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リビング空間のインテリアテイストに合わせたソファの選び方
配置の仕方、色選びとお送りしてきたソファコーナーのつくり方。完結編は、好きなインテリアスタイルや、今暮らしているリビングのインテリアテイストに合わせた、ソファ選びのアドバイスです。
Yoko Ogino
2016年3月28日
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン。英国のインテリアスタイルの中でも特にイングリッシュカントリーに共感し現在は緑豊かな鎌倉山でスローなライフスタイルを提案しています。
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン... もっと見る
リビング空間におけるソファのお話も今回で3回目です。初回はベストなソファの配置、前回はソファまわりの色選びというテーマでお伝えしました。最終回の今回は、インテリアテイストによってどのような形や素材のソファがおすすめなのかについてお話ししたいと思います。全体の雰囲気にとけこむソファ、スパイスとなるソファなど、人気のあるインテリアスタイルのいくつかを例にしながら考えてみましょう。
コンテンポラリーでクールな印象をつくるには
こちらのリビングでは、低くてかっちりしたフォルムの白いソファを選び、スタイリッシュでコンテンポラリーな印象にまとめています。窓まわりのシャープな黒、それを際立てる白いソファ。黒を抑えめにした配分で明るかつくクールな、理想的なバランスに仕上がっています。
こちらのリビングでは、低くてかっちりしたフォルムの白いソファを選び、スタイリッシュでコンテンポラリーな印象にまとめています。窓まわりのシャープな黒、それを際立てる白いソファ。黒を抑えめにした配分で明るかつくクールな、理想的なバランスに仕上がっています。
低めで直線的なデザイン、色もダークめのものを選べば、さらに重心が低く見えます。このリビングのソファも、主張の少ないニュートラルな色で低めのもの。天井の高さや空間の広がりが強調され、全体的にすっきりクールに収まります。
窓に対するソファのサイズ感も大切です。床から天井までの背の高い掃き出し窓前に配置するソファもやはり、低めをおすすめします。天井の高さがいっそう強調され、空間が広く見えるからです。ソファ自体のデザインは少しトラッドにして、カーテンと同色のものを選び、窓まわりの風景と一体感を持たせています。
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トラディショナル&カントリースタイルにしたいなら
柄物のファブリックソファはトラディショナルなイメージ。こちらでは、壁の色と同系色の花柄のソファがカーテンとともに、リビングの印象を品よくかっちりとまとめています。大きな花柄は、色によってはカントリーテイストになりますが、このようにシックなトーンを選ぶと、優しくソフトなトラッドテイストに仕上がります。
柄物のファブリックソファはトラディショナルなイメージ。こちらでは、壁の色と同系色の花柄のソファがカーテンとともに、リビングの印象を品よくかっちりとまとめています。大きな花柄は、色によってはカントリーテイストになりますが、このようにシックなトーンを選ぶと、優しくソフトなトラッドテイストに仕上がります。
天井の低いこのようなコテージには、やはりカントリースタイルがぴったりですね。チェックのファブリックがあたたかな雰囲気づくりに一役買っています。部屋の面積の割にソファが大きめですが、全体に淡く優しいトーンでまとめ、カーペットも同色なので気にならず、コージーな雰囲気が出ています。
コテージ風やカントリースタイルでも、少しかっちり重厚にしたいときは、レザーのソファをポイントにするのはいかがでしょうか。こちらは上の写真とと同じ家ですが、革張りの1人掛けソファのおかげで、ずっとトラディショナルなイメージになりました。
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モダンテイストのリビングには
スタイリッシュなミッドセンチュリーモダンスタイルも人気があります。写真のような木製フレームつきのソファは、このスタイル特有の細身の脚つき家具などと一緒に、モダンテイストのリビングをつくり上げてくれます。
木製フレームつきのソファを選ぶとき、マット部分のファブリックの色の選択でイメージがだいぶ変わります。明るく鮮やかな色ならポップな雰囲気に、トーンダウンした無彩色に近い色を選ぶとシックなイメージに。同じ形の家具でもまた異なって見えるのがおもしろいところです。
このタイプのソファは、ひじ掛けの木のカーブが腕に優しく、座り心地も抜群なものが多いです。スタイルのある木のぬくもりがミッドセンチュリーモダンの特徴ですね。
スタイリッシュなミッドセンチュリーモダンスタイルも人気があります。写真のような木製フレームつきのソファは、このスタイル特有の細身の脚つき家具などと一緒に、モダンテイストのリビングをつくり上げてくれます。
木製フレームつきのソファを選ぶとき、マット部分のファブリックの色の選択でイメージがだいぶ変わります。明るく鮮やかな色ならポップな雰囲気に、トーンダウンした無彩色に近い色を選ぶとシックなイメージに。同じ形の家具でもまた異なって見えるのがおもしろいところです。
このタイプのソファは、ひじ掛けの木のカーブが腕に優しく、座り心地も抜群なものが多いです。スタイルのある木のぬくもりがミッドセンチュリーモダンの特徴ですね。
トラディショナルスタイルの項でも紹介したレザーソファですが、シンプルなデザインなら、モダンなコンクリートの壁のリビングとの相性も抜群です。かっちりとした辛口の味わいを加えたいときや、クールなインテリアに仕上げたいとき、レザーはおすすめの素材のひとつです。
木製フレームつきのソファは、和テイストのリビングにもよく合います。写真のような和室とつながる無垢材のフローリングの部屋では、いかにも洋風なデザインのソファでは少々違和感がありますが、こんなミッドセンチュリーテイストの木製フレームのソファならしっくりとけこみます。
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ミッドセンチュリーモダンデザインに見る、日本の「わび・さび」の美
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北欧スタイルを愛する人には
北欧スタイルでは、明るい色の無垢材の床と家具がお揃いになっているシーンをよく見かけます。白や明るい木の色中心の空間づくりは、日照の乏しい北欧の家の暮らしの知恵から生まれたのでしょう。このように明るい印象のリビング空間に、白のソファはベストな選択です。すっきりしたフォルムが特徴のスカンジナビアンテイストの家具は、細身の脚の木部が明るい色なので、明快で透明感のある仕上がりになります。
北欧スタイルでは、明るい色の無垢材の床と家具がお揃いになっているシーンをよく見かけます。白や明るい木の色中心の空間づくりは、日照の乏しい北欧の家の暮らしの知恵から生まれたのでしょう。このように明るい印象のリビング空間に、白のソファはベストな選択です。すっきりしたフォルムが特徴のスカンジナビアンテイストの家具は、細身の脚の木部が明るい色なので、明快で透明感のある仕上がりになります。
こちらの北欧のリビングでは、同じく明るい白い空間のなかで、ソファの色にグレーを選んでいます。落ち着いたトーンのソファが大人っぽく仕上げています。スカンジナビアンスタイルでは、メインの大きなソファにはあまり主張をさせずに、どちらかというと控えめにインテリアにとけこませていることが多く、そこにポイントとなるデザインのチェアや1人掛けソファをプラスしているシーンをよく見かけます。
北欧スタイルについての記事を読む:
スカンジナビアの実例に学ぶ、北欧スタイルのインテリアの極意
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白い部屋に白いソファ。明るく清潔感のあるリビングの基本スタイルです。白のソファは万能と何度か述べましたが、リビングのインテリアスタイルを決めかねてソファ選びを迷っているときは白い布張りのものをおすすめします。真っ白の気持ちよさを楽しんだ後で、ブランケットやクッションの素材や色で、新たなバリエーションも楽しめるからです。また、上からすっぽり他の布を掛けてしまえば、新しいソファに変身します。白という色はニュートラルで変化をつけやすいので、インテリアのイメージを少し変えてもしっかり受け止めてくれます。
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白いソファのインテリア効果
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エクレクティックスタイルに挑戦したいなら
一見バラバラに見えるモノたちが色や形でつながり、居心地よい空間をつくるのがエクレクティックスタイルです。こちらの大きな白いチェスターフィールドソファは、壁面のポスターのフレームとはテイストが異なり、これだけを合わせるとやや違和感があります。そこで、色もデザインも壁のポスターと相性がよい、ミッドセンチュリーのオレンジ色のソファを加え、クッションやラグにも色を繰り返します。このように、雰囲気の合う色みとスタイルのモノでつなげると、タイプの違う2つのソファがある空間もバランスよくまとまり、すっきり見えてきます。
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もっと知りたい、タイムレスデザインの椅子2:チェスターフィールドソファ
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さまざまな要素が共存するエクレクティックスタイルのリビングには、やはり万能の白いソファがおすすめです。このように一見ごちゃごちゃとジャンクに見える空間に抜けをつくり、周囲の雰囲気にとけこみます。
コンパクトスペースに、色も柄もにぎやかにまとめたソファコーナー。狭いリビングに置く場合、思い切ってこんなふうにコの字型に配置してみてはいかがでしょうか。狭いことを逆手にとって強調し、にぎやかでアットホームな雰囲気の空間にしてしまうのです。
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あなたのインテリアスタイルは?:エクレクティック
エクレクティックスタイルに合う、タイムレスデザインの椅子6選
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いかがでしたか? これまで見ていただいたように、狭いリビングでも和テイストのリビングでも、似合うソファは必ずあります。部屋の大きさ、間取り、イメージ、用途を考えて、ベストの形、色、素材、置き方、アレンジの仕方を決めてください。
配置、色選び、インテリアテイストと3つの切り口でお伝えしてきた記事を、みなさんのソファコーナーづくりの参考にしていただければ幸いです。
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