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Houzzツアー:「2人が暮らしたニューヨーク・ブルックリン」が息づく30代夫婦のリノベーション
30代夫婦のセンスと、ディテールまでこだわってリノベーションしたヴィンテージマンションの一室。手を加えながら楽しむブルックリンスタイルの暮らしを手にいれました。
栗原晶子|Akiko Kurihara
2017年1月16日
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。
また、エンタメ好きとして演劇や映画に関するライティングも手がけています。
フリーの編集&ライターとしてインテリア誌やハウジング誌を中心に取材・執筆活動する傍ら、NPO法人ハウスキーピング協会認定の整理収納アドバイザーとして、コラムの連載やセミナーの企画に携わる。暮らしがラクに楽しくなる、整理収納アイデアを研究・発信中です。... もっと見る
結婚を機に新たな住まい探しを始めた住まい手夫妻が選んだのは、JR・地下鉄東京メトロの駅に直結した築31年のSRC構造のマンション。事務所として使われていたこの部屋のリノベーションは〈リノべる。〉に依頼。床をはがし、天井をはつり、建物竣工当時のスケルトン状態にするところからスタートした。
イメージは、2人が結婚前に暮らしていたニューヨーク、ブルックリンのスタイル。夫婦ともに建築図面を引けることもあり、隅々まで要望を出しながら2LDKのリノベーションの設計・施工が進められていった。
イメージは、2人が結婚前に暮らしていたニューヨーク、ブルックリンのスタイル。夫婦ともに建築図面を引けることもあり、隅々まで要望を出しながら2LDKのリノベーションの設計・施工が進められていった。
住まいの主役であり、鍵となったのは、一枚のユーズドの扉だ。玄関を開けると正面に見えるこの扉の手前には洗面&ランドリールーム、トイレ、寝室、クローゼットからなる日常生活のための機能スペースを集約。どのスペースも清潔感があり、シンプルにまとめられている。
〈リノべる。〉から提案されたこの黒塗りの扉は、2人が数年間暮らしていたニューヨーク、ブルックリンのカフェやバルの入口を思わせるデザインで、すぐに気に入り採用を決めた。この扉に合わせ、廊下の幅が確定し、LDKのイメージがより具体的に固まった。扉の向こうに広がるLDKは、カフェのような空間をデザインし、開放感あふれる造りにした。
フラットでスッキリとしたエントランス。シューズクローゼットの扉は鏡貼りのため、広さを感じさせる効果も。もちろん、お出かけ前のスタイルチェックもバッチリ。中央に置いたマンホール柄のマットもユニーク。
洗面&ランドリールームは白で統一。洗濯機もスクエアなデザインのものを選んだ。「仕事から帰ってきたときに、生活空間がスッキリ整っていると気持ちがいいので、この状態をいつも保っています」というのは掃除が趣味というご主人。
ニューヨーク暮らしの頃から馴染みのある、ランドリーカートも、住まい手夫妻の住まいのイメージにぴったり。
グレーを基調にコーディネートした寝室。洗面&ランドリールーム同様、ニューヨークのエースホテルのようなシンプルで落ち着きのある雰囲気にまとめている。
壁掛けテレビを設置した造作の仕切り壁の色はマットなヘイル・ネイビーで仕上げている。壁の向こうにはウォークインクローゼットを設けた。
ウォークインクローゼットの中は、天井から棚を吊り、バッグや小物を収納。ハンガースペースは両サイドを夫婦で使い分けている。
トイレにはサブウェイタイルを使用。床をチャコールグレー、壁のボーダーに黒の見切り材を採用することで、クールにまとまっている。
LDKの一角にL字型に設けたキッチン。インダストリアルなイメージで統一するため、ヘアライン加工のステンレスを採用した。高さを2人が使いやすい90㎝にしたことで、収納力もアップし、鍋や大皿もシンク下の引き出しに収まる。また、キッチン台に合わせ、コンロ側の壁もステンレスを追加した。
〈ACME〉のソファと〈journal standard furniture〉のテレビボードが向かい合うリビング。天吊り型のエアコンもデザインや色、価格に納得できるものをリサーチして入手し、設置してもらった。
リビング脇に壁を造作して設けた4畳半のワークスペース。将来は子ども部屋として使う予定も。現在は主に友人が来訪したときのゲストルームとして使用している。
手前の収納スペースには、ご主人の大切なスニーカーコレクションが積み上げられている。
リビングの光がワークスペースへも差し込むよう、突き出しの室内窓をつけた。スチールの黒枠窓は、白壁のアクセントにもなっている。
リビングでひと際存在感を放つラグに置かれたローテーブル。これは、奥様がニューヨーク滞在中にファッション系アンティークショップで気に入って購入したトランクを活用したもの。トランクに合わせてガラス板を特注し、重ねて設置している。
〈HALO〉のトランクテーブルをヒントに思い付いて作ったという世界で一つのテーブル。「帰国後、以前暮らしていた町のガラス屋さんにスーツケースを持参してオーダーしました。この部屋でいちばんのお気に入りです」と奥様。
リビングダイニングの窓を開けるとすぐ隣下には線路とホームがあり、常に電車が行き交っている。騒音対策として線路側はすべて二重窓を設置した。
カーテンを取り付けず、内側の窓には目隠し効果や、遮熱、断熱対策に対応するガラスフィルムを貼った。フィルムの発注から貼り付け作業まですべてご主人が手がけた。
造作壁以外の壁や梁のモルタル、ペンキもすべてご夫婦が塗って仕上げた。「ダイニングの広い壁はこの先、色を塗り替えたり、絵を描いてもらうのもいいですね。」
自分たちの家に手を入れながら暮らすのは当たり前、海外で暮らした経験と知識が夫婦の住まい方の根底にある。
自分たちの家に手を入れながら暮らすのは当たり前、海外で暮らした経験と知識が夫婦の住まい方の根底にある。
テーブルやイス、飾り棚など家具全般も、エージングを楽しめるものを選んでいるLDK。長年はきこんだデニムが体になじむように、家具も使い込んで暮らしになじむ感覚がうれしいという。コーヒーやティーグッズなど、飾り棚に置く雑貨も、デザインや材質にこだわってセレクトしたおしゃれなものばかり。
窓際やダイニングテーブル上のライトも、この部屋のイメージに合うインダストリアルなデザインのものを徹底的に探して設置した。
「いつか窓際にカウンターテーブルをつけるのもいいかも」暮らしながら、カスタマイズしていくアイデアは尽きない。
「いつか窓際にカウンターテーブルをつけるのもいいかも」暮らしながら、カスタマイズしていくアイデアは尽きない。
平日の夜も、休日も、夫婦は細かいルールに縛られず、それぞれのスタイルで時間を過ごす。「友人が集まってパーティーをしたり、一時帰国した友人がシェアハウスのように数日滞在していくこともありますよ」というご夫婦。訪れる人が、居心地良く過ごせるのは、2人が暮らしたニューヨーク、ブルックリンを感じさせる雰囲気がこの部屋に漂っているからかもしれない。
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