色のインテリア効果:「白」をもっと上手に使いこなすために
クリーンでシンプルなイメージ、明るさや広さを演出し、すっきり見せる効果が知られる「白」。温かな白とクールな白の使い分けなど、白の使い方が上手になる知識が満載です。
カツウラアキツ
2017年1月18日
新しい年を迎え、気持ちも新たに日々を過ごす。そんな状況を色で表すなら、やはり「白」でしょう。白といえば「純粋」「浄化」「清潔」などのイメージが浮かびますが、「まっさら」「リセット」というニュアンスも含まれ、心機一転、スタートしたばかりの今の気分を応援してくれる色です。今回は日本のインテリアでも圧倒的にファンの多い「白」のインテリア効果をご紹介します。
ポジティブなイメージの色
家の外壁や室内の壁、建具や家具、家電、食器など、私たちの住まいのあらゆるものに多用され、白無垢やしめ縄など、神聖さのシンボルにもなっている白。日本人にとって、最も身近な色のひとつだと思います。クリーンでシンプル、純粋、神聖、浄化、潔白、新鮮、始まりなど、白にまつわるイメージにはポジティブなものが多いのも特徴です。
家の外壁や室内の壁、建具や家具、家電、食器など、私たちの住まいのあらゆるものに多用され、白無垢やしめ縄など、神聖さのシンボルにもなっている白。日本人にとって、最も身近な色のひとつだと思います。クリーンでシンプル、純粋、神聖、浄化、潔白、新鮮、始まりなど、白にまつわるイメージにはポジティブなものが多いのも特徴です。
明るく感じさせ、すっきり見せる働き
白が色の中でいちばん明るいのは、光(可視光線)を最も多く反射するからです。そのため窓の少ない部屋でも白の面積を多くとると、少ない光でも十分に反射させ、明るく感じさせる効果があります。
また、白はどんな色とも組み合わせられる色です。白がベースの部屋なら、どんなアクセントカラーを配置しても際立ちますし、ソフトなニュートラルカラーの中に白を合わせても、きれいになじみます。また、部屋が色であふれている場合、家具や棚、ドアやカーペットなどに白を使うと、空間に「息抜き」の場所ができます。取り入れることで全体をすっきりさせ、他の要素も引き立てるのが、白の特別な効果です。
白が色の中でいちばん明るいのは、光(可視光線)を最も多く反射するからです。そのため窓の少ない部屋でも白の面積を多くとると、少ない光でも十分に反射させ、明るく感じさせる効果があります。
また、白はどんな色とも組み合わせられる色です。白がベースの部屋なら、どんなアクセントカラーを配置しても際立ちますし、ソフトなニュートラルカラーの中に白を合わせても、きれいになじみます。また、部屋が色であふれている場合、家具や棚、ドアやカーペットなどに白を使うと、空間に「息抜き」の場所ができます。取り入れることで全体をすっきりさせ、他の要素も引き立てるのが、白の特別な効果です。
白のニュアンスの違いに気づこう
試しに今、一度PCやスマホの画面から目を離し、周りを見渡してみてください。きっとたくさんの白が目に入ると思います。でも、それらの白はすべてまったく同じ色でしょうか? よく観察してみると、きっと少しずつ違った色味なのがわかるのではないかと思います。
白は1色ではありません。赤や黄色など暖色を含む温かみのある白、青など寒色を含む涼しげな白、グレーがかった白など、実はほんの少し含まれる色味によって、かなりバリエーションが広いのです。素材によっても違ってきますし、光を反射しやすいため、同じ白でも光の当たる時間帯や方角によって、その印象が複雑に変わったりもします。
試しに今、一度PCやスマホの画面から目を離し、周りを見渡してみてください。きっとたくさんの白が目に入ると思います。でも、それらの白はすべてまったく同じ色でしょうか? よく観察してみると、きっと少しずつ違った色味なのがわかるのではないかと思います。
白は1色ではありません。赤や黄色など暖色を含む温かみのある白、青など寒色を含む涼しげな白、グレーがかった白など、実はほんの少し含まれる色味によって、かなりバリエーションが広いのです。素材によっても違ってきますし、光を反射しやすいため、同じ白でも光の当たる時間帯や方角によって、その印象が複雑に変わったりもします。
暖色が含まれた温もりのある白
では、どんな白があるか少し例を見てみましょう。まず、温かみのある白と表現される、赤や黄色など暖色系の色を含む白。黄み寄りのクリームホワイトやアイボリーなどはこの仲間です。シンプルな印象のまま、やわらかな温もりのある空間にしてくれるので、住まいに取り入れやすい、居心地のよい白といえます。ナチュラルなラスティックスタイルやカントリースタイルによく使われる、温かみのある色合いの木材にも合い、日本の住まいにもよく見られる白です。こういった温かな白は、比較的青みがかった日差しの入る、東側や北側の部屋に使うとよいでしょう。
では、どんな白があるか少し例を見てみましょう。まず、温かみのある白と表現される、赤や黄色など暖色系の色を含む白。黄み寄りのクリームホワイトやアイボリーなどはこの仲間です。シンプルな印象のまま、やわらかな温もりのある空間にしてくれるので、住まいに取り入れやすい、居心地のよい白といえます。ナチュラルなラスティックスタイルやカントリースタイルによく使われる、温かみのある色合いの木材にも合い、日本の住まいにもよく見られる白です。こういった温かな白は、比較的青みがかった日差しの入る、東側や北側の部屋に使うとよいでしょう。
寒色が含まれたクールな白
反対に、どちらかというと冷たく感じられる白は、青など寒色系の色をほんの少し含んでおり、クールでシャープな印象です。そのイメージの延長で、ブルー系の色はもちろん似合いますし、鮮やかなカラーをアクセントにするとあか抜けた雰囲気になります。涼やかな印象の白なので、南側や西側の温かい色の光の入る部屋にも適しています。
反対に、どちらかというと冷たく感じられる白は、青など寒色系の色をほんの少し含んでおり、クールでシャープな印象です。そのイメージの延長で、ブルー系の色はもちろん似合いますし、鮮やかなカラーをアクセントにするとあか抜けた雰囲気になります。涼やかな印象の白なので、南側や西側の温かい色の光の入る部屋にも適しています。
グレイッシュでニュートラルな白
暖色でも寒色でもない、無彩色がわずかに混ざった白は、主張が少ない静かなイメージなので、ニュートラルカラーでまとめた空間には特にぴったりです。写真のようなシャビーシックなスタイルにも、優しい雰囲気がよくなじみます。
このように、白にほんの少し含まれる色味を感じとり、その特性を活かすことで、好きなテイストに合わせたコーディネートも可能になります。
暖色でも寒色でもない、無彩色がわずかに混ざった白は、主張が少ない静かなイメージなので、ニュートラルカラーでまとめた空間には特にぴったりです。写真のようなシャビーシックなスタイルにも、優しい雰囲気がよくなじみます。
このように、白にほんの少し含まれる色味を感じとり、その特性を活かすことで、好きなテイストに合わせたコーディネートも可能になります。
白を上手に使うなら知っておきたい、光の「色温度」
ここで、窓から入る光の「色温度(光の色)」についても説明しておきましょう。光には色温度という尺度があり、数値が低ければ暖色系の光、数値が高ければ寒色系の光を発しています。
方角別の光の色温度の例を挙げると、東側は朝の青みの太陽光が入りやすく、北側は直射日光は入りませんが、青い拡散した光が入る環境にあります。どちらも色温度が高い空間で、青みのものに反応しやすいため、寒色系が含まれた白を使うと、より涼しげでシャープな印象が強調されます。温もりのある白を東側や北側に使うとよいとしたのはこれが理由で、光の冷たい印象をやわらげ、長時間過ごしても疲れない空間になる、というわけです。
ここで、窓から入る光の「色温度(光の色)」についても説明しておきましょう。光には色温度という尺度があり、数値が低ければ暖色系の光、数値が高ければ寒色系の光を発しています。
方角別の光の色温度の例を挙げると、東側は朝の青みの太陽光が入りやすく、北側は直射日光は入りませんが、青い拡散した光が入る環境にあります。どちらも色温度が高い空間で、青みのものに反応しやすいため、寒色系が含まれた白を使うと、より涼しげでシャープな印象が強調されます。温もりのある白を東側や北側に使うとよいとしたのはこれが理由で、光の冷たい印象をやわらげ、長時間過ごしても疲れない空間になる、というわけです。
無機質さと緊張感を他の要素で調整する
シンプルさゆえ、無機質な印象もある白ですが、この特徴を活かし、艶のある素材や人工的な素材を使って先鋭的で未来的なイメージの空間を演出することもできます。また、黒と組み合わせたモノトーンは、今も昔も変わらず人気があるスタイルのひとつです。
ただし黒と白の空間は、明度差による大胆なメリハリが緊張感をもたらすため、緑の植物を少し置いて軽減するとよいでしょう。また、直線的なデザインは白と黒の緊張感を助長するので、構造自体やインテリアに曲線を取り入れると、上手にやわらげることができます。
シンプルさゆえ、無機質な印象もある白ですが、この特徴を活かし、艶のある素材や人工的な素材を使って先鋭的で未来的なイメージの空間を演出することもできます。また、黒と組み合わせたモノトーンは、今も昔も変わらず人気があるスタイルのひとつです。
ただし黒と白の空間は、明度差による大胆なメリハリが緊張感をもたらすため、緑の植物を少し置いて軽減するとよいでしょう。また、直線的なデザインは白と黒の緊張感を助長するので、構造自体やインテリアに曲線を取り入れると、上手にやわらげることができます。
広さを感じさせる視覚効果を強めるには
明るく見せること、すっきり見せること以外で代表的な白の視覚効果は、空間を広く感じさせること。この効果は、日本の住宅で本当によく使われています。さらに、すべての部屋の壁を同じような白で彩るより、白い空間をもっと広く感じさせる方法があります。それは、以前の記事「色の使い方の基本:隣り合う色で印象が変わる色の対比効果」でも触れた、対比効果を利用すること。広く見せたい白い部屋の手前の壁を、それより少しだけ暗い色にするのです。すると、そこから白い部屋に移動したときに、思った以上の広さを感じさせることができます。
明るく見せること、すっきり見せること以外で代表的な白の視覚効果は、空間を広く感じさせること。この効果は、日本の住宅で本当によく使われています。さらに、すべての部屋の壁を同じような白で彩るより、白い空間をもっと広く感じさせる方法があります。それは、以前の記事「色の使い方の基本:隣り合う色で印象が変わる色の対比効果」でも触れた、対比効果を利用すること。広く見せたい白い部屋の手前の壁を、それより少しだけ暗い色にするのです。すると、そこから白い部屋に移動したときに、思った以上の広さを感じさせることができます。
この効果は、隣り合う空間を利用することがポイントです。廊下からリビング、ベッドルームからウォークインクローゼット、キッチンからランドリールームなど、さまざまなパターンで使えます。こうすることで、白だけだと単調になりがちなインテリアにリズムも生まれ、白の視覚効果を最大化できるでしょう。
無難ではなく、多彩で特別な色
白は、住まいでよく使われる色ですが、決してありふれた色ではなく、また単調な色でもありません。効果も種類もとても多いことを知ったうえで使ってほしい、特別な色です。もし次に白いものを選ぶときは、ぜひ白のトーンにもっと敏感になり、とことんこだわって、さまざまな温度感や表情をもつ白の中から、これという1色を選び取ってください。きちんと選んだ好みの白で彩った空間は、きっと素晴らしく居心地のよい場所になるでしょう。
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みなさんの家で使われている白で、その効果を実感している場所やものはありますか?
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引越しオーガナイザー®️さん、コメントをありがとうございます!
白が多いインテリアとは、素敵ですね♪ぜひ陽の光を利用したインテリアを楽しんでください。白が多いなら、きっと楽しめます☆