キッチンを機能だけの部屋にしない、コーディネートのアイデアは?
収納スペースや作業効率のお話だけではない、居住空間として楽しむ側面から考えた、キッチンのインテリアのスタイリングアドバイスをお届けします。
黒田美津子
2015年11月14日
インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター インテリアデコレーター ライター。
1988年「Hanako」(マガジンハウス)創刊メンバーとして雑誌記者に。
8年間のhanako記者生活の後、フリーランスとして出版各社の女性誌、デザイン誌を中心に各誌で記事制作、執筆、スタイリングを担当。現在は広告、イベント、展示、商業施設、ホテル、住宅、レストランのインテリアディレクション、スタイリング、コンセプトワークまで幅広く手がける。著書「HAPPY STYLE a to z」(ギャップ出版)など。
インテリアスタイリスト スタイル・ディレクター インテリアデコレーター ライター。
1988年「Hanako」(マガジンハウス)創刊メンバーとして雑誌記者に。
8年間のhanako記者生活の後、フリーランスとして出版各社の女性誌、デザイン誌を中心に各誌で記事制作、執筆、スタイリングを担当。現在は広告、イベント、展示、商業施設、ホテル、住宅、レストランのインテリアディレクション、スタイリング、コンセプトワークまで幅広く手がける。著書「HAPPY... もっと見る
キッチンというとまず、雑多な道具類の収納が気になるのではないかと思います。アイテムの数が多いうえ、特に日本人は和洋中エスニックと作る料理の範囲が広いので、食器もツールも多種多様。つい、機能面にばかり気をつかいがちになってしまいます。
でも、キッチンは単なる作業場所ではなく、家の中のひとつの部屋でもあるのです。居住空間として考えた場合、居心地のよさをあわせ持つ、部屋としての快適なインテリアを工夫すれば、日々の暮らしの中、ここにいるだけで元気を回復することができる、さらに素敵なスペースになるのではないでしょうか?
たとえばキッチンには絵を飾ってもいいし、花を活けてもいいはず。また照明を変えて、光で雰囲気を演出すれば、かなりリラックス効果も高まります。お手本となる事例を見ながら、具体的なアイデアをご紹介していきましょう。
でも、キッチンは単なる作業場所ではなく、家の中のひとつの部屋でもあるのです。居住空間として考えた場合、居心地のよさをあわせ持つ、部屋としての快適なインテリアを工夫すれば、日々の暮らしの中、ここにいるだけで元気を回復することができる、さらに素敵なスペースになるのではないでしょうか?
たとえばキッチンには絵を飾ってもいいし、花を活けてもいいはず。また照明を変えて、光で雰囲気を演出すれば、かなりリラックス効果も高まります。お手本となる事例を見ながら、具体的なアイデアをご紹介していきましょう。
1. 絵を飾ってインテリアを楽しむ
たとえば、ホワイトが基調のモダンなキッチンに一枚のリトグラフを。絵があることで、カウンターがダイニングテーブルのイメージにランクアップしています。これならキッチンカウンターでゲストのおもてなしもできますね。
たとえば、ホワイトが基調のモダンなキッチンに一枚のリトグラフを。絵があることで、カウンターがダイニングテーブルのイメージにランクアップしています。これならキッチンカウンターでゲストのおもてなしもできますね。
写真作品の額装や版画を、料理本やコンテナと一緒ににぎやかに飾れば、インテリア雑貨ショップやセレクトショップのイメージに。掛け時計のように機能目的で置くアイテムも、インテリア雑貨の一部として見えてくる飾り方です。
窓辺のコーナーは、まとまりやすく、飾りやすい場所。キッチンのほとんどの面積は機能重視でも、コーナーに額装と花、ボウルなどを飾ってディスプレイのステージをつくると、部屋全体が引き立って見えてきます。
キッチンとひと続きになったダイニングルームは、日本の住宅やマンションに多い間取り。食器などはホワイト、家具はブラックとウッドに色を絞って、絵画のレッドを効かせています。この部屋のような、色の「絞り込み」は、部屋が広く見える有効なテクニックです。
シンクやレンジはモダンタイプを採用しているこのキッチン。ツールやテーブルウェアはホワイト、シルバー、ウッドでまとめています。そこに飾る絵画として、あえて古風な油絵を選択。このクラシックテイストプラスのはずし技で、雰囲気がエレガントに。高級品ばかりを並べなくても、十分に大人のイメージのインテリアになります。
2. キッチングッズをグラフィカルに飾る
お鍋やレードル、ざるやバスケットなどのツールは、ディスプレイによっては素敵なオブジェになります。コツは同じものを集めてグラフィカルに飾る場所をつくること。リズムのある飾り方で、楽しく、しかも取り出しやすい、便利な一石二鳥のディスプレイに。
お鍋やレードル、ざるやバスケットなどのツールは、ディスプレイによっては素敵なオブジェになります。コツは同じものを集めてグラフィカルに飾る場所をつくること。リズムのある飾り方で、楽しく、しかも取り出しやすい、便利な一石二鳥のディスプレイに。
キッチンの壁は盲点で、意外に空いたスペースがあるもの。簡単な棚を取り付けて、収納を兼ねた飾り棚に。ここでのディスプレイのポイントは、カラースキームや素材感に注意することぐらい。ナチュラルでさりげなく、魅力的なコーナーになっています。
毎日を過ごすキッチンにも、季節のディスプレイを。保存ボトルに入れたお菓子やナッツ類、カップのような日常のアイテムを並べ替えて、トナカイのトレイや樅の木をほんの少し加えるだけで、十分にクリスマスのシーズンイメージを演出することができます。カラフルにすれば子供も喜ぶコーナーに、色数を限定すればシックな大人のコーナーになります。
3. ブラックボードを取り入れる
絵を掛ける代わりに、ブラックボードを掛けるか、壁面をチョークボードペイントで塗っても。買い物メモだけでなく、イラストを描いたり、子供に自由に絵を描いてもらって、楽しい手作りアートをキッチンに。ウッドとブラックを効かせれば、トレンドのワイルドイメージにもなります。
絵を掛ける代わりに、ブラックボードを掛けるか、壁面をチョークボードペイントで塗っても。買い物メモだけでなく、イラストを描いたり、子供に自由に絵を描いてもらって、楽しい手作りアートをキッチンに。ウッドとブラックを効かせれば、トレンドのワイルドイメージにもなります。
引き戸をチョークボードペイントして、キッチンのアクセントにするのもよいアイデア。ホワイトベースにアッシュ材など、ライトな色のウッドの木材を合わせれば、ラスティックやナチュラルなイメージに限定されることなく、軽快でモダンなイメージのキッチンに仕上げることができます。
4. ライティングを変えてみる
単なる壁面が、ブラケットランプを足すだけで変化。部屋の雰囲気を温かく見守ってくれる、ディスプレイステージの見せ場ができあがります。素敵だな、と思ったポストカードやイラストをクリップしたり、季節やそのときどきの気分でピンナップを替えて、楽しんではいかがでしょう。
単なる壁面が、ブラケットランプを足すだけで変化。部屋の雰囲気を温かく見守ってくれる、ディスプレイステージの見せ場ができあがります。素敵だな、と思ったポストカードやイラストをクリップしたり、季節やそのときどきの気分でピンナップを替えて、楽しんではいかがでしょう。
内装の一部とつながるキッチンもあります。フロアスタンドや自転車と、普通だったらリビングやガレージにそれぞれ置かれるはずのアイテムが、まとめてキッチンに登場。住む人のライフスタイルに合わせて、自然にでき上がったインテリアのように見えますが、実は色や素材感の組み合わせで、まとまったイメージになるよう計算されたインテリアです。
カウンターのある場合、ペンダントランプはなるべく低く下げることをおすすめします。頭がぶつかるという理由で高めに設定するケースが多いのですが、ほんの少し低めにすると、光の範囲が絞られることで、より親密な雰囲気になり、落ち着いたスペースをつくることができます。
キッチンは作業の種類も機会も多いので、美しい部屋としてキープするのは少々難しい空間。でも人生の中で、もしかすると最も大事な、毎日の「食」を司るスペースだけに、大切な場所としてインテリアを考えながら、料理と食を楽しみ、健康を保っていきたいものです。
◆お知らせ:キッチンの施工事例に関するコンテストを開催中です!
Houzzでは現在「“キッチンで暮らす”施工事例コンテスト」を開催中です。プロの方によるご応募、お待ちしております。詳しくはこちらのページをご覧ください!
こちらの記事もおすすめ:
キッチンアイランドがもっと楽しい団欒の場になるレイアウトは?
キッチンとダイニングテーブルの心地いい距離
キッチンの「見せる収納」成功のポイント
家族の通り道、光あふれるシンプルキッチン
キッチンは作業の種類も機会も多いので、美しい部屋としてキープするのは少々難しい空間。でも人生の中で、もしかすると最も大事な、毎日の「食」を司るスペースだけに、大切な場所としてインテリアを考えながら、料理と食を楽しみ、健康を保っていきたいものです。
◆お知らせ:キッチンの施工事例に関するコンテストを開催中です!
Houzzでは現在「“キッチンで暮らす”施工事例コンテスト」を開催中です。プロの方によるご応募、お待ちしております。詳しくはこちらのページをご覧ください!
こちらの記事もおすすめ:
キッチンアイランドがもっと楽しい団欒の場になるレイアウトは?
キッチンとダイニングテーブルの心地いい距離
キッチンの「見せる収納」成功のポイント
家族の通り道、光あふれるシンプルキッチン
おすすめの記事
家づくりのヒント
プロに聞く、オーダーキッチンを作りたいなら知っておきたいこと
デザインと使い勝手がカスタマイズされたオンリーワンのオーダーキッチン。取り入れたいなら知っておくべきことを専門家に聞きました。
続きを読む
部屋別
これだけ読めばわかる! キッチンレイアウトの基本
キッチンレイアウトに関する記事をまとめてご紹介。Ⅰ型、Ⅱ型、L型、U型の基本レイアウト、壁付けとアイランドとペニンシュラの違いなど、人気のオープンキッチンや対面カウンターを中心に解説します。
続きを読む
片付け
家事をストレスフリーに! キッチンカウンター下収納の使い方と収納アイデア
オープンタイプのキッチンが人気の今、キッチンカウンター下収納はその後の使いやすさを左右する重要な検討事項です。種類別カウンター下収納の特徴を参考に、家族が使いたくなるキッチンまわりをつくりましょう。
続きを読む
その他のスペースの記事
パントリーとキッチンがいい関係になる10のアイデア
「パントリーをつくる=収納が増える」だけではありません。具体的な事例と専門家からのアドバイスを参考にアイデアを膨らませましょう。
続きを読む
部屋別
失敗しないキッチン選び。システムキッチンとオーダーメイドキッチンの違い
日々の食事づくりに欠かせないキッチン。選び方ひとつで快適な毎日を手に入れることができます。まずは「システムキッチン」「造作キッチン」そして「オーダーメイドキッチン」の違いを知ることから始めましょう。
続きを読む
Houzzがきっかけの家(海外)
レイアウトの見直しにより、光を取り込み、空間につながりを生み出す
1階の空間の流れをイチから見直すことで、キッチンがモダンな家族の住まいの中心になりました。
続きを読む
世界の家
あたたかなウッドと白が映える、光あふれる空間
この風通しの良いダイニングキッチンでは、インダストリアル風の要素と、柔和な木材や清潔感のある白の仕上げとがコントラストをなしています。
続きを読む
基本的には、どの部屋でも「隠す収納」と「見せる収納」のバランスが大事ですね。位変えれば「静」と「動」の感性に似ています。