開放的なリビングと人が集うキッチンが家族のつながりを育む家
別荘デザインを随所に取り入れた美しい家は家事の時間も快適にし、無駄のない動線で家族で過ごす時間を増やしてくれました。
渡辺安紀 |Aki Watanabe
2019年3月15日
埼玉県深谷市で3人の息子たちと2匹の猫と暮らすオーナー夫妻。両親が建ててから築40年以上がたつ家で暮らしていたが、雨漏りをきっかけに新築することに。
夫妻は友人が利用したコンサルタント会社に相談。別荘のように開放的で子どもたちに目が届く冬でも暖かい家がいいと希望した。候補の中からプラスデザイン1級建築士事務所の萱沼宏記さんに依頼。「萱沼さんの提案してくれたプランはもちろんですが、萱沼さんが手がけた『西伊豆の家』が理想に近かったんです」とオーナー。
夫妻は友人が利用したコンサルタント会社に相談。別荘のように開放的で子どもたちに目が届く冬でも暖かい家がいいと希望した。候補の中からプラスデザイン1級建築士事務所の萱沼宏記さんに依頼。「萱沼さんの提案してくれたプランはもちろんですが、萱沼さんが手がけた『西伊豆の家』が理想に近かったんです」とオーナー。
どんなHouzz?
所在地:埼玉県深谷市
住まい手:オーナー夫妻、高校生の長男、小学生の次男・三男、母猫なっちゃん、娘猫くるみちゃん
敷地面積:685.61㎡(207.39坪)
延床面積:236.61㎡(71.57坪)
間取り:LDK、浴室、洗面室、トイレ×2、ファミリークローゼット、主寝室、子供部屋×2、書斎
竣工:2017年3月
構造:木造
設計:プラスデザイン1級建築士事務所・萱沼宏記さん
施工:株式会社山崎工務店
コンサルタント:ozone家design
そのほか:土壌蓄熱床暖房
萱沼さんは打ち合わせを重ねていくうちに一家の関係性に憧れを持ったと振り返る。「ご家族の一体感を建築で表現したいと思いました」。つまり子どもたちが成長しても両親を尊敬し、いい関係を保てる家だ。
写真はアプローチから玄関へ。開いたデザインで家族の友人やご近所さんをあたたかく迎える。来客用の駐車スペースは4台駐車できる。
所在地:埼玉県深谷市
住まい手:オーナー夫妻、高校生の長男、小学生の次男・三男、母猫なっちゃん、娘猫くるみちゃん
敷地面積:685.61㎡(207.39坪)
延床面積:236.61㎡(71.57坪)
間取り:LDK、浴室、洗面室、トイレ×2、ファミリークローゼット、主寝室、子供部屋×2、書斎
竣工:2017年3月
構造:木造
設計:プラスデザイン1級建築士事務所・萱沼宏記さん
施工:株式会社山崎工務店
コンサルタント:ozone家design
そのほか:土壌蓄熱床暖房
萱沼さんは打ち合わせを重ねていくうちに一家の関係性に憧れを持ったと振り返る。「ご家族の一体感を建築で表現したいと思いました」。つまり子どもたちが成長しても両親を尊敬し、いい関係を保てる家だ。
写真はアプローチから玄関へ。開いたデザインで家族の友人やご近所さんをあたたかく迎える。来客用の駐車スペースは4台駐車できる。
自然光が降り注ぎ、北側でも明るい広い玄関。車やバイクが好きなオーナーがビルトインガレージの愛車を玄関からも眺められる。手前側(写真)が来客用のフォーマルなスペース。玄関の奥に育ち盛りの家族がいる一家に嬉しい家族用のシューズクロークがある。
玄関から廊下を抜けると2層吹き抜けの開放的なリビング。家の敷地は旗竿地だが、東側は広い畑に面して眺望がいい。その一等地にリビングがあり、包むように各部屋とキッチンが配置された。この配置と深い庇は夏から秋にかけて降水が多く、冬は北から強い季節風が吹く深谷の気候も考慮されている。
木材の経年変化を楽しめる素材を、という夫妻の希望から床材はアメリカンブラックチェリーを選んだ。壁は湿度を一定に保つことを助ける珪藻土塗。木製建具を開け放つとリビングはテラスと一体になる。デッキはレッドシダーを使用。「以前は間取りで分断されていましたが、今はリビングにみんなが集まってきます」とオーナー。
テラスで日光浴をしているのは母猫のなっちゃん。
木材の経年変化を楽しめる素材を、という夫妻の希望から床材はアメリカンブラックチェリーを選んだ。壁は湿度を一定に保つことを助ける珪藻土塗。木製建具を開け放つとリビングはテラスと一体になる。デッキはレッドシダーを使用。「以前は間取りで分断されていましたが、今はリビングにみんなが集まってきます」とオーナー。
テラスで日光浴をしているのは母猫のなっちゃん。
リビングダイニング、デッキと繋がるインナーテラス。眺望性の高い蚊帳のような網戸なので虫を気にせず長時間過ごせる。
キッチンに立つ人が主役になれる造作ダイニングキッチン。10人以上の来客をもてなす機会もある一家。息子さんと釣った魚をオーナーがさばくのでカウンター側と壁側それぞれにシンクがある。キッチンの中心はオーナーが使いたかった色、グレイッシュネイビーのアイランド。リビング側はオープン収納と扉付きの収納になっていて、レコードや料理本などが収まる。「アイランドに機能を加えると人が集まります」と萱沼さん。
カウンターの右手はファミリークローゼット。扉を開けておけば洗面脱衣室・浴室に直線で繋がる。
ワードローブ:IKEA
ワードローブ:IKEA
サッカーやラグビーをプレーする息子さんたちとオーナーの仕事柄、洗濯機は2台設置。風が強い深谷では室内干しスペースが活躍する。
高窓からだけでなく、鏡や浴室、どの角度に体を向けても視界に景色が入る気持ちのいい空間。奥様は洗面台のカウンターで洗濯物を畳み、キャビネットに子どもたちの下着を収納。家族が自立し家事が時短できる動線と収納システムだ。
高窓からだけでなく、鏡や浴室、どの角度に体を向けても視界に景色が入る気持ちのいい空間。奥様は洗面台のカウンターで洗濯物を畳み、キャビネットに子どもたちの下着を収納。家族が自立し家事が時短できる動線と収納システムだ。
設計のもうひとつのポイントとして別荘デザインを取り入れている。案件の半分が別荘という萱沼さんは浴室も別荘のデザインを提案し、夫妻は快諾。「屋内を外と繋げると別荘で過ごすようなリゾート感が高まります」
来客が多いので音が気にならないようリビングと少し離れた位置、浴室と玄関の間にトイレを配置。大勢の子どもたちが遊びに来るので小便器を設置した。外部の景色を取り入れたフォーマルなデザインできれいに使ってもらえるよう意図している。
ミニマルで美しい陰影をつくる片持ち階段。日常的に顔を合わせ、会話がうまれるようリビングに設置した。
写真右上部、ルーバーの上に高窓があり、吹き抜け上部に溜まった熱気を効率的に排気する。庇が深くても廊下が暗くならないよう自然光を取り入れる役割も果たす。開放感抜群の東側のテラスは、行き来しなくても布団を一気に干せるという利点も。
大屋根の下、吹き抜けを囲むように各寝室が並ぶ。
写真は次男と三男の寝室。2部屋に分けることもできる。寝室にいながら吹き抜けを介してリビングと繋がり、家族の一体感を感じられる。
写真は次男と三男の寝室。2部屋に分けることもできる。寝室にいながら吹き抜けを介してリビングと繋がり、家族の一体感を感じられる。
南に面した寝室は長男の寝室。机の上のオーディオはオーナーのおさがり。
夫妻の寝室。どの寝室からも東側の眺望を堪能できる。寝室の奥にはオーナーのクローゼットとおこもり感のある秘密基地のような書斎がある。
半外部空間と内部を外部化するデザインなど別荘デザインのキーワードを随所に取り入れた深谷の家。土壌蓄熱床暖房のおかげで冬でも朝の室温は17度だという。
さらに料理や洗濯などの家事をする場が特に美しい “表舞台” になるよう配慮された。萱沼さんは「家事をしながら子ども達の様子が見える=子ども達からも母親の家事の様子が見えます。家事に自発的に参加し、いつまでもご家族で仲良く過ごされることを期待しています」と話してくれた。
さらに料理や洗濯などの家事をする場が特に美しい “表舞台” になるよう配慮された。萱沼さんは「家事をしながら子ども達の様子が見える=子ども達からも母親の家事の様子が見えます。家事に自発的に参加し、いつまでもご家族で仲良く過ごされることを期待しています」と話してくれた。
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萱沼さん お久しぶりです。
尾関先生時代に一瞬お邪魔してた、ミサワホームの富澤です。
流石な作品ばかりです。
今後も参考にさせていただきます。
富澤さん お久しぶりです!
コメントありがとうございます。
ご参考になるかどうか、、。
「深谷の家」はクライアントに恵まれ、施工者に恵まれ、
私にとって思い出深いプロジェクトになりました。
住宅設計は楽しいですね!
富澤さんもミサワホームで益々良質な住宅を作って行ってください!