Houzzツアー:住まい手のライフスタイルに沿って生まれ変わった築50年の「元検番の家」
キッチンを生活の中心に据えたこの素敵なお宅に住むのは、ご夫婦ともにクリエイティブな仕事に携わるご家族。 「これは住まい手ご家族のライフスタイルを体現したデザインなんです」。こう話すのは設計を手掛けた建築家・加藤匡毅さん(PUDDLE Inc.)。 このご夫婦の住まいには、毎日多くの友人・知人が訪れ、さまざまな話題が花開く。このため、中央のキッチンに立ったご主人と、思い思いの場所に腰を掛けたり、キッチンカウンター越しに立つ訪問客が、共に楽しいひとときを過ごせるよう、この空間はデザインされている。 またプライベートな時間にも、ご夫婦やお子さんがそのときの気分に応じて食事やお茶を楽しめるよう、大きなワンルーム空間の中にさまざまなシーンを生み出す場が設けられている。 「とてもセンスが良い」。コンテストで審査委員からこう評されたこの空間の秘密の1つはグレーの配色にある。壁面、キッチン台、天井、そして輻射熱ユニット(写真左手)にトーンの微妙に異なるグレーを配色することで梁の存在を際立たせると同時に、空間に奥行きを与えているのだ。
この大空間に架かる梁は、長手方向から見ると連なって見えるが、歩を進めると梁間の抜けが開放感をもたらす。「空間デザインにおいて、僕は体積の豊かさというものが重要だと思っています」。こう語る加藤さんのセンスが生み出した空間である。この施工を手掛けた地元の工務店は、実は住まい手の高校時代の友人。東京から移住した住まい手と、東京時代からの友人である建築家、そして故郷の同級生である施工者。この3者が東京と城崎という隔たりのある場所で協力しながらプロジェクトを進めた。スマホやPCなどで写真やメールをやりとりし、家づくりというリアルな作業を進めていく。オンラインのツールが、オフラインのスムーズな家づくりをサポートした。さて、今回はキッチンが配置された3階を中心にご紹介させていただいた。現在、こちらの住まいでは2期工事として、2階をはじめとする他部分の工事が進められており、次回はそれを含めた全貌をご紹介したい。お知らせ3月24日開催トークイベント「iPhone、iPadでつながる、幸せな家づくり」登壇者の皆さまへの質問受付中!
板張りの梁がアクセントを与える開放的な空間と端正なキッチン。この作品は、先にHouzz Japanが実施した「“キッチンで暮らす” 施工事例コンテスト」で審査員賞(金賞)を受賞したもの。
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