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梅雨の時期に考える、雨の日のための住宅デザイン
雨が続いて憂鬱になりがちな梅雨の時期。しかし、雨の日も楽しんでしまうのが、四季を尊ぶ日本の美意識。雨の日が楽しみになるような住宅デザインを考えてみませんか?
mariko9012
2019年6月22日
住まいづくりに欠かせない要素でありながら、普段あまり単独で取り上げられることのない、雨天候時のためのデザイン。雨に濡れずに車に乗れるガレージや、雨が入り込みにくい軒先のデザインなど、思わず雨の日が楽しみになるような事例を、Houzzから集めてみました。
雨の日を考えた住宅デザイン
多くの時間を過ごす住宅は、どのような天候にも耐えうる丈夫なものでなければいけません。大切な住宅を守るために、雨水を排出する装置や雨よけの形を工夫するなど、建築家は普段の設計から「雨水」という要素に気をつけています。
雨水から住宅を守っているのは、屋根だけではありません。雨水をまとめて地面に流す雨どいや、軒先のデザイン、水に強い建築資材や外壁のしつらえ方、雨検知センサなど、多くの工夫がなされたうえで初めて、雨の日も快適に使用できるようになるのです。
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多くの時間を過ごす住宅は、どのような天候にも耐えうる丈夫なものでなければいけません。大切な住宅を守るために、雨水を排出する装置や雨よけの形を工夫するなど、建築家は普段の設計から「雨水」という要素に気をつけています。
雨水から住宅を守っているのは、屋根だけではありません。雨水をまとめて地面に流す雨どいや、軒先のデザイン、水に強い建築資材や外壁のしつらえ方、雨検知センサなど、多くの工夫がなされたうえで初めて、雨の日も快適に使用できるようになるのです。
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四季に合わせ、雨の日も楽しむ日本の美意識
それぞれの地域や風土の雨について熟考し、雨や水という要素をうまく建築の設計に生かしながら工夫することで、雨水がランドスケープの一部になるようなデザインもあります。四季のうつろいを楽しみ、自然の多様性を愛でるのが日本の美意識。雨水から住宅を「守る」という機能面だけでなく、雨の日ならではの美しさも楽しむ意匠性が大切になってきます。
晴れた日はもちろん、憂鬱な雨の日も、気持ちよく優雅に楽しめるデザインを、Houzzの事例から集めてみました。
それぞれの地域や風土の雨について熟考し、雨や水という要素をうまく建築の設計に生かしながら工夫することで、雨水がランドスケープの一部になるようなデザインもあります。四季のうつろいを楽しみ、自然の多様性を愛でるのが日本の美意識。雨水から住宅を「守る」という機能面だけでなく、雨の日ならではの美しさも楽しむ意匠性が大切になってきます。
晴れた日はもちろん、憂鬱な雨の日も、気持ちよく優雅に楽しめるデザインを、Houzzの事例から集めてみました。
雨が入り込まない、長く突き出た屋根と軒先
長く突き出した屋根とすっきりとした軒先が印象的なこちらの事例。縁側も広々と設けられ、床から天井まで伸びる大きな窓と合わせて開放的な雰囲気を生み出しています。屋根を長く水平に突き出すことで、雨水が室内に入り込みにくくなり、雨の日も気兼ねなく窓を全開にして、室内から雨の音や雰囲気を楽しむことができます。
オリジナリティに富む「軒の深い住宅」に注目
長く突き出した屋根とすっきりとした軒先が印象的なこちらの事例。縁側も広々と設けられ、床から天井まで伸びる大きな窓と合わせて開放的な雰囲気を生み出しています。屋根を長く水平に突き出すことで、雨水が室内に入り込みにくくなり、雨の日も気兼ねなく窓を全開にして、室内から雨の音や雰囲気を楽しむことができます。
オリジナリティに富む「軒の深い住宅」に注目
一見地味な雨どいも、工夫次第ですっきりとしたデザインに
ほとんどの住宅に一般的に使用されている雨どいは、雨が軒先から垂れて地面を掘り返したり跳ね返ること防ぎ、建物を雨水によるダメージや劣化から守ることを目的としてします。普段はあまり意識しない雨どいですが、雨どいがないと雨水がだらだらと下に落ち、隣の家や通行人まで、泥で汚してしまいかねません。
江戸時代までの日本の住宅は茅葺きの家が多く、一箇所に集中的に雨が垂れるようなことはありませんでした。徐々に瓦屋根になるにつれ、軒先から集中的に垂れる雨水を受けとめるため、竹や木で作られた樋で雨水を集めて、地面に導いていました。現在ではプラスチック製の半円形の雨どいが一般的です。
一見地味な雨どいですが、デザイン次第で見た目やメンテナンスの仕方を大きく左右します。屋根の先に太くて丸いプラスチック製の雨どいが、建物からはみ出して設置されているとなかなか不恰好になりがち。一般的な半円形のデザインでは落ち葉が詰まりやすく、定期的なメンテナンスも必要になる、隠れた厄介者でもあります。現在では、デザインやメンテナンスのしやすさにこだわり、種類も豊富なメーカーの雨どいが登場し始めました。
建築の外面に樋が露出しないよう、軒先の内側に綺麗に収める内樋は、デザイン的に大変すっきりとします。一方で、建物の内部で水漏れが発生するリスクやメンテナンスの難しさもあります。それぞれのデザインや機能面の長所と短所を理解し、納得のいく雨どいを選びましょう。
ほとんどの住宅に一般的に使用されている雨どいは、雨が軒先から垂れて地面を掘り返したり跳ね返ること防ぎ、建物を雨水によるダメージや劣化から守ることを目的としてします。普段はあまり意識しない雨どいですが、雨どいがないと雨水がだらだらと下に落ち、隣の家や通行人まで、泥で汚してしまいかねません。
江戸時代までの日本の住宅は茅葺きの家が多く、一箇所に集中的に雨が垂れるようなことはありませんでした。徐々に瓦屋根になるにつれ、軒先から集中的に垂れる雨水を受けとめるため、竹や木で作られた樋で雨水を集めて、地面に導いていました。現在ではプラスチック製の半円形の雨どいが一般的です。
一見地味な雨どいですが、デザイン次第で見た目やメンテナンスの仕方を大きく左右します。屋根の先に太くて丸いプラスチック製の雨どいが、建物からはみ出して設置されているとなかなか不恰好になりがち。一般的な半円形のデザインでは落ち葉が詰まりやすく、定期的なメンテナンスも必要になる、隠れた厄介者でもあります。現在では、デザインやメンテナンスのしやすさにこだわり、種類も豊富なメーカーの雨どいが登場し始めました。
建築の外面に樋が露出しないよう、軒先の内側に綺麗に収める内樋は、デザイン的に大変すっきりとします。一方で、建物の内部で水漏れが発生するリスクやメンテナンスの難しさもあります。それぞれのデザインや機能面の長所と短所を理解し、納得のいく雨どいを選びましょう。
雨に濡れずに車に乗れるガレージハウス
玄関を出てから雨に一切濡れることなく、車に乗り込めたら良いですよね。ガレージと住宅が一体となった物件を「ガレージハウス」と呼びます。居宅とは別にガレージを単体で建築することも可能ですが、ガレージハウスでは、室内から車庫や駐車場に直接出入りが可能。
また、壁とシャッターで完全に外部と隔離することができるため、雨の日も安心して車を保管できます。雨の日の荷物の出し入れも雨に濡れずに行え、子供やお年寄りの乗り降りも楽に行えます。
趣味が楽しめ、開放感にあふれる、松原のガレージハウス
玄関を出てから雨に一切濡れることなく、車に乗り込めたら良いですよね。ガレージと住宅が一体となった物件を「ガレージハウス」と呼びます。居宅とは別にガレージを単体で建築することも可能ですが、ガレージハウスでは、室内から車庫や駐車場に直接出入りが可能。
また、壁とシャッターで完全に外部と隔離することができるため、雨の日も安心して車を保管できます。雨の日の荷物の出し入れも雨に濡れずに行え、子供やお年寄りの乗り降りも楽に行えます。
趣味が楽しめ、開放感にあふれる、松原のガレージハウス
天気に合わせて姿を変える開閉ルーフ
ブラインドのように、晴れた日は開き、雨の日は閉じる全天候型ルーフもおすすめです。テラスや中庭の日除け・雨除けとして、フレキシブルに天候に合わせて空間を守ってくれます。レインセンサーがついているタイプであれば、雨に反応してルーバーが閉まるので、お出かけ時の急な雨にも安心。リモコンなどで開閉ができるものもあります。
季節や天候によって光を調節したり、雨を防いだりと、ルーフひとつで空間の演出が大きく変わります。
ブラインドのように、晴れた日は開き、雨の日は閉じる全天候型ルーフもおすすめです。テラスや中庭の日除け・雨除けとして、フレキシブルに天候に合わせて空間を守ってくれます。レインセンサーがついているタイプであれば、雨に反応してルーバーが閉まるので、お出かけ時の急な雨にも安心。リモコンなどで開閉ができるものもあります。
季節や天候によって光を調節したり、雨を防いだりと、ルーフひとつで空間の演出が大きく変わります。
デザインにこだわった鎖樋という選択肢も
鎖樋は、建物の横樋から地面に向かって、屋根に落ちた雨水を導く縦樋の一種。リングや花びらのような特徴的な形の樋を連結し、鎖状にしたものを指します。パイプ状に雨水を地面に流すタイプに比べ、鎖樋は屋根から横樋に導かれた雨水が鎖を伝って落ちていくのを目で見て楽しむ、日本で発祥した古くからある建材です。
数奇屋造りに用いられたことが始まりとされ、四季のある日本の季節、情緒を表現する建材として、古くから社寺仏閣や和風建築に利用されてきました。現在ではモダンなデザインの鎖樋も多く登場しており、普段は憂鬱な雨も建築の景観に取り込み、雨水の流れが楽しむことができます。
鎖樋は、建物の横樋から地面に向かって、屋根に落ちた雨水を導く縦樋の一種。リングや花びらのような特徴的な形の樋を連結し、鎖状にしたものを指します。パイプ状に雨水を地面に流すタイプに比べ、鎖樋は屋根から横樋に導かれた雨水が鎖を伝って落ちていくのを目で見て楽しむ、日本で発祥した古くからある建材です。
数奇屋造りに用いられたことが始まりとされ、四季のある日本の季節、情緒を表現する建材として、古くから社寺仏閣や和風建築に利用されてきました。現在ではモダンなデザインの鎖樋も多く登場しており、普段は憂鬱な雨も建築の景観に取り込み、雨水の流れが楽しむことができます。
見た目にも美しい鎧張り
板と板を重ねて張る「鎧張り」は、台風などに強い外壁の仕上げとして一般的に使用されています。板と板の間に隙間が開かないため雨水が侵入しにくくなるだけでなく、見た目も手の込んだ美しさを演出できます。
雨水から住宅を守り、そして見た目にも美しいデザインを工夫することで、普段は憂鬱な雨も建築の景観に取り込んで楽しむことが出来ます。四季を持つ日本の豊かな自然と共生するための「雨の日のデザイン」を、今一度、考えてみませんか。
家の外観の写真を見る
板と板を重ねて張る「鎧張り」は、台風などに強い外壁の仕上げとして一般的に使用されています。板と板の間に隙間が開かないため雨水が侵入しにくくなるだけでなく、見た目も手の込んだ美しさを演出できます。
雨水から住宅を守り、そして見た目にも美しいデザインを工夫することで、普段は憂鬱な雨も建築の景観に取り込んで楽しむことが出来ます。四季を持つ日本の豊かな自然と共生するための「雨の日のデザイン」を、今一度、考えてみませんか。
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