シンプルからインダストリアルまで。アイアン使いが効いた木の家具
無垢の木材とアイアン素材を使ったシンプルで機能的な家具が、国産家具メーカーからたくさん登場しています。日本人の暮らしにも今の気分にもぴったり合い、長く使える優秀なアイテムの数々をご覧ください。
takako kawaguchi
2016年3月16日
昨今、インテリアの一部にアイアンを取り入れ、さりげなくエッジのきいたアクセントとして楽しむ人が増えています。家具の分野では、国産の上質な無垢材とほっそりしたアイアンフレームで都会的なアイテムを作ったり、無骨なユーズド感のある足場材とエイジング加工を施した鉄のコンビネーションでインダストリアルな味わいを演出するなど、幅広いテイストの製品が続々と登場。リノベーション時に「このLDに合うテーブルを、木×アイアンで作ってほしい」というリクエストも多くあるそうで、人気の広がりをうかがわせます。
考えてみれば古来、日本の家具には、木と鉄の組み合わせが好んで使われてきました。今もアンティーク品として人気のある階段箪笥や茶箪笥の取っ手や接合部分には、意匠を凝らした鉄製金具がよく見られます。ケヤキなどの高級木材や伝統的な漆などとも相性がよく、強度面でも信頼がおけるので、自然と鉄を使うことが定着していたのでしょう。
日本人のDNAに刻み込まれているともいえる木×アイアンのコンビネーション。ここでは、室内の印象を大きく変えるダイニングテーブルやソファから、気軽に取り入れやすいシェルフ、スツールまでさまざまなアイテムをご紹介しましょう。
考えてみれば古来、日本の家具には、木と鉄の組み合わせが好んで使われてきました。今もアンティーク品として人気のある階段箪笥や茶箪笥の取っ手や接合部分には、意匠を凝らした鉄製金具がよく見られます。ケヤキなどの高級木材や伝統的な漆などとも相性がよく、強度面でも信頼がおけるので、自然と鉄を使うことが定着していたのでしょう。
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黒いアイアンのすっきりとしたラインが、空間を軽やかに見せているテーブル&チェア。モノづくりにこだわる女性のための、古材とアイアンを使った「FACT」(杉山製作所)というシリーズで、凛とした芯の強さを感じる佇まいが魅力的です。脚部に棚板(別売)を渡すと収納力のあるワークテーブルとしても。スツールはスタッキングできるデザインになっています。
車や列車の部品作りなどで培われた技術を活かし、鉄の可能性を広げる製品を生み出しているこちらの家具の洗練されたシンプルさは、「木×アイアン家具」の理想形のひとつといえるでしょう。
車や列車の部品作りなどで培われた技術を活かし、鉄の可能性を広げる製品を生み出しているこちらの家具の洗練されたシンプルさは、「木×アイアン家具」の理想形のひとつといえるでしょう。
こちらはベンチを2段重ねて作ったシェルフ。アイアン脚なので細くても強度はお墨付き、写真のように植物の他、書籍類なども気兼ねなく置いたり並べたりすることができます。すべて木で作られたシェルフは見た目にボリューム感があるものも多く、設置場所はどうしても壁際になりがちですが、こういったすっきりしたアイアン脚なら光や風の遮断が最小限に抑えられるので、窓際で小物やミニ鉢を飾る際などにもぴったりです。
写真の商品はユーズド感のある足場板を使用していますが、好みに応じて板を差し替えるだけで、まったく違う表情に。普段は2段シェルフとして、来客やガーデンパーティのときは1段ずつセパレートにしてベンチとして、2ウェイで活用できます。使わないときは板と脚をはずし、コンパクトに収納できるのも優秀。
写真の商品はユーズド感のある足場板を使用していますが、好みに応じて板を差し替えるだけで、まったく違う表情に。普段は2段シェルフとして、来客やガーデンパーティのときは1段ずつセパレートにしてベンチとして、2ウェイで活用できます。使わないときは板と脚をはずし、コンパクトに収納できるのも優秀。
柵状の縦ラインがデザインに活かされたラック。工業用の鉄筋などを家具にうまく取り入れている広島のアイアン家具ブランド、ディコトミックのアイテムは、一見冷たく感じる鉄という素材が、使うほどに表情豊かになり、価値ある一品となることを実感させてくれます。鉄も木と同様、風合いを育てる楽しみがあるのです。
こちらは、メッシュ使いを活かしたテーブル。片側サイドをメッシュ状にすることで、S字フックを使ってバッグや帽子を掛けたり、軽量の収納ケースを取り付けてステイショナリー類の定位置にしたりと機能的に使えます。無垢のスギ古材をヴィンテージブラウンのオイルワックスで仕上げた天板と、質感の相性もぴったり。
こっくりとした色と質感のウォールナット材と黒い鉄脚のコンビネーションが大人っぽい、リビング用ローテーブル。無駄をそぎ落としたミニマルなシルエットは、今どきのモダンな和室に置くのにもぴったり。札幌発、無垢材を使った良質なオーダー家具を作り続けているKANTO-furniture&craft のもの。
オーク材をベースに、鉄をシャープなライン使いで効かせたソファの事例。ヴィジュアル的にもしっかりと重厚感のあるハイセンスなソファです。作ったのは、無垢の木や天然素材としての鉄などを活用してオーダー家具製作をしているアンプインテリアデザイン。手前のオットマンは、クッションを取り外すとアイアンで枠取られた木製ローテーブルに早変わり。
ローテーブルではこんな素敵なデザインも。鉄製の車輪がなんともレトロで味わいがあります。お気に入りの雑貨や花などのディスプレイも存分に楽しめそうですね。
エントランスに花や鉢を飾るために設けた花台。こちらのお宅では、和風のミニ鉢とアジアンテイストのオブジェや小物を並べて飾っていますが、雰囲気も好相性です。花台は、アイアン家具の他、アイアンサインや小物作りも手掛けるSWELD design のアイテム。
料理中の補助テーブルに、リビングでサイドテーブル代わりにも、と日々活躍するキャスターつきワゴン。スギ古材と、クリア粉体塗装を施したアイアンフレームのコンビで、冒頭でご紹介した杉山製作所の「FACT」シリーズのもの。同シリーズで展開している高さ85センチのワークテーブルと高さを合わせてあり、揃えて使えば機能的でおしゃれなスペースづくりができそう。
アイアンは曲げる、捻る、伸ばすなどの加工が比較的しやすい素材でもあるので、門扉などのエクステリアや手摺、インテリア小物などのデコラティブなデザインにもよく使われます。形はデコラティブでも、素材自体が持つクールな印象がうまく働き、甘くなりすぎずに見せられるのも鉄の魅力のひとつです。
体にも心にも優しい、無垢材を中心とした家具作りをしている3rd の新作ベンチ。お客様に鉄脚ベンチを依頼されたことがきっかけとなり、得意とする木の温もりをさらに深く味わえるデザインを追求。表面の鉄部分には鋲をあしらい、ちょっぴりハードな印象を添えています。
家具ではなく建具ですが、鋲使いといえば、こちらの玄関扉も特徴的です。ナラの扉材に南部鉄製のハンドルを合わせ、さらに上部と下部に同系色の鋲を打つことで“男前”な表情に。松本で、長く使い続けられる無垢材のオリジナル家具などを製作しているBELKAの作。
ステップ台としても使えるスツールは、小さくても強度に信頼がおけるアイアン脚製を選ぶと安心感が。肌が直接触れる座面やステップ部分は木製なので、座り心地もよさそうですね。室内やベランダで鉢台として使っても。
このハイスツールは西宮市にアトリエとショップを持つ家具ブランド Mark manna furniture service が製作。カウンターで使うのにぴったりな高さ(65センチ)で、スタッキングして並べてある様子は、まるでおしゃれなカフェのような雰囲気。
微笑ましい姿に心癒されるロッキングスツール。前身は銘木屋だったという樹輪舎 京都が手掛けたもので、優しい揺れ加減で自然と姿勢が安定し、疲れにくいのだとか。シンプルな素材の木と鉄をデザイン性高く、かつ機能的に昇華させた一品です。
まだまだこの他にも、木×アイアンのバランスが魅力的な家具は日本中でたくさん作られています。インテリアのベースとして、またはアクセントとして、風合いの変化を楽しみながら、木×アイアンの家具を長く愛用していただけたら、と思います。
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性質の違いをお互いにリカバリーし合いながら長く使用出来る家具としては良いんじゃないでしょうか・・・
私的にはアイアンでは無く同じ正反対であれば木とステンレスと言う古の素材と現代の素材を組み合わせたコンテンポラリィーな雰囲気に仕上げる方が好きですね!
コンセプションでもよくアイアン素材は活用します。オリジナルデザインもいいですが既成品の組み合わせでもそれなりにオリジナルティが出せて費用対効果は上がります。
インダストリアルデザインに似合う無骨な表情やコンテンポラィーナチュラルな品のある表情を醸し出したり、エンジング塗装をかけシャビーな空間を演出したりしています。