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照明テクニックで整える、疲れた体と心を癒す住まいづくり
起きているあいだ、同じ明るさで過ごしていませんか? 光の色やボリュームを意図的にコントロールすれば、より健康的な毎日が過ごせます。今すぐ試せるライティングテクニックをご紹介します。
Rie Horiguchi
2018年4月13日
新年度がはじまって数週間。少しづつ緊張がほぐれてくるこの季節は、体調不良や疲れを感じるタイミングでもあります。そんなときこそ、住まいの光を上手にコントロールして、居心地のよい、くつろげる空間をつくりましょう。心身ともにリラックスでき、体のリズムが整うのはもちろん、いつもの食事がより美味しく感じたり、パートナーと過ごす時間が増えたり、電気料金を抑えられたりするなど、日々の暮らしにうれしい変化が起こります。
夜の光はオレンジ色の電球色を選ぶ
ほんの10年前まで、照明といえば蛍光灯と白熱灯が一般的でしたが、2011年以降はLEDライトが一気に普及し、店頭でも主力商品として並んでいます。LEDライトの一般的な光の色は、真夏の太陽の光に近い白色、夕焼けの光に近い電球色、白色と電球色の中間(温白色)などがあります。
実は、人の体は想像以上に光に敏感で、毎日浴びる光に大きな影響を受けています。たとえば、私たちの体には一日周期でリズムを刻む体内時計が備わっていて、朝日を浴びることで時計がリセットされ、夜になると自然な眠りに導かれます。そのため、夕方以降に浴びる光は白色の明るい光より、夕焼けの光に近い電球色がおすすめ。リラックス効果が高まるのはもちろん、心地よい睡眠を誘います。
ほんの10年前まで、照明といえば蛍光灯と白熱灯が一般的でしたが、2011年以降はLEDライトが一気に普及し、店頭でも主力商品として並んでいます。LEDライトの一般的な光の色は、真夏の太陽の光に近い白色、夕焼けの光に近い電球色、白色と電球色の中間(温白色)などがあります。
実は、人の体は想像以上に光に敏感で、毎日浴びる光に大きな影響を受けています。たとえば、私たちの体には一日周期でリズムを刻む体内時計が備わっていて、朝日を浴びることで時計がリセットされ、夜になると自然な眠りに導かれます。そのため、夕方以降に浴びる光は白色の明るい光より、夕焼けの光に近い電球色がおすすめ。リラックス効果が高まるのはもちろん、心地よい睡眠を誘います。
食後から寝る前の時間は、光のボリュームを下げる
クライアントの方とお話ししていると、「明るいこと=よいこと、暗いこと=悪いこと」というイメージを持たれている方がとても多いと感じます。設計側でも「暗いとクレームになるけれど、明るければクレームにならない」という実情もあって、日本の住まいは、「必要な場所に、必要な明るさを」というよりも、「隅々まで明るくする」のが一般的です。
しかし、前述の体内時計の影響もあり、夜になっても明るい住まいの中で暮らすことは、体や心のバランスを崩したり、仕事や家事の作業効率を低下させたりする可能性もあるのです。特に、食後から寝る前の時間は、光のボリュームを下げること。スムーズに眠りに導く環境を整えておきましょう。
クライアントの方とお話ししていると、「明るいこと=よいこと、暗いこと=悪いこと」というイメージを持たれている方がとても多いと感じます。設計側でも「暗いとクレームになるけれど、明るければクレームにならない」という実情もあって、日本の住まいは、「必要な場所に、必要な明るさを」というよりも、「隅々まで明るくする」のが一般的です。
しかし、前述の体内時計の影響もあり、夜になっても明るい住まいの中で暮らすことは、体や心のバランスを崩したり、仕事や家事の作業効率を低下させたりする可能性もあるのです。特に、食後から寝る前の時間は、光のボリュームを下げること。スムーズに眠りに導く環境を整えておきましょう。
また、スマホやテレビ、PC画面のブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制するため、質の高い睡眠を取りにくくなります。就寝前の1〜2時間は、これらの画面を見続けないように心がけましょう。
1室多灯を採用する
就寝前のくつろぎ時間を過ごすときは、天井のシーリングライトは使わず、ペンダントライトやスタンドライトを使いましょう。寝室の天井の照明は思いきって外してしまうのもよいアイデアです。シーリングライトが必要な場合は、LEDでも調光調色の機能が付いた照明器具を選びましょう。
就寝前のくつろぎ時間を過ごすときは、天井のシーリングライトは使わず、ペンダントライトやスタンドライトを使いましょう。寝室の天井の照明は思いきって外してしまうのもよいアイデアです。シーリングライトが必要な場合は、LEDでも調光調色の機能が付いた照明器具を選びましょう。
スタンドライトやペンダントライトをベッドの脇に設置するだけでも、手元の明るさは十分確保できます。また、深夜に目覚めたときにも、必要な場所だけに光を灯せますから、機能面でも理にかなう照明計画です。眩しさを軽減したい場合は、光を透過させないシェードを使うのがよいでしょう。
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光に高低差を付ける
1室多灯の光を採用したら、光に高低差を付けましょう。均一に照らした光よりも、陰影が生まれ、見慣れた空間がドラマティックに生まれ変わります。低い光は落ち着きを、高い光は華やかさを演出します。
1室多灯の光を採用したら、光に高低差を付けましょう。均一に照らした光よりも、陰影が生まれ、見慣れた空間がドラマティックに生まれ変わります。低い光は落ち着きを、高い光は華やかさを演出します。
部屋の壁面やコーナー部分に光を当てると、壁面に光が反射して、少ない光量でも明るさが増すとともに、空間に奥行きが生まれます。
就寝前の光は白熱灯がおすすめ
LEDが主流となった昨今、白熱灯はエネルギーの無駄使いをする光、時代遅れの光という印象があるかもしれません。しかしながら、自然光とほぼ同等の光の波長域を持っているため、体のリズムを整えるには適切な光でもあります。調光スイッチを活用すれば、LEDよりも省エネ性能を高くでき、ランプの寿命も飛躍的に長くなります。
LEDが主流となった昨今、白熱灯はエネルギーの無駄使いをする光、時代遅れの光という印象があるかもしれません。しかしながら、自然光とほぼ同等の光の波長域を持っているため、体のリズムを整えるには適切な光でもあります。調光スイッチを活用すれば、LEDよりも省エネ性能を高くでき、ランプの寿命も飛躍的に長くなります。
たとえば、インターネットの大手ショッピングサイトで手に入る〈ルートロン〉の《グレテンザ》(白熱灯専用商品)はスタンドライトのコンセントを差し込むだけで調光できます。光のボリュームを極限まで絞れるので、自分のイメージ通りに光をコントロールできるといっても過言ではありません。
蛍光灯やLEDライトの光がオレンジ色の光を放つものもありますが、それはオレンジ色のフィルターを付けているためであり、オレンジ色の光そのものを放っているわけではないのです。
蛍光灯やLEDライトの光がオレンジ色の光を放つものもありますが、それはオレンジ色のフィルターを付けているためであり、オレンジ色の光そのものを放っているわけではないのです。
住まいのことを考えるとき、光の特性や、体に与える影響を考えるという方は、少数派かもしれません。でも、思い出してみてください。居心地のよいホテルやレストランでは、リラックスできたり、ゆったりした時間を過ごせたり、たった一杯のコーヒーでさえ極上の味に感じたりします。それは、居心地のよい空間をつくることに配慮して、光を制御しているから。ほかにもスーパーやコンビニエンスストアなどでは、購買意欲を掻き立てる、回転率を上げる、商品を美味しそうに見せる、といったポイントを考慮して、光をコントロールしています。日頃、私たちの心や行動は、無意識のうちに光の影響を受けているのです。
スタンドライトやキャンドルライトは、工事が不要で気軽に取り入れられる照明です。寝室だけでなく、リビングやダイニングなど、いろんな場所で試しながら、自分がいちばん心地よいと感じる空間をつくってみてください。
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