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窓まわりはどう選ぶ? カーテンやファブリックシェードの生地の基本知識と選び方
窓まわりの基本知識をプロに取材してご紹介するシリーズ第2弾は、生地の種類と選び方をご紹介します。 毎日使うものだからこそ、予算や生地の性質を考慮して選びましょう。
永井理恵子
2018年4月26日
カーテンとファブリックシェードに使える生地は、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維と、コットンやリネンなど天然繊維の生地があり、それぞれ特色や機能が異なります。生地の色や柄はもちろん、機能、メンテナンス、設置する場所の広さを考慮すると、ライフスタイルに合ったカーテンを選ぶことができます。
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便利な機能が付加できる化学繊維
ポリエステル:国産の窓装飾用のファブリックの多くが、ポリエステルを使って作られています。しなやかでシワになりにくいポリエステルは、洗濯機で洗っても縮みが少なくて丈夫です。高層マンションでは、窓に使う生地に防炎加工を施すことが義務付けられているので、万が一の火災を考慮し燃えにくい性質をもつことが求められます。燃えにくい性質に紡糸された「難燃繊維」か、可燃性の繊維にあとから難燃剤を付着させる「防炎加工」されたものを選びましょう。
アクリル:ポリエステル同様、ドレープカーテンにもシアーカーテンにも使われることが多い素材。柔らかくシワになりにくいところも似ています。違いは、後から防炎加工を施すことができないこと。原料に防炎材を入れて防炎機能を持たせます。
レーヨン:染色性がよく、加工しやすい素材。かつてはドレープカーテンやプリントカーテンに多く使用されていました。一方で、シワになりやすく、水に濡れると大きく収縮します。丈夫で縮みが少なく、シワになりづらいポリエステルが選ばれるようになったのは、ごく自然な流れと言えるでしょう。
ポリエステル:国産の窓装飾用のファブリックの多くが、ポリエステルを使って作られています。しなやかでシワになりにくいポリエステルは、洗濯機で洗っても縮みが少なくて丈夫です。高層マンションでは、窓に使う生地に防炎加工を施すことが義務付けられているので、万が一の火災を考慮し燃えにくい性質をもつことが求められます。燃えにくい性質に紡糸された「難燃繊維」か、可燃性の繊維にあとから難燃剤を付着させる「防炎加工」されたものを選びましょう。
アクリル:ポリエステル同様、ドレープカーテンにもシアーカーテンにも使われることが多い素材。柔らかくシワになりにくいところも似ています。違いは、後から防炎加工を施すことができないこと。原料に防炎材を入れて防炎機能を持たせます。
レーヨン:染色性がよく、加工しやすい素材。かつてはドレープカーテンやプリントカーテンに多く使用されていました。一方で、シワになりやすく、水に濡れると大きく収縮します。丈夫で縮みが少なく、シワになりづらいポリエステルが選ばれるようになったのは、ごく自然な流れと言えるでしょう。
化学繊維のカーテンがもつ機能
窓装飾に使われる生地には、防炎のほか、遮光、遮熱、保温、防音、ミラー、紫外線カットの各機能をもつものがあります。
遮光:外部の光をできるだけカットしたいとき、室内に明かりがついているのを外部に知られたくないときに。
遮熱:直射日光による室内温度の上昇を抑制したいときに。保温:外気温の影響を受けやすい単板ガラスの窓や、日が当たりにくい北側の部屋に。
防音:車通りの多い幹線道路に面した窓や、ピアノ室のような音漏れが気になる部屋に。
ミラー:外からの視線が気になる場合に。
紫外線カット:高層階や西日が強く当たる部屋、無垢の木の家具やフローリング、美術品など紫外線の影響を受けやすい空間に。
窓装飾に使われる生地には、防炎のほか、遮光、遮熱、保温、防音、ミラー、紫外線カットの各機能をもつものがあります。
遮光:外部の光をできるだけカットしたいとき、室内に明かりがついているのを外部に知られたくないときに。
遮熱:直射日光による室内温度の上昇を抑制したいときに。保温:外気温の影響を受けやすい単板ガラスの窓や、日が当たりにくい北側の部屋に。
防音:車通りの多い幹線道路に面した窓や、ピアノ室のような音漏れが気になる部屋に。
ミラー:外からの視線が気になる場合に。
紫外線カット:高層階や西日が強く当たる部屋、無垢の木の家具やフローリング、美術品など紫外線の影響を受けやすい空間に。
写真の〈MANAS〉のファブリックシェードはポリエステル100%。遮光機能を持っており、遮光等級は色にもよりますが1〜2級。生地に後から防炎加工を施すこともできます。
天然繊維の生地でも後から加工を施して機能を付け足すこともできますが、専門業者に依頼して加工してもらうため、費用もかかり、生地がもつ風合いも変化することも。機能性を求めるなら、元から機能性のある化学繊維の生地を選ぶほうがベターです。一方、化学繊維のカーテンは帯電しやすく、ホコリや花粉を吸着するため、花粉などのアレルギーのある方は天然繊維を選んだ方がいいでしょう。
天然繊維の生地でも後から加工を施して機能を付け足すこともできますが、専門業者に依頼して加工してもらうため、費用もかかり、生地がもつ風合いも変化することも。機能性を求めるなら、元から機能性のある化学繊維の生地を選ぶほうがベターです。一方、化学繊維のカーテンは帯電しやすく、ホコリや花粉を吸着するため、花粉などのアレルギーのある方は天然繊維を選んだ方がいいでしょう。
天然繊維のような風合いをもつポリエステル100%のファブリックもあります。写真のポリエステル100%のシアーカーテンは、リネンのような質感と透け感があります。ドライクリーニング時の寸法変化率は縦0.5%、横0%。後から防炎加工することができます。
まるでウールのような柔らかな手触りの写真のドレープカーテンも、ポリエステル100%です。ファブリックそのものに防炎機能があり、ドライクリーニング時の寸法変化率は縦0.2%、横0%です。質感も機能も重視するなら、天然素材のような風合いのあるファブリックを選ぶといいでしょう。
素材ならではの風合いが楽しめる天然繊維
リネン(麻)、コットン、シルク、ウール……素材がもつ独特の質感や手触り、風合いは、天然繊維ならではの魅力です。質感を重視するなら、天然繊維のカーテンを選ぶのがよいでしょう。写真は、リネンのカーテン。リネンは耐水性、耐熱性に優れ、透湿性や通気性があります。張りのある素材が、ナチュラルな印象を与えます。化学繊維には望めない風合いのよさに、一度使うとほかの生地が使えなくなるという人がいるほど。天然繊維は繊維の隙間から柔らかく光が通り、独特の透け感が出るので、シアーカーテンとして使用するのもおすすめです。
リネン(麻)、コットン、シルク、ウール……素材がもつ独特の質感や手触り、風合いは、天然繊維ならではの魅力です。質感を重視するなら、天然繊維のカーテンを選ぶのがよいでしょう。写真は、リネンのカーテン。リネンは耐水性、耐熱性に優れ、透湿性や通気性があります。張りのある素材が、ナチュラルな印象を与えます。化学繊維には望めない風合いのよさに、一度使うとほかの生地が使えなくなるという人がいるほど。天然繊維は繊維の隙間から柔らかく光が通り、独特の透け感が出るので、シアーカーテンとして使用するのもおすすめです。
染料の発色がいいコットンは、プリントカーテンにも使われます。写真の〈川島織物セルコン〉のカーテンは、コットン100%のファブリックに、刺繍のように見えるブーケ柄をプリントしたもの。柔らかな風合いと瑞々しい発色は、コットンだからこそ実現できたと言えるでしょう。
調湿性に優れ、紫外線をおよそ97%カットする機能があるシルク。たっぷりのドレープが生み出す艶やかな光沢は、シルク独特のものと言えるでしょう。ゲストルームやリビングルームのような、ゲストをもてなすための空間におすすめです。
リネンやコットンのカーテンはシワになりやすく、コットンのカーテンは洗濯すると伸縮しやすいという特徴があります。その弱点を補うため、リネンやコットンに、ポリエステルを混ぜた糸を使った混紡生地や交織生地に仕立てます。
写真のベーシックなチェック柄のドレープカーテンは、縦糸にポリエステルを、横糸にポリエステル80% 、綿14%、麻6%の糸を使って織り上げた布で仕立てたもの。化学繊維に天然繊維をプラスした生地を使うことで、独特な素材感のあるドレープカーテンに仕上がっています。ドライクリーニングをしたときの寸法変化率は縦0%、横1%。ポリエステル100%のドレープカーテンに匹敵する安定性を実現しています。次回は、カーテンの長さやひだの取り方について解説します。
取材協力:〈川島織物セルコン〉〈MANAS〉〈ルドファン〉
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