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Houzzツアー:既存のフォルムに新たな命を吹き込んだ「都心の家」
都心に建つ商業ビルを家族の住まいに。ビル最上階にアール天井を持つユニークなフォルムを活かし、リノベーションで生まれ変わった住まいをご紹介します。
東京の都心部でも、江戸の時代から続く老舗の多い地区。その一角にある8階建ての商業ビルの上層階3フロアを住まいとするために、施主のMさんは藤村デザインスタジオの藤村益生さんにリノベーションを依頼した。さまざまな建築家やデザイナーの情報を集めるなかで、シンプルながら印象に残る藤村さんのデザインに惹かれ、直接電話をしたそうだ。「実はその初めての電話で、人柄にも惹かれたんです」深いコミュニケーションが必要とされる家づくりにおいて、施主とデザイナーとの相性が重要だと考えていたMさんにとっては、作品とともにその人柄が大きな決め手となり、即決したという。
リノベーションに際し、藤村さんが目指したのは「既存建築との対話」。「既存のモノを壊して新しいモノを作るのではなく、あるがままに受け入れ、特徴ある躯体や構造に新たな意味を持たせた住まいにしようと考えました。」と藤村さん。このビルの特徴であるアール天井を持つロフト部分は、間接照明と柔らかな曲線に包まれたベッドルームに、そしてリビングを分断する大きな梁も、隠すのではなくあえて照らすことで空間に奥行きと明るさを与えている。
さらにこの家を印象づけるのは、多用された間接照明だろう。リビング床に埋め込まれたライトや階段のニッチ、キッチンカウンターと棚の間に作られた切り込みからもれる灯りなど、LEDを使用し効果的に配置された間接照明によって、ワンフロア13坪という極小空間に広がりとドラマチックな陰影を生み出している。子どもたちが夢を追いかけ、家族が幸せに暮らすことのできる都会の住まい。東京の月と星空を眺める丸い天井の下に、新しい夢と命が吹き込まれた。
リノベーションに際し、藤村さんが目指したのは「既存建築との対話」。「既存のモノを壊して新しいモノを作るのではなく、あるがままに受け入れ、特徴ある躯体や構造に新たな意味を持たせた住まいにしようと考えました。」と藤村さん。このビルの特徴であるアール天井を持つロフト部分は、間接照明と柔らかな曲線に包まれたベッドルームに、そしてリビングを分断する大きな梁も、隠すのではなくあえて照らすことで空間に奥行きと明るさを与えている。
さらにこの家を印象づけるのは、多用された間接照明だろう。リビング床に埋め込まれたライトや階段のニッチ、キッチンカウンターと棚の間に作られた切り込みからもれる灯りなど、LEDを使用し効果的に配置された間接照明によって、ワンフロア13坪という極小空間に広がりとドラマチックな陰影を生み出している。子どもたちが夢を追いかけ、家族が幸せに暮らすことのできる都会の住まい。東京の月と星空を眺める丸い天井の下に、新しい夢と命が吹き込まれた。
ワンフロア約13坪の居住部分の最下階はLDKに。「優しい色合いで」という施主Mさんの希望で、全体を淡いベージュのトーンでまとめている。ホワイトアッシュのフローリングはクリア塗装をせず、天然木の質感を活かしている。左の黒いガラス面にはTVが内蔵されていて、使用しないときはその存在を感じさせない。床にも照明を埋め込むなど、間接照明のテクニックはここにも。
テーブル:オリジナル、チェア:CALMホワイトアッシュ(カッシーナ)、床:アメリカンホワイトアッシュ、オスモ自然塗料マット仕上げ(I.O.C.Co.,Ltd)、照明器具:(大光電機)
テーブル:オリジナル、チェア:CALMホワイトアッシュ(カッシーナ)、床:アメリカンホワイトアッシュ、オスモ自然塗料マット仕上げ(I.O.C.Co.,Ltd)、照明器具:(大光電機)
どんなHouzz?
作品名称:人形町の家
居住者:夫婦+子供2人
所在地:東京都中央区
設計:藤村デザインスタジオ
規模:住居フロア(3フロア+ロフト)150.78平方メートル(6・7階 各39.59平方メートル、8階+ロフト 71.66平方メートル) ゴルフルーム+バレエルーム 39.59平方メートル
竣工:建物は1988年/リノベーションは2016年
ダイニングとリビングの間にある一見邪魔な天井の梁も、あえて照明をあてることで明るさを助長し広さを感じる効果に。
壁の収納のほか、窓側に造りつけたソファ下にも収納スペースを作っている。
ソファ、ローテーブル、ダイニングテーブル:オリジナル
作品名称:人形町の家
居住者:夫婦+子供2人
所在地:東京都中央区
設計:藤村デザインスタジオ
規模:住居フロア(3フロア+ロフト)150.78平方メートル(6・7階 各39.59平方メートル、8階+ロフト 71.66平方メートル) ゴルフルーム+バレエルーム 39.59平方メートル
竣工:建物は1988年/リノベーションは2016年
ダイニングとリビングの間にある一見邪魔な天井の梁も、あえて照明をあてることで明るさを助長し広さを感じる効果に。
壁の収納のほか、窓側に造りつけたソファ下にも収納スペースを作っている。
ソファ、ローテーブル、ダイニングテーブル:オリジナル
キッチンのシンクは、人造大理石の一体成型。奥さまの要望で、小さい方のシンクはお手持ちの水切りバスケットがシンク内に収まるようサイズを合わせてあり、カウンター上に余計なものが出ず、常にすっきりとした状態で使える。
右側の収納裏には、引き出し式トレイを設け、炊飯器、オーブントースターを収納し、使うときだけ引き出す。収納時のコード類のたわみ分も考慮するなど、店舗設計も多く手掛ける藤村さんの経験と工夫が随所に光る。
キッチンカウンター:〈デュポン〉コーリアン、壁面家具:ホワイトアッシュ柄化粧板(アイカ)、水栓:ハンスグローエ AXOR(セラトレーディング)
右側の収納裏には、引き出し式トレイを設け、炊飯器、オーブントースターを収納し、使うときだけ引き出す。収納時のコード類のたわみ分も考慮するなど、店舗設計も多く手掛ける藤村さんの経験と工夫が随所に光る。
キッチンカウンター:〈デュポン〉コーリアン、壁面家具:ホワイトアッシュ柄化粧板(アイカ)、水栓:ハンスグローエ AXOR(セラトレーディング)
階段の壁に設けたニッチにも間接照明を配すことで、印象的なスペースに。
リビングの上階には、子供部屋2部屋と夫婦用のウォークインクロゼットがある。圧迫感をなくすため、各部屋ともガラス扉を採用。階段の壁にはニッチ、廊下の壁には扉付きの棚を設け、収納も豊富。
在来工法によるバスルーム。ここも照明は間接照明のみだ。床・壁には〈名古屋モザイク〉の磁器質タイルを使い、シックな色合いに。続く洗面所の床も同じ色合いの塩ビタイルを使用している。
洗面カウンターはキッチンと同様、一体成型の人造大理石で。
ミラー裏の収納は、扉を閉めたままドライヤーのコードを出せるよう切り込みを設け、タオル収納棚側面にはティッシュ取り出し口用の切り込みを入れるなど、施主の使いやすさを考えたきめ細かな工夫が。
床/塩ビタイル(川島織物セルコン)
洗面ボウル/〈デュポン〉コーリアン
ミラー裏の収納は、扉を閉めたままドライヤーのコードを出せるよう切り込みを設け、タオル収納棚側面にはティッシュ取り出し口用の切り込みを入れるなど、施主の使いやすさを考えたきめ細かな工夫が。
床/塩ビタイル(川島織物セルコン)
洗面ボウル/〈デュポン〉コーリアン
このビルの最大の特徴であるアール天井を活かしたのが、このベッドルームだ。当初は子供部屋の予定だったが、リビングから一番離れた場所になってしまうので寝室に変更。「寝室にするならぜひ」という奥様の要望で、天窓を設けた。「その選択は大正解でした」と施主のMさん。柔らかな曲線に包まれるような感覚に「ここに来てから不思議とよく眠れるんです」と語る。下部のライトによって浮遊しているようにみえるデザインのベッドはオリジナル。マットレスの下にも収納スペースを確保。
リノベーションにあたり、新たに屋根には遮熱塗料を塗り断熱材を注入している。
床:カーペット(川島織物セルコン)
リノベーションにあたり、新たに屋根には遮熱塗料を塗り断熱材を注入している。
床:カーペット(川島織物セルコン)
ゴルフルームの隣にあるのが、次女のためのバレエルーム。踊る身体をチェックするのが最大の目的であるこの部屋は、余計なものを排した真っ白な空間に。「特徴的なテクスチャーを持つカーテンを選び、白の空間にアクセントを加えています」(藤村さん)。外からの視線を遮りながらも、レーザーカットによるスリットを施した軽やかなデザインが、シンプルな空間を有機的に彩る。床やバーはバレエ専門業者に依頼した。
カーテン:クリエイションバウマン〈エナジー〉、床:バレエ専用リノリウム(バレエスタジオ アテール)
教えてHouzz
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カーテン:クリエイションバウマン〈エナジー〉、床:バレエ専用リノリウム(バレエスタジオ アテール)
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