でも昔から七輪の材料として親しまれ、現在はビールのろ過材としても使用されています。しかし、建材としての歴史は1990年代後半からと、とても短いのです。
暮らしに役立つさまざまな性能
七輪に使われていることでもわかる通り、珪藻土には断熱性能や耐火性能があります。珪藻土を拡大して見てみると無数の穴が開いていて、脱臭性能や吸放湿性能もあることがわかっています。建材にも向く自然素材として、その便利な性能が注目されるようになったのです。最近ではその性能を活かし、バスマットやコースター、調味料の除湿剤などの生活雑貨も登場しています。
七輪に使われていることでもわかる通り、珪藻土には断熱性能や耐火性能があります。珪藻土を拡大して見てみると無数の穴が開いていて、脱臭性能や吸放湿性能もあることがわかっています。建材にも向く自然素材として、その便利な性能が注目されるようになったのです。最近ではその性能を活かし、バスマットやコースター、調味料の除湿剤などの生活雑貨も登場しています。
珪藻土のメリット
内装材として珪藻土を取り入れるメリットは、大きく分けて4点あります。
吸放湿性能:珪藻土の壁は、室内の湿度が高くなると余分な湿気を吸収し、乾燥すれば湿気を放出して、部屋の湿度を自然と調整してくれます。じめじめした梅雨や乾燥する冬など、湿度の変化が大きい日本の四季にとても合った壁材です。
内装材として珪藻土を取り入れるメリットは、大きく分けて4点あります。
吸放湿性能:珪藻土の壁は、室内の湿度が高くなると余分な湿気を吸収し、乾燥すれば湿気を放出して、部屋の湿度を自然と調整してくれます。じめじめした梅雨や乾燥する冬など、湿度の変化が大きい日本の四季にとても合った壁材です。
脱臭性能:珪藻土は湿気の吸放湿とともに、においも吸い取ってくれます。無臭とまではいきませんが、食べ物やペットのにおいといった生活臭を消すため、市販の消臭剤と組み合わせて使用すれば、消臭効果がより期待できます。
断熱性能:珪藻土は熱伝導率が低いので、外の気温の影響を受けにくいのも特徴です。そのため、夏は涼しく冬は暖かく、ある程度室内の温度調節をしてくれるので、冷暖房費の節約にもつながります。
耐火性能:火にも強いので、万が一室内から出火した場合でも、壁紙などの他の内装材より長時間、燃焼を抑えてくれます。
耐火性能:火にも強いので、万が一室内から出火した場合でも、壁紙などの他の内装材より長時間、燃焼を抑えてくれます。
珪藻土のデメリット
とはいえ、デメリットもあります。シミなどの汚れがつくと落としにくく、表面がざらっとした質感のものは、服やカーテンなどの繊維が引っ掛かりやすいという点は注意が必要です。また、製品によってはポロポロと削れてしまったりするので、珪藻土を選ぶ際はサンプルを取り寄せるなどして品質をよく確認しましょう。
とはいえ、デメリットもあります。シミなどの汚れがつくと落としにくく、表面がざらっとした質感のものは、服やカーテンなどの繊維が引っ掛かりやすいという点は注意が必要です。また、製品によってはポロポロと削れてしまったりするので、珪藻土を選ぶ際はサンプルを取り寄せるなどして品質をよく確認しましょう。
漆喰との違いは?
珪藻土の特徴を、漆喰と比較しながらもう少し説明してみましょう。漆喰の原料はは石灰石という石で、ワラやスサなどの草と海草などから採取した糊を混ぜて壁材として使用します。
漆喰は施工した後、空気中の二酸化炭素と反応してゆっくりと固まっていきます。この自然に固まる特徴が、昔から左官仕上げとして親しまれている理由です。珪藻土と同様、耐火性や脱臭性能、吸放湿性能がありますが、脱臭性能は漆喰の方が、吸放湿性能は珪藻土の方が優れているとされます。
珪藻土の特徴を、漆喰と比較しながらもう少し説明してみましょう。漆喰の原料はは石灰石という石で、ワラやスサなどの草と海草などから採取した糊を混ぜて壁材として使用します。
漆喰は施工した後、空気中の二酸化炭素と反応してゆっくりと固まっていきます。この自然に固まる特徴が、昔から左官仕上げとして親しまれている理由です。珪藻土と同様、耐火性や脱臭性能、吸放湿性能がありますが、脱臭性能は漆喰の方が、吸放湿性能は珪藻土の方が優れているとされます。
しかし、漆喰は施工が難しく、職人の腕により仕上げが変わると言われています。乾き方により仕上がりが変わるためです。それに対し、珪藻土は比較的施工がしやすく、塗り壁のなかでは施工金額も比較的安価です。
気軽に取り入れやすいのが珪藻土で、本格的な塗り壁を楽しむのなら漆喰にするのがおすすめではありますが、それぞれの特徴を踏まえたうえで、ご自身の好みで選びましょう。
気軽に取り入れやすいのが珪藻土で、本格的な塗り壁を楽しむのなら漆喰にするのがおすすめではありますが、それぞれの特徴を踏まえたうえで、ご自身の好みで選びましょう。
内装材として多くのメリットがあるエコ素材、珪藻土は、これからさらに活躍の場が多くなっていくと考えられます。カラーの種類も豊富にあり、DIYの塗装剤としても販売されているので、取り入れやすくなっています。
家のなかでも特に過ごす時間が長い場所、たとえばダイニングルームやリビングルームに取り入れると、珪藻土のある空間の気持ちよさをより感じられるのではないでしょうか。これから家づくりをする人やリフォームをする人は、ぜひ内装材の選択肢のひとつに加えてみてください。
壁材を探す
左官仕上げの専門家を探す
こちらもあわせて
日本の左官壁〜人の手がつくり出す多彩な世界
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