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速報!ミラノサローネ2019年の見どころ。レオナルドへのオマージュ、特別企画が盛り沢山
4月に開催されるミラノサローネ。2月の現地プレス発表会に、数少ない日本人ジャーナリストのひとりとして招待された藤井繁子さんが、今年のイベント予定をいち早くご紹介!

藤井繁子|Fujii Vivien Shigeko
2019年3月7日
藤井繁子・住生活ジャーナリスト。
Journalist of House and Life
Consultant for Japanese housing market and industry
I have been working for 30years in Japanese housing industry as the editor in chief 「HOUSING」, the most popular monthly magazine for consumer, the chief researcher of RECRUIT Housing Laboratory and a journalist/consultant.
藤井繁子・住生活ジャーナリスト。
Journalist of House and Life
Consultant for Japanese housing market... もっと見る
今年の「Salone del Mobile.Milano / ミラノサローネ国際家具見本市」(以下、ミラノサロー ネ)は、4月9日(火)ー14日(日)、フィエラミラノ見本市会場(ロー市)で開催されます。
この見本市を核にミラノ市全体で様々なイベントが企画され、世界最大のインテリアデザインの祭典「Milan Design Week」が展開されます。今回はミラノでのプレス発表会に飛び取材した、今年の新企画や特別展などを速報で報告します!
この見本市を核にミラノ市全体で様々なイベントが企画され、世界最大のインテリアデザインの祭典「Milan Design Week」が展開されます。今回はミラノでのプレス発表会に飛び取材した、今年の新企画や特別展などを速報で報告します!
プレス発表会は、市内のトリエンナーレ美術館で行われました。遂にMuseo del Design Italiano(イタリアデザイン美術館)として、パーマネント・コレクション展示が実現(4月9日オープン)し、イタリアデザインの歴史が一堂に会す美術館になります。こちらも皆様、お見逃しなく。
そして今年は何と言っても、この方が世界中で再注目される年。
“万能の天才”レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)没後500年のメモリアルイヤーとして、各所でイベントが企画されています。
そして今年は何と言っても、この方が世界中で再注目される年。
“万能の天才”レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)没後500年のメモリアルイヤーとして、各所でイベントが企画されています。
(スカラ座広場に立つ、レオナルド・ダ・ヴィンチ像)
レオナルドはルネサンス最盛期の20年をミラノで暮らし、傑作絵画『最後の晩餐』だけでなく、建築家、科学者、そしてエンジニアとして多彩な功績を残しています。そしてミラノサローネでも、レオナルドへのオマージュとして2大イベントが企画されています。
レオナルドはルネサンス最盛期の20年をミラノで暮らし、傑作絵画『最後の晩餐』だけでなく、建築家、科学者、そしてエンジニアとして多彩な功績を残しています。そしてミラノサローネでも、レオナルドへのオマージュとして2大イベントが企画されています。
AQUA. Leonardo’s Vision
4月5日(金)—14日(日)10:00 ~ 22:00 入場無料 (会場:Conca dell’Incoronata, via San Marco )
レオナルドが木製の水門の設計と建築工事を監督したと言われるConca dell’Incoronata運河閘門が舞台(Corso Como近く)。
オリンピックセレモニーなどを手掛けた著名なイタリア人演出家Marco Balichが、映像と音楽で魅せる壮大な体験型インスタレーションとなるそうです。
4月5日(金)—14日(日)10:00 ~ 22:00 入場無料 (会場:Conca dell’Incoronata, via San Marco )
レオナルドが木製の水門の設計と建築工事を監督したと言われるConca dell’Incoronata運河閘門が舞台(Corso Como近く)。
オリンピックセレモニーなどを手掛けた著名なイタリア人演出家Marco Balichが、映像と音楽で魅せる壮大な体験型インスタレーションとなるそうです。
DE-SIGNO
4月9日(火)—14日(日)9:30~18:30
(会場:Rho Fiera Milano (ミラノ国際見本市会場) ホール24)
こちらは見本市会場内で開催される「DE-SIGNO」(ラテン語でシグナルという意味)展。
イタリア人芸術監督Davide Rampelloによる映像インスタレーション、ブースは建築家Alessandro Colomboがデザイン。
映画館のような4つの大型スクリーンで、美しいイタリアの文化が映像と音楽に乗って語られるショー。今年からスカラ座とのタイアップも始まったミラノサローネは、より芸術領域にもライフスタイル提案を拡張しようとする流れです。
今年のミラノはレオナルド関連の博物館などでも特別企画があり、“ダ・ヴィンチ“ファンにとっても楽しみが多い「Milan Design Week」となりそうです。
創業周年記念メモリアルイヤーのブランドも注目
記者会見ステージで登壇者が座っていた椅子『Matrix』は吉岡徳仁が、Kartellにデザインしたのもの。そのKartellが今年70周年を迎えます。
4月9日(火)—14日(日)9:30~18:30
(会場:Rho Fiera Milano (ミラノ国際見本市会場) ホール24)
こちらは見本市会場内で開催される「DE-SIGNO」(ラテン語でシグナルという意味)展。
イタリア人芸術監督Davide Rampelloによる映像インスタレーション、ブースは建築家Alessandro Colomboがデザイン。
映画館のような4つの大型スクリーンで、美しいイタリアの文化が映像と音楽に乗って語られるショー。今年からスカラ座とのタイアップも始まったミラノサローネは、より芸術領域にもライフスタイル提案を拡張しようとする流れです。
今年のミラノはレオナルド関連の博物館などでも特別企画があり、“ダ・ヴィンチ“ファンにとっても楽しみが多い「Milan Design Week」となりそうです。
創業周年記念メモリアルイヤーのブランドも注目
記者会見ステージで登壇者が座っていた椅子『Matrix』は吉岡徳仁が、Kartellにデザインしたのもの。そのKartellが今年70周年を迎えます。
今年のKartellは「The art side of Kartell」と題した70周年特別展を、4月10日—5月12日にPalazzo Reale(王宮)で開催される「Musei del mondo a Palazzo Reale」展内で開催予定。見本市会場での新作発表と共に必見です。
Living Divaniは創業50周年、見本市会場に加え、Palazzo Crivelliの庭園でも記念展示。Piero Lissoniがメインデザイナーに就任後30周年でもあり、限定モデル商品を発売予定。
S.Project
見本市会場の構成では、新たなチャレンジが発表されました。
「S.Project」と名付けたセクターが新設され、1万4,000㎡のホール22・24に66社が参加します。既存の家具・照明・キッチン・バスなどのセクターにとらわれず、空間やライフスタイルをアーティスティックにデザイン提案する場になるようです。
Living Divaniは創業50周年、見本市会場に加え、Palazzo Crivelliの庭園でも記念展示。Piero Lissoniがメインデザイナーに就任後30周年でもあり、限定モデル商品を発売予定。
S.Project
見本市会場の構成では、新たなチャレンジが発表されました。
「S.Project」と名付けたセクターが新設され、1万4,000㎡のホール22・24に66社が参加します。既存の家具・照明・キッチン・バスなどのセクターにとらわれず、空間やライフスタイルをアーティスティックにデザイン提案する場になるようです。
S.Projectに出展するFritz Hansenは、照明会社をグループ化しブランド統一。家具・小物から照明までFritz Hansenでの空間提案を実現します。
(写真提供:Fritz Hansen)
(写真提供:Fritz Hansen)
発表会では、Jaime Hayonによる新作ラウンジチェアーのデッザンも紹介されました。
Fritz Hansenからは「TENOHA MILANO」で、nendoデザイン『NO1』チェアの街なか展示も見れると紹介がありました。
S.Projectには他にもビッグネームのブランドが名を連ねます。
B&B Italiaが同じグループ企業である照明のFlos、Louis Poulsenと、どんな構成で展示するのかにもワクワクします。
BoffiグループのDe Padova・MA/UもS.Projectに登場。KvadratやDe Castelliなどの素材系、Missoniや日本のMaruni(マルニ木工)もこちらに移動し、バージョンアップが期待されます。
Fritz Hansenからは「TENOHA MILANO」で、nendoデザイン『NO1』チェアの街なか展示も見れると紹介がありました。
S.Projectには他にもビッグネームのブランドが名を連ねます。
B&B Italiaが同じグループ企業である照明のFlos、Louis Poulsenと、どんな構成で展示するのかにもワクワクします。
BoffiグループのDe Padova・MA/UもS.Projectに登場。KvadratやDe Castelliなどの素材系、Missoniや日本のMaruni(マルニ木工)もこちらに移動し、バージョンアップが期待されます。
人気バスルームブランドのantoniolupiからもS.Project出展のニュース。
「antoniolupi GALLERY」と題し、プロダクトをアートとしてカルチャーな空間展示を魅せる場になるようです。フィレンツェの音響ブランドのK-arrayとのコラボレーションに注目です。
(写真提供:antoniolupi)
「antoniolupi GALLERY」と題し、プロダクトをアートとしてカルチャーな空間展示を魅せる場になるようです。フィレンツェの音響ブランドのK-arrayとのコラボレーションに注目です。
(写真提供:antoniolupi)
Euroluce(照明見本市)の開催年、照明ブランドではArtemide社が60周年記念
今年の照明見本市「Euroluce」には421社が出展。IoTやAI技術が進む中で、“human-centric(人間中心)”というキーワードも掲げられています。ここにも人間科学/工学に卓越した、レオナルドへのオマージュを感じます。
イタリア照明界を牽引するブランドArtemideは、今年創業60周年。今年は14組の著名建築家やデザインユニットが照明作品をデザイン。
今年の照明見本市「Euroluce」には421社が出展。IoTやAI技術が進む中で、“human-centric(人間中心)”というキーワードも掲げられています。ここにも人間科学/工学に卓越した、レオナルドへのオマージュを感じます。
イタリア照明界を牽引するブランドArtemideは、今年創業60周年。今年は14組の著名建築家やデザインユニットが照明作品をデザイン。
世界的に活躍するデザイン事務所BIGによる『ALPHABET OF LIGHT』。今年はアプリを使って自由に設計できるような樹脂製が加わるそう。
(写真提供:Artemide)
(写真提供:Artemide)
コルビジェ作品なども販売する照明ブランドNEMO社は、照明各社のショールームが並ぶ“THE STREET OF LIGHTING(照明通り)”について紹介してくれました。
LUCEPLAN、FLOS、FONTANA ARTE、FOSCARINI、NEMOがCORSO MONFORTE通りに並ぶ、まさしく「照明通り」!
これだけ揃うと、エンドユーザーにとっても照明選びが楽しくなります。
「ライバル会社が肩を並べ、照明への関心を高めることで切磋琢磨する現場を見て欲しい」とNEMO社。
LUCEPLAN、FLOS、FONTANA ARTE、FOSCARINI、NEMOがCORSO MONFORTE通りに並ぶ、まさしく「照明通り」!
これだけ揃うと、エンドユーザーにとっても照明選びが楽しくなります。
「ライバル会社が肩を並べ、照明への関心を高めることで切磋琢磨する現場を見て欲しい」とNEMO社。
(San Babila交差点から見える
おもちゃ屋「LEGO」から入る通りがCORSO MONFORTE通り)
おもちゃ屋「LEGO」から入る通りがCORSO MONFORTE通り)
見本市会場と街、ミラノ市を挙げたデザインの祭典「Milan Design Week」には、世界から約30万人が集まります。その理由を解くように、『The Design City 』という巨大な書籍を出版。
(24×30㎝、ハードカバー全416p。Forma Edizioni社とミラノサローネのコラボの『The Design City 』)
ミラノに足跡を残す建築家・デザイナー100人が紹介されています。
彼らの経歴やミラノとのつながり、そして国際的に活躍するに至った関連性など興味深い内容と写真が収められました。
Pietro Portaluppi、Gio Pontiなどの巨匠に始まり、若手日本人nendo、Kensaku Oshiro、Kenji Takeuchiがミラノで活躍する様子も紹介されています。
(24×30㎝、ハードカバー全416p。Forma Edizioni社とミラノサローネのコラボの『The Design City 』)
ミラノに足跡を残す建築家・デザイナー100人が紹介されています。
彼らの経歴やミラノとのつながり、そして国際的に活躍するに至った関連性など興味深い内容と写真が収められました。
Pietro Portaluppi、Gio Pontiなどの巨匠に始まり、若手日本人nendo、Kensaku Oshiro、Kenji Takeuchiがミラノで活躍する様子も紹介されています。
今年の「Milan Design Week」には、新しい日本企業の出展ニュースも入っています。
Tortona地区SuperstudioにLexusやLIXILグループINAXが帰ってきたり、住友林業や小泉屋といった企業の素材への日本的アプローチにも関心が寄せられています。
5VIE地区で、北海道のCONDE HOUSEが喜多俊之デザインの新作を発表するとか。人気のBrera地区でも日本人デザイナー・企業の出展が増えそうです。
レオナルドのDNAでもある現代のクリエイター達が集結するミラノで、感性を揺さぶられる春を楽しみに。Ciao ciao!
「Salone del Mobile.Milano(ミラノサローネ国際家具見本市)」
会期:2019年4月9日(火)—14日(日)
会場:the Rho Fiera Milano (ミラノ国際見本市会場)
総出展数:約2,300社(サローネサテリテ参加デザイナー約550人含む)
総出展面積:20万5,000m²
Tortona地区SuperstudioにLexusやLIXILグループINAXが帰ってきたり、住友林業や小泉屋といった企業の素材への日本的アプローチにも関心が寄せられています。
5VIE地区で、北海道のCONDE HOUSEが喜多俊之デザインの新作を発表するとか。人気のBrera地区でも日本人デザイナー・企業の出展が増えそうです。
レオナルドのDNAでもある現代のクリエイター達が集結するミラノで、感性を揺さぶられる春を楽しみに。Ciao ciao!
「Salone del Mobile.Milano(ミラノサローネ国際家具見本市)」
会期:2019年4月9日(火)—14日(日)
会場:the Rho Fiera Milano (ミラノ国際見本市会場)
総出展数:約2,300社(サローネサテリテ参加デザイナー約550人含む)
総出展面積:20万5,000m²
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