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8ステップで簡単! フランス式テーブルセッティングの基本
美食の歴史を誇るフランスは、西洋式のおもてなしの基準をつくる国でもあります。そこで、Houzzフランス編集部がパリの有名料理学校の教授を務める専門家に取材し、簡単に完璧なおもてなしのテーブルを実現する方法を教えていただきました!
Pauline Warlet
2016年7月15日
盛大なパーティーであれささやかな集まりであれ、友だちを家に招いて食事でもてなすのはいつだって特別なことであり、なかなか大変なことでもあります。どんな食べ物を出せば、味の好みの違う人たち全員を満足させられるでしょうか? どんな風に料理を盛り付けたら最高に美味く見えるのでしょうか? そして、どんなテーブルセッティングなら、ゲストへの心遣いをさりげなく示すことができるのでしょうか? 必ずしも、最高級のカトラリーを揃えたり、特別なお皿を用意したりする必要はありません。ほんの小さな工夫やおもてなしが大切です。
パリにある食のプロフェッショナル養成学校フェランディ校で、料理とおもてなしの技術を教えるジャン・ミシェル・ロビエさんは、「家庭でディナーパーティーをひらくのは、レストランを経営することとほとんど変わりありません。ホストは料理を通して、ゲストに楽しい時間を過ごしてもらいたいという気配りを示します。品数の多い少ないや、スタイルにかかわらず、清潔で気持ちのいいおもてなしをすることがいちばん大切です」と言います。
ロビエさんは、最高級のフランス料理店で修行を積み、自分自身の店を経営したこともあるという、情熱あふれる食の専門家です。彼の解説を聞けば、フランスのテーブルセッティングと料理のサービス方法が世界基準になっていることをあらためて認識させられます。「フランス人は、ルイ14世の時代から現在に至るまで、テーブルセッティングやマナーのルールを作ってきました。私たちは、これを現代に合わせて、少しアレンジすれば、素敵なおもてなしを実践できます」とロビエさんは言います。
それでは、フランス式のテーブルセッティングとおもてなしの方法をご紹介しましょう。
パリにある食のプロフェッショナル養成学校フェランディ校で、料理とおもてなしの技術を教えるジャン・ミシェル・ロビエさんは、「家庭でディナーパーティーをひらくのは、レストランを経営することとほとんど変わりありません。ホストは料理を通して、ゲストに楽しい時間を過ごしてもらいたいという気配りを示します。品数の多い少ないや、スタイルにかかわらず、清潔で気持ちのいいおもてなしをすることがいちばん大切です」と言います。
ロビエさんは、最高級のフランス料理店で修行を積み、自分自身の店を経営したこともあるという、情熱あふれる食の専門家です。彼の解説を聞けば、フランスのテーブルセッティングと料理のサービス方法が世界基準になっていることをあらためて認識させられます。「フランス人は、ルイ14世の時代から現在に至るまで、テーブルセッティングやマナーのルールを作ってきました。私たちは、これを現代に合わせて、少しアレンジすれば、素敵なおもてなしを実践できます」とロビエさんは言います。
それでは、フランス式のテーブルセッティングとおもてなしの方法をご紹介しましょう。
テーブルセッティングの方法
ステップ1:空間づくり
テーブルウェアを選ぶ前に、おもてなしの場が汚れていないか確認しましょう。必要に応じて整理整頓をし、ほこりを払い、掃除機をかけます。ゲストに食事を楽しんでもらうためには清潔な空間が不可欠です。
屋外で食事をするなら、テーブルに直射日光が当たっていないか確認し、必要なら日よけを用意しましょう。また、風が防げること、地面に落ち葉などが散らかっていないかどうかも確認しましょう。
最後に、ガーランド、キャンドルなどを壁、家具、ときには床にも自由に飾り付けましょう。ただし、やりすぎには注意すること。特に、テーブル回りは、動きやすいようにスペースをしっかり確保しておきましょう。
ステップ1:空間づくり
テーブルウェアを選ぶ前に、おもてなしの場が汚れていないか確認しましょう。必要に応じて整理整頓をし、ほこりを払い、掃除機をかけます。ゲストに食事を楽しんでもらうためには清潔な空間が不可欠です。
屋外で食事をするなら、テーブルに直射日光が当たっていないか確認し、必要なら日よけを用意しましょう。また、風が防げること、地面に落ち葉などが散らかっていないかどうかも確認しましょう。
最後に、ガーランド、キャンドルなどを壁、家具、ときには床にも自由に飾り付けましょう。ただし、やりすぎには注意すること。特に、テーブル回りは、動きやすいようにスペースをしっかり確保しておきましょう。
ステップ2:テーブルクロス
テーブルには、まず厚いコットンのアンダークロスを敷き、その上にテーブルクロスをかけます。「こうすると、ゲストがテーブルに腕をのせたときの感触がよくなります」とロビエさん。「カトラリーを置くときに出る音も静かになります。」
テーブルには、まず厚いコットンのアンダークロスを敷き、その上にテーブルクロスをかけます。「こうすると、ゲストがテーブルに腕をのせたときの感触がよくなります」とロビエさん。「カトラリーを置くときに出る音も静かになります。」
アンダークロスを敷いたら、季節、好み、食事のテーマなどに合わせてテーブルクロスを選びます。テーブルの形と大きさを考えること。丸いテーブルなら、テーブルクロスは正方形を選びます。
テーブルクロスの角がテーブルの脚を適度に覆う長さにします。脚が中央についているテーブルなら、あまり悩まなくてもいいでしょう。テーブルクロスは、テーブルトップから20〜40センチ垂れ下がるくらいがちょうどいい長さです。
テーブルクロスに折り目がついていても、気にしなくて大丈夫。「多少の折り目は必ずあるものですからね」とロビエさん。「折り目が気になる場合、解決策は2つあります。1つは、大きなレストランでやっているように、テーブルクロスをテーブルに掛けたままアイロンをかける方法。もう1つは、折り目をテーブルの形に合わせて、テーブルセッティングの基準線にしてしまう方法です。」
「クロスに関するもう1つのコツは、テーブルにものを置くときにはあらかじめよく考えて置き、あちこち動かさないですむようにすること。動かすたびにシワが増えてしまいますからね。」
テーブルクロスの角がテーブルの脚を適度に覆う長さにします。脚が中央についているテーブルなら、あまり悩まなくてもいいでしょう。テーブルクロスは、テーブルトップから20〜40センチ垂れ下がるくらいがちょうどいい長さです。
テーブルクロスに折り目がついていても、気にしなくて大丈夫。「多少の折り目は必ずあるものですからね」とロビエさん。「折り目が気になる場合、解決策は2つあります。1つは、大きなレストランでやっているように、テーブルクロスをテーブルに掛けたままアイロンをかける方法。もう1つは、折り目をテーブルの形に合わせて、テーブルセッティングの基準線にしてしまう方法です。」
「クロスに関するもう1つのコツは、テーブルにものを置くときにはあらかじめよく考えて置き、あちこち動かさないですむようにすること。動かすたびにシワが増えてしまいますからね。」
ステップ3:お皿
「1つのテーブルに着席できる人数については、1人あたり約80センチの幅で計算すれば、全員が楽に座れます。決して60センチ未満にはしないこと」とロビエさん。
次に、テーブルの端から2.5センチか5センチくらい離れた直線上に、お皿の端を揃えて並べます。正方形や長方形のお皿の場合は特きっちりと並べましょう。お皿がテーブルの端から飛び出すのは絶対にNGです。
「1つのテーブルに着席できる人数については、1人あたり約80センチの幅で計算すれば、全員が楽に座れます。決して60センチ未満にはしないこと」とロビエさん。
次に、テーブルの端から2.5センチか5センチくらい離れた直線上に、お皿の端を揃えて並べます。正方形や長方形のお皿の場合は特きっちりと並べましょう。お皿がテーブルの端から飛び出すのは絶対にNGです。
ステップ4:カトラリー
カトラリーは、テーブルの端から1.3センチのところに置きます。上と下のどちらを揃えるかは、見栄えで決めましょう。必ずフォークを左側、ナイフを右側に置き、チーズナイフとデザートスプーンはお皿の上(お皿とグラスの間)に水平に置きます。
フォークは、表が上(イギリス式)でも下(フランス式)でも構いません。この違いは、両国の銀細工師が押した刻印の場所の違いに由来するものです。「どちらの場合も、カトラリーは出す料理に合わてください」とロビエさん。「赤身肉を出すときにはのこぎり状のステーキナイフ、貝やカニ、エビなどを出すときにはフィッシュナイフや専用カトラリー、という具合に準備しておきます。」
ナイフ、フォーク、スプーンの種類はたくさんありますが、選び方と並べ方にはいくつかの方法があります。
カトラリーを配置したら、フォークの上にパン皿を置きます。かならず左側に置きます。
ヒント:お皿やカトラリーはホワイトビネガーで湿らせたクロスでを拭くとぴかぴかになります。
カトラリーは、テーブルの端から1.3センチのところに置きます。上と下のどちらを揃えるかは、見栄えで決めましょう。必ずフォークを左側、ナイフを右側に置き、チーズナイフとデザートスプーンはお皿の上(お皿とグラスの間)に水平に置きます。
フォークは、表が上(イギリス式)でも下(フランス式)でも構いません。この違いは、両国の銀細工師が押した刻印の場所の違いに由来するものです。「どちらの場合も、カトラリーは出す料理に合わてください」とロビエさん。「赤身肉を出すときにはのこぎり状のステーキナイフ、貝やカニ、エビなどを出すときにはフィッシュナイフや専用カトラリー、という具合に準備しておきます。」
ナイフ、フォーク、スプーンの種類はたくさんありますが、選び方と並べ方にはいくつかの方法があります。
- バンケット・セッティング:食事中に使用するすべてのカトラリーを、使用順に外側から内側へと並べます。
- アラカルト・セッティング:基本のカトラリー(例えばメインディッシュ用のナイフとフォーク)を、ゲストが到着したときにセットします。前菜を出すときに前菜用のカトラリーを出し、魚やスープ用のものは必要に応じて出しますが、基本のカトラリーは置いたままです。
- サプライズ・セッティング:ゲストが到着したときにはカトラリーをセットせず、必要に応じて準備するレストランもあります。ゲストを驚かせるため、あるいは、テーブルがいっぱいになってしまう場合にこの方法が使えます。それに、手を使って食べるレストランだってあるのですから、ルールにこだわらず、自由に考えましょう。
カトラリーを配置したら、フォークの上にパン皿を置きます。かならず左側に置きます。
ヒント:お皿やカトラリーはホワイトビネガーで湿らせたクロスでを拭くとぴかぴかになります。
ステップ5:グラス
グラスは、必ずナイフより遠い位置に置きます。並べ方は1列でも3角形でも構いません。
いちばん大きくて背の高いグラスを内側に置くと、手に取りやすいし、中身をこぼしにくいです。例えば、内側から外側に向かって、赤ワイングラス、白ワイングラス、水用のグラスの順に並べます。「ゲストにとっての快適さを何より優先すべきです」とロビエさん。使い終わったグラスは片づけて構いません。
「ワインのボトルは生産地によって形が違いますが、同じようにワイングラスもそれぞれのワインの特徴に合う形が開発されています。またこの数年は、ワイン研究者たちが、スパークリング、軽めの白など、さまざまなワインに合う独自の形のグラスを開発しています」とロビエさん。赤ワインのアロマを楽しむには大きめのグラス、白ワインにはそれよりも少し小ぶりのグラスが必要です。
「テーブルセッティングやマナーもこの50年間で大きく変わりました。例えば19世紀には、シャンパングラスは小さくて口径が広いのが普通で、泡を消すためのマドラーも添えていましたが、その後、炭酸が抜けにくいフルート型のグラスに変わりました。そして、今は、シャンパンを白ワイングラスで飲むのが新しいトレンドになっています。」
ヒント:グラスをくもりのないピカピカの状態にするには、蒸気を使います。小鍋に熱湯を注ぎ、グラスを逆さにしてその上にかざし、内側が湯気で曇ったら、クロスで磨き上げます。
グラスは、必ずナイフより遠い位置に置きます。並べ方は1列でも3角形でも構いません。
いちばん大きくて背の高いグラスを内側に置くと、手に取りやすいし、中身をこぼしにくいです。例えば、内側から外側に向かって、赤ワイングラス、白ワイングラス、水用のグラスの順に並べます。「ゲストにとっての快適さを何より優先すべきです」とロビエさん。使い終わったグラスは片づけて構いません。
「ワインのボトルは生産地によって形が違いますが、同じようにワイングラスもそれぞれのワインの特徴に合う形が開発されています。またこの数年は、ワイン研究者たちが、スパークリング、軽めの白など、さまざまなワインに合う独自の形のグラスを開発しています」とロビエさん。赤ワインのアロマを楽しむには大きめのグラス、白ワインにはそれよりも少し小ぶりのグラスが必要です。
「テーブルセッティングやマナーもこの50年間で大きく変わりました。例えば19世紀には、シャンパングラスは小さくて口径が広いのが普通で、泡を消すためのマドラーも添えていましたが、その後、炭酸が抜けにくいフルート型のグラスに変わりました。そして、今は、シャンパンを白ワイングラスで飲むのが新しいトレンドになっています。」
ヒント:グラスをくもりのないピカピカの状態にするには、蒸気を使います。小鍋に熱湯を注ぎ、グラスを逆さにしてその上にかざし、内側が湯気で曇ったら、クロスで磨き上げます。
ステップ6:ナプキン
ナプキンの折り方は、自分の技術レベルと実力にあわせて決めましょう。「折るときにはゲストのナプキンに触ることになります。だから、高級レストランではナプキンはシンプルな折り方にしているところが多いですね」とロビエさん。2、3回折るだけでセンスよくボリュームを出す方法もあります。
すべての席で同じ折り方をしてももちろんかまいませんが、変化をつけてもOKです。特に人数が偶数のときは、互い違いにするとテーブルに趣が生まれます。ナプキンは、お皿の上に置くか、いちばん大きいグラスの中に入れます。
ナプキンの折り方は、自分の技術レベルと実力にあわせて決めましょう。「折るときにはゲストのナプキンに触ることになります。だから、高級レストランではナプキンはシンプルな折り方にしているところが多いですね」とロビエさん。2、3回折るだけでセンスよくボリュームを出す方法もあります。
すべての席で同じ折り方をしてももちろんかまいませんが、変化をつけてもOKです。特に人数が偶数のときは、互い違いにするとテーブルに趣が生まれます。ナプキンは、お皿の上に置くか、いちばん大きいグラスの中に入れます。
ステップ7:調味料
調味料は、ゲスト全員が取りやすいように、テーブルのあちこちに置きましょう。例えば、ソース入れは、2、3人に1つずつ置くようにします。また、魚介類の盛り合わせのような料理を出す場合は、殻などを入れる小皿を用意し、適宜片づけられるようにしておきましょう。
ゲストが素手で食べる可能性のある料理を出すときには、フィンガーボウルも忘れずに。銀かガラス、磁器のボウルにぬるま湯を入れて、レモンスライスを浮かべるだけで準備OKです。
パン、バター、塩などの調味料は小さなラムカン皿や華やかな絵皿に入れても、テーブルがかわいらしくなります。
調味料は、ゲスト全員が取りやすいように、テーブルのあちこちに置きましょう。例えば、ソース入れは、2、3人に1つずつ置くようにします。また、魚介類の盛り合わせのような料理を出す場合は、殻などを入れる小皿を用意し、適宜片づけられるようにしておきましょう。
ゲストが素手で食べる可能性のある料理を出すときには、フィンガーボウルも忘れずに。銀かガラス、磁器のボウルにぬるま湯を入れて、レモンスライスを浮かべるだけで準備OKです。
パン、バター、塩などの調味料は小さなラムカン皿や華やかな絵皿に入れても、テーブルがかわいらしくなります。
ヒント:よほど高級なもの(最高級のチーズなど)でなければ、食品のパッケージはテーブルに置きません。「ホストであれば、食品の原産地に注意を払っているのは当たり前のこと。おもてなしの心で料理をお出しすれば、ゲストは喜んで味わってくれるはずです」とロビエさん。
ステップ8:細部の飾り付け
最後に細部を飾り付けます。大きなセンターピースを置くとテーブルが狭苦しくなるなら、小さな花瓶や器に花を数本ずつ活けて並べましょう。この方法はどんなときでも見栄えがしますし、大きなセンターピースよりお金をかけずに、食事のスペースをさりげなく区切ることができます。
最後に細部を飾り付けます。大きなセンターピースを置くとテーブルが狭苦しくなるなら、小さな花瓶や器に花を数本ずつ活けて並べましょう。この方法はどんなときでも見栄えがしますし、大きなセンターピースよりお金をかけずに、食事のスペースをさりげなく区切ることができます。
さあ、これでフランス式のテーブルセッティングの完成です。
あとは、ぎこちない動きで素敵なテーブルを台無しにしないよう、スムーズにサービング(取り分け)する技術を身に付けるだけです!
あとは、ぎこちない動きで素敵なテーブルを台無しにしないよう、スムーズにサービング(取り分け)する技術を身に付けるだけです!
料理のサービング(取り分け)の方法
料理のサービングは、フランスが先駆けであり、他の国のお手本になってきました。もちろん、フランスでも、サービング方法は数世紀にわたって変化してきました。
「フランス式のサービングは、ルイ14世、15世、16世の時代に生まれたものです。当時の食事の盛り付けは豪勢なビュッフェ形式でした。食べ物をたくさん積み上げることで、豊かさを誇示したのです。生活や食の芸術の最先端とされていたのがフランス。そのフランスの宮廷で、サービングのルールが生まれ、テーブルマナーが発展しました。食事の作法を洗練することに最初に着目したのはフランスの宮廷だったのです」とロビエさんは解説する。
フランスの宮廷は、さまざまなスタイルの食を楽しみました。例えば18世紀の終わり、フランス革命が起こるころには、パリに住むロシアの王族によってロシア式のサービスが持ち込まれました。「料理はワゴンに載せて運ばれてきて、ゲストのお皿にサーブされるようになりました。ビュッフェは、フランス革命の後は見た目が豪勢すぎましたし、そもそも料理が冷めてしまうという問題がありましたが、ロシア式サービスによってこれらの問題が解決されました」とロビエさん。
料理のサービングは、フランスが先駆けであり、他の国のお手本になってきました。もちろん、フランスでも、サービング方法は数世紀にわたって変化してきました。
「フランス式のサービングは、ルイ14世、15世、16世の時代に生まれたものです。当時の食事の盛り付けは豪勢なビュッフェ形式でした。食べ物をたくさん積み上げることで、豊かさを誇示したのです。生活や食の芸術の最先端とされていたのがフランス。そのフランスの宮廷で、サービングのルールが生まれ、テーブルマナーが発展しました。食事の作法を洗練することに最初に着目したのはフランスの宮廷だったのです」とロビエさんは解説する。
フランスの宮廷は、さまざまなスタイルの食を楽しみました。例えば18世紀の終わり、フランス革命が起こるころには、パリに住むロシアの王族によってロシア式のサービスが持ち込まれました。「料理はワゴンに載せて運ばれてきて、ゲストのお皿にサーブされるようになりました。ビュッフェは、フランス革命の後は見た目が豪勢すぎましたし、そもそも料理が冷めてしまうという問題がありましたが、ロシア式サービスによってこれらの問題が解決されました」とロビエさん。
同時期に、最初のレストランが登場しました。「美食家ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランは1825年に『美味礼賛』を出版し、料理や美食、食の悦楽に関する第一人者となりました。特に産業革命が進んだ時期に、一流レストランから庶民的な食堂にいたるまで、さまざまなタイプのレストランが誕生する中で、このころに生まれたルールが取り入れられ、アレンジされていきました」とロビエさんは説明する。
19世紀には、イギリス式のサービスが登場します。「イギリス式では、運ばれてきた料理を片手に持ったスプーンとフォークでゲストに取り分けます。これが今ではトングに変わりました」とロビエさん。「同じ時期に、新たなフランス式のサービスも開発されました。料理をテーブルに運んだら、あとはゲストが自分で取り分けるスタイルです。」
しかしこの50年間は、プレートサービス(料理が厨房で銘々の皿に取り分けられて運ばれてくるスタイル)がより一般的になりました。「シェフにとってはいちばん楽な方法です。厨房で、両手を使って、一皿ずつに魅力的な盛り付けを行うことができますから。ダイニングルームではそうはいきません。」
サービングについては、自分の食事にいちばん合うと思う形式を自由に選びましょう。
19世紀には、イギリス式のサービスが登場します。「イギリス式では、運ばれてきた料理を片手に持ったスプーンとフォークでゲストに取り分けます。これが今ではトングに変わりました」とロビエさん。「同じ時期に、新たなフランス式のサービスも開発されました。料理をテーブルに運んだら、あとはゲストが自分で取り分けるスタイルです。」
しかしこの50年間は、プレートサービス(料理が厨房で銘々の皿に取り分けられて運ばれてくるスタイル)がより一般的になりました。「シェフにとってはいちばん楽な方法です。厨房で、両手を使って、一皿ずつに魅力的な盛り付けを行うことができますから。ダイニングルームではそうはいきません。」
サービングについては、自分の食事にいちばん合うと思う形式を自由に選びましょう。
サービングの必須ルール
- 食事をサーブする順番は、年配の方から。誕生パーティなどの場合は、主役となる特別ゲストが最初になります。
- サーブして回るときには、右利きの人はゲストの右側に、左利きの人は左側に立ちます。ゲストではなく、サーブする自分にとって便利な位置を選ぶと混乱しません。フランス式を選んだ場合は、料理をテーブルに置き、ゲストに自分で取り分けてもらうことができます。この場合、基本的にゲストは右利きと想定して、取り分けやすいようにゲストの左側から料理を置きます。
- テーブルの回りでは、時計回りに移動します。
- ワインの温度には注意しましょう。白ワインは冷やしてサーブします(7〜10°C)。飲む直前にカーヴから出して、氷を入れたワインクーラーに入れましょう。
- 温かい料理の風味を保つため、お皿は温めておくこと。盛り付ける数分前にオーブンに入れて、直前に出しましょう。
- パンは、クルミ入り全粒粉、レーズン入り、ライ麦など、数種類用意します。
- 食事の最後には、必ずデザートを出し、コーヒーと紅茶を数種類用意しましょう。
最後に、ジャン・ミシェル・ロビエさんが、完璧なホストになるための極意を教えてくれました。「シンプルな手作りの料理がいちばんです。おもてなしとは、つまるところ、ゲストに楽しんでもらうために、自分ができることのすべてを捧げることなのです!」
コメント募集中
みなさんは、ゲストを招くとき、どんなテーブルセッティングにしていますか? おもてなしテーブルの写真をコメント欄で見せてください。
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