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窓まわりはどう選ぶ? カーテン、ブラインド、ファブリックシェードの基本知識と選び方
窓まわりのインテリアをデザインだけで選んでいませんか? 窓の種類や、冷暖房機の位置、部屋での過ごし方によって選ぶアイテムは変わります。購入する前に知っておくと、納得のいくアイテムが選べるでしょう。
永井理恵子
2018年3月26日
日本で最初に洋風のカーテンが使われるようになったのは、幕末から明治にかけてのこと。一般家庭には、昭和30年代に普及したそうです。半世紀以上にわたり私たちの暮らしを彩るカーテンは馴染み深いインテリアですが、素材の選び方、長さの決め方、メンテナンスについて、よく知らないという人は案外多いのではないでしょうか。これから新しい家に暮らすなら、窓の機能を活かし、インテリアやライフスタイルにマッチするベストなカーテンを選びたいものです。
この「窓まわりはどう選ぶ?」シリーズでは、窓まわりのプロへの取材をもとに、5回にわたってカーテンの選び方についてご紹介します。1回目の今回は、カーテンやブラインドなど、窓を彩るインテリアの違いについて解説します。
この「窓まわりはどう選ぶ?」シリーズでは、窓まわりのプロへの取材をもとに、5回にわたってカーテンの選び方についてご紹介します。1回目の今回は、カーテンやブラインドなど、窓を彩るインテリアの違いについて解説します。
家の中と外の接点である窓。景色を眺めることはもちろん、人だけでなく、光や空気、熱の出入り口でもあります。窓の機能を高め、空間を演出するのが、カーテンやブラインド、ファブリックシェードなどの窓まわりを彩るアイテムです。
多彩な演出ができるカーテン
カーテンにはドレープカーテンとシアーカーテンの2種類があります。ドレープカーテンは厚手の布で作られており、シアーカーテンは透過性のある薄い布で作られています。いずれも、インテリアにマッチする素材、色、柄を選べば、どんなタイプのインテリアにもしっくりくるのが魅力です。
カーテンにはドレープカーテンとシアーカーテンの2種類があります。ドレープカーテンは厚手の布で作られており、シアーカーテンは透過性のある薄い布で作られています。いずれも、インテリアにマッチする素材、色、柄を選べば、どんなタイプのインテリアにもしっくりくるのが魅力です。
- ドレープカーテン
「ひだ」にも「三つひだ」、「二つひだ」、「片ひだ」などがあり、さまざまな表情を選べます。ほかにも、ギャザーを寄せたり、あえて「ひだ」を取らずにフラット仕立てにしたり、加工の手段が多岐に渡り、インテリアとして幅広い演出ができるのもドレープカーテンの長所といえるでしょう。
例えばこちらの写真はスワッグ&テールを施し、シャンデリアと相性のいいクラシックなスタイルに仕上げています。
スワッグとは雲形の意味で上部の飾りを、テールは尾という意味で窓のサイドに垂らす装飾を指し、テールの垂らし方で、さまざまな表情を生み出すことができます。
スワッグとは雲形の意味で上部の飾りを、テールは尾という意味で窓のサイドに垂らす装飾を指し、テールの垂らし方で、さまざまな表情を生み出すことができます。
ドレープカーテンが持つ機能
家の中で最も熱の出入りが大きい窓。厚手のファブリックカーテンで覆うことで、室温を快適に保ちます。
また窓には、太陽の光を取り入れたり、換気をしたりと、家の中の環境を快適にする機能があります。最近では、窓そのものが断熱や遮熱性能を持つようになりましたが、カーテンにもさまざまな機能のあるファブリックが使われるようになり、窓の性能を補い、高めるカーテンを選ぶことができます。
家の中で最も熱の出入りが大きい窓。厚手のファブリックカーテンで覆うことで、室温を快適に保ちます。
また窓には、太陽の光を取り入れたり、換気をしたりと、家の中の環境を快適にする機能があります。最近では、窓そのものが断熱や遮熱性能を持つようになりましたが、カーテンにもさまざまな機能のあるファブリックが使われるようになり、窓の性能を補い、高めるカーテンを選ぶことができます。
シアーカーテン
ボイルやオーガンジーなど、薄手の平織りで作られた透明感のあるファブリックを使用します。刺繍を施したものや、薄手の生地にプリントしたものもあります。
ラッセル機で編むレースカーテンを、シアーカーテンとして使用することもあります。レースカーテンは編み立て技術により、ボーダーやドット柄、刺繍を施したレースなどさまざまなデザインから選べます。
ボイルやオーガンジーなど、薄手の平織りで作られた透明感のあるファブリックを使用します。刺繍を施したものや、薄手の生地にプリントしたものもあります。
ラッセル機で編むレースカーテンを、シアーカーテンとして使用することもあります。レースカーテンは編み立て技術により、ボーダーやドット柄、刺繍を施したレースなどさまざまなデザインから選べます。
遮光、防炎、静電、遮熱、撥水、ウォッシャブルなど、それぞれの機能について一定の基準を満たしているインテリアファブリックには、機能性表示マークがついています。
昼間に睡眠をとるなら寝室のカーテンには遮光マーク付きを。直射日光による室温の上昇を抑えたいなら遮熱マーク付きを。紫外線が気になるならUVカットマーク付きを。マークを目安に、カーテンを選ぶといいでしょう。特に遮光性については、日本インテリアファブリックス協会(NIF)によって、1〜3級の自主表示規格が定められており、選ぶときの判断基準に役立ちます。3級の遮光率は、99.40%。級が上がると、遮光率が上がり、1級は99.99%以上の遮光率となります。
昼間に睡眠をとるなら寝室のカーテンには遮光マーク付きを。直射日光による室温の上昇を抑えたいなら遮熱マーク付きを。紫外線が気になるならUVカットマーク付きを。マークを目安に、カーテンを選ぶといいでしょう。特に遮光性については、日本インテリアファブリックス協会(NIF)によって、1〜3級の自主表示規格が定められており、選ぶときの判断基準に役立ちます。3級の遮光率は、99.40%。級が上がると、遮光率が上がり、1級は99.99%以上の遮光率となります。
すっきりしたデザインが魅力のファブリックシェードとブラインド
カーテンを左右に開いた状態は “カーテンだまり” と呼ばれます。カーテンだまりは部屋のアクセントになりますが、窓の両サイドをすっきりさせたいなら、上下に開け閉めするファブリックシェードやブラインドをおすすめします。
ファブリックシェードには、ローマンシェード、ロールスクリーン、プリーツスクリーンがあります。窓の両サイドがすっきりすること、縦長の窓への収まりがいいことが、ファブリックシェードの共通点です。
カーテンを左右に開いた状態は “カーテンだまり” と呼ばれます。カーテンだまりは部屋のアクセントになりますが、窓の両サイドをすっきりさせたいなら、上下に開け閉めするファブリックシェードやブラインドをおすすめします。
ファブリックシェードには、ローマンシェード、ロールスクリーン、プリーツスクリーンがあります。窓の両サイドがすっきりすること、縦長の窓への収まりがいいことが、ファブリックシェードの共通点です。
ローマンシェード
およそ200年前、ヨーロッパで日よけと目隠しとして使われ始めたローマンシェード。紐やボールチェーンを引いて、1枚の布をたたみ上げていくスタイルで、エレガントなもの、カジュアルなものなど、さまざまなテイストのデザインがあります。
最もベーシックなのはプレーンスタイルのローマンシェード。写真は〈MANAS〉のもの。紐を引くと、一定の間隔でフラットなひだを畳み上げていきます。プレーンスタイルならひだがないので柄自体を楽しめ、幅広いファブリックから選ぶことができます。ソリッドなデザインのインテリアにもしっくり馴染みます。
およそ200年前、ヨーロッパで日よけと目隠しとして使われ始めたローマンシェード。紐やボールチェーンを引いて、1枚の布をたたみ上げていくスタイルで、エレガントなもの、カジュアルなものなど、さまざまなテイストのデザインがあります。
最もベーシックなのはプレーンスタイルのローマンシェード。写真は〈MANAS〉のもの。紐を引くと、一定の間隔でフラットなひだを畳み上げていきます。プレーンスタイルならひだがないので柄自体を楽しめ、幅広いファブリックから選ぶことができます。ソリッドなデザインのインテリアにもしっくり馴染みます。
こちらはカーテンとローマンシェードを組み合わせた例。フラットな形状のプレーンスタイルなら、演出の選択肢が広がります。
ドレープが優雅な〈トーソー〉のローマンシェードは、中央の紐を引き上げると、中央部分が引き絞られた独特の形状が生まれるムースというスタイル。エレガントで繊細なイメージを感じさせます。
ムースやバルーンなど、美しいドレープが魅力のローマンシェードは、レース地のような柔らかく軽いファブリックが向いています。
ムースやバルーンなど、美しいドレープが魅力のローマンシェードは、レース地のような柔らかく軽いファブリックが向いています。
- ロールスクリーン
〈ルドファン〉が高窓に提案したのは、高い日射反射率のシルバースクリーンで作られたロールスクリーン。窓から差し込む日射熱をカットするので、真夏の室温の上昇を抑え、エアコンにかかる電気代の節約も期待できます。高窓のほか、傾斜のある天窓にも設置できます。
ブラインド
ブラインドには、ルーバーや羽根とも呼ばれるスラットが横型のベネシャンブラインドと、縦型のバーチカルブラインドがあります。
ベネシャンブラインドが生まれたのは、イタリアの運河の街・ベネチア。水面からの光の照り返しを遮りながら、すぐ目の前を行く船からの視線を遮るために考えられたのだそう。現在のベネシャンブラインドは、主にアルミ製やプラスチック製、木製があり、スラットの幅も選ぶことができるので、窓の大きさや仕上げたいイメージにあわせて選ぶといいでしょう。
ブラインドは小さな窓でも収まりがよいのが特徴。スラットの色も、ある程度自由に指定したり、組み合わせることができます。色彩豊かなコーディネートが可能なのも魅力です。
ブラインドには、ルーバーや羽根とも呼ばれるスラットが横型のベネシャンブラインドと、縦型のバーチカルブラインドがあります。
ベネシャンブラインドが生まれたのは、イタリアの運河の街・ベネチア。水面からの光の照り返しを遮りながら、すぐ目の前を行く船からの視線を遮るために考えられたのだそう。現在のベネシャンブラインドは、主にアルミ製やプラスチック製、木製があり、スラットの幅も選ぶことができるので、窓の大きさや仕上げたいイメージにあわせて選ぶといいでしょう。
ブラインドは小さな窓でも収まりがよいのが特徴。スラットの色も、ある程度自由に指定したり、組み合わせることができます。色彩豊かなコーディネートが可能なのも魅力です。
写真は、スラットがエアコンにぶつからないようベネシャンブラインドを一部短くしています。このような細かいオーダーに対応できます。
スラットが縦に並ぶバーチカルブラインドは、ハイサッシの窓やワイドな窓に最適。ベネシャンブラインドはスラットが上下に開閉するのに対し、バーチカルブラインドはルーバーが左右に動いて開閉します。また、カーテンと同様、サイドにたまりができます。
設置場所や使いやすさで選ぶ
窓の前に家具を置くのなら、カーテンよりもローマンシェードやロールスクリーン、ブラインドがおすすめ。カーテンは開け閉めする人が家具を避けながら移動しなければなりませんが、上下に動くファブリックシェードなら移動を伴わずに開閉ができます。
窓の前に家具を置くのなら、カーテンよりもローマンシェードやロールスクリーン、ブラインドがおすすめ。カーテンは開け閉めする人が家具を避けながら移動しなければなりませんが、上下に動くファブリックシェードなら移動を伴わずに開閉ができます。
ロールスクリーンやブラインドの設置には工事が必要ということも忘れてはいけません。取り外しやメンテナンスが自分でできるという点では、カーテンが便利といえるでしょう。
また、バルコニーや庭への出入り口のような出入りの頻度が高い掃き出し窓には、左右にサッと開閉できるカーテンのほうが向いています。
どの窓装飾を選ぶかは、見た目はもちろん、窓の使い方や目的もあわせて考えることが大切です。次回は窓装飾用生地の選び方、サイズの決め方について解説します。
取材協力:〈川島織物セルコン〉〈トーソー〉〈MANAS〉〈ルドファン〉
こちらもあわせて
窓まわりはどう選ぶ? カーテンやファブリックシェードの生地の基本知識と選び方
カーテン、ブラインドなど窓まわりのプロをさがす
インテリアコーディネーターをさがす
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