今だから見直したい、アナログレコードの収納とディスプレイ
昨年、16年ぶりにアナログレコードの生産量が100万枚を超え、静かなリバイバルの兆しを見せています。まだレコードで聴いたことがない人も、レコードを飾ったり収納したりしたおしゃれな部屋を見れば、真似したくなるかもしれません。
リアルタイムで経験した人には懐かしく、若い世代には新鮮な印象のアナログレコード。レコードジャケットには、アートとして捉えられるようなデザイン性の高いものがあり、インテリアのアクセントとしても取り入れられてきました。アナログからデジタルへと音楽メディアが変化する過程で、世の中からなくなってしまうと言われながらも、ここ2年ほどは人気が世界的に再燃。モノとしての面白さに気づいた若い世代が、その新鮮さに再び注目しているからなのだとか。そんな今だからこそ見直したい、レコードのディスプレイと収納のアイデアを集めてみました。
1. インテリア雑貨としてディスプレイする
レコードは枚数によってどう保管するかが変わります。見せるのか、隠すのかのチョイスもレコードとインテリアの関係では重要です。
こちらはミッドセンチュリーテイストでまとめたリビングの一角にある音楽スペース。手持ちのレコードは少しだけという人なら、雑貨を飾るように、見栄えを優先してディスプレイしましょう。キャビネット横にレコード棚として置いたのは、フレームと棚板のデザインが面白い木製ラック。ジャケットのデザインがスパイスとなり、ラフで心地よい空間づくりに一役買っています。
レコードは枚数によってどう保管するかが変わります。見せるのか、隠すのかのチョイスもレコードとインテリアの関係では重要です。
こちらはミッドセンチュリーテイストでまとめたリビングの一角にある音楽スペース。手持ちのレコードは少しだけという人なら、雑貨を飾るように、見栄えを優先してディスプレイしましょう。キャビネット横にレコード棚として置いたのは、フレームと棚板のデザインが面白い木製ラック。ジャケットのデザインがスパイスとなり、ラフで心地よい空間づくりに一役買っています。
聴かなくなった作品があれば、レコード盤の形状や色をインテリアアイテムとして活かすのも一案です。カラフルな幾何学柄のアクセントウォールが目を惹く子供部屋に飾られたレコードは、お気に入りのおもちゃとともにワクワクした気分を強調するスパイスに。飾るレコードは一般的なものだけでなく、ピクチャー盤や写真のようなカラー盤を加えるとさらにポップで楽しい印象になります。
2. 低い位置に収納する
レンガの壁に黒い家具の組み合わせがクールなリビングルームの一角。階段下にソファベッドやプレーヤーを置き、音楽が楽しめるくつろぎスペースにしています。ポイントは、プレーヤーやレコードを置いたサイドラック。ベッドとの高さや材質を揃えることで統一感が生まれるだけでなく、レコードを厳選してソファベッドの引き出しにしまえば、すっきりとした印象になります。
レンガの壁に黒い家具の組み合わせがクールなリビングルームの一角。階段下にソファベッドやプレーヤーを置き、音楽が楽しめるくつろぎスペースにしています。ポイントは、プレーヤーやレコードを置いたサイドラック。ベッドとの高さや材質を揃えることで統一感が生まれるだけでなく、レコードを厳選してソファベッドの引き出しにしまえば、すっきりとした印象になります。
サンフランシスコにある個人の別荘です。リビングルームの窓際に設置したベンチは、座面下にレコードが収納できる仕組み。落ち着いて外の景色と音楽を楽しめるスペースになっています。レコードは保存状態が悪いと歪んだりジャケットが傷んだりして大変ですが、直射日光による色褪せ防止はもちろん、スペースの有効活用もできて一石二鳥です。
新たにレコードの魅力に気づいた若い世代にもフィットする、簡単に真似できそうなレコードコーナーです。ジャストサイズの棚を利用してレコードやプレーヤーを収納。お気に入りのレコードジャケットをトランクやランプなどの雑貨と一緒に飾り、かわいく懐かしい雰囲気のグラニーシックテイストでまとめています。
3. ジャケットをアートにする
ジャケットのデザインを楽しむなら、見せる収納をおすすめします。ミシシッピ州にある1908年竣工のこちらの個人宅では、ベッドルームを音楽部屋として利用。オーナーがアルバイトしていたレコード店のラックを購入し、利用しています。本棚と併用すれば、お気に入りのジャケットは見せるラックへ、それ以外は収納棚へ……と気分で入れ替えも楽しめます。中古のコーヒーテーブルやアートなどとともに、オーナーの趣味がにじむ空間になっています。
ジャケットのデザインを楽しむなら、見せる収納をおすすめします。ミシシッピ州にある1908年竣工のこちらの個人宅では、ベッドルームを音楽部屋として利用。オーナーがアルバイトしていたレコード店のラックを購入し、利用しています。本棚と併用すれば、お気に入りのジャケットは見せるラックへ、それ以外は収納棚へ……と気分で入れ替えも楽しめます。中古のコーヒーテーブルやアートなどとともに、オーナーの趣味がにじむ空間になっています。
見せる収納には、壁に飾る方法もあります。デザイン性に富んだジャケットはそのまま飾っても作品になりますが、額装して並べるとアートとしての存在感が倍増します。また、白い壁でもすてきですが、シックな色の壁に飾るとさらにファッショナブルな印象になります。古材を使ったアクセントウォールやミッドセンチュリーテイストの家具が並ぶ落ち着いた空間に、ジャケットが遊び心を加えています。
ゆっくりと音楽を聴きながらお酒を楽しむ。お酒が好きな人にとって、音楽とお酒は切っても切れない関係です。そんな時間をさらに楽しめるよう、ホームバーの壁にもお気に入りのレコードを飾ってみましょう。こちらの例では、棚にレコードとカクテルグラスやウイスキーセットをディスプレイ。気軽でラフなレコードの存在をガラス器の透明感で格上げしています。
壁全面を覆うレコードジャケットが圧巻の洗面台。ジャケットを入れたフレームは、オーナーの友人の手づくりです。ジャケットをすき間なく並べる方法は、その配色によって空間の印象を大きく変えることもできます。この例では、迫力のある色づかいにオーナーのセンスが表れています。
4. ベーシックな箱に収納する
シアトルにあるアパートメントのワークスペース。音楽ライターのオーナーは、職業柄、レコードとプレーヤーが欠かせません。そこで、ある程度の枚数をまとめて保管できる機能性を重視し、シンプルな本棚にレコードを収納。目線より低い高さ、プレーヤーとアンプを収納したラックにもなじむナチュラルカラーの素材を選び、圧迫感を抑えて軽やかな印象にまとめています。このように本棚を利用する場合は、ボックスが正方形のものを選ぶと収まりがよくなります。
シアトルにあるアパートメントのワークスペース。音楽ライターのオーナーは、職業柄、レコードとプレーヤーが欠かせません。そこで、ある程度の枚数をまとめて保管できる機能性を重視し、シンプルな本棚にレコードを収納。目線より低い高さ、プレーヤーとアンプを収納したラックにもなじむナチュラルカラーの素材を選び、圧迫感を抑えて軽やかな印象にまとめています。このように本棚を利用する場合は、ボックスが正方形のものを選ぶと収まりがよくなります。
壁の高い位置にレコード棚がある、建築家の自邸のリビング。写真のような位置に設置する場合、棚は細かく区切りのあるデザインがよいでしょう。レコードの倒れや落ちを防止し、分類の手間を軽減することもできます。また、ムラのあるグレー系で塗装された板張りの壁や、イギリス製のヴィンテージのダイニングテーブルと異なる椅子のコーディネイトなども見逃せません。新築にもかかわらず、レコード同様の味や暖かみを生み出しています。
この家のストーリーはこちら
My Houzz:川と緑を眺めて暮らす、建築家の仕事場を兼ねた住まい
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5. ゆるい間仕切りと捉える
レコードのコレクションは楽しいものですが、枚数が多くなると置き場所に悩むものです。その問題を解消する一案に、1ヵ所にまとめて部屋の間仕切りにする方法があります。こちらはシカゴの個人宅の例。100年前のベイマツの古材でつくった棚にレコードや雑貨を収納し、玄関とリビングルームの間仕切りにしています。背板がない棚は圧迫感が少なく、抜け感を残して空間を区切れるので便利です。また、飾るオブジェや分量で印象が変わるのもポイントです。
レコードのコレクションは楽しいものですが、枚数が多くなると置き場所に悩むものです。その問題を解消する一案に、1ヵ所にまとめて部屋の間仕切りにする方法があります。こちらはシカゴの個人宅の例。100年前のベイマツの古材でつくった棚にレコードや雑貨を収納し、玄関とリビングルームの間仕切りにしています。背板がない棚は圧迫感が少なく、抜け感を残して空間を区切れるので便利です。また、飾るオブジェや分量で印象が変わるのもポイントです。
こちらもレコード棚をダイニングキッチンとリビングルームの間仕切りにしている例です。前の写真よりさらにレコードの数は多く、しっかりと空間を隔てられる棚になっています。この収納棚は、棚板をダイニングキッチン側に張り出させてテーブルにすることで、ふたつの空間につながりを持たせており、もう一方のリビング側には音響機器がぴったり収まるサイズに棚板が調節されています。不規則な凸凹のデザインが、大きな空間をゆるく、楽しく区切っています。
6. 収納量にこだわる
大量のレコードやCD、音響機器、書籍とこまかなアイテムが満載にもかかわらず、すっきりとした印象のリビングルーム。ポイントは、必要なアイテムの量とサイズに合わせた収納家具です。レコードを立てて収納する場合、収納棚の奥行きや高さが12インチ(30.48センチ)レコードぴったりのものと、手前や上部に若干の余裕を加えたものがあります。収納量は変わりませんが、見た目がよりすっきりするのは写真のようなサイズがぴったりの家具でしょう。ナチュラルカラーのフレームとターコイズブルーの扉も相まって、軽やかな印象です。
大量のレコードやCD、音響機器、書籍とこまかなアイテムが満載にもかかわらず、すっきりとした印象のリビングルーム。ポイントは、必要なアイテムの量とサイズに合わせた収納家具です。レコードを立てて収納する場合、収納棚の奥行きや高さが12インチ(30.48センチ)レコードぴったりのものと、手前や上部に若干の余裕を加えたものがあります。収納量は変わりませんが、見た目がよりすっきりするのは写真のようなサイズがぴったりの家具でしょう。ナチュラルカラーのフレームとターコイズブルーの扉も相まって、軽やかな印象です。
こちらはロサンゼルスのリノベーションした別荘の例です。音楽部屋に設置した収納量たっぷりのレコード棚は、厚みのある木材なので重みでたわむこともなく、重いスピーカーでも安心して保管できます。
取り出しやすさや探しやすさを優先する場合は、この例のように上部にゆとりを持ったサイズにするのがおすすめです。また、ジャケット焼けや色褪せを防ぎたい場合は、UVカットガラスやカーテンなどの組み合わせも検討するとよいでしょう。
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レコードはデジタルとは違い雑音とも言える音の揺らぎがあるといいますが、それが味となり、なんとも言えない味わいがありますよね。
また、ジャケットはジャケ買いという言葉があるように、ジャケットだけでも魅力的なものが多く、ポスターや絵の代わりに飾る方もいらっしゃる位ですので、耳と目の両方が楽しめる素敵なツールだと思います。
素敵なエントリー、どうもありがとうございました。
>Office K様
そうなんです。レコードは音のよさはもちろん、ジャケットごと残したい気持ちにさせられる存在なんですよね。ただ嵩があって私自身も保管に困りがちでしたので、レコードのよさをいかしつつすてきに保管できる方法がご提案できたらとこの記事を執筆させていただきました。楽しんでいただけたらうれしいです。コメントありがとうございました!