風合いある空間づくりに「木製サッシ」のすすめ
「この家、ステキ」と一目見て惹かれ、中に入ったら居心地のよさに感動。もしかしたらそこには、「木の窓」がありませんか? この記事では、質感のよさと断熱性を兼ね備えた木製サッシの魅力に迫りたいと思います。
小川のぞみ
2022年3月25日
ライター/コピーライター/アドバイザー。
日本・湘南エリアからアメリカ・カリフォルニア生活を経て、再び湘南エリアに在住。高断熱・高気密の長期優良住宅に居住しながら、インテリアや整理収納のアドバイス、住宅購入の相談やホームステージング(家具のコーディネートなど)に取り組む。
ライター/コピーライター歴は10年以上。ウェブサイトや雑誌、ECサイトや通販誌、広告媒体(商業施設の冊子やポスター、大手企業発行の会報誌など)にて企画から携わる。担当分野は、住宅、インテリア、教育、ファッション、ランジェリー、インタビュー取材など。スタイリストの経験も多数。
ライター/コピーライター/アドバイザー。
日本・湘南エリアからアメリカ・カリフォルニア生活を経て、再び湘南エリアに在住。高断熱・高気密の長期優良住宅に居住しながら、インテリアや整理収納のアドバイス、住宅購入の相談やホームステージング(家具のコーディネートなど)に取り組む... もっと見る
住宅のサッシといえば、世界では樹脂製や木製が主流ですが、日本の現代住宅の窓はアルミ製が大多数です。しかし最近は、樹脂サッシはもちろん、木のサッシを選択する人がじわり増えています。実際、「断熱性の高いガラスと木枠の窓に憧れる」という話を身近でよく耳にします。例えば、半分以上の住宅が木製サッシという北欧の国々の商品を使用したり、北欧系ハウスメーカーで家を建てた人は満足度が高いようなのです。それは断熱性が高いなどの機能面からの快適さだけでなく、木製サッシそのものが持つ質感の魅力によるところも大きいのでは、と筆者は感じています。
そこでHouzz(ハウズ)の実例から、木製サッシが居心地のよさをつくりだしている家を見ていきたいと思います。メイドインジャパンでハイスペックな木製サッシも登場するので、ぜひ注目してみてください。
そこでHouzz(ハウズ)の実例から、木製サッシが居心地のよさをつくりだしている家を見ていきたいと思います。メイドインジャパンでハイスペックな木製サッシも登場するので、ぜひ注目してみてください。
木製サッシ、チーク無垢の床、ピンカドのデッキ材が相まってつくる落ち着いたリビング。シックでナチュラルな印象です。室内のインテリアの要素の1つとして、木の窓は優秀だということがよく分かります。
自然と融和する大開口の木製サッシ
掃き出し窓の引き戸が大胆なこちらの事例は、〈栗原隆建築設計事務所〉の作品《緑山の家》。自然環境と建築との融合をかなえているのは、窓枠を含む木の質感によるものだと感じます。
掃き出し窓の引き戸が大胆なこちらの事例は、〈栗原隆建築設計事務所〉の作品《緑山の家》。自然環境と建築との融合をかなえているのは、窓枠を含む木の質感によるものだと感じます。
窓の材質は、木製といってもさまざまありますが、こちらは水に強いベイヒバを使用。ひと昔前の木窓のイメージとは異なり、最近は断熱性だけでなく耐久性や防火性を兼ね備えたものが多数あります。ネックなのは価格だけかもしれません。
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団地のイメージを変える木製サッシの威力
〈Camp Design inc.〉が改修した《花畑団地27号棟プロジェクト》は、無機質さのある団地に血が通ったような雰囲気。この人間味ともいえる持ち味は、既存のスチールサッシを木のサッシに変えたことによるものです。団地の風景を一変させるほどの力が木枠にはあるのです。
〈Camp Design inc.〉が改修した《花畑団地27号棟プロジェクト》は、無機質さのある団地に血が通ったような雰囲気。この人間味ともいえる持ち味は、既存のスチールサッシを木のサッシに変えたことによるものです。団地の風景を一変させるほどの力が木枠にはあるのです。
半室外となるルームテラスへと続く窓も木製で統一。この木製サッシは新潟県加茂市の〈加茂建具協同組合〉で作られており、機能面も折り紙つき。断熱性や耐風性はアルミサッシ以上で、JIS規格もクリアしているというから安心できます。
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マンションなら木製の室内窓という方法
こちらはマンションリノベーションの事例。〈稲山貴則建築設計事務所〉が設計を担当した《トリミングルーム》です。マンションでのリノベーションでは、共有部である窓を変更することができないため、アルミサッシを隠すように室内窓を設置。それによりヴィンテージ家具と馴染む空間にシフトしました。
こちらはマンションリノベーションの事例。〈稲山貴則建築設計事務所〉が設計を担当した《トリミングルーム》です。マンションでのリノベーションでは、共有部である窓を変更することができないため、アルミサッシを隠すように室内窓を設置。それによりヴィンテージ家具と馴染む空間にシフトしました。
実は凝ったリフォームで、元の壁の室内側に壁を立てて二重にし、アルミサッシが見えないように木製サッシの窓を入れています。室内からはアルミサッシがまったく見えないので、木の窓の存在感がたっぷりと漂う温かみのあるインテリアとなっています。
ペイントしたインテリア性の高い木枠
〈atelier KUKKA architects〉が設計した《緑区A邸》の2階から奥に見えるフレームは、階段の手すりと同じようにアイアンに見えますが、実は木製の枠を黒くペイントしたものです。
〈atelier KUKKA architects〉が設計した《緑区A邸》の2階から奥に見えるフレームは、階段の手すりと同じようにアイアンに見えますが、実は木製の枠を黒くペイントしたものです。
ダイニングキッチンの壁と廊下を仕切るガラスの仕切りなのですが、木材を黒く塗装した、いわばインテリアとしての木の窓なのです。一見アイアンに見えるクールさが面白いですよね。木製窓がつけられないなら、インテリアとして楽しむのも1つの方法です。
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弊社のショールームはアメリカ製の木製サッシを使用しています。ホワイトにペイントしてるので写真ではわかりにくいですが、訪れていただいた方皆さん「やっぱり木製は気持ちがいいね!」とおっしゃってくださいます。
木製サッシは憧れですね〜。既成の木製サッシはある程度計算されていると思いますが、既成の範囲を超えた木製サッシの耐風強度、隙間風対策、ペアガラスの重みに耐えうる強度、その他敷居のレール取付部の雨水対策等、考えてクリアーしなければならない問題は沢山ありますね。
また雨の多い日本の気候に適した軒の出も当然に必要になると思います。