Houzzツアー:曲線と直線の対比を活かした、木立を望む2世帯住宅
「お互いのプライベートを確保し隣り合う調和のある家」というリクエストにこたえ、2世帯の個性を直線と曲線で表現。敷地の先にある水辺と木立を望む、優雅な住宅に仕上がりました。
Yukako Kondo
2015年12月22日
道路側に面した外観からは想像もつかない奥行のある建物と森に隣接した広々とした庭のあるO邸。アーネストアーキテクツの設計者・土田清さんはOさんの「外からは大きな建物であるとわからないようにしてほしい」「2世帯住宅でありながらお互いのプライベートを確保し隣り合う調和のある家」というリクエストをかなえるべく、平屋を希望した親世代は庭に面した道路側に配置し、子世帯との間に道路からの目隠しも兼ねてどちらのテイストにも合うタイルが貼られた大壁を設置、その壁の奥には2階建ての子世帯の住空間をつくった。
平屋の親世帯は「直線」をつかった空間に、2階建ての子世帯は「曲線」を多用した造りを採用、親世帯のインテリアはぬくもりを感じられる木を使い、対して子世帯は金属やガラス、コンクリートを使用。それらの対比を広々とした庭で結ぶことにより、調和のある家を作り上げた。
平屋の親世帯は「直線」をつかった空間に、2階建ての子世帯は「曲線」を多用した造りを採用、親世帯のインテリアはぬくもりを感じられる木を使い、対して子世帯は金属やガラス、コンクリートを使用。それらの対比を広々とした庭で結ぶことにより、調和のある家を作り上げた。
どんなHouzz?
居住形態:二世帯住宅
居住者:親世帯の夫婦と子世帯の夫婦+子供2人
所在地:静岡県
設計:アーネストアーキテクツ
延床面積:503.33平方メートル
敷地面積:1531.83平方メートル
子世代のエントランスをはいってすぐに目に入る光景。エントランスホールではまっすぐに伸びる存在感のあるストリップ階段と同時に庭が望める。使用されている金属、ガラス、コンクリートなどの無機質な素材と見える庭の緑の対比が美しい。
居住形態:二世帯住宅
居住者:親世帯の夫婦と子世帯の夫婦+子供2人
所在地:静岡県
設計:アーネストアーキテクツ
延床面積:503.33平方メートル
敷地面積:1531.83平方メートル
子世代のエントランスをはいってすぐに目に入る光景。エントランスホールではまっすぐに伸びる存在感のあるストリップ階段と同時に庭が望める。使用されている金属、ガラス、コンクリートなどの無機質な素材と見える庭の緑の対比が美しい。
フォーマルリビングは2階までの6mの吹き抜けになっており、天井までの大空間に加え、一面のガラスから見える庭がさらに広さを感じさせてくれる。吹き抜けの天井にはシックな柄のクロスが採用されており、床の光沢仕上げのタイルとの対比を楽しみつつも、色調が同じで程よく空間に溶け込んでいる。
クロス:〈シンコール〉BB1884
タイル:〈アベルコ〉マーブリアンMBA60015
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タイル:〈アベルコ〉マーブリアンMBA60015
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キッチン・ダイニングもやはり庭を望むことができる。赤を基調にした細かいモザイクタイルが張られたカウンターやバックパネルと庭の緑は色の対比効果により、お互いが映え、空間にアクセントを添える。
エントランスホールのストリップ階段を上がるとファミリールームがあり、今度は2階からの大パノラマが目に飛び込む。広大な庭の奥は森と湖へつながるため、人目を気にすることなく縦横に広がる風景を楽しめる。また庭を望む窓枠にはテレビがかかっていて、テレビやゲーム、DVDなどの配線はすべて窓枠を通じて奥に見えるキャビネットに収納された本体につながっているため、コードレスですっきり美しい空間になっている。
タイル:〈聖和セラミックス〉ビサッツァ
タイル:〈聖和セラミックス〉ビサッツァ
2階はプライベートエリアの中にあるバスルーム。こちらもモザイクタイルを使用しており、広々とした空間と落ち着いた色調でゆっくりバスタイムを楽しむことができる。
タイル:〈アドヴァン〉ウィンターMS-W1
バスタブ:〈TOTO〉スーパーエクセレントバス
床:〈INAX〉サーモタイル
タイル:〈アドヴァン〉ウィンターMS-W1
バスタブ:〈TOTO〉スーパーエクセレントバス
床:〈INAX〉サーモタイル
2層吹き抜けを採用したシアタールーム。プロ並みのメディア知識をもつOさんが個人宅レベルを超えた本格的な映像機器機材を導入。スクリーンにはカーテンが備えられており、映画が始まるとともに開く仕組み。ゆったり見ることのできるソファの上段へのアクセス部分には暗転した場合を考慮し、ステップライトがはめ込まれている。この完璧な仕様の部屋で家族はこの上ない楽しい時間を満喫することができる。
シアタールームのバックヤードは映写室となっており、高透過ガラスで仕切られたプロジェクターや業務用アンプ等の機材とともに相当数の映像ソフトが置かれている。
シアタールームのバックヤード上部にあるゲームルーム。これはOさんが趣味で集めていたゲーム機をあわせて設置したもので、レトロゲーム基盤から最新PCゲームにいたるまでの貴重なコレクションの数々が並んでいる。
子世帯を庭からみた光景。
曲線の建物の外観がよくわかる。曲線を利用し建物を作ることで、それぞれの部屋から庭が一望できるパノラマ空間が実現された。シンプルで無機質な材質を使ったインテリアと緑あふれるエクステリアの様々な美しいコントラストが生まれている。
曲線の建物の外観がよくわかる。曲線を利用し建物を作ることで、それぞれの部屋から庭が一望できるパノラマ空間が実現された。シンプルで無機質な材質を使ったインテリアと緑あふれるエクステリアの様々な美しいコントラストが生まれている。
親世帯のリビングからの庭を眺めた光景。子世帯と対比して親世帯は直線を多用しており、リビングにつながるウッドデッキも直線を意識して設置されている。親世帯の希望である木をふんだんに使うことで、ぬくもりのある柔らかいテイストに仕上がった。
建物全貌。2世帯を分ける壁の右側が平屋の親世帯。大壁は分断するのではなく、心地よく共存するためにある。だからお互いのテイストに合う設えにし、楽に行き来ができる一方で、干渉しすぎないという思いやりをもつ壁だ。右側の親世帯は2人暮らしに適した広さで、というリクエストを踏まえ、ご夫婦が心地よく暮らせる場所に。左側の子世帯は曲線を使用した構造を利用して内と外をつなげ大空間に仕上げている。
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曲線と言う流れがファサードでは斬新の様ですが~実質、居室内部では不都合も有るかと思いますね・・・
追加の補足です。居室内での不都合も・・・と書きましたが、それも取り込んでの居心地の良い住まいが一体となり融合しながら住宅と言う秀逸な環境を作り出しておりますよね~