リビング空間に合わせた、ソファまわりの色選びを考える
リビングの壁やカーテン、窓からの景色など、まわりの要素との関係性を意識した、ソファの色選びとソファコーナーの配色について考えてみました。
Yoko Ogino
2016年2月25日
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン。英国のインテリアスタイルの中でも特にイングリッシュカントリーに共感し現在は緑豊かな鎌倉山でスローなライフスタイルを提案しています。
インテリアショップオーナー。建築士の資格を持ち住宅及び庭のプラン、デザインまで手掛る。英国での生活体験から奥行のある文化や暮らしに感銘を受け帰国後イギリスのライフスタイルを提案するショップをオープン... もっと見る
前回の記事「リビング空間に合わせた、ベストなソファの配置を考える」では、ソファの配置についてお話ししました。今回は、ソファまわりの色の使い方が、リビングのインテリアの大切なエレメントになることをテーマにお伝えします。
リビングの中でも大きな存在であるソファは、空間のイメージを損なわないような色を選ぶことも大切ですが、ファブリックでカバーをしたり、ラグやクッションなど小物で手軽に変化をつけることもでき、そのバリエーションによって多彩な表情を演出できます。ソファがいちばん大切な家具と思っている人々の住まいは、リビングでのソファまわりの色づかいが絶妙に上手。たくさんのお手本を参考にして、さっそく実践してみませんか?
リビングの中でも大きな存在であるソファは、空間のイメージを損なわないような色を選ぶことも大切ですが、ファブリックでカバーをしたり、ラグやクッションなど小物で手軽に変化をつけることもでき、そのバリエーションによって多彩な表情を演出できます。ソファがいちばん大切な家具と思っている人々の住まいは、リビングでのソファまわりの色づかいが絶妙に上手。たくさんのお手本を参考にして、さっそく実践してみませんか?
ソファの色を「溶け込ませる」
部屋の中に占める面積が大きいソファを配置するとき、まず考えたいのは色です。こちらはグレーの壁にグレーのソファを置いて、背景になじませたリビング。周囲の色と同化する色を選ぶと、空間が広々と見えます。お昼寝用のカウチにも変身しそうなタイプのソファですが、大きいわりにほかの家具と同様、低めに揃えているので圧迫感がありません。全体をシックなトーンでまとめ、コンテンポラリースタイルに仕上げています。
部屋の中に占める面積が大きいソファを配置するとき、まず考えたいのは色です。こちらはグレーの壁にグレーのソファを置いて、背景になじませたリビング。周囲の色と同化する色を選ぶと、空間が広々と見えます。お昼寝用のカウチにも変身しそうなタイプのソファですが、大きいわりにほかの家具と同様、低めに揃えているので圧迫感がありません。全体をシックなトーンでまとめ、コンテンポラリースタイルに仕上げています。
両サイドの窓から樹木の緑がまぶしいリビングルーム。こちらも背景に「溶け込ませる」考え方で、森の中にいるような景色に合わせ、景観に同化するダークブルーのソファを置いています。広い廊下のような空間は森の中を流れる川のようにも見え、低めに抑えたソファにより、広々とした印象の静かな空間ができ上がっています。
今年流行の、グレーとマスタード色の組み合わせが印象的なリビング。ここでもソファは壁色と同じグレーであることに注目してください。もしソファがマスタード色だったら、全体の印象はもっとカジュアルなイメージに変わり、これほどシックにならなかったでしょう。加えて、手前の鮮やかなピンクのテーブルがあることで、ダークな色を基調としつつも、華やかでクールなエクレクティックスタイルに仕上がりました。
ベージュのソファの写真を見る
茶色のソファの写真を見る
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ソファの色を「際立たせる」
逆にソファの色を目立たせたいときは、背景の壁やまわりの要素とコントラストのある色を選んでみましょう。白い壁を背景に、濃いパープルのソファでコントラストを。さらにクッションやラグの色にも正反対の色(補色)を使うと、お互いが引き立て合い、ソファが際立つシーンになります。ラグやクッションは、ソファまわりの手軽な演出役として、さまざまなイメージをつくるのに活躍します。
逆にソファの色を目立たせたいときは、背景の壁やまわりの要素とコントラストのある色を選んでみましょう。白い壁を背景に、濃いパープルのソファでコントラストを。さらにクッションやラグの色にも正反対の色(補色)を使うと、お互いが引き立て合い、ソファが際立つシーンになります。ラグやクッションは、ソファまわりの手軽な演出役として、さまざまなイメージをつくるのに活躍します。
このシーンでは、ブルーと白がメインのインテリアの中で、黄色の一人掛けソファがひときわ目を惹いています。基調色の決まったインテリアで、補色や反対色のソファを選ぶことも、ソファを際立たせる方法のひとつ。色みや明るさで、コントラストをつけることがポイントです。
はっきりした色合わせ
ここで、少し引いた目線で全体の色合わせにも目を配ってみましょう。リビングの中央に置かれたブルーのソファは、カーテンやドアともリンクし、この部屋のイメージカラーの役目を果たしています。木の質感を生かしたラスティックな雰囲気のインテリアに、大きめのソファはともすれば重く見えがちですが、さし色の赤のオットマンを加えることで、ブルーとのコントラストが全体にすっきりとしたポイントとして効果を与えています。
赤のソファの写真を見る
青のソファの写真を見る
黒のソファの写真を見る
ここで、少し引いた目線で全体の色合わせにも目を配ってみましょう。リビングの中央に置かれたブルーのソファは、カーテンやドアともリンクし、この部屋のイメージカラーの役目を果たしています。木の質感を生かしたラスティックな雰囲気のインテリアに、大きめのソファはともすれば重く見えがちですが、さし色の赤のオットマンを加えることで、ブルーとのコントラストが全体にすっきりとしたポイントとして効果を与えています。
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やわらかい色合わせ
サイズが同じ一人掛けソファをそれぞれ異なる色で組み合わせてコーナーをつくり、マルチカラーのソファになっている珍しいシーン。同じような淡いトーンなので違和感がなく、ソファ自体がお部屋のやさしいフォーカルポイントにになっています。同色でなじませたクッションも活躍していますね。
サイズが同じ一人掛けソファをそれぞれ異なる色で組み合わせてコーナーをつくり、マルチカラーのソファになっている珍しいシーン。同じような淡いトーンなので違和感がなく、ソファ自体がお部屋のやさしいフォーカルポイントにになっています。同色でなじませたクッションも活躍していますね。
カーテンとお揃いにする
こちらでは、カーテンとソファが優しいプリント柄の同じファブリックです。贅沢だけれど、空間のイメージが統一されるので、とても気に入った柄が見つかったら思い切ってお揃いにしてみるのもいいでしょう。この場合のコーディネートのコツは、柄の中に含まれている1、2色を選び、その色の無地でクッションやブランケットのような小道具をアクセントに加えることです。色につながりができ、部屋が引き締まること請け合いです。
こちらでは、カーテンとソファが優しいプリント柄の同じファブリックです。贅沢だけれど、空間のイメージが統一されるので、とても気に入った柄が見つかったら思い切ってお揃いにしてみるのもいいでしょう。この場合のコーディネートのコツは、柄の中に含まれている1、2色を選び、その色の無地でクッションやブランケットのような小道具をアクセントに加えることです。色につながりができ、部屋が引き締まること請け合いです。
カーテンの1色とリンクさせる
カーテンとお揃いのソファにする場合、大きなプリント柄どうしでまとめると、にぎやかすぎて空間が落ち着かなくなります。でも同柄でも、上の例のように柄に使われている色のソファやオットマンを組み合わせてつながりを持たせたり、柄の色のトーンを変えたりすることで、全体がバランスよくおさまるようになります。
カーテンとお揃いのソファにする場合、大きなプリント柄どうしでまとめると、にぎやかすぎて空間が落ち着かなくなります。でも同柄でも、上の例のように柄に使われている色のソファやオットマンを組み合わせてつながりを持たせたり、柄の色のトーンを変えたりすることで、全体がバランスよくおさまるようになります。
壁紙とお揃いにする
ファブリックメーカーでは、同じ柄の壁紙をつくっていることもよくあります。こちらも贅沢な例ですが、ブルーと白のインテリアを強調するため、一人掛けソファのファブリックと壁紙の柄を合わせています。でももし壁紙を壁面の半分まで貼っていたら、ソファはこれほどエレガントに目立たなかったでしょう。壁紙は上の方にだけ使って、白い壁の背景にソファがくるように色の配分に注意しています。対照的なデザインの木のベンチを合わせているのも、バランス配分に一役買っています。
ファブリックメーカーでは、同じ柄の壁紙をつくっていることもよくあります。こちらも贅沢な例ですが、ブルーと白のインテリアを強調するため、一人掛けソファのファブリックと壁紙の柄を合わせています。でももし壁紙を壁面の半分まで貼っていたら、ソファはこれほどエレガントに目立たなかったでしょう。壁紙は上の方にだけ使って、白い壁の背景にソファがくるように色の配分に注意しています。対照的なデザインの木のベンチを合わせているのも、バランス配分に一役買っています。
白いソファは万能
白いソファは、他のどの色のソファよりも多彩な活躍をします。たとえば写真のようなシャビーシックなインテリアでは、白はソフトな優しい色として機能し、ミニマルスタイルのシンプルな空間では、白はクールに映ります。このように、インテリアテイストに合わせて、白は多様な顔を見せてくれます。また部屋のサイズにも敏感に反応し、狭い部屋でも白のソファなら、空間に圧迫感なく溶け込ませることができます。汚れることが気になるようなら、すぐに洗えるようにカバーリングタイプにし、洗い替えを用意しておけば、かえって清潔に保てます。
白いソファは、他のどの色のソファよりも多彩な活躍をします。たとえば写真のようなシャビーシックなインテリアでは、白はソフトな優しい色として機能し、ミニマルスタイルのシンプルな空間では、白はクールに映ります。このように、インテリアテイストに合わせて、白は多様な顔を見せてくれます。また部屋のサイズにも敏感に反応し、狭い部屋でも白のソファなら、空間に圧迫感なく溶け込ませることができます。汚れることが気になるようなら、すぐに洗えるようにカバーリングタイプにし、洗い替えを用意しておけば、かえって清潔に保てます。
こちらの、海辺に面した開放的なリビングのテーマカラーは、ブルー&ホワイト。さし色のブルーが海の色に映えています。このように素晴らしい外の景色から発想してインテリアの色を決めるなんて素敵ですね。白いソファはパリッとした質感のコットン素材のカバーなら、洗いやすく汚れも気になりませんし、全体のさわやかなイメージにも合います。
窓外の景色をリビングに取り込むとき、家具の色をアースカラーで決めると、一体感が出て、より自然と融合した印象のインテリアに仕上がります。ここでは白いソファが屋外の白樺の木の色とリンクし、内外の広い空間を軽やかにつなぐ役割を担っています。
白いソファの写真をもっと見る
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アウトドアリビングにもソファを
最後に、室内だけではないソファの活躍シーンを。こちらのルーフトップテラスのアウトドアリビングでは、ウッドベンチの上にウレタンマットとクッションを置いて、ソファスペースをつくっています。折りたたみ式の椅子とクッションの色と柄を合わせているのも心憎い演出。外で過ごす開放的な時間だからこそ、ゆったり過ごせる場所があるのはうれしいですね。
日々の暮らしの中でゆったりくつろぐ時間を、もっとソファとともに過ごしましょう。ソファの置き方やソファコーナーの色づかいを考えながら、目線を変えて今のお部屋を見てみることで、インテリアに新たな気づきができるかもしれません。
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この中では「はっきりした色合わせ」が好きなコーディネートです。
全体を見つつ、個々をリンクさせるという事はおもしろいなと感じたので、ぜひ実践させてもらいます。