「パーゴラ」のある庭のつくりかた。ウッドデッキ、テラスにもオススメ
庭で過ごす時間を豊かに変えてくれるパーゴラのアイデアです。
舩村佳織
2021年7月10日
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています。
二児の子育て中でもあり、家族みんなが楽しめる庭造りが得意です。設計者として、主婦としての目線から、暮らしやすさに寄り添います。
造園会社にて個人邸外構・庭の設計施工を行うプランナーとして勤務後、ニュージーランドにて現地の植物ナーセリー勤務及び園芸関係のボランティアを1年間経験。現在は静岡県富士市を中心に自然素材を使った庭づくりを行っています... もっと見る
庭でのんびりとした時間を過ごすため、ウッドデッキやテラスを造りたいというご要望は多いです。そんな方には、一緒にパーゴラもおすすめします。ガーデンルームよりも庭に近く、何もないウッドデッキよりも室内に近い、そんな空間をパーゴラが演出します。庭にパーゴラをおしゃれに取り入れるアイデアをご紹介します。
パーゴラとは
建物の軒先に設ける植物を絡ませる木製の棚を「パーゴラ」と言い、もともとはイタリア語でブドウ棚を指します。強い日差しを避けるためにブドウ棚の下でくつろぐことがあり、そういった空間を庭にも取り入れたことが始まりだそう。やがてただのブドウ棚ではなく、生活をより豊かにするためのツールとして使われるようになりました。
このように、もともとがブドウ棚を指すため、つる植物を育てるのが第一目的の構造ですが、現在では雨や日差しを避けるためのアイテムを取り付けて使うこともあります。
建物の軒先に設ける植物を絡ませる木製の棚を「パーゴラ」と言い、もともとはイタリア語でブドウ棚を指します。強い日差しを避けるためにブドウ棚の下でくつろぐことがあり、そういった空間を庭にも取り入れたことが始まりだそう。やがてただのブドウ棚ではなく、生活をより豊かにするためのツールとして使われるようになりました。
このように、もともとがブドウ棚を指すため、つる植物を育てるのが第一目的の構造ですが、現在では雨や日差しを避けるためのアイテムを取り付けて使うこともあります。
立体的な構造物があることで、平面的な庭に空間の広がりを加えることができます。今まで意味を持たなかった中空に存在感が生まれ、庭を広く感じさせる効果も。また、庭と建物をつなぐ役割も担い、室内と庭の距離感が縮まります。
庭を生活の一部にするため、庭での時間をより快適にするため、パーゴラは積極的に取り入れるべきアイテムだと言えます。
さて、それではここからパーゴラのある庭のアイデアをご紹介していきます。
造園・ガーデニングの専門家を探す
庭を生活の一部にするため、庭での時間をより快適にするため、パーゴラは積極的に取り入れるべきアイテムだと言えます。
さて、それではここからパーゴラのある庭のアイデアをご紹介していきます。
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植物をからませる
パーゴラ本来の利用方法で楽しむものです。つる植物を庭に取り入れることで、緑の景色に奥行きが生まれ、緑豊かな印象に。緑のトンネルは、植物がつくるからこその素敵な景色となります。
夏は日よけとしても効果的で、植物が行う蒸散活動により、気化熱で気温が下がり、涼しく快適な空間となります。
果樹のつる植物を用いれば、収穫も楽しめます。パーゴラと言えば、やはりブドウでしょうか。落葉樹であるブドウは冬には葉を落とすので、冬の日差しは取り入れることができ、窓の外にもぴったりです。
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パーゴラ本来の利用方法で楽しむものです。つる植物を庭に取り入れることで、緑の景色に奥行きが生まれ、緑豊かな印象に。緑のトンネルは、植物がつくるからこその素敵な景色となります。
夏は日よけとしても効果的で、植物が行う蒸散活動により、気化熱で気温が下がり、涼しく快適な空間となります。
果樹のつる植物を用いれば、収穫も楽しめます。パーゴラと言えば、やはりブドウでしょうか。落葉樹であるブドウは冬には葉を落とすので、冬の日差しは取り入れることができ、窓の外にもぴったりです。
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こちらはつるバラを誘引させています。パーゴラの屋根部分だけでなく、柱も利用すれば平面的な見せ方もできます。室内の目隠しとしての役割も。
つるバラは伸びた枝にたくさんの花を咲かせ、非常に豪華な景色をつくります。建物が一気に華やかになり、印象的な印象に。
つるバラは伸びた枝にたくさんの花を咲かせ、非常に豪華な景色をつくります。建物が一気に華やかになり、印象的な印象に。
つる植物だけでなく、高木をパーゴラのデザインの一部にしても素敵です。森の中にいるような空気が味わえそうです。パーゴラの施工とともに植栽を計画してもよいですが、すでに庭にある木を生かして設計するのも面白そうです。
日よけで快適空間
大人も子供も紫外線の浴びすぎは気になりますね。パーゴラにシェードを取り付ければ、心配ご無用! お子さんが外で遊ぶときも、シェードをつけておけば涼しく過ごせます。大人がのんびりするときも欠かせないアイテムです。室内への日差しもカットするので、室内温度の上昇を防ぎ、家具や絨毯の日焼けも緩和します。
写真のものは、金具をパーゴラに設置し、そこにシェードをフックで取り付けるタイプです。高い場所になってしまいますが、季節や天気によって取り外ししやすいので、臨機応変に使えます。
屋根付きパーゴラの写真を見る
大人も子供も紫外線の浴びすぎは気になりますね。パーゴラにシェードを取り付ければ、心配ご無用! お子さんが外で遊ぶときも、シェードをつけておけば涼しく過ごせます。大人がのんびりするときも欠かせないアイテムです。室内への日差しもカットするので、室内温度の上昇を防ぎ、家具や絨毯の日焼けも緩和します。
写真のものは、金具をパーゴラに設置し、そこにシェードをフックで取り付けるタイプです。高い場所になってしまいますが、季節や天気によって取り外ししやすいので、臨機応変に使えます。
屋根付きパーゴラの写真を見る
こちらは滑車がついていて、ロープで簡単に開閉ができるタイプです。波打ったシェードがラグジュアリーな雰囲気をつくります。風に揺れる様子も涼しげ。
シェードは日よけ効果だけでなく、目隠しとしても役立ちます。近くに高い建物がある場合、上からの視線が意外と気になるもの。シェードがあれば、室内を自然に隠すので、フェンスだけでは難しい方向からの視線をカットできます。
シェードは日よけ効果だけでなく、目隠しとしても役立ちます。近くに高い建物がある場合、上からの視線が意外と気になるもの。シェードがあれば、室内を自然に隠すので、フェンスだけでは難しい方向からの視線をカットできます。
こちらの日よけは、正面部分にカーテンを取り付けるアイデア。室内にカーテンをつけるのは普通ですが、パーゴラにつけるととても斬新な印象に。部屋の延長のような感覚で過ごせる空間となります。
風にひらひらと舞う姿も軽やかで、すがすがしい気持ちになれそうです。周囲からの視線も気にならないので、庭でリラックスするときにぴったりです。
暑さ対策の定番、グリーンカーテンとつる植物の基礎知識
風にひらひらと舞う姿も軽やかで、すがすがしい気持ちになれそうです。周囲からの視線も気にならないので、庭でリラックスするときにぴったりです。
暑さ対策の定番、グリーンカーテンとつる植物の基礎知識
同じくカーテンを取り付けるアイデアですが、特別な日はちょっとした工夫でまったく違うムードに早変わり。人を呼んで過ごすときは、こんな仕掛けをするとサプライズになるかもしれません。
ライトグレーでシャビーに
パーゴラも庭のテイストに合わせてデザインすれば、庭の雰囲気をぐっと引き上げてくれます。シャビーなテイストの庭には、ライトグレーがよく合います。アンティークのグッズを好相性。
ライトグレーは緑や花をきれいに見せる色でもあります。つる植物を誘引すると緑が映えて、ロマンチックな空間に。
パーゴラも庭のテイストに合わせてデザインすれば、庭の雰囲気をぐっと引き上げてくれます。シャビーなテイストの庭には、ライトグレーがよく合います。アンティークのグッズを好相性。
ライトグレーは緑や花をきれいに見せる色でもあります。つる植物を誘引すると緑が映えて、ロマンチックな空間に。
メンテナンスが簡単なパーゴラ
木材を庭に使うとき、みなさん気にされるのがメンテナンス面です。きちんとしたメンテナンスを行うことで、木材の寿命は伸ばせます。また、アイアンウッドと呼ばれるウリン材などのような硬い木は寿命が長く、長期間使用することができます。しかし、やはり木材は永遠にノーメンテナンスで使えるものではありません。いずれ交換する必要があるでしょう。
そういったことがネックに感じる方におすすめなのが、柱だけ異素材にする方法です。レンガで柱を立て、その上に木材でパーゴラを設置する方法ならば、交換しなければならないときは比較的簡単に交換できます。建築の外壁とのバランスを考えて素材を選ぶことで、庭と建築の一体感のあるデザインをつくれます。
木材を庭に使うとき、みなさん気にされるのがメンテナンス面です。きちんとしたメンテナンスを行うことで、木材の寿命は伸ばせます。また、アイアンウッドと呼ばれるウリン材などのような硬い木は寿命が長く、長期間使用することができます。しかし、やはり木材は永遠にノーメンテナンスで使えるものではありません。いずれ交換する必要があるでしょう。
そういったことがネックに感じる方におすすめなのが、柱だけ異素材にする方法です。レンガで柱を立て、その上に木材でパーゴラを設置する方法ならば、交換しなければならないときは比較的簡単に交換できます。建築の外壁とのバランスを考えて素材を選ぶことで、庭と建築の一体感のあるデザインをつくれます。
同じ金属性でも、アイアンはまた違った雰囲気に。アイアンは錆が出ることがありますが、それも魅力のひとつ。本格的なロートアイアンならば、錆が出ても表面上の変化だけで、折れてしまうことはありません。ぜひ錆も趣として、味わっていただきたいです。
ロートアイアンはデザイン次第でモダンにも個性的にも、ロマンチックにもシックにもなる自由自在の素材です。こだわりのデザインを追求しましょう。
ロートアイアンはデザイン次第でモダンにも個性的にも、ロマンチックにもシックにもなる自由自在の素材です。こだわりのデザインを追求しましょう。
庭の要素として、パーゴラは必要不可欠なものではありません。いつかつけたいと思っても、後回しにされてしまうことが多いです。しかし、パーゴラは庭での時間を豊かにしてくれる絶好のツール。興味を持たれた方は、ぜひお近くの専門家にパーゴラ施工について相談してみましょう。
簡単な質問に答えるだけで、お近くの専門家にすぐコンタクトできます。
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Seigo Miyake様
コメントありがとうございます。
ガゼボや東屋は住居用建物と連携しているため、そこ性質上敷地を分けられないと考えられています。これを用途上不可分と言います。用途上不可分の場合、1つの敷地に2つ以上の建築物が可能となります。
ただ条例やその他の条件もありますので、不安な場合は専門家に一度相談するのが安心です。
南側の窓の前にパーゴラを造って、夏はパーゴラの天井部分にスダレなどを付けると風情があり「熱射対策」にもなり一石二鳥だと思いますね。